労働基準監督官が交付する是正勧告書と指導票

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2022/01/26|1,550文字

 

労基署の再監督https://youtu.be/aI9FLfYKlVQ

 

<是正勧告書と指導票>

労働基準監督署が立入調査(臨検監督)に入り問題点が見つかると、その事業場に「是正勧告書」や「指導票」という書類を交付します。

「是正勧告書」は、労働基準法、労働安全衛生法、最低賃金法などの罰則に触れていると思われる事実が見つかったときに、その是正と報告を求める文書です。

「指導票」は、罰則には触れないと思われるものの、厚生労働省のガイドラインに沿っていないなど問題となる事実が見つかると、その改善と報告を求める文書です。

立入調査終了後に、その場で作成・交付されることが多いのですが、複雑な事案に関するものは、後日、交付されることもあります。

 

<是正勧告書の性質>

是正勧告は行政指導ですから、不服申立のようなことはできません。

本来であれば、是正勧告書を交付せず、いきなり逮捕・書類送検も可能なのです。

しかし、労働法の罰則に触れることが犯罪ではあっても、刑法犯とは異なり認知度が低いためにワンクッション置いて、是正の機会を与えているものと考えられます。

 

<是正勧告書への対応>

是正勧告書で指摘を受けた事実は、違法なものですから、基本的には直ちに是正しなければなりません。

是正報告書を交付されたなら、違法な部分を是正し、是正の内容を端的にまとめた「是正報告書」を作成します。

提出先は、立入調査を担当した労働基準監督官です。

是正勧告書には、提出期限が書かれています。

どうしても間に合いそうにない場合は、労働基準監督官に相談しましょう。

期限を過ぎてしまうと、督促状が届いてあたふたします。

督促状に示された提出期限を過ぎてしまうと、労働基準監督官の心証を害してしまいます。

また、是正勧告書に誤りが無いとは言い切れません。

立入検査に社会保険労務士などの専門家が立ち会わなかった場合には、会社側の説明が不適格であったために、労働基準監督官が勘違いすることもあります。

これについても、労働基準監督官に相談することをお勧めします。

 

<指導票の性質>

指導はまさに行政指導なのですが、是正勧告書で指摘された事項と異なり、指導票で指摘された事項は違法というわけではなく、直ちに是正が求められるという内容ではありません。

無理の無い範囲で是正し、時間を要する項目については、改善計画を提出することになります。

 

<指導票への対応>

指導票で指摘を受けた事実は、違法ではないものの改善を求められたわけですから、放置せず段階的に改善していかなければなりません。

指導票を交付されたなら、指摘された事項を改善し、あるいは改善計画を立て、その内容を端的にまとめた「改善報告書」を作成します。

指導票に示された事項には、直ちに改善するのが難しいものが含まれていることが多いものです。

具体的な計画を立て、確実にこなしていく道筋を示すことができれば、これを「改善報告書」にまとめ、立入調査を担当した労働基準監督官に提出することで、一応の決着を見ることになります。

この点、違法性を指摘された是正勧告書については、すべての事項について是正が完了しなければ、解放してもらえないのとは異なります。

 

<解決社労士の視点から>

店舗などが労働基準監督署の立入検査を受け、「是正勧告書」を受け取ったのに、これを恥として本部に報告せず、また「勧告に過ぎないから」という判断で放置するということもあります。

さらに督促状が届いても放置し、再度「是正勧告書」が交付されて、これもまた放置ということになると、さすがに逮捕・書類送検が行われても不思議ではありません。

こうしたことを想定して、各事業場の責任者や代行者には、労働基準監督署や年金事務所などの調査が予告・実施された場合には、会社への速やかな報告が必須である旨、きちんと説明しておく必要があるでしょう。

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