労災防止も転ばぬ先の杖

2021/10/07|883文字

 

<転倒予防の日>

10月10日は、日本転倒予防学会が制定する転倒予防の日です。

「テン、とお」の語呂合わせです。

職場での転倒災害は、休業4日以上のものに限っても、令和2(2020)年に30,929件と労働災害で最も多く、さらに増加傾向にあります。

転倒災害は、その約6割が休業1か月以上と重症化するものも多く、特に50代以上の女性で多く発生しています。

転倒予防は、政府の目指す女性や高齢者の活躍できる社会の実現のためにも、大変重要な課題です。

具体的な予防策としては、次のようなものが有効です。

 

<整理・整頓・清掃・清潔>

いわゆる4Sです。

事故の発生しやすい通路、階段、出口に物を放置せず、定位置管理を徹底します。

また、床の水たまりや氷、油、粉類などは放置せず、その都度取り除きます。

定期的な清掃も大事ですが、転倒を予防するには「その都度」の清掃が必要です。

 

<危険の見える化>

ヒヤリハット活動により、転倒しやすい場所の危険マップを作成し、周知すると効果的です。

また、段差のある箇所や滑りやすい場所など、転倒事故が発生しやすい箇所に注意を促す標識を付けましょう。

十分に大きな文字と図を併用すると効果的です。

 

<設備の改善>

通路や階段を安全に移動できるように十分な明るさ(照度)を確保します。

節電の観点からも、一般の電球や蛍光管よりもLEDライトがお勧めです。

職場環境の改善等のために、エイジフレンドリー補助金も活用できます。

 

<転倒・腰痛予防体操>

これはかなり効果的であることが知られており、労働基準監督署が労災関係の監督に入ると推奨することが多いと思います。

ストレッチや転倒予防のための運動を朝礼の内容に取り入れるなど、無理無く習慣化することが大事です。

 

<転倒予防教育>

ポケットに手を入れたまま歩かない、滑りにくくちょうど良いサイズの靴を履くなど、基本的なことほど効果があります。

また、転倒・腰痛予防体操は職場だけでなく、休日等に自宅で行うことも必要ですから、こうした指導も行いましょう。

YouTubeで、転倒・腰痛の予防に役立つ「いきいき健康体操」も公開されています。

 

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