令和3年7月の給料日

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2021/06/29|1,385文字

 

<祝日の移動>

令和3(2021)年のカレンダーの大半は、前年の11月に作成され祝日が誤ったまま出荷されています。

祝日の変更が、令和2(2020)年11月27日の臨時国会で決定され、令和3(2021)年に限り、海の日が東京五輪の開会式前日に当たる7月22日に、スポーツの日が開会式当日の7月23日に、山の日が閉会式当日の8月8日に移動したためです。

この影響で、8月9日が振替休日となり、例年の海の日(7月第3月曜日)、スポーツの日(10月第2月曜日)、山の日(8月11日)が平日になりました。

祝日移動の目的は、新型コロナウイルス感染拡大を踏まえ、東京五輪開催に伴う交通混雑の緩和にあります。

 

<給与支給日への影響>

たとえば、令和3(2021)年7月20日は火曜日ですが、木曜日の22日が海の日、金曜日の23日がスポーツの日ですから、22日から25日までが連休です。

毎月20日締切、当月25日支払としている企業で、就業規則が「支払日が休日に当たる場合は、その前日に繰り上げて支払う」と規定していれば、給与支給日は締日の翌日の7月21日ということになります。

 

<労働基準法の規制>

賃金は毎月一定の期日を定めて、定期的に支払わなければならないという、賃金の一定期日払の原則があります。〔労働基準法第24条〕

賃金の支払日が毎月変動すると、労働者の生活が不安定になるからです。

それでも、その日が休日で賃金の振込みができないこともあります。

この場合に、民法の規定によればその支払日は繰下げとなります。〔民法第142条〕

しかし、就業規則で繰上げるものとすることも可能で、実際に多くの企業が繰上げとしています。

いずれにせよ、賃金の支払日は就業規則の絶対的必要記載事項です。

 

<債務不履行による損害賠償>

給与の支払が遅れたことによる損害賠償については、民法第415条に規定があります。

 

【債務不履行による損害賠償】

債務者がその債務の本旨に従った履行をしないとき又は債務の履行が不能であるときは、債権者は、これによって生じた損害の賠償を請求することができる。ただし、その債務の不履行が契約その他の債務の発生原因及び取引上の社会通念に照らして債務者の責めに帰することができない事由によるものであるときは、この限りでない。

 

給与については、会社が債務者、従業員が債権者ということになります。

現在の法定利率が年3%ですから、月給30万円の場合の損害額は約25円となります。

( 300,000円 × 3% ÷ 365日 = 24.7円 )

もっとも、急な祝日の変更によって、給与の支払が遅れるのは「取引上の社会通念に照らして債務者の責めに帰することができない事由によるもの」と言えるでしょう。

そうであれば、そもそも会社の損害賠償責任は無いことになります。

 

<解決社労士の視点から>

給与の支払が遅れるというのは、本来はあってはならないことで、厳密には一定期日払の原則(労働基準法第24条)に反しています。

これには30万円以下の罰金も規定されています。〔労働基準法第120条第1項〕

しかし今回の祝日移動は、コロナ下のオリンピック対応のため、国により急遽行われた臨時のものです。

就業規則の規定通りに給与を支給できず1日遅れになったとしても、企業の刑事責任・民事責任を問えないケースが多いのではないでしょうか。

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