2022年 5月 5日

2022/05/05|1,486文字

 

<傷病手当金支給申請書>

傷病手当金支給申請書の提出先は、健康保険証に書いてある保険者です。

そして申請書の形式は、保険者が決めています。

たとえば、協会けんぽの申請書であれば、1セット4枚で、次の内容になっています。

1,2枚目 = 申請者情報、申請内容 ※私傷病で休んだ人の情報です。

3枚目 = 事業主の証明 ※事業主とは会社などのことです。

4枚目 = 療養担当者の意見書 ※療養担当者とは医師などのことです。

この4枚目の医師の記入欄が重要で、ここが空欄であれば「労務不能であったことの証明」ができないことになります。

 

<記入する人>

1,2枚目の申請者情報、申請内容は、仕事を休んだ健康保険加入者(被保険者)自身または、被保険者が亡くなった場合は相続人が記入します。

会社の担当者が、ほとんど代筆してくれることもあります。

つまり、必ずしも本人が記入しなくても良いことになります。

3枚目の事業主の証明は、会社の担当者や顧問の社会保険労務士が記入します。

「事業主」自身が記入しなくても、事業主の委託を受けた人が記入すれば良いわけです。

4枚目の療養担当者の意見書は、担当医師が記入します。

ここは、誰かが医師に代わって記入するわけにはいかず、どうしても医師に書いていただくことになります。

しかも医師としては、被保険者や事業主から言われるままに記入するわけにはいきません。

自身の診断に従って、記入しなければなりません。

そうでなければ、いくらでも不正受給ができてしまうことになります。

 

<事実を確認できない場合>

たとえば、ケガをしてすぐ医師の診察を受けず、自然に治るのを待っていたとします。

そして、1か月経ってから我慢できずに医師の治療を受けたとします。

この場合、医師が確認できるのは、ケガから1か月経ったときの状態です。

1か月前にケガをしたとき、どのような状態であったのかは確認できません。

ケガをした時点で働けない状態だったのか、その時は働ける状態だったのに2週間後にケガの状態が悪化して働けなくなったのか、それとも3日前から働けなくなったのか、診察していないので何とも言えません。

ケガをして1か月の間のことについては、医師がその間の状況を判断できなければ、事実が分からないので意見書を書けないのです。

 

<労務不能とは判断できない場合>

病気やケガで仕事を休んだとしても、それは本人が大事をとって休んだに過ぎず、決して働けない状態ではなかったということがあります。

この場合、医師は病気やケガの存在を認め治療はするのですが、労務不能の証明はできないことになります。

たとえ休業した被保険者から「休んでいたから、傷病手当金が欲しいから書いてください」と言われても書けません。

 

<労働災害の場合>

傷病手当金は私傷病、つまりプライベートのケガや病気について支給されます。

業務災害や通勤災害については、健康保険ではなく労災保険が適用されます。

したがって、患者の説明から労働災害であることが明らかであれば、医師は傷病手当金の書類に記入することができません。

この場合には、傷病手当金にこだわらず、労災保険の休業(補償)給付の手続を進めなければなりません。

 

<解決社労士の視点から>

以上のように、医師が傷病手当金の書類を書いてくれないという場合には、それなりの理由があるものです。

この理由については、医師から患者に説明があるはずなのですが、患者側で理解できないこともあります。

もし、従業員から相談があれば、会社から医師に対して「記入できない理由」を確認するくらいのことは、してもよろしいのではないでしょうか。

 

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