2021年 7月 19日

2021/07/19|738文字

 

<諭旨(ゆし)解雇の定義>

従業員が不祥事を起こし、諭旨解雇になったという報道に接することがあります。

しかし、その報道の中で、諭旨解雇の意味について説明されている例は、ほとんど見られません。

「諭旨解雇」というのは法律用語ではなく、公式な定義が無いことによるものと思われます。

諭旨解雇の取扱は各企業により異なるため、報道機関も安易に解説できないのです。

それでも、諭旨解雇の多くは、懲戒解雇の一種または退職勧奨による退職であると考えられます。

 

<懲戒解雇の一種>

就業規則や労働条件通知書などに定められた懲戒処分の一つで、解雇予告手当や退職金の全額または一部を支払ったうえで解雇するものです。

懲戒解雇も諭旨解雇も、就業規則などに具体的な定めが無ければできませんし、客観的に合理的な理由があり、社会通念上相当であると認められなければ、解雇権の濫用となり無効です。

また、退職金の減額や不支給が就業規則に規定されている場合であっても、客観的に相当と認められる範囲に限り有効となります。

退職者が会社を訴え、退職金の不足分を請求すると、多くの場合に裁判所が会社に対して不足する退職金の支払を命ずる判決が下されています。

 

<退職勧奨による退職>

従業員の不祥事や非行があった時に、その行為を諭(さと)したうえで、従業員自身の意思により退職願を提出させるものです。

これは、退職を勧められたことにより、従業員自身の意思で退職を決めるので、解雇にはあたりません。

しかし、従業員の自由な意思による決定が前提となっていますので、精神的に追い込まれ、その真意に反して退職願を提出させられたような場合には、退職の申し出が無効となることもあります。

本人に十分反省させたうえで、自主的に退職させることが、その本質となります。

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