2020年 12月

2020/12/31|1,422文字

 

YouTube「社会通念上相当」の意味

https://youtu.be/z4rMrTt-cn8

 

<解雇の意味>

雇い主から「この条件でこの仕事をしてください」という提案があり、労働者がこれに合意すると労働契約が成立します。

労働契約は口頭でも成立します。

ただ労働基準法により、一定の重要な労働条件については、雇い主から労働者に対し、原則として書面による通知が必要となっています。

解雇は、雇い主がこの労働契約の解除を労働者に通告することです。

 

<普通解雇>

狭義の普通解雇は、労働者の労働契約違反を理由とする労働契約の解除です。

労働契約違反としては、能力の不足により労働者が労働契約で予定した業務をこなせない場合、労働者が労働契約で約束した日時に勤務しない場合、労働者が業務上必要な指示に従わない場合、会社側に責任の無い理由で労働者が勤務できない場合などがあります。

 

<解雇の制限>

「解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする」という規定があります。〔労働契約法第16条〕

普通解雇は、この制限を受けることになります。

 

<懲戒処分の制限>

「使用者が労働者を懲戒することができる場合において、当該懲戒が、当該懲戒に係る労働者の行為の性質及び態様その他の事情に照らして、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、当該懲戒は、無効とする」という規定があります。〔労働契約法第15条〕

労働契約法の第15条と第16条は、重複している部分があるものの、第15条の方により多くの有効要件が含まれています。

懲戒処分は、この厳格な制限を受けることになります。

 

<懲戒解雇の有効要件>

懲戒解雇というのは懲戒+解雇ですから、懲戒の有効要件と解雇の有効要件の両方を満たす必要があります。

普通解雇は、解雇の有効要件だけ満たせば良いのですから、懲戒解雇よりも条件が緩いことは明らかです。

 

<懲戒解雇と普通解雇の有効要件の違い>

そして、条文上は不明確な両者の有効要件の大きな違いは次の点にあります。

まず懲戒解雇は、社員の行った不都合な言動について、就業規則などにぴったり当てはまる具体的な規定が無ければできません。

しかし普通解雇ならば、そのような規定が無くても、あるいは就業規則が無い会社でも可能です。

また懲戒解雇の場合には、懲戒解雇を通告した後で、他にもいろいろと不都合な言動があったことが発覚した場合にも、後から判明した事実は懲戒解雇の正当性を裏付ける理由にはできません。

しかし普通解雇ならば、すべての事実を根拠に解雇の正当性を主張できるのです。

ですから、懲戒解雇と普通解雇とで、会社にとっての影響に違いが無いのであれば、普通解雇を考えていただくことをお勧めします。

特に、両者で退職金の支給額に差が無い会社では、あえて懲戒解雇を選択する理由は乏しいといえます。

 

<社労士(社会保険労務士)の立場から>

広義の普通解雇には、労働者の労働契約違反を理由とする解雇の他に、整理解雇が含まれます。

整理解雇とは、雇い主側の経営上の理由による解雇をいいます。

解雇は、解雇権の濫用とされれば無効になるわけです。

会社目線の素人判断ではいけません。社会目線の法的判断が必要です。

具体的なケースで解雇の有効性に疑問がある場合には、信頼できる社労士にご相談ください。

解雇を検討する最初の段階でご相談いただければ、時間、労力、経費、人件費、精神力を大幅に削減できます。

 

解決社労士

2020/12/30|1,239文字

 

YouTube解決社労士のご紹介

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<かたり調査>

国の調査名をかたって不正に情報を収集する「かたり調査」にはご注意ください。

ネットであれこれ調べてみれば、ニセモノは判断がつきます。

心配なら、総務省に確認するのが確実です。

 

<回答の義務>

統計調査の案内文には、「協力してください」という書き方がしてあります。

しかし、統計法第13条では、国の重要な統計調査である基幹統計調査について、「個人又は法人その他の団体に対し報告を求めることができる」と規定しています(報告義務)。

また、同法第61条では、「報告を拒み、又は虚偽の報告をした者」に対して、「50万円以下の罰金に処する」と規定しています。

これらの規定は、個人情報保護法に優先して適用されます。

罰則の規定はともかく、国の重要な統計調査ですから協力しましょう。

なお、基幹統計調査以外の統計調査はアンケートですから、原則として回答は任意です。

 

<調査対象事業所の選定方法>

すべての事業所を対象とする調査を除き、全国の縮図となるように一定の精度を保つ標本数を確保しつつ、無作為に事業所を選ぶ方法を採っています。

つまり、くじ引きに当たったようなものです。意図的に選ばれるわけではありません。

 

<秘密の保護>

調査対象となった人や法人には調査に回答する義務がある一方、安心して調査に回答できるよう、調査員を始めとする調査関係者に対しては、調査で知り得た内容について秘密を保護することが統計法第41条で規定されています。

また、この法律では、第39条で調査票情報を適正に管理すること、第40条で調査票情報を統計調査の目的以外に使用してはならないことがそれぞれ規定されています。調査関係者に対しては、これらの規定を厳守するよう指導を徹底しています。

ですから、税金徴収の資料として流用されたり、労働基準監督署の監督に利用されたりすることもありません。

 

※次に示すものは、国の基幹統計調査です。

•国民経済計算

•国勢統計

•住宅・土地統計

•労働力統計

•小売物価統計

•家計統計

•個人企業経済統計

•科学技術研究統計

•地方公務員給与実態統計

•就業構造基本統計

•全国消費実態統計

•社会生活基本統計

•経済構造統計

•産業連関表

•人口推計

•法人企業統計

•民間給与実態統計

•学校基本統計

•学校保健統計

•学校教員統計

•社会教育統計

•人口動態統計

•毎月勤労統計

•薬事工業生産動態統計

•医療施設統計

•患者統計

•賃金構造基本統計

•国民生活基礎統計

•生命表

•社会保障費用統計

•農林業構造統計

•牛乳乳製品統計

•作物統計

•海面漁業生産統計

•漁業構造統計

•木材統計

•農業経営統計

•工業統計

•経済産業省生産動態統計

•商業統計

•ガス事業生産動態統計

•石油製品需給動態統計

•商業動態統計

•特定サービス産業実態統計

•経済産業省特定業種石油等消費統計

•経済産業省企業活動基本統計

•鉱工業指数

•港湾統計

•造船造機統計

•建築着工統計

•鉄道車両等生産動態統計

•建設工事統計

•船員労働統計

•自動車輸送統計

•内航船舶輸送統計

•法人土地・建物基本統計

 

解決社労士

2020/12/29|966文字

 

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<基本的な資質不足>

仕事をサボるような人は、採用しないのが一番です。

採用面接の段階で、次のような傾向が見られる人は、サボり癖のあることが疑われますので、よく観察して怪しければ採用を見送るのが得策です。

・履歴書の文字が乱雑

・履歴書の文字が抜けている

・濁点や半濁点が付いていない

・カタカナのコとユ、シとツ、ナとメ、ソとリとンが書き分けられない

・身だしなみがルーズ

・態度が馴れ馴れしい

履歴書については、作成に制限時間は無いですし、何度でも再確認できるわけですから、ここで手を抜いている人は仕事でも手を抜きます。

 

<労働時間の把握>

労働時間の把握が大雑把な会社でサボるのは簡単です。

そうでなくても、たとえば労働基準法に従い、事業場外労働のみなし労働時間制が適用されている社員については、使用者の指揮監督が十分に及びません。

本当にみなし労働時間制が必要か、再検討の余地があります。

また、労働時間の適正な把握は、使用者に義務付けられています。

そして、この義務を果たすため、社員にも協力を求めることができます。

ですから、社員にも一定の義務を課しつつ、労働時間の把握をきちんとしましょう。

具体的には、電話やメールでの定時報告、日報の活用などが考えられます。

 

<適正な人事考課>

たとえサボっていても、十分な営業成績を維持していれば、勤務態度の悪さで他の社員に対する悪影響はあるものの、大目に見ることもできるでしょう。

しかし、サボりは営業成績の低下となって現れることが多いものです。

適正な人事考課を行い、給与や賞与などに反映させることができるように、仕組を整えましょう。

サボってもサボらなくても、成果を上げても上げなくても、給与や賞与に大きな差が出ないのなら、サボりたくなるのは当然です。

 

<人事異動との関係>

営業部門に異動となった時から、開放感や自由を感じてでしょうか、サボり出す社員もいます。

この場合には、再び内勤に戻すことを打診し、改善が見られなければ、実際に異動させるしかないでしょう。

 

<社労士(社会保険労務士)の立場から>

GPSを使うなど厳格な管理は、社員の反発を招き、士気が低下するかも知れません。

それぞれの職場に合った仕組みの導入・活用と社員教育については、信頼できる社労士にご相談ください。

サボりを無くして、生産性を向上させましょう。

 

解決社労士

2020/12/28|1,220文字

 

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<育児休業中の勤務>

育児・介護休業法上の育児休業は、労働者が子の養育を行うために、休業期間中の労務提供義務を消滅させる制度です。

ですから、休業期間中に就労することは想定されていません。

しかし、労使の話し合いにより、子の養育をする必要がない期間に限り、一時的・臨時的にその事業主のもとで就労することはできます。

雇用保険の育児休業給付金を受給中の労働者の場合、就労が月10日以下であれば、育児休業給付金が支給されます。

また、10日を超えて就労する場合でも、月80時間以下であれば同様です。

一方で、恒常的・定期的に就労させる場合は、育児休業をしていることにはなりませんので、育児休業が終了したことになります。

 

<一時的・臨時的勤務の注意>

上記のような例外が認められる場合であっても、事業主の一方的な指示により就労させることはできません。

労働者が自ら事業主の求めに応じ、労使で合意することが必要です。

また、合意が得られず一時的・臨時的就労が行われなかった場合、育児休業中に就労しなかったことを理由として、事業主が不利益な取扱いをしてはなりません。

むしろ事業主は、上司や同僚からのハラスメントが起きないように、雇用管理上必要な措置を講ずる必要があります。

 

<一時的・臨時的勤務の例>

育児休業が終了しないような一時的・臨時的就労の例として、厚生労働省は、次のようなものを挙げています。

これらは例示ですから、他にも一時的・臨時的就労に該当する場合があります。

 

1.育児休業開始当初は、労働者Aは育児休業期間中に出勤することを予定していなかったが、自社製品の需要が予期せず増大し、一定の習熟が必要な作業の業務量が急激に増加したため、スキル習得のための数日間の研修を行う講師業務を事業主が依頼し、Aが合意した場合 

2.労働者Bの育児休業期間中に、限られた少数の社員にしか情報が共有されていない機密性の高い事項に関わるトラブルが発生したため、当該事項の詳細や経緯を知っているBに、一時的なトラブル対応を事業主が依頼し、Bが合意した場合

 

3.労働者Cの育児休業期間中に、トラブルにより会社の基幹システムが停止し、早急に復旧させる必要があるため、経験豊富なシステムエンジニアであるCに対して、修復作業を事業主が依頼し、Cが合意した場合

 

4.災害が発生したため、災害の初動対応に経験豊富な労働者Dに、臨時的な災害の初動対応業務を事業主が依頼し、Dが合意した場合

 

5.労働者Eは育児休業の開始当初は全日を休業していたが、一定期間の療養が必要な感染症がまん延したことにより生じた従業員の大幅な欠員状態が短期的に発生し、一時的にEが得意とする業務を遂行できる者がいなくなったため、テレワークによる一時的な就労を事業主が依頼し、Eが合意した場合

 

いずれも、他の人では代わりを務められない能力が求められるような業務について、客観的な必要性が認められる場合であると考えられます。

 

解決社労士

2020/12/27|1,276文字

 

YouTube勤務が減った人の社会保険

https://youtu.be/cTqbvdpvhBo

 

<試用期間>

試用期間については、最高裁判所が解約権留保付労働契約だと言ったために、何か特別な契約期間であるかのように思われがちです。〔昭和441212日三菱樹脂事件判決〕

しかし、最高裁判所が試用期間について述べたのは、判決を下すのに必要があって述べたわけではなく、ついでに語っただけです。

試用期間であれば、本採用後よりも解雇のハードルが低くなる趣旨のことを述べていますが、具体的に、どの項目についてどの程度低くなるのかは語っていません。

結局、試用期間も本採用後も労働契約の期間であることに変わりは無く、両者の違いを明確に説明することはできません。

それでも、試用期間であれば、本採用後とは違った扱いができるという勘違いは、多くの企業に存在しています。

 

<社会保険の加入基準>

週所定労働時間が正社員(フルタイムで働く正規職員)の4分の3以上で、月間所定労働日数も4分の3以上であれば、社会保険の加入基準を満たします。(特定適用事業所を除きます)

会社によって、正社員の所定労働時間・日数は違いますから、この基準は会社ごとに違うわけです。

加入の手続を怠っていても、条件を満たすとともに加入したことになります。

そして、試用期間と本採用後とで加入基準の違いはありません。

基準を満たしている限り、試用期間の初日から社会保険に加入していることになります。

 

特定適用事業所とは、同一事業主(法人の場合はマイナンバー制度の法人番号が同一)の社会保険適用事業所の被保険者数(社会保険加入者数)が、1年で6か月以上500人を超えることが見込まれる法人・個人の事業所のことをいいます。 特定適用事業所は、平成28(2016)10月の健康保険・厚生年金保険の適用拡大により区分されました。

 

<年金事務所の指導>

算定基礎届提出時の調査の際には、試用期間中に社会保険の加入手続をせず、本採用時に手続をしている事業所に対して、試用期間の初日に遡って加入手続をするよう、年金事務所の職員の方から指導があります。

そして、判明している社員については、遡って手続をするための書類も作成して、代表印の捺印もさせています。

こうして不足する期間の保険料については、他の社員の保険料とまとめて支払うことになります。

「でも、試用期間は社会保険に入れたくないのですが」というお話に対して、年金事務所の職員の方は、「それでは、試用期間中は1日の勤務時間や1か月の勤務日数を少なくして、社会保険の加入基準を満たさないようにしてください。それしかありません」という明快な説明をしています。

 

<社労士(社会保険労務士)の立場から>

社会保険のルールは、基本的に全国統一でなければ不公平が発生してしまいます。

ですから、会社オリジナルのルールで運用できる範囲は、極めて限られているのです。

そして、会社オリジナルのルールで運用したことによって、不利益が発生したことに気付いた退職者から申し出があれば、その損失を補てんすることになりかねません。

自社で行っていることに不安を感じたら、信頼できる社労士にご相談ください。

 

解決社労士

2020/12/26|1,384文字

 

YouTube社会保険料を減らす意味

https://youtu.be/Yz-6Sg9b3UI

 

<算定基礎届提出時の調査>

6月中旬、会社宛に算定基礎届の用紙、総括表などが郵送で届きます。

このとき、提出日時を指定する内容のお手紙が同封されていることがあります。

一般には、算定基礎届関係の書類は事務センターに郵送するのですが、提出日時を指定された場合には、管轄の年金事務所に持参ということになっています。

提出にあたっては、賃金台帳、出勤簿(タイムカード)、源泉所得税領収証書などの書類や事業主印を持参するように案内されています。

そして、お手紙には「調査」という文字が入っていて、驚いてしまうかもしれません。

何か不正を疑われているのか、怪しいと思われているのか、なぜ自分の会社が対象となったのかについての説明はありません。

実は、3年から5年に1回の間隔で、すべての事業所が調査対象となっています。

無作為抽出ですから、年金事務所が何かの意図をもって選んでいるわけではありません。

 

<調査の趣旨>

お手紙には、調査の趣旨として「社会保険適用の適正化」とだけ書かれています。

具体的には、次のような点が調査の対象となっています。

・社会保険の加入条件を満たす人について加入の届出があるか

・社会保険の加入条件を満たしていない人が加入扱いになっていないか

・加入したときの報酬の届出の金額が正しいか

・算定基礎届の内容が正しいか

・報酬が大きく変動して一定の条件を満たした場合の届出があるか

これらの手続について、税理士などに頼んでしまっている会社もあります。

しかし、税理士は年度単位で集計するのに対し、算定基礎届以外の手続は日常的に発生します。

そもそも、税理士の仕事ではなくて、社会保険労務士でなければ業務として行えない手続なのです。〔社会保険労務士法第27条〕

ですから、こうした手続を顧問の税理士などが、きちんとできなくても仕方が無いですし、そもそも頼んではいけないのです。

 

<不備が見つかった場合>

手続の誤りや不足を指摘されると、さかのぼって正しい手続を行うことになります。

保険料についても、支払い過ぎは還付されますし、不足はまとめて徴収されます。

社会保険料は高いですから、まとめて徴収されるのは辛いです。

反対に還付されるのも、無利子で多額の金銭を貸し付けていたようなものですから喜べません。

社会保険というのは条件を満たせば自動的に加入しています。

手続をしていないのは、手続をサボっているだけで、加入手続をしなければ加入しないことになるわけではありません。

赤ちゃんが生まれた時、出生届を出さなければ戸籍が無いだけで、赤ちゃんの存在が否定されるわけではないのと似ています。

 

<書類の追加郵送>

調査に必要な書類が不足している場合には、後から管轄の年金事務所に郵送するよう求められます。

そもそも調査の具体的な趣旨が示されていませんので、どのような書類が必要なのか、本当のところはわからなかったわけですから仕方ありません。

もっとも、調査の趣旨を良くわかるようにして案内を出していたら、多くの会社は尻込みしてしまうでしょう。

調査の趣旨を具体的に示さないのは、それなりの意図があるのかもしれません。

 

<社労士(社会保険労務士)の立場から>

算定基礎届の提出日時を指定されたら、相談相手は税理士ではなくて社労士です。

このことは、税理士に確認すればすぐにわかります。

ぜひ、信頼できる社労士にご相談ください。

 

解決社労士

2020/12/25|1,208文字

 

YouTubeコロナハラスメント

https://youtu.be/Y0ga4SznnTM

 

<小学校休業等対応助成金・支援金>

厚生労働省では、新型コロナウイルス感染症に関連して、小学校等の臨時休業等により仕事を休まざるをえなくなった保護者を支援するため、正規雇用・非正規雇用を問わない助成金制度(新型コロナウイルス感染症による小学校休業等対応助成金)、委託を受けて個人で仕事をする人向けの支援金制度(新型コロナウイルス感染症による小学校休業等対応支援金)を創設し、令和2(2020)年2月27日以降に取得した休暇等について支援を行っています。

これまでも、助成金・支援金の上限額等の引き上げや、対象期間の延長が行われてきましたが、令和2(2020)年12月18日、厚生労働省は、上記助成金・支援金について、新たに対象期間の延長、申請期限等に関する情報を公表しました。

 

<新型コロナウイルス感染症による小学校休業等対応助成金>

新型コロナウイルスの感染拡大防止策として、小学校等が臨時休業した場合等に、その小学校等に通う子の保護者である労働者の休職に伴う所得の減少に対応するため、正規雇用・非正規雇用を問わず、有給の休暇(労働基準法の年次有給休暇を除く)を取得させた企業に対する助成金です。

企業は、この助成金を活用し、有給の休暇制度を設け、年次有給休暇の有無にかかわらず利用できるようにすることで、保護者が希望に応じて休暇を取得できる環境を整えるよう努力することが求められています。

 

<助成金の額>

有給の休暇を取得した対象労働者に支払った賃金相当額の全額が助成されます。

具体的には、対象労働者1人につき、対象労働者の日額換算賃金額×有給の休暇の日数で算出した合計額を支給します。

ここで、「日額換算賃金額」とは、各対象労働者の通常の賃金を日額換算したものをいいます。

これには上限があり、令和2(2020)年3月31日までの休暇については8,330円、これ以降は15,000円となっています。

なお、対象となる休暇取得の期間が延長され、令和2(2020)年2月27日から令和3(2021)年3月31日までの間に取得した休暇についても支援の対象となる予定です。

 

<助成金の申請期限>

令和2年2月27日から9月30日までの休暇分は、令和2年12月28日が申請期限です。

令和2年10月1日から12月31日までの休暇分は、令和3年3月31日が申請期限です。

令和3年1月1日から3月31日までの休暇分は、令和3年6月30日が申請期限です。

ただし、次のようなやむを得ない事情がある場合には、申請期限経過後に申請することが可能です。

Ⅰ.労働者からの労働局の特別相談窓口への「(企業に)この助成金を利用してもらいたい」等の相談に基づき、労働局が事業主への助成金活用の働きかけを行い、これを受けて事業主が申請を行う場合

Ⅱ.労働者が労働局の特別相談窓口へ相談し、労働局から助言等を受けて、労働者自らが事業主に働きかけ、事業主が申請を行う場合

 

解決社労士

2020/12/24|1,227文字

 

YouTube情報漏洩の防止

https://youtu.be/nnTZG2FyG8w

 

<解雇は無効になりやすい>

会社が社員に解雇を通告しても、それが解雇権の濫用であれば無効になります。

これを不当解雇といいます。

解雇したつもりになっているだけで、解雇できていないので、対象者が出勤しなくても、それは会社側の落ち度によるものとされ、賃金や賞与の支払義務が消えません。会社にとっては、恐ろしい事態です。

10年余り前に施行された労働契約法という法律に次の規定があります。

 

(解雇)

第十六条   解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする。

 

大変抽象的な表現ですから、いかようにも解釈できそうです。

しかし、正しい解釈の基準は裁判所の判断です。

そして、裁判所の判断によれば、解雇権の濫用は簡単に認定されます。

つまり、多くの場合、不当解雇が認定されます。

不当解雇で処罰されることは無いですし、解雇を通告された人が納得すれば問題ありません。

納得がいかなくて、会社に損害賠償の請求をしたときに、初めて問題が表面化するのです。

 

<「客観的に合理的な理由」とは>

「客観的に合理的な理由」とは、誰が見ても解雇はやむを得ないという理由です。

なぜなら、誰が見ても正しいというのが、客観的に正しいということだからです。

ただし、当事者である会社側と対象社員は「誰が見ても」の「誰」からは除かれます。

当事者は、主観的に考えてしまうからです。

ソーシャルメディアに悪質な投稿をした社員の解雇に「客観的に合理的な理由」が認められるためには、次のような要件が必要です。

・投稿された映像の内容が悪質であること

・会社にソーシャルメディアの利用に関するガイドラインが存在すること

・社員にガイドラインを遵守する旨の誓約書を書かせていること

・ガイドラインの遵守義務が就業規則に規定されていること

・ガイドライン違反についての懲戒規定があること

・ガイドライン遵守の重要性について十分な教育研修を行っていること

・ソーシャルメディアの利用に関し管理職が部下に注意指導していること

 

<社労士(社会保険労務士)の立場から>

社員が何か不都合な行為を行った場合でも、懲戒処分を行うには、それなりの準備が必要だということです。

ましてや、懲戒解雇ともなれば用意周到である必要があります。

対象者から争われ、不当解雇とされた場合のダメージは、かなり大きいものがあります。

他のケースを含め、必要に応じて適正な懲戒処分が行えるようにしておくためには、信頼できる社労士にご相談ください。

 

<余談>

パソコンのデータが消えた時のために、データのバックアップを取っておくことは、多くの会社で行われています。

しかし、パソコンが立ち上がらなくなった時のために、再セットアップディスクなどを作成しておくことは、意外とされていません。

面倒に思われても、予め準備しておくことは大事だと思います。

「備えあれば患いなし」というのは、懲戒処分と共通するものがあります。

 

解決社労士

2020/12/23|980文字

 

YouTubeこれって労働時間?

https://youtu.be/2UlD66LICBo

 

<労働時間の定義>

労働時間とは、「労働者が実際に労働に従事している時間だけでなく、労働者の行為が何らかの形で使用者の指揮命令下に置かれているものと評価される時間」と定義されます。

これは、会社ごとに就業規則で決めたり、個人ごとに労働契約で決めたりできるのではなく、客観的に決められている定義です。

 

<直行直帰の場合の労働時間>

会社に立ち寄らず、直接工事現場などに行き、そこから直接帰宅する場合には、自宅から現場までの移動時間と現場から自宅までの移動時間が、使用者の指揮命令下に置かれない状態のことがあります。

この場合には、現場での勤務時間が労働時間ということになります。

ですから、なんとなく移動時間を労働時間に含めて賃金を計算しているのであれば、会社の人件費負担がその分だけ多めになっている可能性があります。

 

<労働時間となる場合>

直行直帰の移動時間でも、使用者の指揮命令下に置かれているものと評価され、その時間に対する賃金の支払が必要な場合も多いものです。

たとえば、次のような場合には労働時間となります。

・使用者から自宅を何時に出発するかを指示されている場合

・一度会社に立ち寄ってから現場に向かう場合の会社から現場までの移動時間

・移動中に同僚と仕事の打合せをするように使用者から指示されている場合

・一緒に移動するメンバーの中に行動や時間の管理をする者がいる場合

・使用者から移動中に物品の監視をするように指示されている場合

 

<黙認で労働時間となるケース>

たとえば、使用者から移動中の打合せを指示していなくても、それがなんとなく自主的に行われていて、使用者側がこれを知りつつ見て見ぬふりをしていたら、黙示の指示があったものとみなされ、労働時間になってしまう場合もあります。

複数のメンバーで直行直帰する場合には、「仕事の話などせず趣味の話でもしながらくつろいで過ごしなさい」ということになっていれば、労働時間にはならないわけです。

 

<社労士(社会保険労務士)の立場から>

労働時間に含まれるかどうかは、専門的で客観的な判断が必要になりますから、就業規則に定めるなどルール化する場合には、信頼できる社労士にご相談ください。

後になってから、未払賃金を請求されると、消滅時効の期間も2年間から3年間に延長されましたし、一度に予定外の出費が発生しますから注意したいところです。

 

解決社労士

2020/12/22|2,411文字

 

YouTubeコロナハラスメント

https://youtu.be/Y0ga4SznnTM

 

<働き方改革>

平成31(2019)年4月に、長時間労働是正を中心とする働き方改革関連法が施行されました。

また、令和2(2020)年4月には、パートタイム・有期雇用労働法が大企業に施行され、労働者の待遇の在り方の見直しが進められています。

しかし、令和2(2020)年2月頃からは、こうした法改正への対応よりも、新型コロナウイルス感染拡大を防止するための対策に追われるようになりました。

これによって、働き方に大きな変化が生じ、働き方改革が一気に進んだ部分もあります。

 

<時差通勤>

令和2(2020)年3月から 4月上旬にかけて時差通勤の取組が拡大されました。

感染拡大を防止するためには、ソーシャルディスタンスが必要とされます。

時差通勤は、満員電車の過密を避ける取組です。

LINEによる全国調査によると、時差通勤を実施した人は2月19日調査で5%だったのが、3月2日調査では19%と増加しました。

緊急事態宣言が発出された4月7日より後の4月16日の調査では、19%のまま維持されています。

また、3月に行われた東京商工会議所による会員企業調査でも、時差通勤の実施企業割合は56.5%と高い数字を示しています。

規模が大きい企業ほど、実施率が高い傾向にありますが、50人未満の企業でも実施率は43.9%を示しています。

4月の調査では、企業数では半数程度、従業員数では2割弱が時差通勤をしていることが示されました。

緊急事態宣言が解除された5月25日以降も、利用者数は増加したものの、8月中旬以降は横ばいの傾向にあります。

これは、時差通勤を利用していた人の一定数が、テレワークや自宅勤務に移行していることが推測されます。

 

<テレワークの拡大>

内閣府個人意識調査によると、テレワーク希望者は39.8%に上り、実際のテレワーク率の34.6%を上回っています。

これは、日常業務の中に、さらにテレワークを取り込みたいという意向が示されていることになります。

一方で、自分の仕事はテレワークに合わない職種だと回答した人が、就業者全体で58.7%いることも事実です。

ただ、テレワーク経験者では、テレワーク未経験者よりも、テレワークに合わないと回答している人の割合が低いので、実際にやってみれば対応可能なことが多いかもしれません。

テレワークの不便な点としては、「社内での気軽な相談・報告が困難」や「画面を通じた情報のみによるコミュニケーション不足やストレス」といった、技術の活用や業務上の工夫では解決が難しいものがある一方、「取引先等とのやり取りが困難(機器、環境の違い等)」や「セキュリティ面での不安」、「テレビ通話の質」など、技術的に改善する余地があるものも多く挙げられています。

また、テレワークの利用拡大が進むために必要なものとして、「社内の打合せや意思決定の仕方の改善」、「顧客や取引先との打合せや交渉の仕方の改善」、「社内外の押印文化の見直し」、「仕事の進捗状況の確認や共有の仕方の改善」といった社内外の慣行を見直すことが必要なものや、「社内システムへのアクセス改善」といった設備投資が必要なもの、「書類のやりとりを電子化、ペーパーレス化」といった両方の変革が必要なものが挙げられています。

 

<労働時間の減少による生活の変化>

働き方改革は、長時間労働の是正等を通じたワーク・ライフ・バランスの改善を目指しています。

令和2(2020)年の前半は、感染症の影響もあり労働時間と通勤時間の両方が減少しています。内閣府個人意識調査(新型コロナウイルス感染症の影響下における生活意識・行動の変化に関する調査14)によると、労働時間と通勤時間の減少により、家族と過ごす時間が増える傾向にあることが示唆されています。

 

<同一労働同一賃金>

令和2(2020)年 4月より、大企業でパートタイム・有期雇用労働法が施行され、同一労働同一賃金の導入が開始されました。

同一労働同一賃金は、同一企業・団体での「正社員」(無期雇用フルタイム労働者)と「非正規雇用労働者」(パートタイム労働者、有期雇用労働者、派遣労働者)の間の不合理な待遇差の解消を目指しています。

厚生労働省の「毎月勤労統計」によると、令和2(2020)年夏の特別給与(6-7月平均)は、一般労働者が-3.8%と減少し、204,388円となったものの、パートタイム労働者は前年比18.2%と増加し、6,333円となっています。

これは、パートタイム労働者に対しても、賞与が支払われるようになった事業所が増加したことを示唆しています。

しかし、所定内給与の格差是正は、明確な傾向が見られません。

 

※ここまでの参考文献:内閣府 令和2年度年次経済財政報告(経済財政政策担当大臣報告)

 

<コロナ対策と働き方改革>

新型コロナウイルス感染症拡大防止対策により、時差通勤やテレワークの導入が進み、通勤時間を含む労働時間が減少傾向にあります。

これは、必ずしも働き方改革の推進を意図したものではなく、コロナ対策によって、働き方改革の目指す結果が部分的に生じたものと考えられます。

一方で、同一労働同一賃金は、コロナ対策とは別に、意図して取り組まなければ進まない課題ですが、賞与(特別給与)について多少進んだことが示唆されています。

働き方改革の側面から眺める限り、コロナ対策が働き方改革の推進にとってプラスに働いたといえます。

しかし、その裏で、整理解雇、非正規雇用労働者の雇い止め、内定取消、正社員の待遇の不利益変更など、望ましくない動きも見られます。

少子高齢社会で労働力を確保するために、働き方改革の推進という政策が打ち出されたわけですから、雇用の確保を置き去りにして、表面的に働き方改革を追うのは本末転倒です。

助成金の活用や、期間限定の在籍出向を行うことで、雇用を確保しつつ、働き方改革を推進することが企業に求められています。

 

解決社労士

2020/12/21|1,289文字

 

YouTube「合理的」の意味

https://youtu.be/E-BgYSjxLZI

 

<解雇は無効とされやすい>

会社が社員に解雇を通告しても、解雇権の濫用となれば無効になります。

これを不当解雇といいます。

解雇したつもりになっているだけで、解雇できていないので、対象者が出勤しなくても、それは会社側の落ち度によるものとされ、賃金や賞与の支払義務が消えません。

会社にとっては、恐ろしい事態です。

施行されてから10年余りの労働契約法という法律に次の規定があります。

 

(解雇)

第十六条   解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする。

 

大変抽象的な表現ですから、いかようにも解釈できそうです。

しかし、正しい解釈の基準は裁判所の判断です。

そして、裁判所の判断によれば、解雇権の濫用は簡単に認定されます。

つまり、多くの場合、不当解雇が認定されます。

 

<「客観的」の落とし穴>

客観的に合理的な理由を欠けば、解雇権の濫用となり、解雇は無効となるわけです。

しかし、当事者である会社側と対象社員の言い分は、完全に主観的なものです。

会社がそれなりの理由を示して解雇を通告した場合、その解雇理由は主観的な判断により示したものです。

また、これに対する対象社員の反論も主観的なものです。

ですから、「どちらが正しいか」という議論は、解雇の有効性については無意味です。

あくまでも、客観的に合理的な理由が有るか無いかによって、解雇権の濫用となるか否かが決まってきます。

 

<客観的に合理的な理由>

客観的に合理的な理由とは、誰が見ても解雇はやむを得ないという理由です。

なぜなら、誰が見ても正しいというのが、客観的に正しいということだからです。

ただし、当事者である会社側と対象社員は「誰が見ても」の「誰」からは除かれます。

当事者は、主観的に考えてしまうからです。

解雇の客観的に合理的な理由となりうるものとしては、次のものが挙げられます。

まず、労働者の著しい能力不足や協調性不足です。

これは、会社側が十分な教育指導を行っていることが前提となります。

教育指導をせずに、会社が能力不足や協調性不足を主張することはできません。

つぎに、労働者が正当な理由なく遅刻や欠勤を繰り返していることです。

ただし、長時間労働や過重労働などで疲労が蓄積しているような場合には、会社に落ち度があるので客観的に合理的な理由にはなりません。

さらに、労働者の不法行為や反社会的行為は、客観的に合理的な理由となりえます。

しかしこれは通常、懲戒解雇でしょうから、就業規則に具体的な規定があることや、対象社員が十分な弁明の機会を与えられるなど、厳格な条件を満たし適切な手順を踏んでいる場合に限り可能です。

そして、会社が解散するような場合には、「客観的な合理性」が認められるのが原則です。

会社の経営不振による整理解雇であれば、対象者の選択基準の合理性が問題とされます。

 

<社労士(社会保険労務士)の立場から>

「客観的」というのがネックになり、社内で検討し結論を出すのはリスクを伴います。

解雇を検討する場合には、なるべく早く、客観的な第三者である社労士にご相談ください。

 

解決社労士

2020/12/20|1,127文字

 

YouTube「社会通念上相当」の意味

https://youtu.be/z4rMrTt-cn8

 

<常識的な判断>

社員が詐欺や傷害などの刑事事件を起こし、警察のお世話になって、テレビのニュースに出たような場合、「常識的」な判断からは、懲戒解雇が当然であり、解雇にならないのは非常識だと考える人もいるでしょう。

しかしこれは、会社目線の素人判断です。

「ごめんで済めば警察は要らない」のと同じように、「常識で済めば法律は要らない」のです。

そして労働者は、労働基準法をはじめ多くの労働法によって保護されていますから、たとえ犯罪に走った場合でも、簡単には解雇が認められないのです。

この場合、会社が解雇を通告しても、解雇は無効になります。

「不当解雇」とされるわけです。

 

<懲戒解雇が有効となる場合>

まず、社員の行為が懲戒事由にあたることが必要です。

懲戒事由にあたるといえるためには、就業規則に具体的な規定があるか、労働条件通知書や雇用契約書にその旨が定めてあることが必要です。

会社が法定の就業規則や労働条件通知書などの作成を怠っていれば、そもそも懲戒解雇ができないことになります。

またその懲戒が、労働者の行為の性質や態様その他の事情から、客観的に合理的な理由があり、社会通念上相当であると認められることも必要です。〔労働契約法第15条〕

さらに、犯罪行為を行ったことの証拠も必要です。マスコミによって報道されても、犯罪の証拠があるとは限りませんから要注意です。

特に、本人が犯行を否認していて、本当に犯罪が行われたかどうかが明らかでない場合には、犯行があったことを前提として懲戒処分を行うことは危険です。

懲戒処分は、あくまでも確実な証拠から認定できる事実に基づいて行わなければなりません。

この他、犯罪が軽微なものであり、懲戒処分を行うにしても解雇は行き過ぎという場合もあります。

そして、勤務時間外の犯罪行為であれば、私生活上の行為を理由として懲戒処分を行うことになりますから、懲戒処分が正当化されるのは、会社の名誉や信用などの社会的評価を大きく侵害するような場合に限定されます。

 

<会社によっても違う>

懲戒解雇の有効性について裁判では、会社の事業の種類、態様、規模、経済界に占める地位、経営方針、対象社員の会社での地位や職種など、あらゆる事情から総合的に判断して、犯罪行為による会社の社会的評価に及ぼす悪影響が相当重大であると客観的に評価できるかどうかという観点から判断されています。

 本当に懲戒解雇にしても大丈夫なのか、懲戒解雇にできない場合にはどうするのか、退職金の支給はしなくても大丈夫なのか、後任はどうするのか、社内への説明はどうするのかなど、検討すべきことは多岐にわたります。

会社としての対応を検討する場合には、一刻も早く、信頼できる社労士にご相談ください。

 

解決社労士

2020/12/19|1,133文字

 

YouTube解決社労士のご紹介

https://youtu.be/qUAFJ0sjnDg

 

<報告書作成の負担>

個人差はあるものの、報告書の作成には、それなりの時間と労力がかかります。

報告書の無駄を省けば、人件費の削減となり、生産性が向上し、一方で社員のストレスが軽減されます。

つまり、メンタルヘルス対策にもなるのです。

 

<報告書の種類>

日報、週報、月報という時間の区切りにより、報告書の内容が異なってきます。

日報は毎日作成するので、作成者の負担が重く人件費もかかります。

月報は作成者の負担が軽い一方で、情報の伝達が遅くなる可能性があります。

本当に毎日の報告が必要なのか、毎週の報告が必要なのか、項目ごとに見直しをかけてみましょう。

 

<報告書の内容>

そのタイミングで数字は必要か、翌日ではダメなのか、感想は必要か、事実だけではダメなのか、見直すポイントが最も多いのは報告書の内容です。

その内容が必要だとしても、その報告書の中に必要なのか、別の資料に移した方が良いのではないかを検討してみましょう。

 

<手書きかパソコンか>

パソコンを使って報告書を作成するのが、当たり前になっています。

しかし、手書きなら30分で作成できる報告書を、パソコンで3時間かけて作っていたら、おそらく無駄な残業時間が発生しています。

なにより、作成者のストレスが半端ではありません。

どうしてもパソコンが苦手な社員には、手書きで報告書を作成させましょう。

メールで送信する必要があるのなら、誰かがスキャンしてメールに添付すれば良いだけです。

 

<報告書作成の時間帯>

営業社員などが帰社後に報告書を作成するパターンは多いものです。

しかし、翌日や翌々日に作成してはダメなのでしょうか。

帰社後に報告書を作成したら、その時間は丸々残業時間になります。

「営業手当」を支給しているから残業代を支払わないというのは、ブラック企業のやることです。

持ち帰って自宅で書かせるのも、残業時間となります。

その時間に対する割増賃金を支払わないのも、これまたブラック企業のやることです。

しかし、翌日の手空き時間や移動時間に書かせるのなら、残業時間とはなりにくいでしょう。

たしかに、仕事の密度が上がって辛いかもしれませんが、本人にとっても長時間労働の予防になりますし、会社にとっては人件費の削減になります。

 

<報告書作成のための教育>

短時間で優れた報告書を作成できるよう、社員教育も大事です。

教育にお金と時間をかければ、何倍にもなってかえってきます。

「飢えた人に魚を与えれば、一日の飢えから救うことができる。代わりに魚の釣り方を教えれば、一生の飢えから救うことができる」という名言があります。

どうしても社員教育が後回しになります。

しかし、これでは会社の成長が望めません。

働き方改革のためにも、一人ひとりの能力向上は重要です。

 

解決社労士

2020/12/18|1,300文字

 

<パワハラ教育の充実>

パワハラ防止のための社員教育が、中小企業でも進んできています。

そうした中で、昔のことについて「あの行為はパワハラだったのでは?」という疑問も出るようになってきています。

昔のパワハラ行為を、懲戒処分の対象とすることはできるのでしょうか。

 

<刑罰不遡及の原則>

今現在の就業規則に、問題とされるパワハラ行為について、具体的な懲戒規定があるとしても、昔の行為当時に規定が無かったならば、さかのぼって懲戒規定が適用されることはありません。

これは、刑罰不遡及の原則によるものです。〔日本国憲法第39条〕

 

<時効の問題>

労働基準法や民法は、賃金・退職金などの請求権について、消滅時効期間を定めています。

しかし、懲戒処分は請求権ではないので、消滅時効の適用はありません。

また刑事訴訟法には、犯罪が終わった時から一定期間を過ぎると公訴が提起できなくなるという、公訴時効についての規定があります。

しかし、これは国家が刑罰を科す場合の規定ですから、民間企業の懲戒処分には適用されません。

今でも、遅刻すると罰金3,000円などブラックな話も聞かれますが、民間企業が従業員に罰金を科すということなど、あってはならないことです。

結局、懲戒処分に時効期間の規定は無いのです。

 

<民法の基本原則>

時効が無いのだから、どんなに昔のことでも懲戒処分の対象となりうるというのでは、安心して勤務できません。

労働契約も契約の一種ですから、民法の信義誠実の原則や権利濫用の禁止があてはまります。

「権利の行使及び義務の履行は、信義に従い誠実に行わなければならない」〔民法第1条第2項〕

「権利の濫用は、これを許さない」〔民法第1条第3項〕

ということで、あまりにも昔のことを持ち出して懲戒処分を行うのは、不誠実で懲戒権の濫用となり無効であるというのが結論となります。

 

<裁判では>

最高裁の裁判では、7年前の暴行を理由に懲戒解雇処分を行ったのは、懲戒権の濫用であり無効であるという判決があります。

1審では解雇無効、2審では解雇有効、そして最高裁で解雇無効という判断でした。

最高裁は、会社が警察の判断を待っていて懲戒処分のタイミングを見失ったという主張を退け、会社には懲戒処分を行うチャンスがあったのに怠っていたと判断したのです。

また、そこまでひどい暴行ではなく、解雇は行き過ぎだとも言っています。

 

<社労士(社会保険労務士)の立場から>

会社に懲戒規定を置く目的として、次のようなものが挙げられます。

・懲戒対象の社員に反省を求め、その将来の言動を是正する。

・懲戒が行われることで、他の社員は道義感が満たされ安心して働ける。

・懲戒対象となる行為が明確になり、社員全員が伸び伸びと行動できる。

・懲戒規定があることで、社員全員が不正行為を思いとどまる。

一般には、行為者を懲らしめる目的だけがクローズアップされがちですが、他の目的も重要です。

こうした目的からすると、タイムリーな懲戒処分が必要なわけですが、会社としては懲戒権の濫用を指摘されないよう、慎重に行う必要もあります。

懲戒処分を検討するのでしたら、信頼できる社労士にご相談ください。

 

解決社労士

2020/12/17|1,383文字

 

<不足している3つの力>

経営者が労務管理のプロであるか、人事部門に専門家がいるような会社ではない限り、社内で労働トラブルが発生すると必然的にこじれます。

それは、解決に必要な情報収集力、専門的判断力、情報伝達力の3つが不足しているからです。

 

<情報収集力>

われわれ人間を含め、生物が何か判断するためには情報が必要です。

どんなに優れた経営者でも、社員から正確な情報が得られなければ、経営についての重要な判断を誤ってしまいます。

そして、具体的な労働トラブルの解決に必要な情報が何であるかは、それぞれの内容に応じた専門性の高い判断力が備わっていなければ判らないことです。

やみくもに関係者から事情を聞いても、時間、労力、人件費、経費、精神力が消耗されるだけです。

なるべく早く信頼できる社会保険労務士(社労士)に相談して、社内で集める情報だけでなく、法令やその解釈、通達、裁判例など、必要な情報を確定し速やかに手分けして収集することが必要です。

その集め方も大きなポイントです。

社員に対して下手な聞き取り調査をしてしまうと、重要な証拠が消滅したり、人権侵害の問題が発生したりします。

これについても、社労士にノウハウを確認しておくべきですし、法令やその解釈、通達、裁判例などは、情報収集を社労士に任せておくべきです。

 

<専門的判断力>

社内で判明した事実を就業規則や法令に当てはめて、経営者や人事部門の責任者が、自分の中の常識に従い独自の解釈に基づく判断を示すことがあります。

多くの場合には、参照すべき条文が的外れですし、会社に都合の良い解釈をしているものです。

「こうも取れるからOKじゃないか」というのが最も危険です。

会社目線の素人判断では、労働トラブルがこじれて当然です。

判断基準は、あくまでも裁判官目線であることが必要ですから、専門知識のある弁護士や社労士に相談する必要があります。

 

<情報伝達力>

適切な情報収集と、適正な専門的判断によって、解決の指針が見えたとします。

しかし、これを会社側から労働者側に上手く伝えることができず、逆にこじれてしまうことがあります。

「会社で改めて事実を確認したところ、あなたを解雇したことに落ち度はありませんでした」ということを上手に伝えることができず、あっせん、労働審判、訴訟へと発展してしまうのです。

最終的には、会社側の正当性が認定されるにしても、やはり時間、労力、人件費、経費、精神力の消耗は大変なものです。

これには、会社側の情報伝達力不足よりも、労働者側の情報伝達力不足が大きく関わっています。

労働者から会社に何を伝えたいのか、そもそもどうして欲しいのか、何が不満なのか、どうだったら納得できたのか、この辺りが労働者自身で上手く表現できないのです。

自分自身の強い意志で会社に物申したのではなく、家族や友人の勧めで、思い切って会社に申し出をした場合には、特にこの傾向が強くなります。

こうした場合に、労働者側から何をどのように伝えてもらうべきか、会社をサポートすることによって、労働者側の情報伝達力不足を補うのも社労士の役割です。

 

<予防に優る解決なし>

ひとたび労働トラブルが発生すると、こじれずに解決を見るのは大変です。

保険の意味で顧問社労士を置いておき、トラブルを未然に防止するのが、結局は安上がりですし、会社成長のカギともなるでしょう。

 

解決社労士

2020/12/16|1,172文字

 

<空欄のある雇用契約書などの有効性>

雇用契約書や労働条件通知書などは、使用者から労働者に対して主要な労働条件を書面で通知するための書類です。

そして労働条件は、労働契約の中心的な内容となっています。

しかし労働契約は、使用者と労働者との口頭による合意で成立しますので、書面に不備があっても労働契約の効力には影響しません。〔民法第623条〕

たとえ雇用契約書や労働条件通知書が無くても、労働契約は有効に成立するのです。

 

<法定事項の通知義務>

労働契約の成否とは別に、労働者を保護するため、労働条件のうち次の法定事項は、使用者から労働者に書面で通知する必要があります。

1. 労働契約の期間(契約の更新の有無、更新がありうる場合の更新の条件)

2. 就業の場所、従事する業務の内容

3. 始業・終業時刻、所定労働時間を超える労働の有無、休憩時間、休日、休暇、交替制勤務をさせる場合は就業時転換に関する事項

4. 賃金の決定・計算・支払いの方法、賃金の締切り・支払いの時期に関する事項

5. 退職に関する事項(解雇の事由を含む)

さらに、パートタイマー(短時間労働者)や有期雇用労働者については、パート有期労働法(短時間労働者及び有期雇用労働者の雇用管理の改善等に関する法律)により、昇給・退職手当・賞与の有無について、文書の交付等による労働条件明示が必要です。

 

<口頭で通知すれば良い事項>

1. 昇給に関する事項

2. 退職手当の定めが適用される労働者の範囲、退職手当の決定、計算・支払の方法、支払の時期に関する事項

3. 臨時に支払われる賃金、賞与などに関する事項

4. 労働者に負担させる食費、作業用品その他に関する事項

5. 安全・衛生に関する事項

6. 職業訓練に関する事項

7. 災害補償、業務外の傷病扶助に関する事項

8. 表彰、制裁に関する事項

9. 休職に関する事項

つまり、これらの事項は労働条件通知書に漏れていても大丈夫です。

ただし、パートタイマー(短時間労働者)や有期雇用労働者については、パート有期労働法(短時間労働者及び有期雇用労働者の雇用管理の改善等に関する法律)により、昇給・退職手当・賞与の有無について、文書の交付等による労働条件明示が必要です。

 

<空欄があることによるトラブル>

労働条件通知書は、使用者の労働者に対する一方的な通知書ですから、1部だけ作成して労働者に交付すれば良い書面です。

この点が、雇用契約書とは違うところです。

しかし、もし空欄があった場合、交付を受けた労働者が勝手に空欄を補充すると、これがトラブルの元になります。

ですから、使用者もコピーを1部保存するのが良いでしょう。

また、労働条件通知書のひな形を使い、分からない項目は空欄にしておくというのも危険です。

決め方が分からないなど迷うことがあれば、信頼できる社労士にご相談ください。

 

解決社労士

2020/12/15|1,065文字

 

<弁護士のアドバイス>

うつ病で休職していた社員が復職する場合、弁護士に相談すると、負担の軽い部署に配置転換して復職させるようアドバイスされる傾向にあるようです。

これは、会社として何かしらの対策を取らないまま、ただ単純に元の部署に同じ仕事で復職させたのでは、会社が責任を問われかねないと考えるからです。

休職していた社員に配慮し、何かアクションを起こすことによって、会社の責任は軽減されると考えるわけです。

 

<社労士(社会保険労務士)のアドバイス>

ところが、同様のケースを社労士に相談すると、元の部署に復職させるようアドバイスされる傾向にあるようです。

これは、良く知った上司や同僚の中で慣れた仕事をする方が、別の仕事に移るよりも精神的な負担が軽いから、うつ病が再発しにくいと考えるからです。

うつ病が再発したり、悪化したりすれば、会社は責任を問われうるので、余計なアクションを起こさない方が、会社の責任は重くならないと考えるわけです。

 

<鳥取県米子市中学校教諭事件>(鳥取地裁平成16年3月30日判決)

うつ病で休職していた女性教諭が復職するに際して、中学校側が勤務の負担を軽減させる意図で、本校から分教室への配置転換を行いました。

この分教室は、県の設置する児童自立支援施設の中にあり、生徒数が少なく教諭2人で運営している小さな教室です。

この女性教諭は、「配置転換の当時、精神疾患、精神障害が完治しておらず、以前の勤務状況を続けるべきであったにもかかわらず、配転を受けた結果、精神的、肉体的苦痛を被ったもので、これは中学校長、米子市、鳥取県による不法行為であるから、損害賠償を請求する」として、鳥取地方裁判所に民事訴訟を提起しました。

その結果、「中学校長、米子市、鳥取県は各自33万円を女性教諭に支払うように」との判決が下されました。

 

<敗訴の原因>

この中学校長は、女性教諭本人と配置転換について相談していませんでした。

また、過去に分教室での生徒指導が負担となり、退職した女性講師がいたという事実を見落としていました。

さらに、専門医の意見を改めて確認することも怠っていました。

本当に女性教諭の事を考えるのであれば、第一に本人の考えを確認しておくべきでした。

ただ、職場の責任者が、うつ病で休職している人と会話することで、さらに病状を悪化させるリスクもありますから、できれば、専門医、弁護士、社労士などの第三者が間に入って話し合いを持つべきでした。

もし、職場にメンタルヘルス不調の従業員がいたら、なるべく早く信頼できる社労士にご相談ください。

 

解決社労士

2020/12/14|405文字

 

<戸籍の役割

戸籍は、人が、いつ誰の子として生まれ、いつ誰と結婚し、いつ亡くなったかなどの身分関係を登録し、その人が日本人であることを証明する唯一のものです。

戸籍が無いと、住民票やパスポートは、原則として作れません。

戸籍の証明ができないために、資格を取得できないこともあります。

親の遺産を相続する場合に、親子の証明ができないこともあります。

戸籍の無い人が子を産んだ場合に、その生れてきた子もまた無戸籍になってしまうことがあります。

 

<戸籍をつくるには>

戸籍の無い人が戸籍を作るには、まず、各都道府県の法務局の無戸籍相談窓口に電話します。

「無戸籍者の相談のことで」と言えばわかります。

電話せずに直接行っても大丈夫です。

戸籍の無い本人でなくても相談できます。

秘密は守られますから、気軽に相談できます。

そして、戸籍を作るために特別な手続が必要な場合には、そのための案内をしてもらえます。

こうして、戸籍がつくられます。

 

解決社労士

2020/12/13|1,939文字

 

<就業場所の法的規制>

労働基準法は、就業場所について直接には特別な規制をしていません。

しかし使用者は、労働契約の締結に際し、労働条件の1つとして就業場所を明示しなければなりません。〔労働基準法第15条、労働基準法施行規則第5条〕

また民法第484条第1項は、次のように規定しています。

 

【弁済の場所】

弁済をすべき場所について別段の意思表示がないときは、特定物の引渡しは債権発生の時にその物が存在した場所において、その他の弁済は債権者の現在の住所において、それぞれしなければならない。

 

弁済(べんさい)とは、債務者(または第三者)が債務の給付を実現することをいいます。

労務の提供は、特定物の引渡しではありませんから、労使で別段の合意が無ければ、使用者の事業所で労務を提供すべきことになります。

 

<就業場所の明示>

労働者の就業場所は、就業規則や労働条件通知書によって示されています。

就業場所を、原則として会社の施設としつつ、「会社は、必要に応じ在宅勤務を命じることがある」という規定がある場合には、会社がこれを根拠として、在宅勤務を命じたり、通常の就業場所に戻したりすることができます。

 

<在宅勤務の規定が無い場合>

在宅勤務の規定が無い会社で、コロナ禍をきっかけとして、労働者に在宅勤務を命じる場合には、労使で合意するか、就業規則に規定を設ける必要があります。

労働契約法第8条には、「労働者と使用者との合意で労働契約の内容である労働条件を変更できる」と規定されていますから、個々の労働者が同意すれば、在宅勤務を実施することが可能です。

在宅勤務であれば、出勤する場合に比べて、感染リスクも低いと考えられますから、労働者の同意を得るのは比較的容易だと思われます。

しかし、光熱費や通信費を個人負担とした場合などには、労働条件の不利益な変更となる場合もあり、在宅勤務に同意しない労働者がいるかもしれません。

この場合でも、一般には、就業規則の変更によって在宅勤務を実施に移すことができます。

就業規則の変更によって、労働条件を労働者の不利益に変更する場合には、労働契約法第9条と第10条に従って行うことになります。

 

【労働契約法:就業規則による労働契約の内容の変更】

第9条 使用者は、労働者と合意することなく、就業規則を変更することにより、労働者の不利益に労働契約の内容である労働条件を変更することはできない。ただし、次条の場合は、この限りでない。

 

第10条 使用者が就業規則の変更により労働条件を変更する場合において、変更後の就業規則を労働者に周知させ、かつ、就業規則の変更が、労働者の受ける不利益の程度、労働条件の変更の必要性、変更後の就業規則の内容の相当性、労働組合等との交渉の状況その他の就業規則の変更に係る事情に照らして合理的なものであるときは、労働契約の内容である労働条件は、当該変更後の就業規則に定めるところによるものとする。ただし、労働契約において、労働者及び使用者が就業規則の変更によっては変更されない労働条件として合意していた部分については、第12条に該当する場合を除き、この限りでない。

 

「第12条に該当する場合」というのは、就業規則違反となる場合を指します。

 

<就業規則の変更により在宅勤務を開始した場合>

変更後の就業規則に、在宅勤務の終了についての規定が用意されていれば、この規定に従って終了することに問題はありません。

しかし、在宅勤務の終了についての規定が無ければ、就業規則に在宅勤務終了についての規定を加えるか、個々の労働者の同意を得て終了させることになります。

 

<労使の合意により在宅勤務を開始した場合>

就業規則や労働条件通知書に規定を置かず、労使の合意によって在宅勤務を開始した会社もあります。

詳細な制度設計をしないまま安易に始めてしまった場合には、労働者側に経費負担の増加についての不満が発生し、会社側に労働者の働きぶりが見えないことへの不安が発生しやすいといえます。

また、労使共に生産性低下やコミュニケーション不足を感じることがあります。

こうした感覚は、人それぞれですから、在宅勤務をやめるという労働条件の変更について、労使の合意が得られないこともあります。

この場合には、就業規則の変更によって解決すべきこととなります。

「労働条件を元に戻すだけ」ですから、労働者の不利益は大きくないはずですが、せっかく始めた在宅勤務を終了させることについては、様々な不満が発生する場合もあり、トラブルとなりやすいものです。

新型コロナウイルスの感染リスク対応を十分に行い、これを労働者に分かりやすく具体的に説明し、理解を得られるようにする努力が会社に求められることになります。

 

解決社労士

2020/12/12|1,812文字

 

<事実の確認>

ある社員から、いじめられている、嫌がらせを受けているという申し出があった場合、あるいは、第三者からいじめの報告があった場合、安易に対応すると、いじめを行っているとされた社員の人権侵害となることもあります。

こうした人権侵害を回避しつつ、いじめを救済するためには、何よりもまず事実の確認が必要です。

速やかに、いじめを受けているとされる社員から、十分な聞き取りをすることです。

先入観を持たず、明かされた行為の評価はせず、淡々と事実の確認を行います。

つぎに、いじめをしているという社員からも、十分な聞き取りをします。

このとき、「Aさんから、あなたにいじめられているという申し出があった」と言うのではなく、「Aさんから、あなたの行為について相談があった」と言うべきです。

最初から加害者扱いしてはいけません。

熱心に仕事を教え、時には厳しい口調となってしまうこともあるというのが、判明する事実かもしれないのです。

それでも、本人に意図的ないじめの意識があったのであれば、途中でお詫びの言葉が出てくることでしょう。

さらに周囲の社員からも、十分な聞き取りを行います。

そうすることによって、より一層、客観的な事実が浮かび上がるものです。

 

<記録の作成>

事実の確認にあたっては、聞き流してはいけません。

きちんと記録を残す必要があります。

何月何日の何時に、どこでどういうことがあったのか、詳細に記録します。

こうすることで、聞き取り調査が正式なものであり、真剣に対応している姿を聞き取りの相手に示すことができます。

これによって、話し手もよく考えて、真剣に話してくれるものです。

また、法的な紛争となった場合にも、正式な証拠として役立てることができます。

 

<事実の評価>

得られた事実から、行為者の各行為について、人格権の侵害や就業規則違反が無かったか公平に評価します。

また、当事者に能力不足や適性の欠如が無いかも検討します。

 

<注意・指導>

この段階で、行為者がいじめを自覚していれば、すでに反省していることでしょう。

だからと言って、「許してあげよう」では被害者も周囲の社員も納得できませんし、安心して働けません。

正式に注意・指導し、その内容を書面にまとめ、上司とそのまた上司までは署名を得ておき、最後に行為者の署名を得て会社が保管します。

もし、行為を繰り返すようであれば、次回は書面による注意、そしてさらに重い処分へと進むことになります。

 

<配置転換>

ただ単に、問題となった社員同士の相性が悪いということであれば、その片方または両方を配置転換することも検討したいものです。

このとき、原則として加害者側の社員を異動させるべきです。

被害者側を異動させたり、退職に追い込んだりしたのでは、他の社員が安心して働けません。

 

<退職勧奨>

重大ないじめが発覚した場合、注意・指導をしても改まらない場合、配置転換をしてもなお追いかけていじめるような場合には、行為者に対して、自主的に退職してもらうよう働きかけることも考えられます。

もっとも,本人が反省しておらず、退職することに合意しない場合には、合意するよう強制することはできません。

 

<普通解雇>

いじめを行わずにはいられない性格であったり、いじめの自覚を持てなかったりすれば、業務上必要な協調性が欠けているわけですから、組織の一員として勤務することは困難です。

しかも、これを指導によって改善することは、個人の性格を変えるという話になってしまい、およそ無理なことです。

結局、改善できない能力不足であれば、普通解雇が妥当ということになります。

 

<懲戒解雇>

就業規則に具体的な規定があることが大前提ですが、いじめが激しいものでなければ、それが懲戒解雇の「客観的に合理的な理由」とはならないケースが多いでしょう。

軽い懲戒処分の対象とすることから始めて、どうしても改まらないために、懲戒解雇にまで行きついてしまったということは想定できます。

 

<社労士(社会保険労務士)の立場から>

もし会社に顧問の社労士がいれば、事実の確認から対応できます。

社外の第三者としての立場から、客観的な事実を確認するには適任でしょう。

その後の対応についても、就業規則や労働法に照らして適切なアドバイスを行うことができます。

何かトラブルが発生してからではなく、保険のつもりで顧問社労士を置いておき、会社の実情を把握させておくのが得策でしょう。

 

解決社労士

2020/12/11|863文字

 

<長期の音信不通と解雇>

長期間にわたって無断欠勤が続いた場合には、普通解雇の理由になることが多いですし、ほとんどの就業規則で懲戒解雇の対象にしていることでしょう。

しかし、使用者による解雇の意思表示は、解雇の通知が対象者に到達しないと効力が発生しません。〔民法第97条第1項〕

その社員が自宅にいて、ただ単に出社しない状態であれば、社員の自宅に解雇の通知が届くことによって、解雇の意思表示が到達したことになります。

しかし、本人が不在で家族も居場所を知らないような場合には、自宅に解雇通知を届けても効力が発生しません。

ましてや、その社員がいつの間にか転居していたような場合には、解雇の通知の届け先すらわからないことがあります。

こうした場合には、解雇の通知ができずに、解雇できないことになってしまいます。

 

<メールによる解雇通知>

電子メールでの解雇通知は、本人からの返信が無ければ、通知を読める状態にあったとは言い難いので、やはり解雇の意思表示が到達したとはいえないでしょう。

もし、解雇を了解する内容の返信があれば、解雇の意思表示が到達したことになります。

しかし、この場合には、そもそも音信不通という判断が間違っていて、解雇権の濫用になってしまい、解雇が無効になる可能性が高まってしまいます。〔労働契約法第16条〕

 

<公示による解雇通知>

全く連絡の取れない社員に対して、解雇の通知をするには、簡易裁判所で公示による意思表示を行うこともできます。〔民法第98条〕

これによって、解雇の意思表示が行方不明の社員に到達したものとみなされ、解雇を有効とすることができるのです。

 

<就業規則の備え>

無断欠勤と音信不通が一定の期間続いた場合には、就労の意思が無いものとして、自然退職にするという規定を置いておくことをお勧めします。

多くの場合には、この規定により自然退職扱いにすれば問題が解決します。

こうした規定は、必ずしも就業規則のひな形に入っているものではありません。

会社の実情に応じた適法な就業規則にするには、信頼できる社労士にご相談ください。

 

解決社労士

2020/12/10|3,014文字

 

<雇用関係助成金>

従業員を休業させ、事業主が休業手当を支払った場合に、その一部が助成されるなどの雇用調整助成金について、新型コロナウイルス感染症拡大の影響から、大幅な例外措置が取られましたし、これが注目されて、支給申請件数が大幅に伸びました。

また、厚生労働省は、雇用関係を維持しながら他社に従業員を出向させる在籍型出向(雇用シェア)を推進するため、出向元と出向先双方の企業を対象とした「産業雇用安定助成金」を創設しました。

これらを含め、多くの雇用関係助成金は、事業主の負担する雇用保険料を財源とする雇用安定事業として行われています。

事業主の負担する雇用保険料が、助成金の受給に相応しくない事業主に流れたり、不正受給が行われたりすると、公平に反する結果となりますから、各雇用関係助成金に共通の受給要件等は、以下に示すように厳格です。

 

<受給できる事業主>

雇用関係助成金を受給する事業主(事業主団体を含む)は、次の1~3の要件のすべてを満たすことが必要です。

1 雇用保険適用事業所の事業主であること(雇用保険被保険者が存在する事業所の事業主であること)

 

2 支給のための審査に協力すること

(1)支給または不支給の決定のための審査に必要な書類等を整備・保管していること

(2)支給または不支給の決定のための審査に必要な書類等の提出を、管轄労働局等から求められた場合に応じること

(3)管轄労働局等の実地調査を受け入れること など

 

3 申請期間内に申請を行うこと

 

<受給できない事業主>

次の1~9のいずれかに該当する事業主(事業主団体を含む)は、雇用関係助成金を受給することができません。

特に、4の要件は厳しいように思われます。

1 平成31(2019)年4月1日以降に雇用関係助成金を申請し、不正受給による不支給決定又は支給決定の取り消しを受けた場合、当該不支給決定日又は支給決定取消日から5年を経過していない事業主(平成31(2019)年3月31日以前に雇用関係助成金を申請し、不正受給による不支給決定又は支給決定の取り消しを受けた場合、当該不支給決定日又は支給決定取消日から3年を経過していない事業主)。

なお、支給決定取消日から5年(上記括弧書きの場合は3年)を経過した場合であっても、不正受給による請求金を納付していない事業主は、時効が完成している場合を除き、納付日まで申請できません。

ここで、「不正受給」とは、偽りその他不正の行為により、本来受けることのできない助成金の支給を受けまたは受けようとすることを指します。例えば、離職理由に虚偽がある場合(実際は事業主都合であるにもかかわらず自己都合であるなど)も不正受給に当たります。

また、「請求金」とは、不正受給により返還を求められた額、不正受給の日の翌日から納付の日まで、年3%の割合で算定した延滞金、不正受給により返還を求められた額の20%に相当する額(上記括弧書きの場合を除く。)の合計額です。

 

2 平成31(2019)年4月1日以降に申請した雇用関係助成金について、申請事業主の役員等に他の事業主の役員等として不正受給に関与した役員等がいる場合は、申請することができません。

この場合、他の事業主が不支給決定日又は支給決定取消日から5年を経過していない場合や支給決定取消日から5年を経過していても、不正受給に係る請求金を納付していない場合(時効が完成している場合を除く)は、申請できません。

 

3 支給申請日の属する年度の前年度より前のいずれかの保険年度の労働保険料を納入していない事業主(支給申請日の翌日から起算して2か月以内に納付を行った事業主を除く)

 

4 支給申請日の前日から起算して1年前の日から支給申請日の前日までの間に、労働関係法令の違反があった事業主

 

5 性風俗関連営業、接待を伴う飲食等営業またはこれら営業の一部を受託する営業を行う事業主

これらの営業を行っていても、接待業務等に従事しない労働者(事務、清掃、送迎運転、調理など)の雇い入れに係る助成金については、受給が認められる場合があります。また、雇い入れ以外の助成金についても、例えば旅館事業者などで、許可を得ているのみで接待営業が行われていない場合や、接待営業の規模が事業全体の一部である場合は、受給が認められます。なお、「雇用調整助成金」については、性風俗関連営業を除き、原則受給が認められます。

 

6 事業主又は事業主の役員等が、暴力団と関わりのある場合

 

7 事業主又は事業主の役員等が、破壊活動防止法第4条に規定する暴力主義的破壊活動を行った又は行う恐れのある団体に属している場合

 

8 支給申請日または支給決定日の時点で倒産している事業主

 

9 不正受給が発覚した際に都道府県労働局等が実施する事業主名及び役員名(不正に関与した役員に限る)等の公表について、あらかじめ承諾していない事業主

 

<不正受給の場合の措置>

雇用関係助成金について不正受給があった場合、次のように厳しく取り扱われます。

1 支給前の場合は不支給となります。

2 支給後に発覚した場合は、請求金の納付が必要です。

「請求金」とは、不正受給により返還を求められた額、不正受給の日の翌日から納付の日まで、年3%の割合で算定した延滞金、不正受給により返還を求められた額の20%に相当する額の合計額です。

3 支給前の場合であっても支給後であっても、不正受給による不支給決定日又は支給決定取消日から起算して5年間は、その不正受給に係る事業主に対して雇用関係助成金は支給されません。

4 不正の内容によっては、不正に助成金を受給した事業主が告発されます。

詐欺罪で懲役1年6か月の判決を受けたケースもあります。

5 不正受給が発覚した場合には、原則事業主名等が公表されます。

 

<代理人の責任>

社会保険労務士や弁護士などの代理人が、事業主の申請を代わって行う場合、以下の事項に承諾しておく必要があり、ハイリスクな業務となっています。

1 支給のための審査に必要な事項の確認に協力すること

社労士事務所や法律事務所等への立ち入りを含みます。

 

2 不正受給に関与していた場合は、

(1)申請事業主が負担すべき一切の債務について、申請事業主と連帯し、請求があった場合、直ちに請求金を弁済すべき義務を負うこと

(2)事務所(又は法人)名等が公表されること

(3)不支給とした日又は支給を取り消した日から5年間(取り消した日から5年経過した場合であっても、請求金が納付されていない場合は、時効が完成している場合を除き、納付日まで)は、雇用関係助成金に係る社会保険労務士が行う提出代行、事務代理に基づく申請又は代理人が行う申請ができないこと

 

<助成金受給の心がけ>

支給申請日の前日から起算して1年前の日から支給申請日の前日までの間に、労働関係法令の違反があった事業主が、雇用関係助成金を受給できないことは上に示した通りです。

「労働関係法令」には、労働基準法だけでなく、労働安全衛生法、最低賃金法、育児・介護休業法、雇用保険法、労災保険法、高年齢者雇用安定法、職業安定法等々、数多くのものが含まれます。

助成金受給のチャンスを失わないためにも、普段からホワイト企業であり続ける努力が必要です。

また、申請を委託するのであれば、会社の状況をよく知っている顧問社労士に任せることをお勧めします。

 

解決社労士

<期限付きにする会社のメリット>

会社や店舗の業績に大きな波があって、その傾向が比較的わかりやすければ、必要な時期に限定して人手を増やすために、有期労働契約は便利です。

たとえば、春から秋にかけてはパチンコ店の店員をしていて、冬場だけスノーボードのインストラクターとして働くという例もあります。

 「何かあったときに」簡単に人員を調整して人件費を抑えるため、有期労働契約の従業員を採用しておくという会社もあります。

昔は労働契約法も無かったですし、労働法に対する人々の関心も薄かったですから、会社の思惑通りに事が運んでいました。

しかし、パートやアルバイトであればいつでも解雇できるという誤解は解消されつつあります。

むしろ、契約期間の途中で解雇するのは、定年の他に期間を定められていない正社員よりもむずかしいのです。

客観的に「やむを得ない」理由が無ければ、契約期間中に解雇することはできません。〔労働契約法第17条第1項、民法第28条〕

「やむを得ない」理由とは、期間を定めて雇用しているにもかかわらず、その約束を破って、期間満了前に雇用契約を終了しなければならないような特別重大な理由をいいます。

ですから、余程のことがない限り、契約期間の途中で解雇することはできません。

主観的な判断で安易に「やむを得ない」とはいえないのです。

 

<期間満了での解雇(雇い止め)>

この雇い止めについてのトラブルは非常に多いものです。

その原因は、期間満了と共に解雇するのであれば何の問題も無いハズという会社側の感覚と、契約更新に期待を寄せている従業員の感覚との食い違いです。

そして法律上、一定の場合には解雇が認められやすく、その他の場合には不当解雇となりやすいという複雑さがあります。

解雇したつもりになっていても、不当解雇であれば解雇は無効なのです。

 

<社労士(社会保険労務士)の立場から>

雇い止めのトラブルを無くすには、最初の契約内容をきちんとすることと、採用時、契約更新時に労働条件を書面で示すことが必要です。

正社員以外の従業員がいる場合には、トラブル防止のため、また同一労働同一賃金に対応するためにも、信頼できる社労士にご相談ください。

2020/12/08|1,197文字

 

<転勤命令の根拠の確認>

会社が労働者に転勤を命ずることができる根拠は、「業務の都合により転勤を命ずることがある」のような就業規則の規定です。

こうした規定は、就業規則のひな形には入っていないこともありますから、漏れていることも多いのです。

会社に転勤命令権が無かったら、必要な配置転換ができないのだから、規定が無ければ転勤命令が自由にできないというのは、「常識」で考えておかしいと考える経営者もいらっしゃるでしょう。

しかし、裁判などでは規定の存在が重視されます。

配置転換の多くは、同一事業場内での担当業務等の異動ですが、転勤は勤務地の変更を伴う所属部門の異動ですから、労働者の不安と負担が大きく、必ずしも会社の自由ではないのです。

常用労働者が10人未満の事業場では、就業規則が無くても違法ではありません。10人以上になったタイミングで、会社の営業拠点が1か所であれば転勤も想定していませんから、転勤の規定が無くても、何も問題は無かったはずです。

ところが、会社の規模が拡大し営業所ができたりすると、転勤の規定が必要になるのですが、気がつかなければそのままになっています。

結局、どこにも規定が見当たらない場合には、転勤命令の根拠が無いかもしれません。

 

<転勤命令が無効になる場合>

労働契約法には、転勤命令権の濫用による転勤命令の無効を定めた規定はありません。

しかし、出向、懲戒、解雇についての規定に示された基準は、裁判の積み重ねによってできた基準です。

ですから、実際の裁判では、同様の基準で転勤命令が権利の濫用として無効になる場合が判断されています。

たとえば、業務上の必要性を欠く場合、労働者に通常我慢すべき程度を著しく超える不利益を負わせる場合、不当な動機や目的がある場合には、権利の濫用として転勤命令が無効とされています。〔最高裁昭和61714日東亜ペイント事件判決〕

 

<説明しにくい転勤の理由>

今の担当業務では成果が出ていない、同僚との関係もうまく行っていないという場合には、会社が能力の発揮を期待して転勤させることもあります。

しかし、こうした場合に転勤させると、本人にしてみれば能力不足や協調性不足を疑われているのではないかと、落ち込んでしまう可能性もあります。

やはり、ストレートに転勤の理由を説明すべきでしょう。

元の職場でケンカしてしまった、セクハラやパワハラをしてしまったという理由での転勤の場合、これが公になっているのであれば、本人への説明は簡単でしょう。

しかし、これが確信の持てるものではなく、疑いに留まっているのであれば、転勤した後に、そうした疑いがかからなくなるのであれば、疑いが晴れることになります。

反対に、転勤先でも同じ問題が起こるのであれば、転勤前の職場でも問題があった可能性が高いといえます。

この話をして、転勤対象者に転勤を打診すれば、拒否する可能性は低くなるでしょう。

 

解決社労士

2020/12/07|877文字

 

<しわ寄せ>

働き方改革関連法(働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律)により改正された労働基準法に規定された、罰則付きの時間外労働の上限規制や年5日の年次有給休暇の確実な取得を始めとする施策が実施される中で、大企業・親事業者での「長時間労働の解消」などの取組が、下請等中小事業者に対する適正なコスト負担を伴わない短納期発注、急な仕様変更、人員派遣の要請、附帯作業の要請などの「しわ寄せ」を生じさせている場合があります。

大企業・親事業者では、社内の発注や調達部署の役員、責任者、担当者等に対して、適正な発注等が行われているか、定期的に確認する必要があります。

 

<振興基準>

平成30(2018)年12月に、下請中小企業振興法第3条第1項の規定に基づく振興基準が改正され、親事業者は、自らの取引に起因して下請事業者が労働基準関連法令に違反することのないよう配慮することや、やむを得ず、短納期または追加の発注、急な仕様変更などを行う場合には下請事業者が支払うこととなる増大コストを負担することなどが新たに盛り込まれました。

振興基準は、下請中小企業の振興を図るため、下請事業者および親事業者のよるべき一般的な基準として、下請中小企業振興法第3条第1項の規定に基づき、経済産業省告示で具体的な内容が定められています。

振興基準は、親事業者と下請事業者の望ましい取引関係を定めており、下請法とは異なり、資本金が自己より小さい中小企業者に対して製造委託等を行う幅広い取引が対象となります。

また、振興基準は、主務大臣(下請事業者、親事業者の事業を所管する大臣)が必要に応じて下請事業者および親事業者に対して指導、助言を行う際に用いられています。

 

<労働時間等設定改善法>

働き方改革関連法により改正され、平成31(2019)年4月1日に施行された労働時間等設定改善法(労働時間等の設定の改善に関する特別措置法)では、他の事業主と取引する場合に、長時間労働につながる短納期発注や発注内容の頻繁な変更を行わないよう配慮することが、事業主の努力義務となっています。

 

解決社労士

<サボりが発覚したら>

「勤務時間中に営業社員が仕事をサボっている」という情報が入ったら、まずは事実を確認しましょう。

その営業社員がサボっていた日時と時間帯、場所、行動、服装、一緒にいた人、手荷物など、人違いであるなどの言い逃れができないようにしましょう。

押さえられる証拠があれば、それも集めて保管しておきます。

 

<本人への事情聴取>

あくまでも、就業規則に具体的に違反するようなサボりであった場合や、欠勤控除をすべき長時間のサボりであったことが前提ですが、その営業社員と面談して事実確認をします。

本人が事実を認め反省していれば、口頭で注意し、注意の内容を文書にして、社長あるいは担当役員まで確認の署名をもらい、本人の署名も得ておきます。この文書を会社で保管します。

ちょっと面倒に思われますが、サボりを繰り返した場合には、懲戒処分をするにあたって必要な手順となります。

本人が事実を認めない場合には、営業日報の内容などを手掛かりに事実を確認します。

また、他の社員やお客様などからも情報を集めます。こうしてサボりの事実が確認できた場合には、本人の反省が無い分だけ、懲戒処分を検討する必要性が高まります。

反対に、人違いや勘違いなどが判明した場合には、丁重にお詫びし、情報収集の相手となった社員やお客様の誤解も解いてあげなければなりません。

 

<サボりを繰り返すなら>

サボりを繰り返すようなら、口頭注意から、文書による注意へと切り替えます。

それでも繰り返すなら、さらに重い懲戒処分、そして退職勧奨や懲戒解雇へと進むこともあるでしょう。

こうしたことを正しく行うのは、骨の折れることです。

失敗すると、本人が反省するどころか、会社に対して慰謝料を含め損害の賠償を求めてくることもあります。

最初にサボりが発見された時点で、信頼できる社労士にご相談ください。

2020/12/05|959文字

 

<入社日と初出勤>

入社日は労働契約の初日であり、勤務先に籍を置いた初日です。

そして、初出勤は初めて出勤した日です。

正社員であれ、パートやアルバイトであれ、必ずしも入社日に初出勤するわけではありません。

たとえば、平成29年の4月は1日が土曜日でしたから、新卒採用の入社日が41日で、初出勤が月曜日の43日というのが多数派でした。

 

<労務管理上の基準日>

健康保険、厚生年金保険、雇用保険などの保険関係は、入社日に加入することになります。

かつては、試用期間が終わって本採用の時に加入するという誤った運用も見られましたが、基準を満たしている限り、試用期間の初日に加入するのが正しいわけです。

これを後から修正するには、保険料もまとめて納付しなければならず、大きな負担となりますから遅れずに手続しましょう。

年次有給休暇は、法定通りであれば入社日から6か月後に付与されます。

これも、試用期間があれば、試用期間の初日から6か月後に付与されることになります。

 

<入社日と初出勤が離れている場合>

入社日に社会保険(健康保険・厚生年金保険)に加入して、その月の保険料も発生します。

ところが、入社してから初出勤までの日が空いてしまうと、就業規則により、その間の欠勤控除が発生する場合があります。

その結果、社会保険料を給与から控除すると、マイナスになってしまうことがあります。

これは違法なことではありません。

別途支払ってもらうなど、予めルールを定めておくと良いでしょう。

年次有給休暇は法定通りであれば、入社日から6か月間の出勤率が8割以上の場合に付与されます。

入社してから初出勤までの日が空いてしまい、この間を欠勤扱いにしてしまうと、出勤率の点で不利になってしまいます。

会社側の都合でこうした現象が発生するのであれば、入社日から初出勤まで、出勤率の計算のうえでは出勤扱いにするなどのルールを設けておくと良いでしょう。

 

<社労士(社会保険労務士)の立場から>

入社して何年も経てば当り前の事でも、新人にとっては首をかしげるような事であったりします。

せっかく入社した新人が気持よくスタートを切れるよう、会社に合った仕組みづくりのアドバイスをして、適切に運用できるよう支えるのも、顧問社労士の重要な役割です。

ぜひ、信頼できる社労士にご相談ください。

 

解決社労士

2020/12/04|1,582文字

 

<医師による面接指導>

事業者は、一定の要件を満たす長時間労働者に対して、医師による面接指導を実施しなければなりません。〔労働安全衛生法第66条の8第1項、第66条の8の2第1項、第66条の8の4第1項、第66条の10第3項〕

法の規定に基づく面接指導は、情報通信機器を用いて行うことができます。

令和2(2020)年11月19日に、このことについての通達が一部改正されました(基発1119 第2号)。

ここで、通達の内容をご紹介します。

 

<基本的な考え方>

労働安全衛生法第66条の8第1項で、面接指導は「問診その他の方法により心身の状況を把握し、これに応じて面接により必要な指導を行うこと」とされています。

つまり、医師が労働者と面接し、労働者とのやりとりやその様子(表情、しぐさ、話し方、声色等)から労働者の疲労の状況やストレスの状況その他の心身の状況を把握し、把握した情報を元に、必要な指導や就業上の措置に関する判断を行うものです。

このため面接指導は、労働者の様子を把握し、円滑にやりとりを行うことができる方法により行う必要があります。

面接指導を実施する医師が、必要と認めた場合には、直接対面によって行う必要があります。

急速なデジタル技術の進展に伴い、情報通信機器を用いて面接指導を行うことへのニーズが高まっています。

しかし、情報通信機器を使って面接指導を行う場合でも、労働者の心身の状況の確認や必要な指導が適切に行われるようにするため、以下の留意事項を踏まえて実施しなければなりません。

 

<医師への情報提供>

事業者は、面接指導を実施する医師に対し、面接指導を受ける労働者が業務に従事している事業場に関する事業概要、業務の内容、作業環境等に関する情報、対象労働者に関する業務の内容、労働時間等の勤務の状況、作業環境等に関する情報を提供しなければなりません。

 

<望ましい医師>

面接指導を実施する医師が、以下のいずれかの場合に該当することが望まれます。

・面接指導を実施する医師が、対象労働者が所属する事業場の産業医である場合。

・面接指導を実施する医師が、契約(雇用契約を含む)により、少なくとも過去1年以上の期間にわたって、対象労働者が所属する事業場の労働者の日常的な健康管理に関する業務を担当している場合。

・面接指導を実施する医師が、過去1年以内に、対象労働者が所属する事業場を巡視したことがある場合。

・面接指導を実施する医師が、過去1年以内に、その労働者に指導等を実施したことがある場合。

 

<情報通信機器の要件>

面接指導に用いる情報通信機器は、以下の全ての要件を満たすことが必要です。

・面接指導を行う医師と労働者とが相互に表情、顔色、声、しぐさ等を確認できるものであって、映像と音声の送受信が常時安定しかつ円滑であること。

・情報セキュリティ(外部への情報漏洩の防止や外部からの不正アクセスの防止)が確保されること。

・労働者が面接指導を受ける際の情報通信機器の操作が、複雑、難解なものでなく、容易に利用できること。

 

<実施方法の要件>

情報通信機器を用いた面接指導の実施方法等について、以下のいずれの要件も満たすことが必要です。

・情報通信機器を用いた面接指導の実施方法について、衛生委員会等で調査審議を行ったうえで、事前に労働者に周知していること。

・情報通信機器を用いて実施する場合は、面接指導の内容が第三者に知られることがないような環境を整備するなど、労働者のプライバシーに配慮していること。

 

<緊急時対応体制の整備>

情報通信機器を用いた面接指導で、医師が緊急に対応すべき徴候等を把握した場合に、労働者が面接指導を受けている事業場その他の場所の近隣の医師等と連携して対応したり、その事業場にいる産業保健スタッフが対応する等の緊急時対応体制が整備されていることも必要です。

 

解決社労士

2020/12/03|1,057文字

 

<就業規則の存否>

入社したばかりの新人やアルバイトにとって、そもそも会社に就業規則が有るのか無いのか不明なこともあります。

労働基準法では、「常時十人以上の労働者を使用する使用者は、…就業規則を作成し、行政官庁に届け出なければならない。…変更した場合においても、同様とする」となっているので、臨時で働く人を除き、従業員が10人未満の会社では、就業規則が存在しないこともあります。〔労働基準法第89条〕

こうした小さな会社で、就業規則の作成に社長が全く関わらないということは考えられませんので、社長なら確実に答えられるでしょう。

 

<保管場所について>

使用者は、就業規則を周知する義務を負っています。〔労働基準法第106条第1項〕

「周知」というのは、従業員が見ようと思えば見られる状態にしておくことです。

周知しておかなければ、たとえ所轄の労働基準監督署長に届け出た就業規則であっても、無効ということになってしまいます。

ですから、就業規則をどこでどうやって読んだら良いのかわからない従業員に対しては、会社は就業規則の効力を主張できません。

この場合でも、年次有給休暇、産休、育休など法定の権利については、就業規則の有無や内容に関係なく従業員に与えられています。

このように、周知は重要ですから、社内のどの従業員にたずねても、就業規則の保管場所はすぐに分かるはずです。

 

<どこを読んだら良いのか>

自分が疑問に思った点について、就業規則のどこを読んだら良いのか分からないことがあります。

この場合には、総務・人事の担当者に相談することになります。

ただ、就業規則が作られただけで、法改正や会社の状況に応じた変更が無い会社では、社内に詳しい人がいないという困った事態もありえます。

この場合でも、いい加減に作られた就業規則は、労働基準法などによって労働者に有利な方向に修正されて効力を発します。

 

<読んでも意味が分からないとき>

必要な部分を読んでみたものの、その意味が分からないということがあります。

従業員が読んでも分からない規定のある就業規則というのは、それ自体問題ですが、この場合にも、総務・人事の担当者に相談することになります。

それでも、なお分からないことがあります。

特に法令やひな形を丸写しにしただけの規定であれば、会社の実情に合っているかどうかのチェックもされていませんので、会社にとってどういう意味があるのか、誰にもわからないということも稀ではありません。

こんな就業規則はトラブルの元ですから、信頼できる社労士にご相談ください。

 

解決社労士

2020/12/02|886文字

 

<労働条件の通知>

アルバイトでも、パートでも、人を雇った使用者は、法定の労働条件を書面で交付する義務があります。〔労働基準法第15条〕

労働条件通知書、雇い入れ通知書、雇用契約書、労働契約書など名前はいろいろです。

名前はどうであれ、交付しないのは労働基準法違反の犯罪であり、30万円以下の罰金刑が規定されています。〔労働基準法第120条〕

この場合、1人あたり30万円の罰金を科されたうえに、マスコミやネットの書き込みの威力で、立ち直れなくなる可能性があります。

労働条件が不明確なら、年次有給休暇の付与日数も、取得した場合の給与計算の方法も不明です。

月給制なら、残業手当の計算方法もわかりません。

労働条件を書面で交付しないのは、「年次有給休暇も残業手当もありません」と自白しているようなものです。

 

<契約の更新>

有期労働契約であれば、こうした書類に契約期間が明記されています。

契約期間の終了が迫っているのに、なかなか契約更新の話が無いのでは、雇われの身としては不安で仕方がありません。

契約期間が過ぎて、何の話も無ければ、このまま働いていて大丈夫なのか疑問に感じてしまいます。

こういう場合に備えて、民法には次の規定があります。

「雇用の期間が満了した後労働者が引き続きその労働に従事する場合において、使用者がこれを知りながら異議を述べないときは、従前の雇用と同一の条件で更に雇用をしたものと推定する」〔民法第629条第1項本文〕

つまり、契約切れなのに勝手に働いているのだから、賃金支払義務は無いということではないのです。

(このほか労働契約法第19条にも一定の場合の契約更新が規定されています)

 

<契約更新期が近づいたら>

とはいえ、遅くとも契約期間満了の1か月前になったら、使用者からでも労働者からでも、気づいた方が契約更新の話をもちかけるべきです。

必ず前回と同じ内容で更新というわけではなく、出勤日や勤務時間の変更、賃金の改定など検討する余地があるかも知れません。

そして、「こういう変更をしても問題ないか?」という疑問があれば、信頼できる社会保険労務士(社労士)にご相談ください。

 

解決社労士

2020/12/01|1,144文字

 

<社会背景>

少子高齢化の傾向が継続しており、厚生労働省の定義する団塊世代(昭和22(1947)年~昭和24(1949)年生まれ)は70歳代に入りました。

介護保険の要支援・要介護認定者数も増加傾向にあります。

介護する側の人には、働き盛りで企業の中核を担う管理職や職責の重い人材が多く含まれています。

 

<育児との違い>

育児介護休業法(育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律

)には、育児と介護の両方について規定が並んでいます。

しかし、育児が計画的に対応できるものであるのに対して、介護の必要は突発的に発生します。

また育児は、ある程度まで画一的にイメージすることもできますが、介護の場合には、その内容も期間も千差万別です。

このことから、行政や企業の対応も容易ではなく、仕事と介護の両立が困難となる可能性があります。

 

<育児介護休業法の対象>

要介護状態の家族の介護等をするために、育児介護休業法に基づく制度が利用できます。

ここで「要介護状態」とは、介護保険で要介護2以上である場合と、要介護認定を受けていない場合でも2週間以上の期間にわたり介護が必要な状態を指します。

また「家族」には、配偶者(事実婚含む)、父母、子、配偶者の父母、祖父母、兄弟姉妹、孫が含まれます。

 

<介護休業>

対象家族を介護するため、対象家族1人につき通算93日、3回まで分割して取得できます。

雇用保険から、介護休業給付金(賃金の67%)が支給されます。

最低限利用できる法定の制度ですから、勤務先の制度とは別に利用できます。

介護休業期間は、直接介護にあたるための期間ではなく、終了後に復職できるよう、介護の体制を整える期間と考えられます。

 

<介護休暇>

労働基準法の年次有給休暇とは別に、対象家族が1人の場合は年5日、2人以上の場合は年10日まで、半日または1日単位で取得できます。

最低限利用できる法定の制度ですから、年次有給休暇とは別に利用できます。

なお、令和3(2021)年1月1日からは、1時間単位での取得が可能ですから、就業規則の改定も必要です。

 

<勤務時間短縮等>

次のいずれかの制度を利用できるよう、措置を講じることが、事業主に義務付けられています。

・短時間勤務

・フレックスタイム

・時差勤務

・介護費用の助成措置

 

<不利益取扱の禁止>

制度を利用する申出等に対して「不利益な取扱い」をすることは、禁止されています。

退職の強要や、正社員をパートにする等の不利益な取扱いはできません。

また会社には、制度を利用しようとする者に対し、上司・同僚などが嫌がらせ(ハラスメント)をしないよう防止措置を講じる義務があります。

万一嫌がらせが発生した場合のために、会社の相談窓口を明確にしておくことも求められます。

 

解決社労士

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