2020年 11月 2日

2020/11/02|1,222文字

 

<コンピテンシーとは>

コンピテンシー(competency)は、英語で「適格性」を意味しますが、企業の人材活用の場面で用いられる場合には、「職務で一貫して高い業績を出す人の行動特性」をいいます。

コンピテンシーが注目されるようになった理由は2つあります。

ひとつは、企業が年功序列主義を見直し、能力を客観的に評価する基準が必要になったという事情があります。

もうひとつは、企業が国際競争にさらされ、生き残りをかけて組織や企業全体の生産性を高めることが急務となったことです。

両者が相まって、企業が従業員に能力向上の分かりやすい指標を示すのに、コンピテンシーが有効だったわけです。

 

<人事考課での利用>

社内で高い業績を上げている従業員の行動特性を分析し、その行動特性を職種別にモデル化し、どれだけ近い行動特性を備えているかを評価基準とします。

従来の日本型の人事考課では、「協調性」「積極性」「規律性」「責任性」など、評価基準が能力で構成されていました。

しかし、こうした評価基準で高評価を与えられた従業員が、必ずしも会社に対して高い貢献度を示しているわけではありません。

そこで、会社への貢献度に直接リンクする評価基準として、コンピテンシーが用いられるようになりました。

ただ、どれほどコンピテンシーモデルに近い行動をとっているかの判断は、考課権者である上司の主観に負うところもあり、必ずしも評価される従業員に納得されない部分があります。そこで、部署や事業所ごとにコンピテンシーモデルを提示し、その内容を個人レベルの目標に落とし込む形で、目標設定に利用することが行われます。

この方法によれば、十分な結果が出なかった場合でも、コンピテンシーの側面から取組み姿勢を評価することができます。

 

<採用での利用>

コンピテンシーを採用面接に取り入れることで、企業の求める人物、企業の業績に貢献してくれそうな人物か否かを見極めようとする試みもあります。

この場合には、応募者に対する質問内容を、コンピテンシーモデルを軸に据えたものとします。

架空の事例を提示して「あなたならどうしますか」という問いを投げかけるなどして、会社に貢献する人物か否かを客観的に判断するための材料をより多く引き出すようにします。

コンピテンシー採用は、面接官に高いスキルが求められますし、応募者が事実に反して、望ましい行動パターンを想定して回答してしまうと評価を誤る恐れがあります。

このため、コンピテンシーを採用に利用するのは、かなりの困難を伴います。

 

<将来のコンピテンシー活用>

将来的には、サイバー空間にビッグデータの一部として、コンピテンシーの膨大な情報が集積されます。

このビッグデータを人間の能力を超えた人工知能(AI)が解析し、その解析結果が様々な形でフィードバックされるでしょう。

企業が求める人材を発掘するのも、求職者が適職を見つけるのも、近い将来、困難なことではなくなっているかもしれません。

 

解決社労士

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