2017年 7月

<無断欠勤なら>

多くの会社には、正当な理由なく無断欠勤を続けた場合には懲戒解雇とする旨の規定があります。

こうした規定を置かずに行う懲戒解雇は不当解雇となり、解雇が無効となるので、会社が大きな痛手をこうむります。

たとえ規定があったとしても、実質的な欠勤の有無、回数、理由が問題となります。

 

<年次有給休暇の取得なら>

「きょうは会社休みます」というのが、年次有給休暇取得の意図なのか、欠勤のつもりなのか、どちらとも取れる場合があります。

就業規則などに、年次有給休暇取得の手続きについての具体的な規定があれば、その手続きに従わない申し出はダメだという言い分も、一応は筋が通ります。

しかし、口頭で年次有給休暇取得の申し出を受けている職場では、「きょうは会社休みます」と言ったのが、年次有給休暇取得の意図だったという主張を退けることができません。

ましてや、病欠を後から年次有給休暇に振り替えることができるルールの職場なら、年次有給休暇扱いにせざるを得ないでしょう。

少なくとも、年次有給休暇取得の意図を主張されたら、「正当な理由なく」欠勤したという扱いはむずかしくなります。

 

<年次有給休暇取得の拒否>

同僚や上司の迷惑も顧みず、「きょうは会社休みます」と言って休んでしまう社員に対しては、年次有給休暇取得を拒否したくなるかもしれません。

しかし、ご存知の通り、年次有給休暇は労働基準法が認めた労働者の権利です。〔労働基準法39条〕

週1回しか勤務しないアルバイトにも、この労働基準法に基づく厚生労働省令によって、年次有給休暇が与えられています。

「この日に年次有給休暇を取得します」という申し出に対して、「ダメ」と言ったら1回につき6か月以下の懲役刑または30万円以下の罰金刑が定められています。〔労働基準法1091号〕

これとは別に、社員から慰謝料を請求されることもあります。

結局、会社側は「取らせない!」とは言えないことになります。

 

<ここも社労士(社会保険労務士)の出番>

従業員が少ない会社でも就業規則を作成し、年次有給休暇のルールを規定しておくべきです。

また、社員教育をきちんとして、労働者の権利を振りかざすことが、場合によっては権利の濫用になることを説明しておくべきです。

就業規則の作成・改定・運用も、社員教育も社労士の得意分野ですから、信頼できる社労士にご相談ください。

 

2017.07.31.解決社労士

<基本的な資質不足>

仕事をサボるような人は、採用しないのが一番です。

採用面接の段階で、次のような傾向が見られる人は、サボり癖のあることが疑われますので、よく観察して怪しければ採用を見送るのが得策です。

・履歴書の文字が乱雑

・履歴書の文字が抜けている

・濁点や半濁点が付いていない

・カタカナのコとユ、シとツ、ナとメ、ソとリとンが書き分けられない

・身だしなみがルーズ

・態度が馴れ馴れしい

履歴書については、作成に制限時間は無いですし、何度でも再確認できるわけですから、ここで手を抜いている人は仕事でも手を抜きます。

 

<労働時間の把握>

労働時間の把握が大雑把な会社でサボるのは簡単です。

そうでなくても、たとえば労働基準法に従い、事業場外労働のみなし労働時間制が適用されている社員については、使用者の指揮監督が十分に及びません。

本当にみなし労働時間制が必要か、再検討の余地があります。

また、労働時間の適正な把握は、使用者に義務付けられています。そして、この義務を果たすため、社員にも協力を求めることができます。

ですから、社員にも一定の義務を課しつつ、労働時間の把握をきちんとしましょう。

具体的には、電話やメールでの定時報告、日報の活用などが考えられます。

 

<適正な人事考課>

たとえサボっていても、十分な営業成績を維持していれば、勤務態度の悪さで他の社員に対する悪影響はあるものの、大目に見ることもできるでしょう。

しかし、サボりは営業成績の低下となって現れることが多いものです。適正な人事考課を行い、給与や賞与などに反映させることができるように、仕組みを整えましょう。

サボってもサボらなくても、成果を上げても上げなくても、給与や賞与に大きな差が出ないのなら、サボりたくなるのは当然です。

 

<人事異動との関係>

営業部門に異動となった時から、開放感や自由を感じてでしょうか、サボり出す社員もいます。

この場合には、再び内勤に戻すことを打診し、改善が見られなければ、実際に異動させるしかないでしょう。

 

<ここも社労士(社会保険労務士)の出番>

GPSを使うなど厳格な管理は、社員の反発を招き、士気が低下するかも知れません。

それぞれの職場に合った仕組みの導入・活用と社員教育については、信頼できる社労士にご相談ください。

サボりを無くして、生産性を向上させましょう。

 

2017.07.30.解決社労士

平成29101日に改正育児・介護休業法が施行されるのに先立ち、厚生労働省から「育児・介護休業等に関する規則の規定例〔簡易版〕」が公開されました。

利用にあたっては、現在の就業規則との整合性や職場の具体的な事情に応じたカスタマイズが不可欠です。

詳しくは、信頼できる社労士にご相談ください。

 

育児・介護休業等に関する規則の規定例[簡易版]

 

第1条(育児休業)

1 育児のために休業することを希望する従業員(日雇従業員を除く)であって、1歳に満たない子と同居し、養育する者は、申出により、育児休業をすることができる。ただし、有期契約従業員にあっては、申出時点において、次のいずれにも該当する者に限り、育児休業をすることができる。

 一 入社1年以上であること

 二 子が1歳6か月(本条第4項の申出にあっては2歳)になるまでに労働契約期間が満了し、更新されないことが明らかでないこと

2 配偶者が従業員と同じ日から又は従業員より先に育児休業をしている場合、従業員は、子が1歳2か月に達するまでの間で、出生日以後の産前・産後休業期間と育児休業期間との合計が1年を限度として、育児休業をすることができる。

3 次のいずれにも該当する従業員は、子が1歳6か月に達するまでの間で必要な日数について育児休業をすることができる。なお、育児休業を開始しようとする日は、原則として子の1歳の誕生日に限るものとする。

(1)従業員又は配偶者が原則として子の1歳の誕生日の前日に育児休業をしていること

(2)次のいずれかの事情があること

 (ア)保育所等に入所を希望しているが、入所できない場合

 (イ)従業員の配偶者であって育児休業の対象となる子の親であり、1歳以降育児に当たる予定であった者が、死亡、負傷、疾病等の事情により子を養育することが困難になった場合

4 次のいずれにも該当する従業員は、子が2歳に達するまでの間で必要な日数について、育児休業をすることができる。なお、育児休業を開始しようとする日は、子の1歳6か月誕生日応当日とする。

(1)従業員又は配偶者が子の1歳6か月の誕生日応当日の前日に育児休業をしていること

(2)次のいずれかの事情があること

 (ア)保育所等に入所を希望しているが、入所できない場合

 (イ)従業員の配偶者であって育児休業の対象となる子の親であり、1歳6か月以降育児に当たる予定であった者が死亡、負傷、疾病等の事情により子を養育することが困難になった場合

5 育児休業をすることを希望する従業員は、原則として、育児休業を開始しようとする日の1か月前(3及び4に基づく1歳を超える休業の場合は、2週間前)までに、育児休業申出書を人事担当者に提出することにより申し出るものとする。

6 申出は、次のいずれかに該当する場合を除き、一子につき1回限りとする。ただし、産後休業をしていない従業員が、子の出生日又は出産予定日のいずれか遅い方から8週間以内にした最初の育児休業については、1回の申出にカウントしない。

(1)第1項に基づく休業をした者が第3項又は第4項に基づく休業の申出をしようとする場合又は第3項に基づく休業をした者が第4項に基づく休業の申出をしようとする場合

(2)配偶者の死亡等特別の事情がある場合

7 育児休業申出書が提出されたときは、会社は速やかに当該育児休業申出書を提出した者に対し、育児休業取扱通知書を交付する。

 

  《法に基づき労使協定の締結により除外可能な者を除外する例》

  2 1にかかわらず、労使協定により除外された次の従業員からの休業の申出は拒

むことができる。

   一 入社1年未満の従業員

   二 申出の日から1年以内(3及び4の申出をする場合は、6か月以内)に雇用

関係が終了することが明らかな従業員

   三 1週間の所定労働日数が2日以下の従業員

  ※以下、1項ずつ繰り下げ

 

第2条(介護休業)

1 要介護状態にある家族を介護する従業員(日雇従業員を除く)は、申出により、介護を必要とする家族1人につき、通算93日までの範囲内で3回を上限として介護休業をすることができる。ただし、有期契約従業員にあっては、申出時点において、次のいずれにも該当する者に限り、介護休業をすることができる。

 一 入社1年以上であること

 二 介護休業開始予定日から93日を経過する日から6か月を経過する日までに労働契約期間が満了し、更新されないことが明らかでないこと

2 要介護状態にある家族とは、負傷、疾病又は身体上若しくは精神上の障害により、2週間以上の期間にわたり常時介護を必要とする状態にある次の者をいう。

   配偶者/父母/子/配偶者の父母/祖父母/兄弟姉妹/孫

3 介護休業をすることを希望する従業員は、原則として、介護休業を開始しようとする日の2週間前までに、介護休業申出書を人事担当者に提出することにより申し出るものとする。

4 介護休業申出書が提出されたときは、会社は速やかに当該介護休業申出書を提出した者に対し、介護休業取扱通知書を交付する。

 

  《法に基づき労使協定の締結により除外可能な者を除外する例》

  2 1にかかわらず、労使協定により除外された次の従業員からの休業の申出は拒む

    ことができる。

   一 入社1年未満の従業員

   二 申出の日から93日以内に雇用関係が終了することが明らかな従業員

   三 1週間の所定労働日数が2日以下の従業員

  ※以下、1項ずつ繰り下げ

 

第3条(子の看護休暇)

1 小学校就学の始期に達するまでの子を養育する従業員(日雇従業員を除く)は、負傷し、又は疾病にかかった当該子の世話をするために、又は当該子に予防接種や健康診断を受けさせるために、就業規則第○条に規定する年次有給休暇とは別に、当該子が1人の場合は1年間につき5日、2人以上の場合は1年間につき10日を限度として、子の看護休暇を取得することができる。この場合の1年間とは、4月1日から翌年3月31日までの期間とする。

2 子の看護休暇は、半日単位で取得することができる。

 


  《法に基づき労使協定の締結により除外可能な者を除外する例》

   1 小学校就学の始期に達するまでの子を養育する従業員(日雇従業員を除

く)は、負傷し、又は疾病にかかった当該子の世話をするために、又は当

該子に予防接種や健康診断を受けさせるために、就業規則第○条に規定す

る年次有給休暇とは別に、当該子が1人の場合は1年間につき5日、2人

以上の場合は1年間につき10日を限度として、子の看護休暇を取得する

ことができる。この場合の1年間とは、4月1日から翌年3月31日まで

の期間とする。

 ただし、労使協定により除外された次の従業員からの申出は拒むことが

できる。

一 入社6か月未満の従業員

二 1週間の所定労働日数が2日以下の従業員

 

第4条(介護休暇)

1 要介護状態にある家族の介護その他の世話をする従業員(日雇従業員を除く)は、就業規則第○条に規定する年次有給休暇とは別に、当該家族が1人の場合は1年間につき5日、2人以上の場合は1年間につき10日を限度として、介護休暇を取得することができる。この場合の1年間とは、4月1日から翌年3月31日までの期間とする。

2 介護休暇は、半日単位で取得することができる。

 


  《法に基づき労使協定の締結により除外可能な者を除外する例》

   1 要介護状態にある家族の介護その他の世話をする従業員(日雇従業員を除く)

は、就業規則第○条に規定する年次有給休暇とは別に、対象家族が1人の場合

は1年間につき5日、2人以上の場合は1年間につき10日を限度として、介

護休暇を取得することができる。この場合の1年間とは、4月1日から翌年3

月31日までの期間とする。

     ただし、労使協定により除外された次の従業員からの申出は拒むことが

できる。

一 入社6か月未満の従業員

二 1週間の所定労働日数が2日以下の従業員

 

第5条(育児・介護のための所定外労働の制限)

1 3歳に満たない子を養育する従業員(日雇従業員を除く)が当該子を養育するため、又は要介護状態にある家族を介護する従業員(日雇従業員を除く)が当該家族を介護するために申し出た場合には、事業の正常な運営に支障がある場合を除き、所定労働時間を超えて労働をさせることはない。

2 申出をしようとする者は、1回につき、1か月以上1年以内の期間について、制限を開始しようとする日及び制限を終了しようとする日を明らかにして、原則として、制限開始予定日の1か月前までに育児・介護のための所定外労働制限申出書を人事担当者に提出するものとする。

 

  《法に基づき労使協定の締結により除外可能な者を除外する例》

  2 1にかかわらず、労使協定によって除外された次の従業員からの所定外労働の

制限の申出は拒むことができる。

   一 入社1年未満の従業員

   二 1週間の所定労働日数が2日以下の従業員

  ※以下、2項を3項に繰り下げ

 

第6条(育児・介護のための時間外労働の制限)

1 小学校就学の始期に達するまでの子を養育する従業員が当該子を養育するため又は要介護状態にある家族を介護する従業員が当該家族を介護するために申し出た場合には、就業規則第○条の規定及び時間外労働に関する協定にかかわらず、事業の正常な運営に支障がある場合を除き、1か月について24時間、1年について150時間を超えて時間外労働をさせることはない。

2 1にかかわらず、次の一から三のいずれかに該当する従業員は育児のための時間外労働の制限及び介護のための時間外労働の制限を申し出ることができない。

 一 日雇従業員

 二 入社1年未満の従業員

 三 1週間の所定労働日数が2日以下の従業員

3 申出をしようとする者は、1回につき、1か月以上1年以内の期間について、制限を開始しようとする日及び制限を終了しようとする日を明らかにして、原則として、制限を開始しようとする日の1か月前までに、育児・介護のための時間外労働制限申出書を人事担当者に提出するものとする。

 

第7条(育児・介護のための深夜業の制限)

1 小学校就学の始期に達するまでの子を養育する従業員が当該子を養育するため又は要介護状態にある家族を介護する従業員が当該家族を介護するために申し出た場合には、就業規則第○条の規定にかかわらず、事業の正常な運営に支障がある場合を除き、午後10時から午前5時までの間に労働させることはない。

2 1にかかわらず、次のいずれかに該当する従業員は深夜業の制限を申し出ることができない。

 一 日雇従業員

 二 入社1年未満の従業員

 三 申出に係る家族の16歳以上の同居の家族が次のいずれにも該当する従業員

  イ 深夜において就業していない者(1か月について深夜における就業が3日以下の者を含む。)であること

  ロ 心身の状況が申出に係る子の保育又は家族の介護をすることができる者であること

  ハ 6週間(多胎妊娠の場合にあっては、14週間)以内に出産予定でなく、かつ産後8週間以内でない者であること

 四 1週間の所定労働日数が2日以下の従業員

 五 所定労働時間の全部が深夜にある従業員

3 申出をしようとする者は、1回につき、1か月以上6か月以内の期間について、制限を開始しようとする日及び制限を終了しようとする日を明らかにして、原則として、制限を開始しようとする日の1か月前までに、育児・介護のための深夜業制限申出書を人事担当者に提出するものとする。

 

第8条(育児短時間勤務)

1 3歳に満たない子を養育する従業員は、申し出ることにより、就業規則第○条の所定労働時間について、以下のように変更することができる。

  所定労働時間を午前9時から午後4時まで(うち休憩時間は、午前12時から午後1時までの1時間とする。)の6時間とする(1歳に満たない子を育てる女性従業員は更に別途30分ずつ2回の育児時間を請求することができる。)。

2 1にかかわらず、次のいずれかに該当する従業員からの育児短時間勤務の申出は拒むことができる。

 一 日雇従業員

 二 1日の所定労働時間が6時間以下である従業員

3 申出をしようとする者は、1回につき、1か月以上1年以内の期間について、短縮を開始しようとする日及び短縮を終了しようとする日を明らかにして、原則として、短縮を開始しようとする日の1か月前までに、短時間勤務申出書により人事担当者に申し出なければならない。

 

  《法に基づき労使協定の締結により除外可能な者を除外する例》

  2 1にかかわらず、次のいずれかに該当する従業員からの育児短時間勤務の申出は

   拒むことができる。

   一 日雇従業員

   二 1日の所定労働時間が6時間以下の従業員

   三 労使協定によって除外された次の従業員

   (ア)入社1年未満の従業員

   (イ)1週間の所定労働日数が2日以下の従業員

 

第9条(介護短時間勤務)

1 要介護状態にある家族を介護する従業員(日雇従業員を除く)は、申し出ることにより、就業規則第○条の所定労働時間について、以下のように変更することができる。

  所定労働時間を午前9時から午後4時まで(うち休憩時間は、午前12時から午後1時までの1時間とする。)の6時間とする。

2 1にかかわらず、日雇従業員からの介護短時間勤務の申出は拒むことができる。

3 介護のための短時間勤務をしようとする者は、利用開始の日から3年の間で2回までの範囲内で、短縮を開始しようとする日及び短縮を終了しようとする日を明らかにして、原則として、短縮を開始しようとする日の2週間前までに、短時間勤務申出書により人事担当者に申し出なければならない。

 

  《法に基づき労使協定の締結により除外可能な者を除外する例》

  2 1にかかわらず、次のいずれかに該当する従業員からの介護短時間勤務の申出は

   拒むことができる。

   一 日雇従業員

   二 労使協定によって除外された次の従業員

   (ア)入社1年未満の従業員

   (イ)1週間の所定労働日数が2日以下の従業員

 

第10条(給与等の取扱い)

1 基本給その他の月ごとに支払われる給与の取扱いは次のとおり。

 一 育児・介護休業をした期間については、支給しない

 二 第3条及び第4条の制度の適用を受けた日又は時間については、無給とする

 三 第7条、第8条及び第9条の制度の適用を受けた期間については、別途定める給与規定に基づく労務提供のなかった時間分に相当する額を控除した基本給と諸手当の全額を支給する。

2 定期昇給は、育児・介護休業の期間中は行わないものとし、育児・介護休業期間中に定期昇給日が到来した者については、復職後に昇給させるものとする。第3条~第9条の制度の適用を受けた日又は期間については、通常の勤務をしているものとみなす。

3 賞与については、その算定対象期間に育児・介護休業をした期間が含まれる場合には、出勤日数により日割りで計算した額を支給する。また、その算定対象期間に第8条及び第9条の適用を受ける期間がある場合においては、短縮した時間に対応する賞与は、支給しない。第3条~第7条の制度の適用を受けた日又は期間については、通常の勤務をしているものとみなす。

4 退職金の算定に当たっては、育児・介護休業をした期間は勤務したものとして勤続年数を計算するものとする。また、第3条~第9条の制度の適用を受けた日又は期間については、通常の勤務をしているものとみなす。

5 年次有給休暇の権利発生のための出勤率の算定に当たっては、育児・介護休業をした日は出勤したものとみなす。

 

第11条(育児休業等に関するハラスメントの防止)

1 すべての従業員は第1条~第9条の制度の申出・利用に関して、当該申出・利用する従業員の就業環境を害する言動を行ってはならない。

2 1の言動を行ったと認められる従業員に対しては、就業規則第○条及び第△条に基づき、厳正に対処する。

 

第12条(法令との関係)

 育児・介護休業、子の看護休暇、介護休暇、育児・介護のための所定外労働の制限、時間外労働及び深夜業の制限、育児短時間勤務並びに介護短時間勤務に関して、この規則に定めのないことについては、育児・介護休業法その他の法令の定めるところによる。

 

(附則)本規則は、平成○年○月○日から適用する。

<試用期間とは>

試用期間については、最高裁判所が解約権留保付労働契約だと言ったために、何か特別な契約期間であるかのように思われがちです。〔昭和441212日三菱樹脂事件判決〕

しかし、最高裁判所が試用期間について述べたのは、判決を下すのに必要があって述べたわけではなく、ついでに語っただけです。試用期間であれば、本採用後よりも解雇のハードルが低くなる趣旨のことを述べていますが、具体的に、どの項目についてどの程度低くなるのかは語っていません。

結局、試用期間も本採用後も労働契約の期間であることに変わりは無く、両者の違いを明確に説明することはできません。

それでも、試用期間であれば、本採用後とは違った扱いができるという勘違いは、多くの企業に存在しています。

 

<社会保険の加入基準>

週所定労働時間が正社員(フルタイムで働く正規職員)の4分の3以上で、月間所定労働日数も4分の3以上であれば、社会保険の加入基準を満たします。(特定適用事業所を除きます)

会社によって、正社員の所定労働時間・日数は違いますから、この基準は会社ごとに違うわけです。

加入の手続きを怠っていても、条件を満たすとともに加入したことになります。

そして、試用期間と本採用後とで加入基準の違いはありません。

基準を満たしている限り、試用期間の初日から社会保険に加入していることになります。

 

特定適用事業所とは、同一事業主(法人の場合はマイナンバー制度の法人番号が同一)の社会保険適用事業所の被保険者数(社会保険加入者数)が、1年で6か月以上500人を超えることが見込まれる法人・個人の事業所のことをいいます。 特定適用事業所は、平成2810月の健康保険・厚生年金保険の適用拡大により区分されました。

 

<年金事務所の指導>

算定基礎届提出時の調査の際には、試用期間中に社会保険の加入手続きをせず、本採用時に手続きをしている事業所に対して、試用期間の初日に遡って加入手続きをするよう、年金事務所の職員の方から指導があります。

そして、判明している社員については、遡って手続をするための書類も作成して、代表印の捺印もさせています。

こうして不足する期間の保険料については、他の社員の保険料とまとめて支払うことになります。

「でも、試用期間は社会保険に入れたくないのですが」というお話に対して、年金事務所の職員の方は、「それでは、試用期間中は1日の勤務時間や1か月の勤務日数を少なくして、社会保険の加入基準を満たさないようにしてください。それしかありません」という明快な説明をしています。

 

<ここも社労士(社会保険労務士)の出番>

社会保険のルールは、基本的に全国統一でなければ不公平が発生してしまいます。ですから、会社オリジナルのルールで運用できる範囲は、極めて限られているのです。

そして、会社オリジナルのルールで運用したことによって、不利益が発生したことに気付いた退職者から申し出があれば、その損失を補てんすることになりかねません。

自社で行っていることに不安を感じたら、信頼できる社労士にご相談ください。

 

2017.07.28.解決社労士

<算定基礎届提出時の調査>

6月中旬、会社宛てに算定基礎届の用紙、総括表、総括表附表が郵送されてきます。このとき、提出日時を指定する内容のお手紙が同封されていることがあります。

一般には、算定基礎届関係の書類は事務センターに郵送するのですが、提出日時を指定された場合には、管轄の年金事務所に持参ということになっています。

提出にあたっては、賃金台帳、出勤簿(タイムカード)、源泉所得税領収証書などの書類や事業主印を持参するように案内されています。

そして、お手紙には「調査」という文字が入っていて、驚いてしまうかもしれません。何か不正を疑われているのか、怪しいと思われているのか、なぜ自分の会社が対象となったのかについての説明はありません。

実は、3年から5年に1回の間隔で、すべての事業所が調査対象となっています。無作為抽出なわけで、年金事務所が何かの意図をもって選んでいるわけではありません。

 

<調査の趣旨>

お手紙には、調査の趣旨として「社会保険適用の適正化」とだけ書かれています。

具体的には、次のような点が調査の対象となっています。

・社会保険の加入条件を満たす人について加入の届けがあるか

・社会保険の加入条件を満たしていない人が加入扱いになっていないか

・加入したときの報酬の届け出の金額が正しいか

・算定基礎届の内容が正しいか

・報酬が大きく変動して一定の条件を満たした場合の届け出があるか

これらの手続きについて、税理士などに頼んでしまっている会社もあります。しかし、税理士は年度単位で集計するのに対し、算定基礎届以外の手続きは日常的に発生します。そもそも、税理士の仕事ではなくて、社会保険労務士でなければ業務として行えない手続きなのです。〔社会保険労務士法27条〕

ですから、こうした手続きを顧問の税理士などが、きちんとできなくても仕方が無いですし、そもそも頼んではいけないのです。

 

<不備が見つかった場合>

手続きの誤りや不足を指摘されると、さかのぼって正しい手続きを行うことになります。保険料についても、支払い過ぎは還付されますし、不足はまとめて徴収されます。

社会保険料は高いですから、まとめて徴収されるのは辛いです。反対に還付されるのも、無利子で多額の金銭を貸し付けていたようなものですから喜べません。

社会保険というのは条件を満たせば自動的に加入しています。手続きをしていないのは、手続きをサボっているだけで、加入手続きをしなければ加入しないことになるわけではありません。赤ちゃんが生まれた時、出生届を出さなければ戸籍が無いだけで、赤ちゃんの存在が否定されるわけではないのと似ています。

 

<書類の追加郵送>

調査に必要な書類が不足している場合には、後から管轄の年金事務所に郵送するよう求められます。

そもそも調査の具体的な趣旨が示されていませんので、どのような書類が必要なのか、本当のところはわからなかったわけですから仕方ありません。

もっとも、調査の趣旨を良くわかるようにして案内を出していたら、多くの会社は尻込みしてしまうでしょう。

調査の趣旨を具体的に示さないのは、それなりの意図があるのかもしれません。

 

<ここも社労士(社会保険労務士)の出番>

算定基礎届の提出日時を指定されたら、相談相手は税理士ではなくて社労士です。

このことは、税理士に確認すればすぐにわかります。ぜひ、信頼できる社労士にご相談ください。

 

2017.07.27.解決社労士

<解雇は無効とされやすい>

会社が社員に解雇を通告しても、それが解雇権の濫用であれば無効になります。これを不当解雇といいます。解雇したつもりになっているだけで、解雇できていないので、対象者が出勤しなくても、それは会社側の落ち度によるものとされ、賃金や賞与の支払義務が消えません。会社にとっては、恐ろしい事態です。

出来てからまだ10年も経っていない労働契約法という法律に次の規定があります。

 

(解雇)

第十六条   解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする。

 

大変抽象的な表現ですから、いかようにも解釈できそうです。しかし、正しい解釈の基準は裁判所の判断です。

そして、裁判所の判断によれば、解雇権の濫用は簡単に認定されます。つまり、多くの場合、不当解雇が認定されます。

 

<「客観的に合理的な理由」とは>

「客観的に合理的な理由」とは、誰が見ても解雇はやむを得ないという理由です。

なぜなら、誰が見ても正しいというのが、客観的に正しいということだからです。

ただし、当事者である会社側と対象社員は「誰が見ても」の「誰」からは除かれます。当事者は、主観的に考えてしまうからです。

ソーシャルメディアに悪質な投稿をした社員の解雇に「客観的に合理的な理由」が認められるためには、次のような条件が必要です。

・投稿された映像の内容が悪質であること

・会社にソーシャルメディアの利用に関するガイドラインが存在すること

・社員にガイドラインを遵守する旨の誓約書を書かせていること

・ガイドラインの遵守義務が就業規則に規定されていること

・ガイドライン違反についての懲戒規定があること

・ガイドライン遵守の重要性について十分な教育研修を行っていること

・ソーシャルメディアの利用に関し管理職が部下に注意指導していること

 

<ここも社労士(社会保険労務士)の出番>

社員が何か不都合な行為を行った場合でも、懲戒処分を行うには、それなりの準備が必要だということです。ましてや、懲戒解雇ともなれば用意周到である必要があります。

対象者から争われ、不当解雇とされた場合のダメージは、かなり大きいものがあります。

他のケースを含め、必要に応じて適正な懲戒処分が行えるようにするためには、信頼できる社労士にご相談ください。

 

<ついでに…>

パソコンのデータが消えた時のために、データのバックアップを取っておくことは、多くの会社で行われています。

しかし、パソコンが立ち上がらなくなった時のために、再セットアップディスクなどを作成しておくことは、意外とされていません。

面倒に思われても、予め準備しておくことは大事だと思います。

「備えあれば患いなし」というのは、懲戒処分と共通するものがあります。

 

2017.07.26.解決社労士

<算定基礎届の調査会場で>

年金事務所の会議室にいると「うちは仕事が終わったところが定時です」「日給制なので残業手当はありません」という事業主さんの声が聞こえてきます。

もちろん、これらは違法である可能性が高いのですが、労働基準については年金事務所の管轄外ですから、指導する権限は無く、職員や行政協力で参加している社会保険労務士からの指摘はありません。

しかし、「役所でこの話をしたけれど問題は指摘されなかった」と言いふらされるのも困りものです。

 

<役所と言っても>

「役所」と呼ばれるものにも、いろいろなものがあります。

厚生労働省の管轄下で、社会保険労務士の業務と深い関連のあるものには、次のようなものがあります。

年金事務所 ― 年金の相談、調査、手続きなど

協会けんぽ ― 健康保険の相談、手続きなど

ハローワーク ― 求人、求職、職業訓練、雇用保険の手続きなど

労働基準監督署 ― 労働基準関係の監督、労働安全衛生、労災保険に関すること

それぞれが独立していますし、元々厚生省の管轄下にあった年金・健康保険と、労働省の管轄下にあった雇用保険・労災保険とでは、やり方や考え方に違いが見られます。

ですから、このうちのどこかでOKをもらったとしても、他の保険関係ではダメと言われることもあるのです。

 

<お客様の立場からすると>

お客様にしてみれば、どこか1つの機関で相談すれば、すべて解決するというのが便利です。

しかし、権限外のことについて尋ねられた時に、他の機関に成り代わって無責任な回答をすることは許されないでしょう。ですから、他の機関を紹介することになります。どうしても「たらい回しにされた」という印象を持たれてしまうことは避けられません。

もしすべて一括して相談したいのであれば、信頼できる社会保険労務士にご相談ください。

 

2017.07.25.解決社労士

<労働時間の定義>

労働時間とは、「労働者が実際に労働に従事している時間だけでなく、労働者の行為が何らかの形で使用者の指揮命令下に置かれているものと評価される時間」と定義されます。

これは、会社ごとに就業規則で決まったり、個人ごとに労働契約で決まったりするのではなく、客観的に決められている定義です。

 

<直行直帰の場合の労働時間>

会社に立ち寄らず、直接工事現場などに行き、そこから直接帰宅する場合には、自宅から現場までの移動時間と現場から自宅までの移動時間が、使用者の指揮命令下に置かれない状態のことがあります。

この場合には、現場での勤務時間が労働時間ということになります。

ですから、なんとなく移動時間を労働時間に含めて賃金を計算しているのであれば、会社の人件費負担がその分だけ多めになっている可能性があります。

 

<労働時間となる場合>

直行直帰の移動時間でも、使用者の指揮命令下に置かれているものと評価され、その時間に対する賃金の支払いが必要な場合も多いものです。たとえば、次のような場合には労働時間となります。

・使用者から自宅を何時に出発するかを指示されている場合

・一度会社に立ち寄ってから現場に向かう場合の会社から現場までの移動時間

・移動中に同僚と仕事の打合せをするように使用者から指示されている場合

・一緒に移動するメンバーの中に行動や時間の管理をする者がいる場合

・使用者から移動中に物品の監視をするように指示されている場合

 

<黙認で労働時間となるケース>

たとえば、使用者から移動中の打合せを指示していなくても、それがなんとなく自主的に行われていて、使用者側が見て見ぬふりをしていたら、黙示の指示があったものとみなされ、労働時間になってしまう場合もあります。

複数のメンバーで直行直帰する場合には、「仕事の話などせず趣味の話でもしながらくつろいで過ごしなさい」ということになっていれば、労働時間にはならないわけです。

 

<ここも社労士(社会保険労務士)の出番>

実際に労働時間に含まれるかどうかは、専門的で客観的な判断が必要になりますから、就業規則に定めるなどルール化する場合には、信頼できる社労士にご相談ください。

後になってから、未払い賃金を請求されると、一度に予定外の出費が発生しますから注意したいところです。

 

2017.07.24.解決社労士

<解雇は無効とされやすい>

会社が社員に解雇を通告しても、それが解雇権の濫用であれば無効になります。これを不当解雇といいます。解雇したつもりになっているだけで、解雇できていないので、対象者が出勤しなくても、それは会社側の落ち度によるものとされ、賃金や賞与の支払義務が消えません。会社にとっては、恐ろしい事態です。

出来てからまだ10年も経っていない労働契約法という法律に次の規定があります。

 

(解雇)

第十六条   解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする。

 

大変抽象的な表現ですから、いかようにも解釈できそうです。しかし、正しい解釈の基準は裁判所の判断です。

そして、裁判所の判断によれば、解雇権の濫用は簡単に認定されます。つまり、多くの場合、不当解雇が認定されます。

 

<「客観的」の落とし穴>

「客観的に合理的な理由」を欠けば、解雇権の濫用となり、解雇は無効となるわけです。

しかし、当事者である会社側と対象社員の言い分は、完全に主観的なものです。会社がそれなりの理由を示して解雇を通告した場合、その解雇理由は主観的な判断により示したものです。また、これに対する対象社員の反論も主観的なものです。ですから、「どちらが正しいか」という議論は、解雇の有効性については無意味です。

あくまでも、「客観的に合理的な理由」が有るか無いかによって、解雇権の濫用となるか否かが決まってきます。

 

<「客観的に合理的な理由」とは>

「客観的に合理的な理由」とは、誰が見ても解雇はやむを得ないという理由です。

なぜなら、誰が見ても正しいというのが、客観的に正しいということだからです。

ただし、当事者である会社側と対象社員は「誰が見ても」の「誰」からは除かれます。当事者は、主観的に考えてしまうからです。

解雇の「客観的に合理的な理由」となりうるものとしては、次のものが挙げられます。

まず、労働者の著しい能力不足や協調性不足です。これは、会社側が十分な教育指導を行っていることが前提となります。教育指導をせずに、会社が能力不足や協調性不足を主張することはできません。

つぎに、労働者が正当な理由なく遅刻や欠勤を繰り返していることです。ただし、長時間労働などで疲労が蓄積しているような場合には、会社に落ち度があるので「客観的に合理的な理由」にはなりません。

さらに、労働者の不法行為や反社会的行為は、「客観的に合理的な理由」となりえます。しかしこれは通常、懲戒解雇でしょうから、就業規則に具体的な規定があることや、対象社員が十分な弁明の機会を与えられるなど、厳格な条件を満たし適切な手順を踏んでいる場合に限り可能です。

そして、会社が解散するような場合には、「客観的な合理性」が認められるのが原則です。会社の経営不振による整理解雇であれば、対象者の選択基準の合理性が問題とされます。

 

<ここも社労士(社会保険労務士)の出番>

やはり「客観的」というのがネックになって、社内で検討し結論を出すのにはリスクを伴います。

解雇を検討する場合には、なるべく早く、信頼できる社労士にご相談ください。

 

2017.07.23.解決社労士

<常識的な判断>

社員が詐欺や障害などの刑事事件を起こし、警察のお世話になって、テレビのニュースに出たような場合、常識的な判断からは、懲戒解雇が当然であり、解雇にならないのは非常識だと思えるでしょう。

しかしこれは、会社目線の素人判断です。

「ごめんで済めば警察は要らない」のと同じように、「常識で済めば法律は要らない」のです。

そして労働者は、労働基準法をはじめ多くの労働法によって保護されていますから、たとえ犯罪に走った場合でも、簡単には解雇が認められないのです。

この場合、会社が解雇を通告しても、解雇は無効になります。「不当解雇」とされるわけです。

 

<懲戒解雇が有効となる場合>

まず、社員の行為が懲戒事由にあたることが必要です。懲戒事由にあたるといえるためには、就業規則に具体的な規定があるか、労働条件通知書や雇用契約書にその旨が定めてあることが必要です。

会社が法定の就業規則や労働条件通知書などの作成を怠っていれば、そもそも懲戒解雇ができないことになります。

またその懲戒が、労働者の行為の性質や態様その他の事情から、客観的に合理的な理由があり、社会通念上相当であると認められることも必要です。〔労働契約法15条〕

さらに、犯罪行為を行ったことの証拠も必要です。マスコミによって報道されても、犯罪の証拠があるとは限りませんから要注意です。

特に、本人が犯行を否認していて、本当に犯罪が行われたかどうかが明らかでない場合には、犯行があったことを前提として懲戒処分を行うことは危険です。懲戒処分は、あくまでも確実な証拠から認定できる事実に基づいて行わなければなりません。

この他、犯罪が軽微なものであり、懲戒処分を行うにしても解雇は行き過ぎという場合もあります。

そして、勤務時間外の犯罪行為であれば、私生活上の行為を理由として懲戒処分を行うことになりますから、懲戒処分が正当化されるのは、会社の名誉や信用などの社会的評価を大きく侵害するような場合に限定されます。

 

<会社によっても違う>

懲戒解雇の有効性について裁判では、会社の事業の種類、態様、規模、経済界に占める地位、経営方針、対象社員の会社での地位や職種など、あらゆる事情から総合的に判断して、犯罪行為による会社の社会的評価に及ぼす悪影響が相当重大であると客観的に評価できるかどうかという観点から判断されています。

 

<ここも社労士(社会保険労務士)の出番>

本当に懲戒解雇にしても大丈夫なのか、懲戒解雇にできない場合にはどうするのか、退職金の支給はしなくても大丈夫なのか、後任はどうするのか、社内への説明はどうするのかなど、検討すべきことは多岐にわたります。

会社としての対応を検討する場合には、一刻も早く、信頼できる社労士にご相談ください。

 

2017.07.22.解決社労士

<報告書の負担>

報告書の作成には、個人差はあるものの、それなりの時間がかかります。

報告書の無駄を省くことは、会社にとって人件費の削減となり、生産性が向上し、一方で社員のストレス軽減となります。

つまり、メンタルヘルス対策にもなるのです。

 

<報告書の種類>

日報、週報、月報という時間の区切りにより内容が異なってきます。日報は一番負担が重く、人件費がかかります。月報は負担が軽い一方で、情報の伝達が遅くなる可能性があります。

本当に毎日の報告が必要なのか、毎週の報告が必要なのか、項目ごとに見直しをかけてみましょう。

 

<報告書の内容>

そのタイミングで数字は必要か、翌日ではダメなのか、感想は必要か、事実だけではダメなのか、見直すポイントが最も多いのは報告書の内容です。

その内容が必要だとしても、その報告書の中に必要なのか、別の報告書に移した方が良いのではないかを検討してみましょう。

 

<手書きかパソコンか>

パソコンを使って報告書を作成させるのが主流となっています。

しかし、手書きなら30分で作成できる報告書を、パソコンで3時間かけて作っていたら、おそらく無駄な残業時間が発生しています。なにより、本人のストレスが半端ではありません。

どうしてもパソコンが苦手な社員には、手書きで報告書を作成させましょう。メールで送信する必要があるのなら、誰かがスキャンしてメールに添付すれば良いだけです。

 

<報告書作成の時間帯>

営業社員などが帰社後に報告書を作成するパターンは多いものです。しかし、翌日や翌々日に作成してはダメなのでしょうか。

帰社後に報告書を作成したら、その時間は丸々残業時間になります。「営業手当」を支給しているから残業代を支払わないというのは、ブラック企業のやることです。

持ち帰って自宅で書かせるのも、残業時間となります。その時間に対する割増賃金を支払わないのも、これまたブラック企業のやることです。

しかし、翌日の手空き時間や移動時間に書かせるのなら、残業時間とはなりにくいでしょう。たしかに、仕事の密度が上がって辛いかもしれませんが、本人にとっても長時間労働の予防になりますし、会社にとっては人件費の削減になります。

 

<報告書作成のための教育>

短時間で優れた報告書を作成できるよう、社員教育も大事です。教育にお金と時間をかければ、何倍にもなってかえってきます。

「飢えた人に魚を与えれば、一日の飢えから救うことができる。代わりに魚の釣り方を教えれば、一生の飢えから救うことができる」という名言があります。

人手不足の時代には、どうしても社員教育が後回しになります。しかし、これでは会社の成長が望めません。

人手不足の対策としても、一人ひとりの能力向上は重要です。

 

<ここも社労士(社会保険労務士)の出番>

報告書の見直しにしても、社員教育にしても、社内でまかないきれない場合には、信頼できる社労士にご相談ください。

 

2017.07.21.解決社労士

<管理監督者の処遇>

良く知られていることですが、管理監督者には残業代の支給が必要ありません。〔労働基準法41条〕

役職手当や管理職手当などの名目で、一般社員とは一線を画した高額の手当が支給されているので、これを含む固定給をベースに計算した残業手当を支給しなくても、十分な総支給額になるから問題ありません。

 

<責任の重い管理監督者>

管理監督者には強大な権限が与えられている一方で、その役割や責任も重いものです。

しかし、自覚の不十分な新米管理監督者は、「残業手当が出ないから毎日早く帰ろう」「時間管理が無いから遅刻しても大丈夫」「土日は趣味と家族サービスに充てよう」といった甘い考えをもってしまう危険があります。

パートやアルバイトに使われている労働条件通知書をカスタマイズして、管理監督者向けに説明する文書を作成し、これを用いて説明するとともに署名してもらうなどして、自覚を促しておく必要があるでしょう。

そして、もし管理監督者にふさわしくない言動が見られたら、もう一度、この文書を示して問題点を指摘すべきです。

 

<管理監督者の基準>

管理監督者といえるかどうかは、その人の肩書ではなく、職務内容、責任、権限、勤務態様、待遇などの実態により判断されます。

管理監督者といえるための最低限必要な条件は、すべて満たしていることが必要です。

・経営者と一体的な立場で仕事をしていること

・出社、退社や勤務時間について厳格な制限を受けていないこと

・その地位にふさわしい待遇がなされていること

実態として、部長という肩書の社員の中でも、これらの条件を満たしているのは極わずかでしょう。

社員でありながら、実質的には取締役のような立場にある人だけが、管理監督者といえるのです。

 

<ここも社労士(社会保険労務士)の出番>

権限ばかりを振りかざし、役割と責任を果たさないブラック管理監督者が出て来ないよう態勢を整えるには、信頼できる社労士にご相談ください。

ただし、権限を与えられず、役割と責任を押し付けられている「名ばかり管理監督者」に、残業代を支給しないのは違法ですので、くれぐれもご注意ください。

 

2017.07.20.解決社労士

<パワハラ教育の充実>

パワハラ防止のための社員教育が、中小企業でも進んできています。そうした中で、昔のことについて「あの行為はパワハラだったのでは?」という疑問も出るようになってきています。

昔のパワハラ行為を、懲戒処分の対象とすることはできるのでしょうか。

 

<刑罰不遡及の原則>

今現在の就業規則に、問題とされる具体的なパワハラ行為についての懲戒規定があるとしても、昔の行為当時に規定が無かったならば、さかのぼって懲戒規定が適用されることはありません。

これは、刑罰不遡及の原則によるものです。〔日本国憲法39条〕

 

<時効の問題>

労働基準法は、賃金などの請求権について2年間、退職金について5年間の消滅時効期間を定めています。〔労働基準法115条〕

これは、民法に規定されている請求権の時効の例外を定めているものです。

しかし、懲戒処分は請求権ではないので、この規定とは無関係です。

また刑事訴訟法には、犯罪が終わった時から一定期間を過ぎると公訴が提起できなくなるという公訴時効についての規定があります。

しかし、これは国家が刑罰を科す場合の規定ですから、民間企業の懲戒処分には適用されません。今でも、遅刻すると罰金3,000円などブラックな話も聞かれますが、民間企業が従業員に罰金を科すということなど、あってはならないことです。

結局、懲戒処分に時効期間の規定は無いのです。

 

<民法の基本原則>

時効が無いのだから、どんなに昔のことでも懲戒処分の対象となりうるというのでは、安心して勤務できません。

労働契約も契約の一種ですから、民法の信義誠実の原則や権利濫用の禁止があてはまります。

権利の行使及び義務の履行は、信義に従い誠実に行わなければならない。〔民法1条2項〕

権利の濫用は、これを許さない。〔民法1条3項〕

ということで、あまりにも昔のことを持ち出して懲戒処分を行うのは、不誠実で懲戒権の濫用となり無効であるというのが結論となります。

 

<裁判では>

最高裁の裁判では、7年前の暴行を理由に懲戒解雇処分を行ったのは、懲戒権の濫用であり無効であるという判決があります。1審では解雇無効、2審では解雇有効、そして最高裁で解雇無効という判断でした。

最高裁は、会社が警察の判断を待っていて懲戒処分のタイミングを見失ったという主張を退け、会社には懲戒処分を行うチャンスがあったのに怠っていたと判断したのです。また、そこまでひどい暴行ではなく、解雇は行き過ぎだとも言っています。

 

<ここも社労士(社会保険労務士)の出番>

会社に懲戒規定を置く目的として、次のようなものが挙げられます。

・懲戒対象の社員に反省を求め、その将来の言動を是正する。

・懲戒が行われることで、他の社員は道義感が満たされ安心して働ける。

・懲戒対象となる行為が明確になり、社員全員が伸び伸びと行動できる。

・懲戒規定があることで、社員全員が不正行為を思いとどまる。

一般には、行為者を懲らしめる目的だけがクローズアップされがちですが、他の目的も重要です。

こうした目的からすると、タイムリーな懲戒処分が必要なわけですが、会社としては懲戒権の濫用を指摘されないよう、慎重に行う必要もあります。

懲戒処分を検討するのでしたら、信頼できる社労士にご相談ください。

 

2017.07.19.解決社労士

<トラブル解決に不足している3つの力>

経営者が労務管理のプロであるか、人事部門に専門家がいるような会社ではない限り、社内で労働トラブルが発生すると必然的にこじれます。

それは、解決に必要な情報収集力、専門的判断力、情報伝達力の3つが不足しているからです。

 

<情報収集力>

われわれ人間を含め、生物が何か判断するためには情報が必要です。

どんなに優れた経営者でも、社員から正確な情報が得られなければ、経営についての重要な判断を誤ってしまいます。

そして、具体的な労働トラブルの解決に必要な情報が何であるかは、それぞれの内容に応じた専門性の高い判断力が備わっていなければ判らないことです。

やみくもに関係者から事情を聞いても、時間、労力、人件費、経費、精神力が消耗されるだけです。

なるべく早く信頼できる社会保険労務士(社労士)に相談して、社内で集める情報だけでなく、法令やその解釈、通達、裁判例など、必要な情報を確定し速やかに手分けして収集することが必要です。

その集め方も大きなポイントです。社員に対して下手な聞き取り調査をしてしまうと、重要な証拠が消滅したり、人権侵害の問題が発生したりします。これについても、社労士にノウハウを確認しておくべきですし、法令やその解釈、通達、裁判例などは、情報収集を社労士に任せておくべきです。

 

<専門的判断力>

社内で判明した事実を就業規則や法令に当てはめて、経営者や人事部門の責任者が独自の解釈に基づく判断を示すことがあります。

多くの場合には、参照すべき条文が的外れですし、会社に都合の良い解釈をしているものです。「こうも取れるからOKじゃないか」というのが最も危険です。

会社目線の素人判断では、労働トラブルがこじれて当然です。

判断基準は、あくまでも裁判官目線であることが必要ですから、専門知識のある弁護士や社労士に相談する必要があります。

 

<情報伝達力>

適切な情報収集と、適正な専門的判断によって、解決の指針が見えたとします。

しかし、これを会社側から労働者側に上手く伝えることができず、逆にこじれてしまうことがあります。

「会社で改めて事実を確認したところ、あなたを解雇したことに落ち度はありませんでした」ということを上手に伝えることができず、あっせん、労働審判、訴訟へと発展してしまうのです。最終的には、会社側の正当性が認定されるにしても、やはり時間、労力、人件費、経費、精神力の消耗は大変なものです。

これには、会社側の情報伝達力不足よりも、労働者側の情報伝達力不足が大きく関わっています。

労働者から会社に何を伝えたいのか、そもそもどうして欲しいのか、何が不満なのか、どうだったら納得できるのか、この辺りが労働者自身、もやもやしていて上手く表現できないのです。自分自身の強い意志で会社に物申したのではなく、家族や友人の勧めで、思い切って会社に申し出をした場合には、特にこの傾向が強くなります。

こうした場合に、労働者側から何をどのように伝えてもらうべきか、会社をサポートすることによって、労働者側の情報伝達力不足を補うのも社労士の役割です。

 

<予防に優る解決なし>

ひとたび労働トラブルが発生すると、こじれずに解決を見るのは大変です。

保険の意味で顧問社労士を置いておき、トラブルを未然に防止するのが、結局は安上がりですし、会社成長のカギともなるでしょう。

 

2017.07.18.解決社労士

<兼業はバレるのか>

会社が給与から所得税や住民税の徴収手続きを行っている場合に、社員が別に収入を得ていれば、住民税の金額が会社で手続きした金額よりも多いので、別収入があることは判明します。

しかし、その具体的な内容まではわかりません。

本当は別のところでアルバイトをして収入を得ていても、FX(外国為替証拠金取引)によるものだと嘘をついたらバレないかもしれません。

ただ、この場合に、一歩踏み込んで「すごいね!私にも教えて欲しいな。社内ではあなたがアルバイトをしているというウワサがあるけど、その疑いを晴らすために、明日、FXの年間損益報告書を持って来てよ。それで、疑いはスッキリ晴れるから」ということになれば、ウソをウソでごまかしきれなくなる可能性が高くなります。

 

<素人判断では>

会社に無断でアルバイトしている社員がいたら、会社目線の素人判断からは、「うちの会社とアルバイトのどちらを選ぶかハッキリしてもらおう」「アルバイトを辞めないならクビにしよう」などという意見が出てくるものです。

そして、本当にクビだと言ってしまった場合には、その99%が不当解雇になります。その時点では、自分が悪かったと思う社員でも、後から不当解雇であることに気づいて、その後の給与・賞与と慰謝料を請求してくるかもしれません。

 

<不当解雇にはならない条件>

勤務時間外の行動は、基本的に自由です。社員の兼業を禁止するためには、就業規則に兼業禁止を定めて、兼業禁止を労働契約の内容にしておく必要があります。

だからといって、すべての兼業を禁止できるわけではありません。

ましてや、何らかの処分をするのであれば、兼業により十分な休養が取れないために会社での業務遂行に支障を来すとか、会社の名誉や信用を著しく害するとか、ライバル会社での兼業であるためにお客様から不信感を抱かれるなどの特別な事情が必要となります。

こうした特別な事情があって、口頭注意、書面注意をしても、なお兼業を続けるのであれば、懲戒処分を検討することになります。

しかし、この場合でも、懲戒解雇まで許されるケースは極わずかです。

 

<政府の政策>

「働き方改革実現会議」(議長・安倍晋三首相)の会合で、副業・兼業の環境整備を進める方針が打ち出されています。政府は、会社員が副業・兼業をしやすくするための指針づくりに乗り出しています。

つまり、政府は企業に対して副業・兼業の容認を求める態度を明らかにしています。

企業成長のためには、こうした政策を無視できないでしょう。

 

<ここも社労士(社会保険労務士)の出番>

そうは言っても、やはり社員が無断でアルバイトをするのは阻止したい、会社の業務に専念して欲しいという場合には、会社の実情に合った対応が必要です。

こんなときは、信頼できる社労士にご相談ください。

 

2017.07.17.解決社労士

<空欄のある雇用契約書などの有効性>

雇用契約書や労働条件通知書などは、使用者から労働者に対して主要な労働条件を書面で通知するための書類です。そして、労働条件は労働契約の中心的な内容となっています。

しかし、労働契約は、使用者と労働者との口頭による合意で成立しますので、書面に不備があっても労働契約の効力には影響しません。〔民法623条〕

たとえ雇用契約書や労働条件通知書が無くても、労働契約は有効に成立するのです。

 

<書面による通知義務のある法定事項>

しかし労働契約の成否とは別に、労働者を保護するため、労働条件のうち次の法定事項は、使用者から労働者に書面で通知する必要があります。

1. 労働契約の期間(契約の更新の有無、更新がありうる場合の更新の条件)

2. 就業の場所、従事する業務の内容

3. 始業・終業時刻、所定労働時間を超える労働の有無、休憩時間、休日、休暇、交替制勤務をさせる場合は就業時転換に関する事項

4. 賃金の決定・計算・支払いの方法、賃金の締切り・支払いの時期に関する事項

5. 退職に関する事項(解雇の事由を含む)

さらに、パートタイマー(短時間労働者)については、パートタイム労働法により、昇給・退職手当・賞与の有無について、文書の交付等による労働条件明示が必要です。

 

<口頭で通知すれば良い事項>

1. 昇給に関する事項

2. 退職手当の定めが適用される労働者の範囲、退職手当の決定、計算・支払いの方法、支払いの時期に関する事項

3. 臨時に支払われる賃金、賞与などに関する事項

4. 労働者に負担される食費、作業用品その他に関する事項

5. 安全・衛生に関する事項

6. 職業訓練に関する事項

7. 災害補償、業務外の傷病扶助に関する事項

8. 表彰、制裁に関する事項

9. 休職に関する事項

つまり、これらの事項は労働条件通知書に漏れていても大丈夫です。ただし、パートタイマー(短時間労働者)については、1.~3.の事項がパートタイム労働法により、文書の交付等による労働条件明示が必要な事項とされています。

 

<空欄があることによるトラブル>

労働条件通知書は、使用者の労働者に対する一方的な通知書ですから、1部だけ作成して労働者に交付すれば良い書面です。この点が、雇用契約書とは違うところです。

しかし、もし空欄があった場合、交付を受けた労働者が勝手に空欄を補充するとこれがトラブルの元になります。ですから、使用者もコピーを1部保存するのが良いでしょう。

 

<ここも社労士(社会保険労務士)の出番>

就業規則が無い会社では、就業規則の代わりに雇用契約書や労働条件通知書にかなり詳細な内容を記載する必要があります。

決まっていないからと言って空欄のままにしておくことは、法定の要件を満たしていなかったり、トラブルの火種となったりします。

そうは言っても、決め方がわからないなど迷うことがあれば、信頼できる社労士にご相談ください。

 

2017.07.16.解決社労士

<戸籍とは>

人が、いつ誰の子として生まれて、いつ誰と結婚し、いつ亡くなったかなどの身分関係を登録し、その人が日本人であることを証明する唯一のものです。

 

<戸籍が無いと>

住民票やパスポートは、原則つくられません。

資格を取得するために、戸籍の証明を求められることがあります。

親の遺産を相続する場合に、親子の証明ができないこともあります。

戸籍の無い方が子を産んだ場合に、その生れてきた子もまた無戸籍になってしまうことがあります。

 

<戸籍をつくるには>

まず、各都道府県の法務局の無戸籍相談窓口に電話します。「無戸籍者の相談のことで」と言えばわかります。電話せずに直接行っても大丈夫です。戸籍の無い本人でなくても相談できます。秘密は守られますから、気軽に相談できます。

そして、戸籍を作るために特別な手続きが必要な場合には、そのための案内をしてもらえます。

こうして、戸籍がつくられます。

 

2017.07.15.解決社労士

<弁護士のアドバイス>

うつ病で休職していた社員が復職する場合、弁護士に相談すると、負担の軽い部署に配置転換して復職させるようアドバイスされる傾向にあるようです。

これは、会社として何かしらの対策を取らないまま、ただ単純に元の部署に同じ仕事で復職させたのでは、会社が責任を問われかねないと考えるからです。

休職していた社員に配慮し、何かアクションを起こすことによって、会社の責任は軽減されると考えるわけです。

 

<社労士(社会保険労務士)のアドバイス>

ところが、同様のケースを社労士に相談すると、元の部署に復職させるようアドバイスされる傾向にあるようです。

これは、良く知った上司や同僚の中で慣れた仕事をする方が、別の仕事に移るよりも精神的な負担が軽いから、うつ病が再発しにくいと考えるからです。

うつ病が再発したり、悪化したりすれば、会社は責任を問われうるので、余計なアクションを起こさない方が、会社の責任は重くならないと考えるわけです。

 

<鳥取県米子市中学校教諭事件>(鳥取地裁平成16330日判決)

うつ病で休職していた女性教諭が復職するに際して、中学校側が勤務の負担を軽減させる意図で、本校から分教室への配置転換をしました。

この分教室は、県の設置する児童自立支援施設の中にあり、生徒数が少なく教諭2人で運営している小さな教室です。

この女性教諭は、「配置転換の当時、精神疾患、精神障害が完治しておらず、以前の勤務状況を続けるべきであったにもかかわらず、配転を受けた結果、精神的、肉体的苦痛を被ったもので、これは中学校長、米子市、鳥取県による不法行為であるから、損害賠償を請求する」として、鳥取地方裁判所に民事訴訟を提起しました。

その結果、「中学校長、米子市、鳥取県は各自33万円を女性教諭に支払うように」との判決が下されました。

 

<どうすべきだったのか>

この中学校長は、女性教諭本人と配置転換について相談していませんでした。また、過去に分教室での生徒指導が負担となり、退職した女性講師がいたという事実を見落としていました。さらに、専門医の意見を改めて確認することも怠っていました。

本当に女性教諭の事を考えるのであれば、第一に本人の考えを確認しておくべきでした。ただ、職場の責任者が、うつ病で休職している人と会話することで、さらに病状を悪化させるリスクもありますから、できれば、専門医、弁護士、社労士などの第三者が間に入って話し合いを持つべきでした。

もし、職場にメンタルヘルス不調の従業員がいたら、なるべく早く信頼できる社労士にご相談ください。

 

2017.07.14.解決社労士

<法定雇用率の引き上げ>

民間企業における障害者の法定雇用率が、2.0%から2.2%に引き上げられます。

さらに、平成33年4月までには2.3%に引き上げとなります。

事業主ごとの障害者雇用率は、次のように計算されます。

障害者の実雇用率 = 障害者である労働者の数 ÷ 労働者の数

 

<対象事業主の範囲拡大>

今回の法定雇用率の変更に伴い、障害者を雇用しなければならない民間企業の事業主の範囲が、従業員50人以上から45.5人以上に変わります。また、その事業主には、以下の義務があります。

・毎年6月1日時点の障害者雇用状況をハローワークに報告しなければなりません。

・障害者の雇用の促進と継続を図るための「障害者雇用推進者」を選任するよう努めなければなりません。

 

<端数の意味>

45.5人以上」と基準の従業員数に端数が入っています。これは、週所定労働時間が30時間以上の従業員は1人としてカウントしますが、短時間労働者(週所定労働時間が20時間以上30時間未満の従業員)は0.5人としてカウントするからです。

身体障害者または知的障害者である短時間労働者(週所定労働時間20時間以上30時間未満の従業員)も0.5人としてカウントします。

 

<ここも社労士(社会保険労務士)の出番>

どうやって採用対象となる障害者を探したら良いのかについては、所轄のハローワークで相談できます。

障害者を新たに迎え入れるにあたって、必要な就業規則の変更や、従業員の教育・研修、雇用開発助成金の活用については、信頼できる社労士にご相談ください。

 

2017.07.13.解決社労士

<事実の確認>

ある社員から、いじめられている、嫌がらせを受けているという申し出があった場合、あるいは、第三者からいじめの報告があった場合、安易に対応すると、いじめを行っているとされた社員の人権侵害となることもあります。

こうした人権侵害を回避しつつ、いじめを救済するためには、何よりもまず、事実の確認が必要です。

まず、いじめを受けているとされる社員から、十分な聞き取りをすることです。先入観を持たず、示された行為の評価はせず、淡々と事実の確認を行います。

つぎに、いじめをしているという社員からも、十分な聞き取りをします。このとき、「Aさんから、あなたにいじめられているという申し出があった」と言うのではなく、「Aさんから、あなたの行為について相談があった」と言うべきです。最初から加害者扱いしてはいけません。熱心に仕事を教え、時には厳しい口調となってしまうこともあるというのが、判明する事実かもしれないのです。それでも、本人に意図的ないじめの意識があったのであれば、途中でお詫びの言葉が出てくることでしょう。

さらに周囲の社員からも、十分な聞き取りを行います。そうすることによって、より一層、客観的な事実が浮かび上がるものです。

 

<記録の作成>

事実の確認にあたっては、聞き流してはいけません。きちんと記録を残す必要があります。何月何日の何時に、どこでどういうことがあったのか、詳細に記録します。

こうすることで、聞き取り調査が正式なものであり、真剣に対応している姿を聞き取りの相手に示すことができます。これによって、話し手もよく考えて、真剣に話してくれるものです。

また、法的な紛争となった場合にも、正式な証拠として役立てることができます。

 

<事実の評価>

得られた事実から、行為者の各行為について、人格権の侵害や就業規則違反が無かったか公平に評価します。

また、当事者に能力不足や適性の欠如が無いかも検討します。

 

<注意・指導>

この段階で、行為者がいじめを自覚していれば、すでに反省していることでしょう。だからと言って、「許してあげよう」では被害者も周囲の社員も納得できませんし、安心して働けません。

正式に注意・指導し、その内容を書面にまとめ、上司とそのまた上司までは署名を得ておき、最後に行為者の署名を得て会社が保管します。

もし、行為を繰り返すようであれば、次回は書面による注意、そしてさらに重い処分へと進むことになります。

 

<配置転換>

ただ単に、問題となった社員同士の相性が悪いということであれば、その片方または両方を配置転換することも検討したいものです。

 

<退職勧奨>

重大ないじめが発覚した場合、注意・指導をしても改まらない場合、配置転換をしてもなお追いかけていじめるような場合には、行為者に対して、自主的に退職してもらうよう働きかけることも考えられます。

もっとも,本人が反省しておらず、退職することに合意しない場合には、合意するよう強制することはできません。

 

<普通解雇>

いじめを行わずにはいられない性格であれば、業務上必要な協調性が欠けているわけですから、組織の一員として勤務することは困難です。

しかも、これを指導によって改善することは、個人の性格を変えるという話になってしまい、およそ無理なことです。

結局、改善できない能力不足であれば、普通解雇が妥当ということになります。

 

<懲戒解雇>

就業規則に具体的な規定があることが大前提ですが、いじめが激しいものでなければ、それが懲戒解雇の客観的に合理的な理由とはならないケースが多いでしょう。

軽い懲戒処分の対象とすることから始めて、どうしても改まらないために、懲戒解雇にまで行きついてしまったということは想定できます。

 

<ここも社労士(社会保険労務士)の出番>

もし会社に顧問の社労士がいれば、事実の確認から対応できます。社外の第三者としての立場から、客観的な事実を確認するには適任でしょう。

その後の対応についても、就業規則や労働法に照らして適切なアドバイスを行うことができます。

何かトラブルが発生してからではなく、保険のつもりで顧問社労士を置いておき、会社の実情を把握させておくのが得策でしょう。

 

2017.07.12.解決社労士

<長期の音信不通と解雇>

長期間にわたって無断欠勤が続いた場合には、普通解雇の理由になることが多いですし、ほとんどの就業規則で懲戒解雇の対象にしていることでしょう。

しかし解雇の意思表示は、解雇の通知が対象者に到達しないと効力が発生しません。〔民法97条1項〕

その社員が自宅にいて、ただ単に出社しない状態であれば、社員の自宅に解雇の通知が届くことによって、解雇の意思表示が到達したことになります。

しかし、本人が不在で家族も居場所を知らないような場合には、自宅に解雇通知を届けても効力が発生しません。

ましてや、その社員がいつの間にか転居していたような場合には、解雇の通知の届け先すらわからないことがあります。

こうした場合には、解雇の通知ができずに、解雇できないことになってしまいます。

 

<メールによる解雇通知>

電子メールでの解雇通知は、本人からの返信が無ければ、通知を読める状態にあったとは言い難いので、やはり解雇の意思表示が到達したとはいえないでしょう。

もし、解雇を了解する内容の返信があれば、解雇の意思表示が到達したことになります。しかし、この場合には、そもそも音信不通という判断が間違っていて、解雇権の濫用になってしまい、解雇が無効になる可能性が高まってしまいます。〔労働契約法16条〕

 

<公示による解雇通知>

全く連絡の取れない社員に対して、解雇の通知をするには、簡易裁判所で公示による意思表示を行うこともできます。〔民法98条〕

これによって、解雇の意思表示が行方不明の社員に到達したものとみなされ、解雇を有効とすることができるのです。

 

<就業規則の備え>

無断欠勤と音信不通が一定の期間続いた場合には、就労の意思が無いものとして、自然退職にするという規定を置いておくことをお勧めします。

多くの場合には、この規定により自然退職扱いにすれば問題が解決します。

こうした規定は、必ずしも就業規則のひな形に入っているものではありません。

会社の実情に応じた適法な就業規則にするには、信頼できる社労士にご相談ください。

 

201707.11.解決社労士

<期限付きにする会社のメリット>

会社や店舗の業績に大きな波があって、その傾向が比較的わかりやすければ、必要な時期に限定して人手を増やすために、有期労働契約は便利です。

たとえば、春から秋にかけてはパチンコ店の店員をしていて、冬場だけスノーボードのインストラクターとして働くという例もあります。

 

<メリットの無い有期労働契約>

「何かあったときに」簡単に人員を調整して人件費を抑えるため、有期労働契約の従業員を採用しておくという会社もあります。昔は労働契約法も無かったですし、労働法に対する人々の関心も薄かったですから、会社の思惑通りに事が運んでいました。

しかし、パートやアルバイトであればいつでも解雇できるという誤解は解消されつつあります。

むしろ、契約期間の途中で解雇するのは、定年の他に期間を定められていない正社員よりもむずかしいのです。

客観的に「やむを得ない」理由が無ければ、契約期間中に解雇することはできません。〔労働契約法17条1項、民法28条〕

「やむを得ない」理由とは、期間を定めて雇用しているにもかかわらず、その約束を破って、期間満了前に雇用契約を終了しなければならないような特別重大な理由をいいます。

ですから、余程のことがない限り、契約期間の途中で解雇することはできません。

 

<期間満了での解雇(雇い止め)>

この雇い止めについてのトラブルは非常に多いものです。

その原因は、期間満了と共に解雇するのであれば何の問題も無いハズという会社側の感覚と、契約更新に期待を寄せている従業員の感覚との食い違いです。

そして法律上、一定の場合には解雇が認められやすく、その他の場合には不当解雇となりやすいという複雑さがあります。

解雇したつもりになっていても、不当解雇であれば解雇は無効なのです。

 

<ここも社労士(社会保険労務士)の出番>

雇い止めのトラブルを無くすには、最初の契約内容をきちんとすることと、採用時、契約更新時に労働条件を書面で示すことが必要です。

正社員以外の従業員がいる場合には、トラブル防止のため、また助成金制度を活用するためにも、信頼できる社労士にご相談ください。

 

2017.07.10.解決社労士

<転勤命令の根拠の確認>

会社が労働者に転勤を命ずることができる根拠は、「業務の都合により転勤を命ずることがある」のような就業規則の規定です。

こうした規定は、就業規則のひな形には入っていないこともありますから、漏れていることも多いのです。

会社に転勤命令権が無かったら、必要な配置転換ができないのだから、規定が無ければ転勤命令が自由にできないというのは、「常識」で考えておかしいと考える経営者もいらっしゃるでしょう。しかし、裁判などでは規定の存在が重視されます。

配置転換の多くは、同一事業場内での担当業務等の異動ですが、転勤は勤務地の変更を伴う所属部門の異動ですから、労働者の不安と負担が大きく、必ずしも会社の自由ではないのです。

常用労働者が10人未満の事業場では、就業規則が無くても違法ではありません。10人以上になったタイミングで、会社の営業拠点が1か所であれば転勤も想定していませんから、転勤の規定が無くても、何も問題は無かったはずです。ところが、会社の規模が拡大し営業所ができたりすると、転勤の規定が必要になるのですが、気がつかなければそのままになっています。

結局、どこにも規定が見当たらない場合には、転勤命令の根拠が無いかもしれません。

 

<転勤命令が無効になる場合>

労働契約法には、転勤命令権の濫用による転勤命令の無効を定めた規定はありません。しかし、出向、懲戒、解雇についての規定に示された基準は、裁判の積み重ねによってできた基準です。ですから、実際の裁判では、同様の基準で転勤命令が権利の濫用として無効になる場合が判断されています。

たとえば、業務上の必要性を欠く場合、労働者に通常我慢すべき程度を著しく超える不利益を負わせる場合、不当な動機や目的がある場合には、権利の濫用として転勤命令が無効とされています。〔最高裁昭和61714日東亜ペイント事件判決〕

 

<説明しにくい転勤の理由>

今の担当業務では成果が出ていない、同僚との関係もうまく行っていないという場合には、会社が能力の発揮を期待して転勤させることもあります。しかし、こうした場合に転勤させると、本人にしてみれば能力不足や協調性不足を疑われているのではないかと、落ち込んでしまう可能性もあります。やはり、ストレートに転勤の理由を説明すべきでしょう。

元の職場でケンカしてしまった、セクハラやパワハラをしてしまったという理由での転勤の場合、これが公になっているのであれば、本人への説明は簡単でしょう。

しかし、これが確信の持てるものではなく、疑いに留まっているのであれば、転勤した後に、そうした疑いがかからなくなるのであれば、疑いが晴れることになります。反対に、転勤先でも同じ問題が起こるのであれば、転勤前の職場でも問題があった可能性が高いといえます。

この話をして、転勤対象者に転勤を打診すれば、拒否する可能性は低くなるでしょう。

 

<ここも社労士(社会保険労務士)の出番>

転勤の前後で悩みを抱えてしまった場合には、信頼できる社労士にご相談ください。

 

2017.07.09.解決社労士

<サボりが発覚したら>

「勤務時間中に営業社員が仕事をサボっている」という情報が入ったら、まずは事実を確認しましょう。

その営業社員がサボっていた日時と時間帯、場所、行動、服装、一緒にいた人、手荷物など、人違いであるなどの言い逃れができないようにしましょう。押さえられる証拠があれば、それも集めて保管しておきます。

 

<本人への事情聴取>

あくまでも、就業規則に具体的に違反するようなサボりであった場合や、欠勤控除をすべき長時間のサボりであったことが前提ですが、その営業社員と面談して事実確認をします。

本人が事実を認め反省していれば、口頭で注意し、注意の内容を文書にして、社長あるいは担当役員まで確認の署名をもらい、本人の署名も得ておきます。この文書を会社で保管します。ちょっと面倒に思われますが、サボりを繰り返した場合には、懲戒処分をするにあたって必要な手順となります。

本人が事実を認めない場合には、営業日報の内容などを手掛かりに事実を確認します。また、他の社員やお客様などからも情報を集めます。こうしてサボりの事実が確認できた場合には、本人の反省が無い分だけ、懲戒処分を検討する必要性が高まります。

反対に、人違いや勘違いなどが判明した場合には、丁重にお詫びし、情報収集の相手となった社員やお客様の誤解も解いてあげなければなりません。

 

<サボりを繰り返すなら>

口頭注意から、文書による注意へと切り替えます。それでも繰り返すなら、さらに重い懲戒処分、そして退職勧奨や懲戒解雇へと進むこともあるでしょう。

こうしたことを正しく行うのは、骨の折れることです。

失敗すると、本人が反省するどころか、会社に対して慰謝料を含め損害の賠償を求めてくることもあります。

最初にサボりが発見された時点で、信頼できる社労士にご相談ください。

 

2017.07.08.解決社労士

<転勤命令の根拠>

会社が労働者に転勤を命ずることができる根拠は、「業務の都合により転勤を命ずることがある」のような就業規則の規定です。

こうした規定は、就業規則のひな形には入っていないこともありますから、漏れていることも多いのです。

会社に転勤命令権が無かったら、必要な配置転換ができないのだから、規定が無ければ転勤命令が自由にできないというのは、「常識」で考えておかしいと考える経営者もいらっしゃるでしょう。しかし、裁判などでは規定の存在が重視されます。

配置転換の多くは、同一事業場内での担当業務等の異動ですが、転勤は勤務地の変更を伴う所属部門の異動ですから、労働者の不安と負担が大きく、必ずしも会社の自由ではないのです。

常用労働者が10人未満の事業場では、就業規則が無くても違法ではありません。この場合には、雇用契約書や労働条件通知書に転勤命令の規定があれば、それを根拠に転勤命令が行われます。

しかし、どこにも規定が見当たらない場合には、転勤命令の根拠が無いかもしれません。

 

<転勤命令が無効になる場合>

労働契約法には、転勤命令権の濫用による転勤命令の無効を定めた規定はありません。しかし、出向、懲戒、解雇についての規定に示された基準は、裁判の積み重ねによってできた基準です。ですから、実際の裁判では、同様の基準で転勤命令が権利の濫用として無効になる場合が判断されています。

たとえば、業務上の必要性を欠く場合、労働者に通常我慢すべき程度を著しく超える不利益を負わせる場合、不当な動機や目的がある場合には、権利の濫用として転勤命令が無効とされています。〔最高裁昭和61年7月14日東亜ペイント事件判決〕

 

<転勤命令を拒否したら>

転勤命令を無効だと考えて、これを拒否し、元の職場で勤務を続けたら、明らかな業務命令違反です。会社の就業規則に具体的な懲戒規定があって、これが適用されれば、場合によっては懲戒解雇となることもあり得ます。

このような場合には、「転勤命令に異議をとどめて」転勤先で勤務を開始するということが可能です。つまり、転勤命令は無効だと考え争う姿勢を示しつつ、業務命令違反にならないよう、転勤先で働くというやり方です。

 

<ここも社労士(社会保険労務士)の出番>

「転勤命令に異議をとどめて」転勤先で勤務を開始した場合であっても、その勤務が長く続けば、支障なく転勤に応じることができているという実績ができてしまうだけです。

本気で転勤命令を不当と考え拒否したいのなら、転勤を打診された時点で、信頼できる社労士にご相談ください。

 

2017.07.07.解決社労士

<ハードルの低い不当解雇>

不当解雇というのは、会社が労働者に対して一方的に解雇を通告したものの、それが法的には無効とされて、実際には解雇できていないことをいいます。

不当解雇については、次の規定があります。

「解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする」〔労働契約法16条〕

この法律は、平成2031日施行ですから、労働基準法とは違って馴染みが無い方も多いでしょう。

もともと裁判で形成されてきた理論が、立法化されたわけですが、世間の「常識」からすると、解雇が権利の濫用とされ無効とされるハードルはかなり低いといえます。

 

<予防は採用にあり>

いよいよ解雇を検討する段階になると、苦労するのは目に見えています。これを予防するには、解雇したくなるような社員を採用しないのが一番です。

経営者は人手不足になると多忙になります。そして、新人の採用を考えます。このときは、じっくりと手間暇かけて採用を行う余裕がありませんから、とりあえず頭数をそろえたくて、納得のいかない人物を採用しがちです。

採用面接で経歴詐称があったり、能力の不足を隠していたりのケースは少数派で、経営者の方が問題に薄々気付きながらも、かなり妥協して採用してしまったということが多いものです。

ついつい「あまり良い人材とは思えないが、実際に働いてもらったら優れた人材なのかもしれない」という期待を抱いて採用してしまうわけです。

 

<ここも社労士(社会保険労務士)の出番>

経営者が多忙なために、社員に採用を任せることもあります。しかし、小さな会社では、任された社員が会社に貢献しそうな人材を選考するとは限らず、自分の味方になりそうな都合の良い人材を採用したがるかもしれません。

こうしたリスクを回避するには、ぜひ、信頼できる社労士にお任せください。社労士であれば、求人の手配から、採用手続き、採用後の研修まで、一貫してお任せいただけますのでお勧めします。

 

2017.07.06.解決社労士

<入社日と初出勤>

入社日は勤務先に籍を置くこととなった日です。そして、初出勤は初めて出勤した日です。

正社員であれ、パートやアルバイトであれ、必ずしも入社日に初出勤するわけではありません。

たとえば、平成29年の4月は1日が土曜日でしたから、新卒採用の入社日が41日で、初出勤が月曜日の43日というのが多数派でした。

 

<労務管理上の基準日>

健康保険、厚生年金、雇用保険などの保険関係は、入社日に加入することになります。かつては、試用期間が終わって本採用の時に加入するという誤った運用も見られましたが、基準を満たしている限り、試用期間の初日に加入するのが正しいわけです。後から修正するには、保険料もまとめて納付しなければならず、これが大きな負担となりますから遅れずに手続きしましょう。

年次有給休暇は、法定通りであれば入社日から6か月後に付与されます。これも、試用期間があれば、試用期間の初日から6か月後に付与されることになります。

 

<入社日と初出勤が離れている場合>

入社日に社会保険(健康保険・厚生年金)に加入して、その月の保険料も発生します。ところが、入社してから初出勤までの日が空いてしまうと、就業規則により、その間の欠勤控除が発生する場合があります。その結果、社会保険料を給与から控除すると、マイナスになってしまうことがあります。これは違法なことではありませんが、別途支払ってもらうなど、予めルールを定めておくと良いでしょう。

年次有給休暇は法定通りであれば、入社日から6か月間の出勤率が8割以上の場合に付与されます。入社してから初出勤までの日が空いてしまい、この間を欠勤扱いにしてしまうと、出勤率の点で不利になってしまいます。会社側の都合でこうした現象が発生するのであれば、入社日から初出勤まで、出勤率の計算のうえでは出勤扱いにするなどのルールを設けておくと良いでしょう。

 

<ここも社労士(社会保険労務士)の出番>

入社して何年も経てば当り前の事でも、新人にとっては首をかしげるような事であったりします。せっかく入社した新人が気持よくスタートを切れるよう、会社に合った仕組みづくりのアドバイスをして、適切に運用できるよう支えるのも、顧問社労士の重要な役割です。

ぜひ、信頼できる社労士にご相談ください。

 

2017.07.05.解決社労士

<存在について>

入社したばかりの新人やアルバイトにとって、そもそも会社に就業規則があるのかどうか不明なこともあります。

労働基準法では、「常時十人以上の労働者を使用する使用者は、…就業規則を作成し、行政官庁に届け出なければならない。…変更した場合においても、同様とする」となっているので、臨時で働く人を除き、従業員が10人未満の会社では、就業規則が存在しないこともあります。〔労働基準法89条〕

こうした小さな会社では、就業規則の存否については、直接社長に確認すれば良いでしょう。

 

<保管場所について>

使用者は、就業規則を周知する義務を負っています。〔労働基準法1061項〕

「周知」というのは、従業員が見ようと思えば見られる状態にしておくことです。こうしておかなければ、たとえ所轄の労働基準監督署に届け出た就業規則であっても、無効ということになってしまいます。

ですから、少なくとも就業規則をどこでどうやって読んだら良いのかわからない従業員に対しては、会社は就業規則の効力を主張できません。

この場合でも、年次有給休暇、産休、育休など法定の権利については、従業員に与えられています。

就業規則の保管場所については、直属の上司や、総務・人事の担当者に確認すると良いでしょう。

 

<どこを読んだら良いのか>

自分が疑問に思った点について、就業規則のどこを読んだら良いのかわからないことがあります。

この場合には、総務・人事の担当者に相談することになります。ただ、就業規則が作られただけで、法改正や会社の状況に応じた変更が無い会社では、社内に詳しい人がいないという困った状態もありえます。

社労士(社会保険労務士)に就業規則をチェックさせて、運用できる内容に改善したり、社内研修を実施したりが必要になります。

 

<読んでも意味がわからないとき>

必要な部分を読んでみたものの、その意味がわからないということがあります。

この場合にも、総務・人事の担当者に相談することになります。それでもわからないことがあります。

特に法令やひな形を丸写しにしただけの規定であれば、会社の実情に合っているかどうかのチェックもされていませんので、会社にとってどういう意味があるのか、誰にもわからないということも稀ではありません。

こんなときも、信頼できる社労士にご相談ください。

 

2017.07.04.解決社労士

<解決の困難さ>

精神疾患を発症した労働者から、その原因が長時間労働やパワハラが原因であるとして、会社に損害賠償を求めてくることがあります。

そうではないことを会社側が証明するのは困難ですし、きっぱりと否定したのに対して訴訟を提起されても時間、労力、人件費、経費、精神力の無駄が発生します。

そもそも精神疾患を発症している労働者を相手に、あれこれ議論を重ねても有効な解決策は見つかりにくいでしょう。

 

<労災保険の利用>

訴訟や労働審判にならないうちに、その労働者と協力する形で、労働基準監督署に労災の申請をすることをお勧めします。

たしかに、責任を追及してきた労働者と協力して、しかも敵視しがちな労働基準監督署を利用してというのは、抵抗を感じるかもしれません。

しかし、当事者同士で議論しても解決は困難であり、労働基準監督署(労働局)の判断を仰いだ結果、労災として認定されなければ、責任を追及してきた労働者も、会社側に責任は無いものと納得するしかないでしょう。

反対に、労災として認定されれば、労働者に一定の給付がなされますから、会社はその価額の限度で民法上の損害賠償の責任を免れることになります。〔労働基準法84条2項類推〕

つまり、慰謝料など労災保険でまかなわれない損害についてのみ、賠償すれば良いことになります。

 

<ここも社労士(社会保険労務士)の出番>

とはいえ、会社の担当者が精神疾患の労働者と協力しながら、労働基準監督署や医師とも打ち合わせを行いつつ、労災申請手続を進めるのは困難かもしれません。

こんなときは、信頼できる社労士に依頼した方が、スムーズに解決できることでしょう。

 

2017.07.03.解決社労士

<解雇はむずかしい>

解雇には、懲戒解雇、普通解雇、整理解雇、諭旨解雇があります。

解雇とは、雇い主が労働契約の解除を行うことです。

これは、労働者の同意なく、雇い主から労働者への一方的な通告によって成立します。

解雇を通告しても、有効要件を満たさない不当解雇であれば、解雇は無効となり、労働契約がそのまま続くことになります。

その有効要件を端的に示しているのが次の条文です。

「解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする」〔労働契約法16条〕

驚くほど抽象的な条文です。具体的なことは、数多くの労働審判や裁判の例を確認して初めてわかることになります。ですから、労働基準法をはじめとする数多くの労働法の専門家でなければ、とても判断できるものではありません。

 

<たとえば懲戒解雇なら>

懲戒解雇は、懲戒処分としての解雇ですから、懲戒処分の有効要件と解雇の有効要件との両方を満たしていなければ無効になります。

懲戒処分が無効になる場合を示しているのが次の条文です。

「使用者が労働者を懲戒することができる場合において、当該懲戒が、当該懲戒に係る労働者の行為の性質及び態様その他の事情に照らして、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、当該懲戒は、無効とする」〔労働契約法15条〕

ここで、「使用者が労働者を懲戒することができる場合」というのは、労働者の行為が就業規則の懲戒規定に具体的にあてはまり、労働者の言い分を良く聞き、事実関係を客観的に明らかにするなどの適正な手順を踏んでいる場合をいいます。

こうした場合であって、行為と処分とのバランス、一事不再理、二重処罰の禁止、刑罰不遡及、手続保障、平等主義、不当な動機目的の不存在などの条件をクリアして初めて懲戒処分としての有効性が認められます。

 

<解雇を通告するタイミング>

経営者や上司の目から見て、客観的に解雇は当然と思える場合であっても、安易に解雇を通告するのは避けるべきです。

なぜなら、本人が解雇されることに反論しない場合でも、親戚や友人に強く勧められて、法的手段に出ることがあるからです。

やはり、解雇する場合には、その正当性を裏付ける証拠をきちんとそろえ、そうした証拠をもって解雇するのだということを、対象者に説明したうえで解雇しないと危険なのです。

「解雇」「クビ」という言葉が頭をよぎったら、なるべく早く信頼できる社会保険労務士(社労士)にご相談ください。

 

2017.07.02.解決社労士

 

<労働条件の通知>

アルバイトでも、パートでも、人を雇った使用者は労働条件を書面で交付する義務があります。〔労働基準法15条〕

労働条件通知書、雇い入れ通知書、雇用契約書、労働契約書など名前はいろいろです。

名前はどうであれ、交付しないのは違法で30万円以下の罰金刑が規定されています。〔労働基準法120条〕

この場合、1人あたり30万円の罰金を科せられたうえに、マスコミやネットの書き込みの威力で、立ち直れなくなる可能性があります。

というのは労働条件が不明確なら、年次有給休暇の付与日数も取得した場合の給与計算の方法も不明です。月給制なら、残業手当の計算方法もわかりません。こうしたことから、労働条件を書面で交付しないのは、「年次有給休暇も残業手当もありません」と表明しているようなものだからです。

 

<契約の更新>

有期労働契約であれば、こうした書類に契約期間が明記されています。

ところが、契約期間の終了が迫っているのに、なかなか契約更新の話が無いのでは、雇われの身としては不安で仕方がありません。

ついに、契約期間が過ぎても何の話も無ければ、このまま働いていて大丈夫なのか疑問に感じてしまいます。

こういう場合に備えて、民法には次の規定があります。

「雇用の期間が満了した後労働者が引き続きその労働に従事する場合において、使用者がこれを知りながら異議を述べないときは、従前の雇用と同一の条件で更に雇用をしたものと推定する」〔民法629条1項〕

つまり、契約切れなのに勝手に働いているのだから、賃金支払義務は無いなどということはないのです。

(このほか労働契約法19条にも一定の場合の契約更新が規定されています)

 

<契約更新期が近づいたら>

とはいえ、遅くとも契約期間満了の1か月前になったら、使用者からでも労働者からでも、気づいた方が契約更新の話をもちかけるべきです。

必ず前回と同じ内容で更新というわけではなく、出勤日や勤務時間の変更、賃金の改定など検討する余地があるかも知れません。

そして、「こういう風にしても問題ないか?」という疑問があれば、信頼できる社会保険労務士(社労士)にご相談ください。

 

2017.07.01.解決社労士