2017年 4月

<同じ日当でも>

出張に伴う日当は、就業規則などに規定が無ければ、本来、支払われなくても問題の無い手当です。しかも、社会慣行として非課税とされているなど、その性質は不明確です。

これに対して、同じく日当と呼ばれることはあるものの、日給には多くの法的規制があります。

 

<最低賃金法の規制>

日給制とは、1日を単位として賃金が定められている制度を言います。また、これを前提として、毎日賃金を支払うことを言います。賃金を1月に1回支払う場合には、日給月給制と呼ばれます。

一方で、最低賃金法で定められている最低賃金は、1時間当たりの賃金で示されています。これは、時間給だけではなく、月給制でも日給制でも適用があります。

ということは、1日いくらという日給制の場合、その1日とは何時間なのか明確にしておく必要があるということです。

日給÷所定労働時間=1時間当たりの賃金

これで計算した結果が、最低賃金を下回ると違法になります。

 

<時間外割増賃金の規制>

このように、1日いくらで決めれば計算が簡単なハズの日給ですが、所定労働時間は決めなければなりません。

そして、所定労働時間を超える労働に対しては、プラスアルファの賃金支払いが必要となります。

さらに、法定労働時間を超えた場合には、割増賃金の支払いも必要です。

 

<ここも社労士(社会保険労務士)の出番>

このように見てくると、せっかく明確な賃金制度として日給制を選んでも、そのメリットは疑わしくなってきます。

また、その日によって、所定労働時間がバラバラの場合には、どのように計算すれば良いのか迷うことになるでしょう。

日給制を合理的に、また合法的に運用するのであれば、ぜひ、信頼できる社労士にご相談ください。

 

2017.04.30.解決社労士

<労働時間の定義>

労働時間とは、「労働者が実際に労働に従事している時間だけでなく、労働者の行為が何らかの形で使用者の指揮命令下に置かれているものと評価される時間」と定義されます。

これは、会社ごとに就業規則で決まったり、個人ごとに労働契約で決まったりするのではなく、客観的に決められている定義です。

 

<持ち帰り仕事を命じられた場合>

使用者から命じられて、自宅や喫茶店などで業務をこなした場合、途中で進み具合のチェックが入ったり、完了の報告が求められたりすれば、労働時間の定義にあてはまるでしょう。

ところが、翌日出勤するまでチェックされない場合には、テレビを観たり飲食したりでダラダラやってもわかりません。通常2時間で終わる仕事について、「5時間かかりました」という自己申告により、使用者が5時間分の残業手当を支払うのも不合理です。この場合には、2時間分の賃金支払いが合理的です。

ここは、次の条文が参考になりますが、実際には、労使で合意しにくいポイントでもあります。

「労働者が労働時間の全部又は一部について事業場外で業務に従事した場合において、労働時間を算定し難いときは、所定労働時間労働したものとみなす。ただし、当該業務を遂行するためには通常所定労働時間を超えて労働することが必要となる場合においては、当該業務に関しては、厚生労働省令で定めるところにより、当該業務の遂行に通常必要とされる時間労働したものとみなす。」〔労働基準法38条の2第1項〕

 

<労働者が自己判断により無断で行った場合>

業務上の資料を無許可で社外に持ち出すこと自体が問題です。

それはともかく、使用者が把握できないならば、指揮命令下に置くことも不可能ですから、労働時間とはなりません。

 

<持ち帰り仕事を黙認していた場合>

使用者が、自主的な持ち帰り仕事の存在を知っていて、これを禁止するなどの措置を取らなかった場合には、使用者から暗黙の命令があったものと考える余地があります。ここはグレーゾーンで、具体的な事情によって結論が分かれるところです。

 

<ここも社労士(社会保険労務士)の出番>

総務省がテレワーク(在宅勤務)を推進しています。

あいまいな持ち帰り仕事を、ルールに従ったテレワークとして正式に認めれば、会社も労働者も納得することができます。

具体的にどうすべきか、迷ったら、信頼できる社労士にご相談ください。

 

2017.04.29.解決社労士

<義務の対象となる事業場>

産業医については、労働基準法ではなく労働安全衛生法13条に義務規定が置かれています。

常時50人以上の労働者を使用する事業場では、産業医を選任し労働者の健康管理などを行わせることになります。

事業場というのは、事務所、営業所、店舗などを言いますから、会社全体の人数ではありません。

 

<産業医の資格>

産業医は、医師のうち次のいずれかの条件を満たす者から選任します。

(1)厚生労働大臣の指定する者(日本医師会、産業医科大学)が行う研修を修了した者

(2)産業医の養成課程を設置している産業医科大学その他の大学で、厚生労働大臣が指定するものにおいて当該過程を修めて卒業し、その大学が行う実習を履修した者

(3)労働衛生コンサルタント試験に合格した者で、その試験区分が保健衛生である者

(4)大学において労働衛生に関する科目を担当する教授、准教授、常勤講師又はこれらの経験者

 

<産業医の職務>

産業医は、次のような職務を行うこととされています。

(1)健康診断、面接指導等の実施及びその結果に基づく労働者の健康を保持するための措置、作業環境の維持管理、作業の管理等労働者の健康管理に関すること。

(2)健康教育、健康相談その他労働者の健康の保持増進を図るための措置に関すること。

(3)労働衛生教育に関すること。

(4)労働者の健康障害の原因の調査及び再発防止のための措置に関すること。

産業医は、労働者の健康を確保するために必要があると認めるときは、事業者に対し、労働者の健康管理などについて必要な勧告をすることができます。

また産業医は、原則として毎月1回作業場などを巡視し、作業方法や衛生状態に有害のおそれがあるときは、直ちに、労働者の健康障害を防止するため必要な措置を講じることになっています。

 

<ここも社労士(社会保険労務士)の出番>

産業医選任義務の有無の確認や労働基準監督署への届出、衛生委員会や事業場巡視での活用については、信頼できる社労士にご相談ください。

 

2017.04.28.解決社労士

<モデル就業規則>

厚生労働省のホームページに掲載されている「モデル就業規則」の最初のほうに、次のような規定があります。

「この規則に定めた事項のほか、就業に関する事項については、労基法その他の法令の定めによる。」〔モデル就業規則12項〕

そして、この条文について、次のような説明があります。

「本規程例に労働者の就業に関するすべての事項が定められているわけではありません。本規程例に定めがない事項については、労基法等関係法令の規定によることになります。」

このことは、すべての就業規則にあてはまることですから、念のための注意規定として、ほとんどの就業規則の最初のほうに置かれています。

 

<労働基準法の性質>

労働基準法の最初のほうに、次のような規定があります。

「この法律で定める労働条件の基準は最低のものであるから、労働関係の当事者は、この基準を理由として労働条件を低下させてはならないことはもとより、その向上を図るように努めなければならない。」〔労働基準法12項〕

つまり、労働基準法の基準は最低限のものだから、これを上回ることはかまわないが、下回ることは許さないと言っています。

 

<最低限の保障があること>

上記の2つのことから、まず言えることは、たとえば、就業規則に年次有給休暇の規定が無くても、労働基準法には規定があるので、労働基準法どおりの年次有給休暇が付与されるということです。

同じことは、産休、育休、介護休業、業務災害に対する補償など、あらゆることに当てはまります。

「うちの会社の就業規則には、産休の規定なんか無いから…」というときは、労働基準法の規定をチェックすれば良いのです。

 

<プラスアルファの保障は無いこと>

もう一つ言えることは、たとえば、会社の就業規則に産休や育休の規定が無い場合には、その会社の従業員には、法令による最低限の権利しか保障されていないということです。

産休の期間を長く認めていたり、産休中に賃金の支払いがある会社では、そのことについての規定が、就業規則の中に定められています。

つまり、規定が無ければ、プラスアルファの恩恵は無くて、最低限の保障となるわけです。

 

<就業規則の無い会社>

就業規則が無いということは、すべてのことについて「就業に関する事項については、労基法その他の法令の定めによる。」という規定を置いているようなものですから、何か不明なことがあるときは、関連する法令の条文を参照して確認することになります。

実際、経営者が従業員から権利を主張されてアタフタし、労働問題に発展しやすいのは、このケースです。

 

<ここも社労士(社会保険労務士)の出番>

やはり小さな会社でも就業規則は必要です。

「うちは、アルバイトに年次有給休暇だとか、産休だとか無理だから…」という会社にも、労働基準法が適用されます。

いきなり請求されても困らないように、運用基準を決めておいてはいかがでしょうか。

信頼できる社労士にご相談ください。

 

2017.04.27.解決社労士

<法令の規定>

「事業者は、労働者に対し、厚生労働省令で定めるところにより、医師による健康診断を行なわなければならない。」〔労働安全衛生法661項〕

このことから、労働者は健康診断を受診することが義務づけられます。

「ただし、事業者の指定した医師又は歯科医師が行なう健康診断を受けることを希望しない場合において、他の医師又は歯科医師の行なうこれらの規定による健康診断に相当する健康診断を受け、その結果を証明する書面を事業者に提出したときは、この限りでない。」〔労働安全衛生法665項但書〕

つまり、全く受けないわけにはいきませんが、会社の指定する健診機関とは別の所で受診して、会社に健康診断結果を提出することは許されています。

 

<注意点>

健康診断項目は法定されていますので、すべての項目がそろっていなければなりません。

健康診断結果について、医師または歯科医師の意見が書かれていることも必要です。

 

<会社側の不都合>

健康診断について、画一的な処理ができないのは効率が低下します。

たびたび健診機関が変わってしまうと、数年にわたる数値の変化などを管理するのがむずかしくなります。

しかし、法令が会社指定の機関とは別の機関での健診を認めていますし、LGBTの問題もありますから、希望があれば会社は対応しなければなりません。

 

2017.04.26.解決社労士

<新薬との違い>

医師の診断により、病院や調剤薬局などで処方される医療用医薬品は、新薬(先発医薬品)とジェネリック医薬品(後発医薬品)に分けられます。

新薬はその開発に多額の費用と時間がかかるため、特許権が与えられ、その新薬を独占的に製造・販売することができます。

しかし、この特許権には特許期間が設けられていて、その特許期間が過ぎると、他の医薬品メーカーでも同じ有効成分の薬を製造することが許されます。

こうして、特許権を持っていたメーカーとは別のメーカーが製造するようになった薬がジェネリック医薬品です。                 

 

<効き目の違い>

ジェネリック医薬品は、新薬と同一の有効成分を含み、効き目や安全性が同等であると厚生労働省が承認した薬です。

しかも、ジェネリック医薬品は、医薬品メーカーによって薬を飲みやすい形や大きさに変えるなどの工夫がされています。

 

<価格の違い>

新薬の開発には、10年~15年程度の長い期間がかかり、数百億円もの費用が必要とされています。新薬の価格には、これが反映されています。

ところが、ジェネリック医薬品は、新薬の有効成分を利用して開発されるため、その分だけ、開発期間やコストを大幅に抑えることが可能となります。そのため、ジェネリック医薬品の価格を安く設定することができます。

ジェネリック医薬品は、新薬に比べ、3割から5割程度安くなる場合が多いです。

 

<注意したい点>

新薬と同じ成分のジェネリック医薬品が、まだ無いこともあります。

ジェネリック医薬品は、新薬に比べて、やや供給が不安定なこともあります。

この点を確認のうえ、ジェネリック医薬品を希望すれば、医療費を節約することができます。

 

2017.04.25.解決社労士

<厚生年金基金の支払い>

厚生年金基金や企業年金連合会は、厚生年金基金の加入期間について、60歳からの特別支給の老齢厚生年金の「報酬比例部分」と65歳からの老齢厚生年金のうち、報酬の再評価や物価スライドをしないで計算した部分の支払いを国に代わって行っています。

また、国に代わって支払う部分に各基金の規約により基金独自の給付設計による加算を行い、国の給付水準を上回る支払いを行っています。

 

<問い合わせ先>

このような各基金の規約による計算については、日本年金機構では把握できません。

そのため、厚生年金基金から支払われる額については、加入している(加入していた)厚生年金基金または企業年金連合会に問い合わせることになります。

 

企業年金連合会

電話0570-02-2666(PHS・IP電話は03-5777-2666)

<有期契約と無期契約との違い>

定年年齢とは別に終了日を決めた雇用契約を有期雇用契約といいます。契約期間が終われば、雇用契約が終了するというのが原則になります。そこから先、さらに働けるかどうかは、更新契約が結ばれるかどうかによりますので、雇われている人の立場は不安定です。

これに対して、定年年齢とは別に終了日を決めていない雇用契約を無期雇用契約といいます。一般に、正社員は無期雇用契約とされ、有期雇用契約の場合よりも立場が安定しています。

 

<無期転換ルール>

長年にわたって、有期雇用契約の更新を何回も繰り返している社員は、正社員と同様に雇用の安定が必要であるという考え方から、有期雇用契約の期間を通算して5年を超えた場合には、本人の希望により、無期雇用契約に転換できることになっています。

ただし、この無期転換ルールは労働契約法の改正によってスタートしたものですから、有期雇用契約の開始が平成25年4月1日以降のものだけが通算の対象になります。

また、前の有期雇用契約と後の有期雇用契約との間に、契約が存在しない期間がある場合に、それまで通算された契約期間の半分以上の期間が空いてしまったときは、期間の計算がリセットされて、後の有期雇用契約から期間の計算を始めます。このとき、空いてしまった期間に1か月未満の端数が出たときは1か月に切り上げます。

さらに、空いてしまった期間が6か月を超える場合にも、後の有期雇用契約から期間の計算を始めます。

 

<転換後の労働条件>

無期転換ルールは、有期雇用契約を無期雇用契約に変えるものです。このルールによって、正社員になるわけではありません。

特に取り決めが無ければ、有期雇用契約の中で定められていた労働条件が、無期雇用契約に変わった後も続きます。

 

<ここも社労士(社会保険労務士)の出番>

無期転換ルールの運用について、迷うところがあれば、信頼できる社労士にご相談ください。

 

2017.04.23.解決社労士

<労働条件通知書の交付義務>

労働条件のうちの基本的な事項は、労働者に対して書面で通知するのが基本です。新人なら、1回目は雇い入れ通知書で、2回目からは契約更新の時や、時給変更、出勤日変更の時から労働条件通知書というパターンもあります。

「使用者は、労働契約の締結に際し、労働者に対して賃金、労働時間その他の労働条件を明示しなければならない。この場合において、賃金及び労働時間に関する事項その他の厚生労働省令で定める事項については、厚生労働省令で定める方法により明示しなければならない。」〔労働基準法15条〕

これが労働基準法の定めです。そして、罰則もあります。

「三十万円以下の罰金に処する。」〔労働基準法1201号〕

しかし、たまたま摘発されて30万円の罰金を科せられたとしても、日常的に面倒な書類を交付するよりは、30万円の罰金で済むならその方が楽という考え方をする経営者もいるでしょう。

 

<労働条件通知書の保管義務>

労働条件通知書は3年間の保管義務があります。

「使用者は、労働者名簿、賃金台帳及び雇入、解雇、災害補償、賃金その他労働関係に関する重要な書類を三年間保存しなければならない。」〔労働基準法109条〕

そして、こちらにも罰則規定があります。

「三十万円以下の罰金に処する。」〔労働基準法1201号〕

結局、3年間に1回でも労働条件の交付をサボれば、罰則が適用されうるということです。

 

<現実の問題として>

たとえば、同じお店で5人のアルバイトがいて、この人たちはベテランなので、時給が1,500円だったとします。

そして1人が辞め、代わりに新人が時給1,000円で入ります。2年後、この新人が辞めて、辞めた時も時給1,000円だったとします。

さて、この後、辞めたアルバイトが労働基準監督署に駆け込み「私は時給1,500円で雇われたのに、この2年間、時給1,000円で計算された給与しかもらっていません!」と言い張ったならどうでしょう。

お店側が、「いやいや時給1,000円の約束で雇っていました」と主張できる証拠はあるのでしょうか。

いくらベテランアルバイトたちが、「あの新人は時給1,000円でした」と言っても、お店に有利な証言をしているに過ぎないと思われます。

「時給1,000円で計算した給与を異議なく受け取っていた」と主張しても、「それはクビになりたくなくて。」と反論されればそれまでです。

 

<労働法上の形式的な義務>

労働基準法だけでなく、労働安全衛生法、男女雇用機会均等法、育児介護休業法、パートタイム労働法などなど、経営者に課せられた義務は把握するだけでも大変な状況です。

しかし、形式的な義務を果たすことは、経営者を護ることにもつながります。

人道的な義務や、人情で果たすべき義務の前に、この形式的な法定の義務を果たすことは、商売を続けるのに必要なことです。

経営者としての想いとは別に、法律上、守らなければ足元をすくわれることがあります。

不安を抱えないで、事業を継続するために、信頼できる社労士にご相談ください。社労士は公務員ではありませんから、親身になってご相談させていただきます。

 

2017.04.22.解決社労士

<法律による制約>

「解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする」とされています。〔労働契約法16条〕

実際、この条文を適用しても解雇が無効とされないケースは、かなり限られています。つまり、簡単には解雇できないことになっています。

入社して間もなくの解雇は、「採用取消」などと呼ばれますが、実態は解雇ですから、解雇としての法的規制を受けます。

 

<まるで詐欺のようなケース>

採用選考の段階で、労働者から会社に対して「業務に支障の出る病気は無い」「病気治療のための通院でしばしば欠勤するようなことは無い」と申し出ていたにもかかわらず、入社後に雇い入れ時健康診断で「要治療」の結果が出てしまい、仕事にも支障が出るし、通院のために毎週1日午後3時に早退しなければならないことが発覚し、本人がこれを知っていて嘘をついていたというケースなら、解雇(採用取消)も正当なものと認められやすいでしょう。

 

<業務の転換すらできないケース>

雇い入れ時健康診断であれ、定期健康診断であれ、その結果がかなり悪くて今の業務を続けさせることが困難であれば、会社は職務の転換をしてあげなければなりません。

しかし、比較的小規模な会社であれば、転換させようにも、適当な仕事が見つからないかもしれません。会社は、新たに仕事を作るような義務は負っていません。

このようなケースであれば、解雇も正当なものとして有効となることが多いでしょう。

ただし、会社に休職の制度があるのなら、それも検討したいところです。

 

<ここも社労士(社会保険労務士)の出番>

ただ単に健診結果が悪いだけで解雇を通告しても、不当解雇として無効になります。

具体的なケースで会社がどうすべきか、失敗しないためには、信頼できる社労士にご相談ください。

すでに、解雇があって不当解雇が疑われるケースでは、社労士の中でも、特定社労士の業務となりますので、特定社労士にご相談ください。

 

2017.04.21.解決社労士

<資格取得時決定>

従業員の所定労働日数や所定労働時間が増加して新たに社会保険に加入する場合や、事業所が従業員を新たに雇用した場合には、その従業員に新たな労働条件で報酬を支払った実績がないため、事業主は就業規則や労働契約などの内容に基づき、以下の「資格取得時の決定」の規定に則って加入者(被保険者)の報酬月額を届け出ることとなります。

 

<標準報酬月額の決定方法>

1.月、週その他一定期間によって報酬が定められる場合

被保険者の資格を取得した日現在の報酬額をその期間の総日数で除して得た額の30倍に相当する額

2.日、時間、出来高または請負によって報酬が定められる場合

被保険者の資格を取得した月の前1か月間にその事業所で、同様の業務に従事し、かつ同様の報酬を受ける者が受けた報酬の額を平均した額

3.上記1.または2.の方法では報酬の算定が困難である場合

被保険者の資格を取得した月の前1か月間に、その地方で、同様の業務に従事し、かつ同様の報酬を受ける者が受けた報酬の額

4.上記1.から3.の複数に当たる報酬を受ける場合

各々の報酬について上記1.から3.によって算定した額の合算額

 

<標準報酬月額の適用期間>

決定された標準報酬月額は、被保険者の資格を取得した月からその年の8月までの各月に適用されます。

ただし、被保険者が6月1日から12月31日までの間に資格取得した場合は、資格取得した月から翌年の8月までの各月に適用されます。

 

<訂正が必要な場合>

事業主は、被保険者が資格を取得した日から5日以内に、被保険者資格取得届を日本年金機構(事務センター又は年金事務所)へ提出します。

提出した後で誤りが見つかった場合や、実際の報酬が見込みと大きく異なった場合には、届出の取消しと遡っての届出を同時に行う形で、修正を行うことになります。

 

<ここも社労士(社会保険労務士)の出番>

具体的なことは、お近くの年金事務所でご確認いただけますが、尋ねにくかったり、どのように相談したらよいか迷ったら、信頼できる社労士にご相談ください。

 

2017.04.20.解決社労士

<セクハラは犯罪になることがある>

社内でセクハラを受けたなら、その行為は強制わいせつ罪にあたる可能性があります。〔刑法176条〕

わいせつ行為には、普通の人であれば嫌がるような行為すべてが含まれます。たとえば、相手が嫌がっているのにもかかわらず、服を脱がせたり、キスをしたり、身体に触る行為は、全てわいせつ行為にあたります。

社長が行為者であれば、自由な意思で同意しているとは認められにくい場合が多いでしょう。拒んだらクビにされると思い、仕方なく耐えている状態は、暗黙の脅迫がある状態ともいえます。

 

<行為者の民事責任>

被害者に対して不法行為責任を負います。〔民法709条〕

つまり、損害賠償責任を負うのです。

ここは、セクハラ行為者が社長でも他の従業員でも同じです。

 

<会社の民事責任>

会社も不法行為責任を負います。〔民法441項〕

まともに働ける環境を提供していないといえる場合なら、債務不履行責任も負います。〔民法415条〕

「社長=会社」ではありませんから、社長がセクハラを行った場合には、会社も社長も責任を負います。

 

<被害者が取るべき行動>

・セクハラ行為の記録や証拠を残す。

・同じ行為者からのセクハラ被害者がいれば協力する。

・労働相談情報センターなどに相談する。

社長がセクハラを行う人物である場合、その権限の強さから、被害者が複数である可能性は高いでしょう。一人では心細いですが、被害者が協力し合うことによって、解決しやすくなります。

また、セクハラの問題は、第一に社内で解決するのが原則です。しかし、セクハラの相談窓口や担当者は、被害者の味方に付いてくれないかもしれません。早めに社外の相談窓口に相談することをお勧めします。

 

<ここも社労士(社会保険労務士)の出番>

本気でセクハラ、パワハラ、マタハラなどを防止したい会社なら、相談窓口は社外の専門家に委託して、社内でもみ消されないようにするのではないでしょうか。

ハラスメントに限らず、働いている人たちの相談窓口として、信頼できる社労士をご検討ください。

 

2017.04.19.解決社労士

<死亡一時金の受給者>

国民年金には、日本国内に住む20歳以上60歳未満の人すべてが加入します。このうち自営業者や学生などの加入者を「国民年金第1号被保険者」といいます。

死亡一時金は、国民年金第1号被保険者の保険料納付済期間が36月以上ある人が死亡した時に遺族が受け取れます。

4分の1納付期間は4分の1に相当する期間、半額納付期間は2分の1に相当する期間、4分の3納付期間は4分の3に相当する月数で計算します。

死亡一時金を受け取ることができる遺族は、死亡した時に死亡した人と生計を同一にしていた人で、死亡した人の配偶者、子、父母、孫、祖父母、兄弟姉妹の順番で第一順位の人です。

 

<死亡一時金の額>

保険料納付月数

金 額

36月以上180月未満

120,000円

180月以上240月未満

145,000円

240月以上300月未満

170,000円

300月以上360月未満

220,000円

360月以上420月未満

270,000円

420月以上

320,000円

死亡した月の前月までに付加保険料納付済期間が36月以上ある場合には、上の表の金額に8,500円が加算されます。

 

<請求できない場合>

亡くなった人が、障害基礎年金または老齢基礎年金を受けていたとき、または、遺族基礎年金を受けられる人がいる場合には、死亡一時金を請求することはできません。

死亡一時金は、死亡日の翌日から2年を経過した場合には請求できなくなります。

 

<ここも社労士(社会保険労務士)の出番>

死亡一時金の請求書類の提出先は住所地の市区町村役場の窓口になります。お近くの年金事務所または街角の年金相談センターでも手続きできます。

請求できるかどうかの確認は、年金事務所などで行います。

もし、ご自分で手続きできない場合や、迷うことがあれば、信頼できる社労士にご相談ください。

 

2017.04.18.解決社労士

<処罰できる場合とできない場合>

意図的に仕事をしない場合なら、就業規則に故意に仕事の手抜きをした場合の懲戒規定を置いて、その事実を証明し、本人の言い分を聴くなど適正な手続きを踏んで懲戒処分をすることができます。

能力的に仕事ができない場合なら、適正な人事考課を通じて、その人の給与や賞与が調整されますから、きちんと仕事をしている人との間で不公平の問題は生じません。そもそも能力不足に対する懲戒処分は意味が無いのです。反省して心を入れ替えても、できないことはできないのですから。むしろ、会社が教育研修に力を入れる必要があります。

しかし実際には、わざと仕事をしないのか、それとも能力不足でできないのかは見分けがつきません。

 

<貢献度が基準なら>

「能力による評価」と言っても、真の能力は目に見えません。どれほど手を抜いているのかはわからないのです。

100の能力を持った人が、手を抜いて50の能力しか発揮していない場合と、50の能力しか無い人が死に物狂いで50の能力を発揮した場合とでは、会社に対する貢献度は同じです。

ですから、発揮された能力を会社に対する貢献と考えて、どちらも同じ評価をすることは不合理ではありません。

 

<姿勢を加味するなら>

しかし、死に物狂いの姿は他の社員に良い影響をもたらすと考えれば、50の能力しか無い人の方を高く評価することにも十分な理由があります。

反対に、会社の外でも十分な能力を身に着ける努力を続けていたものと考えれば、100の能力を持った人を高く評価するのも不当ではありません。

 

<結論として>

能力、会社に対する貢献度、仕事に対する取組姿勢など、多面的な評価基準を含んだ適正な人事考課と、その前提となる教育研修を行えば、仕事をきちんとしない社員を懲戒処分の対象とする必要は無くなります。

会社の実情に応じて具体的にどうすれば良いのかは、信頼できる社労士にご相談ください。

 

2017.04.17.解決社労士

<寡婦年金(かふねんきん)の受給者>

国民年金には、日本国内に住む20歳以上60歳未満の人すべてが加入します。このうち自営業者や学生などの加入者を「国民年金第1号被保険者」といいます。

寡婦年金は、国民年金第1号被保険者の保険料納付済期間と保険料免除期間が合わせて25年以上ある夫が死亡したときに、夫によって生計を維持され、かつ、夫との夫婦関係(事実婚を含む)が10年以上継続している妻が、60歳から65歳になるまで受け取ることができます。

 

<年金額>

夫の死亡日前日までの第1号被保険者期間だけで計算した老齢基礎年金額の4分の3です。

この第1号被保険者期間には、任意加入被保険者期間を含みます。

 

<請求できない場合>

亡くなった夫が、障害基礎年金の受給権者であった場合、老齢基礎年金を受けたことがある場合は支給されません。

妻が繰り上げ支給の老齢基礎年金を受けている場合は支給されません。

 

<他の年金と選択になる場合>

妻が他の年金を受け取っている場合は、その年金との選択になります。

寡婦年金と死亡一時金の両方の受給条件を満たしているときは、どちらか片方の選択になります。

 

<ここも社労士(社会保険労務士)の出番>

寡婦年金の請求書類の提出先は住所地の市区町村役場の窓口になります。お近くの年金事務所または街角の年金相談センターでも手続きできます。

請求できるかどうかの確認は、年金事務所などで行います。

もし、ご自分で手続きできない場合や、迷うことがあれば、信頼できる社労士にご相談ください。

 

2017.04.16.解決社労士

<出勤日や勤務時間を決めておかないやり方>

出勤日や勤務時間は、雇い入れにあたって雇い主が労働者に明示しておくべき労働条件の一つです。

しかし、月や週ごとに、話し合いで出勤日や勤務時間を決めることも違法ではありません。

実際、シフトを組んで勤務予定を立てている場合、基準となる出勤日数が決まっていないことがあります。

さらに、労働者が主体となって、自分の都合に合わせで出勤日を決めるというのも、何ら法令違反にはなりません。

ただ、これではヒマなときに多くの人がシフトに入り、忙しいときに人手が足りないという不合理が発生してしまいます。

 

<せめて出勤日数が決まっていれば>

話し合いで出勤日数の基準が決められていれば、少なくともその日数分は、シフトに入らなければ、契約違反になります。

もし、雇い主側の都合でシフトに入れる日数が少ないのであれば、法律上は、労働者から足りない日数分の給与を、損害として賠償請求できる場合があります。

しかも、嫌がらせや差別でシフトに入れなかったのであれば、精神的損害に対する賠償を請求できることもあります。

 

<休業手当の支払いが必要となる場合>

労働基準法は、もともとの出勤日に会社側の責任で出勤させられなくなったら、平均賃金の60%以上の休業手当を支払うことを義務付けています。

会社側の判断で回避できる可能性があったのに、休業せざるを得なくなったときは、会社に責任があるとされています。

たとえば、経営不振で操業を減らす、資材や取引先の都合で操業できない、お客が少ないため営業を中止するという理由で休業することは、経営上の判断が招いた結果ですから、休業手当を支払う必要があります。

しかし、会社の判断では回避できない理由、たとえば天災や地震により操業が不可能になった、会社の行動とは関係ない理由で法令等に基づき休業を命じられたなどの理由による休業については、会社に責任はないとされています。

 

<ここも社労士(社会保険労務士)の出番>

以上のことから、出勤日や勤務時間を決めておかなければ、会社が負わなくて済む責任もあるといえます。しかし、効率の良い人員配置は出来なくなってしまいます。

どのように労働条件を決めるのが効率的か、迷ったら信頼できる社労士にご相談ください。

 

2017.04.15.解決社労士

<労働契約法による規制>

「使用者が労働者を懲戒することができる場合において、当該懲戒が、当該懲戒に係る労働者の行為の性質及び態様その他の事情に照らして、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、当該懲戒は、無効とする。」〔労働契約法15条〕

 

<抽象的な基準>

会社が従業員に対して懲戒処分を通告しても、客観的に合理的な理由を欠いている場合や、社会通念上相当であると認められない場合には、無効になってしまいます。

「客観的に合理的な理由」は、社内で協議してOKとなれば良いのではありません。懲戒処分の対象者が、処分の合理性を否定できないような客観的な理由の存在が必要です。そして、その基準は多くの労働裁判や労働審判などに示されています。

「社会通念上相当」というのは、世間一般の人から見て「それだけのことをすれば、こうした懲戒処分もやむを得ない」と言えることをいいます。社内の懲戒権者による主観的な判断は基準になりません。

 

<懲戒処分が無効なら>

懲戒処分が無効になると大変です。

まず、会社は懲戒処分をしてしまった対象者に対して、損害の賠償をします。懲戒処分によって失われた経済的利益の他に、慰謝料の支払いも必要です。

もし、諭旨解雇や懲戒解雇が無効になったなら、ご本人が希望する限り、暖かく元の職場に迎え入れることになります。

会社は悪者扱いした対象者に頭を下げ、不利益をすべて取り除かなければなりません。これはかなり屈辱的なことになってしまいます。

 

<無効な懲戒処分を避けるには>

懲戒処分の対象となる事件が発生したら、信頼できる社労士にご相談ください。

最初から訴訟になりそうな大きな事件であれば、弁護士に依頼するのが普通でしょう。しかし、そこまでの事件でなければ、弁護士と同じく守秘義務を負い、労働法や判例などの事例に精通した社労士が適任だと思います。

間違った懲戒処分をしないことは、懲戒処分の対象となるような事件の発生防止以上に必要なことです。もし、会社にとって不都合な事件が発生したら、なるべく早く社労士にご相談されることをお勧めします。

 

2017.04.14.解決社労士

<就業規則の届出義務>

パートやアルバイトなどを含め、常時10人以上の労働者を使用する使用者は、就業規則を作成して、所轄の労働基準監督署に届け出る義務を負っています。〔労働基準法89条〕

ですから、従業員が9人以下の会社では、就業規則を作らなくても労働基準法違反にはなりません。

しかし就業規則が無いと、経営者は余計な苦労を背負い込んでしまいます。

 

<就業規則の内容>

就業規則には、次の3つの内容が織り込まれています。

・労働条件の共通部分

・職場の規律

・法令に定められた労働者の権利・義務

どの規定が3つのうちのどれにあてはまるのか、一見しただけではわかりません。また、一つの条文に複数の内容が含まれていることもあります。

 

<労働条件の共通部分>

労働条件は、原則として書面により労働者に示されなければなりません。〔労働基準法15条1項〕

一部のブラック企業を除き、法定の項目が記載された「労働条件通知書」などが労働者に交付されています。名称は、「雇用契約書」「雇い入れ通知書」などいろいろなものがあります。

就業規則が無い会社では、「詳細は、就業規則○○条参照」という表示ができないので、きちんとした物を作れば、数十枚から百枚以上の分量になり、とても現実的ではありません。

 

<職場の規律>

就業規則が無い会社では、新人に職場の規律を説明し、また、朝礼やミーティングで「こうして欲しい」「こういうことは禁止します」という内容を、説明することになります。

こうした具体的な説明が無ければ、ひとり一人の従業員が、自己判断で良かれと思う行動をとりますから、組織的には働けません。せっかく複数の従業員がいるのに、その力を結集できないのです。

また、自己判断で行ったことについて注意を受けても、その根拠が文書化されていないと、なかなか納得してもらえません。不満がふくらんで、退職にもつながります。

 

<法令に定められた労働者の権利・義務>

会社は労働者に対して、法令に定められた労働者の権利や義務さらには各種制度について、重要なものを周知する義務を負っています。

これらについては、就業規則の内容に盛り込んでおけば、就業規則の周知によって、会社の義務を果たしたことになります。

しかし、就業規則の無い会社では、法令や法改正の内容について、その都度、個別に説明が必要になります。これは時間と労力の無駄です。

 

<ここも社労士(社会保険労務士)の出番>

それぞれの会社の実情に適合した就業規則の作成と改善は、社労士の最も得意とするところです。

きちんと会社の利益を確保し、会社が成長できる就業規則をお考えでしたら、信頼できる社労士にご相談ください。

 

2017.04.13.解決社労士

<更新の有無を伝える必要がある場合>

有期労働契約であれば、契約期間満了により雇用が終了するのが原則です。

ですから、もともと更新が無い契約であれば、あえて更新が無いことを伝える必要はありません。反対に、必ず更新がある契約でも、これを伝える必要はありません。

問題は、更新の「可能性」があるという契約にした場合です。この場合には、なるべく早く更新の有無を決定して、そのアルバイトに伝えるのが望ましいわけです。

それでも、契約を更新する場合であれば、契約期間満了の直前に契約更新を伝えても大きな問題にはなりません。しかし、契約の更新を打ち切る場合には、これを「雇い止め」と呼び、一定の場合には、その予告が義務づけられています。

 

<雇い止めの予告>

雇い止めの予告が義務となるのは、次のような場合です。

・労働契約を3回以上更新している場合

・1年を超えて継続勤務している場合

・1年を超える労働契約の場合

これらの場合に事業主は、少なくとも期間満了の30日前までに、雇い止めの予告をしなければなりません。

 

<理由の明示>

雇い止めの予告をしたのに対応して、対象者から雇い止めの理由について証明書を請求された場合には、遅滞なく交付しなければなりません。退職後に請求された場合でも、事業主には交付義務がありますが、あくまでも請求があった場合のみの義務となります。

雇い止めの理由の例としては、次のものが挙げられます。

・前回の契約更新時に本契約を更新しないことが明確に合意されていたため

・契約締結当初に定めた契約更新回数の上限に達したため

・閉店など事業縮小のため

・業務を遂行する能力が十分ではないと会社が判断したため

雇い止めの理由は、わかりやすく事実に沿った理由を示す必要があります。誤解を生じる表現だと、これが元で訴訟に発展することもあります。退職後は特にそうですが、「雇い止め理由書」を郵送して終わりにするのは危険です。せめて電話で、できれば面談で説明したいものです。

 

<トラブルを防止するには>

雇い止めというのは、本当にトラブルを発生しやすいものです。決まりきったルールを守るだけではなく、プラスアルファのトラブル防止策をお勧めします。

まず、雇い止めの予告にあたってのトラブルを防ぐには、最初の採用のときと、契約更新のときに、次の契約更新の条件を具体的に示しておくことが必要です。対象者から反論されたり、疑問を出されたりするような条件では、具体性に欠けるということになります。

また、雇い止めの理由を示したことによって、新たなトラブルを発生させないようにするには、その理由が客観的に合理的なものであって、世間一般の常識からしても「やむをえない」といえるものであることが必要です。その基準は、労働法や裁判例を参考にすれば明らかになるものです。

 

<ここも社労士(社会保険労務士)の出番>

もし社内に専門の担当者がいないなど、不安な状況があるのであれば、信頼できる社労士(社会保険労務士)にご相談ください。それぞれの会社と業務内容に応じた対策をとることによって、リスクを大幅に軽減し、経費を削減することができます。

 

2017.04.12.解決社労士

<若者雇用促進法>

少子化にともない労働力の不足が深刻化しています。

こうした中で、若者が経験を積みながら職業能力を向上させ、働きがいを持って仕事に取り組める社会を築くことは、政府の推進する全員参加型社会の実現を図り、国全体の生産性の向上を図るうえで、重要な課題となっています。

若者雇用促進法は、若者の適切な職業選択の支援に関する措置、職業能力の開発・向上に関する措置等を総合的に規定した法律です。

 

<青少年の募集・採用で心がけること>

・青少年が適切に職業選択を行い、安定的に働くことができるように、労働条件などの明示などに関する事項を遵守することが必要です。

法定された労働条件の明示は、すべての年代に必要ですが、特に若年者については文書の交付だけでなく、口頭による追加説明が必要でしょう。

・固定残業代を採用する場合は、その仕組みについて、納得のいく説明が必要です。

・採用内定者については、採用内定取消の条件を予め文書などで明示しておき、やむを得ず採用内定取消を行う場合には、その理由を具体的に明らかにする他、誠意ある対応が求められます。

・新卒採用を行う場合には、既卒者についても、卒業後少なくとも3年間は応募できるなどの措置を講じるよう努めなければなりません。

 

<青少年の職場への定着促進のために心がけること>

事業主は、青少年の職場への定着を図り、その能力を有効に発揮することができるようにするため、研修や職業訓練などを通じて、青少年の仕事に対する能力を高めるための措置を講じるように努めなければなりません。

 

<ここも社労士(社会保険労務士)の出番>

固定残業代の制度は、違法な運用が多いため、悪者扱いされることがあります。しかし、正しく運用すれば、従業員にとっても会社にとっても都合の良い仕組みです。

また、研修や職業訓練は、日常業務にプラスアルファで行うものですから、人手不足の中、社内のメンバーで実施することは困難になっています。

こうしたことについては、ぜひ、信頼できる社労士にご相談ください。

 

2017.04.11.解決社労士

<行政運営方針>

東京労働局が「平成29年度 東京労働局行政運営方針」を策定しました。(平成29年4月3日発表)

東京労働局の今年度の最重点課題として、次の2つが掲げられています。

・「働き方改革」の推進などを通じた労働環境の整備・生産性の向上

・「全員参加の社会」の実現加速

2つ目は、安倍政権の一億総活躍プランが反映されたものです。

 

<労働環境の整備・生産性の向上>

この最重点課題を達成するための取組として、次の4つが掲げられています。

・長時間労働の是正による良質な労働環境の確保

長時間労働の抑制・過重労働解消に向けた取組、ワーク・ライフ・バランスの推進等

・非正規雇用労働者の待遇改善等

― 非正規雇用労働者の正社員転換・同一労働同一賃金の実現に向けた待遇改善の推進、最低賃金の周知・履行確保等

・人材確保対策の推進や労働生産性の向上等による労働環境の整備

― 労働者のキャリア形成に係る支援策の普及促進、全産業の労働生産性の向上等

・労働者が安心して健康に働くことができる職場づくり

労働条件確保、労働災害防止対策、メンタルヘルス・健康確保対策、労災補償の迅速・適正処理

 

<会社として特に気をつけること>

東京都内の労働基準監督署が、長時間労働、最低賃金、労働基準、労災隠しについて、監督という名の調査・指導を強化することは明らかになったわけです。

・長時間労働の是正 ― 月間法定労働時間を80時間以上上回って勤務する従業員がいれば是正が求められるでしょう。具体的には、毎月の勤務時間が254時間を超えないことが求められます。

・最低賃金の順守 ― この数年、東京都の最低賃金は10月の最初に引き上げられています。今の時点で最低賃金を上回っていても、10月に再度確認が必要です。定額(固定)残業代のある会社や、試用期間の賃金を低く設定する会社は、特に注意が必要です。

・労働基準法の順守 ― 法改正が行われていますので、数年にわたって就業規則変更届が労働基準監督署に提出されていない会社には、監督が入りやすいことになります。

・労災隠しの禁止 ― 労災隠しは犯罪ですが、具体的には「労働者死傷病報告(休業4日以上)」を労働基準監督署に提出しないことをもって、違法な労災隠しとされています。特に建設業では、提出漏れが多いため監督が入りやすいでしょう。

 

<ここも社労士(社会保険労務士)の出番>

長時間労働の是正と最低賃金の順守は、取締役など経営者を除く従業員全員の適正な労働時間把握がベースとなっています。

経営者ではない役職者を、管理監督者扱いにして残業代を支払わず、労働時間の管理もしていない会社は、大規模な是正を求められることになるでしょう。

会社の意図するところを適法に実施するためにも、労災手続きを速やかにするためにも、ぜひ、信頼できる社労士にご相談ください。

 

2017.04.10.解決社労士

<パワハラの大前提>

パワハラは、力関係に基づく嫌がらせです。

年齢、経験年数、能力、地位、権限、人気などのパワーを持った人が、自分から見てある側面で「劣る」と思える相手に対して、主に指導の名目で嫌がらせをします。

多少不快感や損害を与えたとしても、指導に伴うものはある程度仕方がないという勘違いがあります。

パワハラの大前提として、同じ職場の従業員間で発生するものと想定されています。

 

<拡大して考えると>

しかし子会社の従業員が、親会社の従業員から、力関係を背景とする嫌がらせを受けるということもありがちです。

これも広い意味でのパワハラにあたるのではないでしょうか。

この場合の被害者は、自分の上司に相談することになります。そして社長にまで話が伝わり、社長が親会社に被害の申告と改善の要求をするという流れになります。しかし、これは建前であって、実際には親会社と子会社の力関係から、上司や社長が動いてくれないことも多いでしょう。

もし、親会社の方にパワハラの相談窓口があって信頼できるのであれば、そこに相談するのも良いと思います。

 

<取引先の従業員からの嫌がらせ>

取引先の従業員から嫌がらせを受けた場合には、パワハラの本来の定義からは外れると思われます。

この場合の被害者は、自分の上司に相談することになります。そして社長にまで話が伝わり、社長が取引先に被害の申告と改善の要求をするという流れになります。しかし、これは建前であって、実際には会社と取引先の力関係から、上司や社長が動いてくれないことも多いでしょう。

 

<相談窓口>

被害を受けたら、上司に報告と相談が正しい行動です。しかし、会社が対応してくれないのなら、社外に助けを求めることになります。

労働基準監督署などには、総合労働相談コーナーが設置されています。まずは電話で相談してみてはいかがでしょうか。

 

2017.04.09.解決社労士

<疑問点>

同じ会社なのに、昇給のある社員と昇給の無い社員がいても、労働基準法違反にはならないのでしょうか。

 

<労働基準法の規定>

労働基準法には、均等待遇の規定があります。

「使用者は、労働者の国籍、信条又は社会的身分を理由として、賃金、労働時間その他の労働条件について、差別的取扱をしてはならない」〔労働基準法3条〕

また、男女同一賃金の原則についての規定もあります。

「使用者は、労働者が女性であることを理由として、賃金について、男性と差別的取扱いをしてはならない」〔労働基準法4条〕

これらは、憲法の保障する平等権〔日本国憲法141項〕の趣旨を踏まえた規定で、男女雇用機会均等法をはじめ、多くの労働法にその趣旨が反映されています。

 

<平等と公平>

複数の人々の間に共通する要素があって、その共通する要素に着目して、同じ扱いをすることにより、妥当な結果をもたらそうとするのが、平等の考え方です。

しかし、同じ会社の社員だという理由で、全員が同じ額の給与と賞与では納得できない人が出てきます。会社のために頑張ろうという社員も、ほとんどいなくなってしまいます。これでは、会社が続かないでしょう。

会社の中では、役割に応じて給与の額が設定されたり、貢献度に応じて賞与が支給されたりします。ここには、平等の原理が働きません。公平の原理が働きます。

複数の人々の間に相違する要素があって、その違いに着目し、違いに応じた扱いをすることにより、妥当な結果をもたらそうとするのが、公平の考え方です。

労働基準法の中にも、年少者を保護する規定や、産前産後の女性を保護する規定などがあり、これらは公平の原理に基づくものです。

 

<結論として>

同じ会社で、全く同じ仕事をしているのに、一部の社員だけが昇給無しでは、平等権の侵害となり、労働基準法違反の恐れがあります。「昇給は男性のみ」あるいは「外国人に昇給は無し」という扱いは、明らかに労働基準法違反です。

しかし、きちんとした人事考課が行われ、各社員の成長に応じた昇給を実施している会社でも、たとえば「モデルルーム公開中」の看板を持って国道沿いの歩道に椅子を置き座っている仕事だけをするアルバイトは、昇給が無くても不平等や不公平の問題を生じないでしょう。なぜなら、熟練や生産性の向上ということがほとんど想定しがたいからです。

ですから同じ会社の中に、昇給のある社員と昇給の無い社員がいても、客観的に合理的な理由があり、不平等や不公平の問題が無いのであれば、法的に見ても問題は無いといえます。

 

<ここも社労士(社会保険労務士)の出番>

実際の労働紛争では、会社が主観的に問題無しと判断したことに対して、退職者などから違法性や不当性を指摘されることが多いのです。

「この条文はこのようにも解釈できる」「今回は例外」のように、会社に都合のよい解釈をして満足するというミスを犯すのです。

本当に大丈夫なものか怪しいときは、信頼できる社労士にご相談ください。外部の第三者である専門家から見たら、驚くほど多くの問題点が見えるものです。

 

2017.04.08.解決社労士

<覚書の効力>

新規採用のフリーターが、社会保険の加入基準を満たしているにもかかわらず、社会保険は親の扶養に入っていたいから、手取りが減るのは嫌だからといった理由で、加入を拒むことがあります。

こんなとき、「社会保険の未加入を希望します。御社にご迷惑をお掛けしません」という誓約書や覚書は効力がありません。

 

<ベニスの商人>

シェイクスピアのベニスの商人では、主人公が悪名高い金貸しに金を借りに行き、「指定された日付までに借りた金を返すことが出来なければ、身体の肉1ポンドを与えなければいけない」という契約書を交わします。

ところが主人公は借金を返せないので、金貸しは主人公を裁判に訴え、主人公の身体の肉1ポンドを要求します。

裁判では「肉は切り取っても良いが、契約書にない血を1滴でも流せば、契約違反として全財産を没収する」とされたという話です。

社会保険の加入基準を満たしているのに加入しない、加入させないというのは違法です。違法な内容について、誓約書や覚書を作っても無効です。

そもそも加入基準を含め、社会保険についてのルールは国が定めていますから、国との間で合意するのではなく、会社と従業員とで勝手に合意することは無意味なのです。

 

<かつて流行った悪行>

10年余り前のことですが、次のような困ったことがフリーターの間に、クチコミで広まりました。

会社に採用されたフリーターが、社会保険への加入を拒みます。「加入するなら退職する」とまで言われ、会社はやむなくこれに応じます。

1~2年後、フリーターは退職を申し出て、退職後に社会保険事務所(現在の年金事務所)に給与明細書などを持って行き、「こんなに働いているのに社会保険に入っていませんでした」と申し出ます。

会社に指導が入りますから、やむなくさかのぼっての加入手続きをします。保険料の支払い義務は第一に会社が負っていますから、会社が保険料を支払って、この退職したフリーターに本人負担分を請求しますが、もちろん無視されます。

こうして、このフリーターは保険料を支払わずに社会保険に加入できるのです。

 

<ではどうするか>

社会保険に加入するか、それとも、社会保険の加入基準を下回る勤務日数、勤務時間の労働契約で働くか、二つに一つだということです。

人手不足なので悩ましいですが、うっかり応募者の口車に乗って、やってはいけないことに同意してしまうと、後から会社に損失をもたらしかねないのです。

 

2017.04.07.解決社労士

<法改正への対応>

可決されるずっと前から、法案は公表されています。施行されてから対応したのでは、ライバル会社に水を開けられてしまいます。

また、施行日がだいぶ先であっても油断はできません。法改正に対応するために、長い期間が必要であることを示唆している場合もあります。

法改正に対して、どの時点で、どこまで対応が必要かは、会社によっても違います。無駄を省いて効率よく対応するには、信頼できる社労士(社会保険労務士)にご相談ください。

なお、今回の改正に限定した場合、ブラック企業やブラック求人を出す企業を除けば、対応が必要なのは平成29101日施行の育児休業再延長への対応だけでしょう。

 

<平成2941日施行>

・リーマンショック時に創設した暫定措置を終了する一方で、雇用情勢が悪い地域に居住する者の給付日数を60日延長する暫定措置を5年間実施する。また、災害により離職した者の給付日数を原則60日(最大120日)延長できることとする。

・雇止めされた有期雇用労働者の所定給付日数を倒産・解雇等並みにする暫定措置を5年間実施する。

・倒産・解雇等により離職した3045歳未満の者の所定給付日数を引き上げる。(3035歳未満:90日→120日、3545歳未満:90日→150日)

・保険料率及び国庫負担率について、3年間(平成2931年度)、時限的に引き下げる。(保険料率0.8%→0.6% 国庫負担率(基本手当の場合) 13.75%(本来負担すべき額(1/4)55%)→2.5%(同10%))

・ハローワークでも、職業紹介事業者に関する情報を提供する。(以前はハローワークにおける新卒者向け求人のみ)

 

<平成2981日施行>

・基本手当(いわゆる失業手当)等の算定に用いる賃金日額について、直近の賃金分布等を基に、上・下限額等の引上げを行う。

 

<平成2910月1日施行>

・原則1歳までである育児休業を6か月延長しても保育所に入れない場合等に限り、更に6か月(2歳まで)の再延長を可能にする。これに合わせ、育児休業給付の支給期間を延長する。

 

<平成30年1月1日施行>

・専門実践教育訓練給付の給付率を、費用の最大70%に引き上げる。(最大60%→70%)

・移転費の支給対象に、職業紹介事業者(ハローワークとの連携に適さないものは除く。)等の紹介により就職する者を追加する。

・求人者について、虚偽の求人申込みを罰則の対象とする。また、勧告(従わない場合は公表)など指導監督の規定を整備する。

・募集情報等提供事業(求人情報サイト、求人情報誌等)について、募集情報の適正化等のために講ずべき措置を指針(大臣告示)で定めることとするとともに、指導監督の規定を整備する。

・求人者・募集者について、採用時の条件があらかじめ示した条件と異なる場合等に、その内容を求職者に明示することを義務付ける。

 

<公布から3年以内>

・ハローワークや職業紹介事業者等の全ての求人を対象に、一定の労働関係法令違反を繰り返す求人者等の求人を受理しないことを可能とする。

 

2017.04.06.解決社労士

<2年連続の引き下げ>

雇用保険の財政状況などを踏まえて、雇用保険料率が引き下げられました。

【平成29年度の雇用保険料率】

 

雇用保険料率

事業主負担

労働者負担

一般の事業

0.9%

0.6%

0.3%

(平成28年度)

1.1%

0.7%

0.4%

(平成27年度)

1.35%

0.85%

0.5%

農林水産・清酒製造の事業

1.1%

0.7%

0.4%

(平成28年度)

1.3%

0.8%

0.5%

(平成27年度)

1.55%

0.95%

0.6%

建設の事業

1.2%

0.8%

0.4%

(平成28年度)

1.4%

0.9%

0.5%

(平成27年度)

1.65%

1.05%

0.6%

保険料率が引き下げられたと言っても、労働者が給与から天引きされる保険料は、総支給額10万円につき100円の差ですから、ピンと来ないかもしれません。

ところで、いつも雇用情勢が回復すると保険料率が引き下げられ、その後、雇用情勢が悪化すると充分な給付ができなくなっているように思われます。状況の良い時に資金をプールしておいて、失業者が増えたときに使えると安心ですね。

 

<給与明細書で確認を>

4月分の雇用保険料は、通常5月に支給される給与から控除されます。

保険料は、定額ではなくて、総支給額に応じて定率で計算されます。

総支給額が20万円の場合、平成27年度は1,000円、平成28年度は800円、平成29年度は600円が給与から控除されています。

給与計算業務を外部に委託している場合、社労士(社会保険労務士)なら安心ですが、法改正に鈍感な委託先だと、料率の引き下げが反映されていない恐れがあります。

 

<経理・財務部門への影響>

給与計算部門だけでなく、会社の予算を管理している部門へも、料率変更の情報が伝わらないと困ります。

雇用保険料は、事業主負担分も変更されていますから、予算の中の法定福利費も変更する必要があるのです。

 

<ここも社労士(社会保険労務士)の出番>

労災保険料率や雇用保険料率が変更になった場合、7月に労働基準監督署に提出する労働保険料の年度更新は、特に注意が必要です。

念のため、信頼できる社労士にチェックさせることをお勧めします。

 

2017.04.05.解決社労士

<疑問点>

退職の翌月に、会社から保険料の本人負担分の請求が来ることもあり、来ないこともあります。どのように場合分けされているのでしょうか。

 

<保険料徴収の仕組み>

社会保険料は、本人負担分を給与から控除し、会社がこれに会社負担分を足して納付します。直接の納付義務は会社にあります。

そして、保険料の納付期限は翌月末です。4月分の保険料の納付期限は5月末です。

 

<退職と保険料の発生>

退職者は原則として、退職日の翌日に社会保険の資格を失います。そして、資格喪失日の前日が属する月までの社会保険料を負担します。

ですから、月末に退職した場合には、その月の保険料を負担します。しかし、月末以外の日に退職した場合には、前月までの保険料を負担します。

4月30日に退職の場合には、4月分の保険料を負担するのですが、4月12日に退職の場合には負担しません。

 

<給与から控除される保険料>

たとえば、給与が毎月20日締め切り、当月25日支払いだとすると、4月に支給される給与から控除される保険料は、通常の場合3月分です。もし、4月末退職だとすると、5月に支給される給与から、4月分の保険料が控除されます。5月に支給される給与は、4月21日から4月30日までの給与ですから、月給の3分の1程度でしょう。

またたとえば、給与が毎月25日締め切り、当月末日支払いだとすると、4月に支給される給与から控除される保険料は、やはり通常の場合3月分です。もし、4月末退職だとすると、5月に支給される給与から、4月分の保険料を控除したいところですが、5月に支給される給与は、4月26日から4月30日までの給与ですから、月給の6分の1程度でしょう。この少ない給与から、住民税や所得税などと共に社会保険料を控除するのは、ちょっと無理かもしれません。ですから、別途退職者に請求する場合があるのです。

退職日が予めわかっている場合には、最後の給与から2か月分の保険料を控除することもあるのですが、急な解雇の場合などには間に合いませんから、退職後の請求になりやすいのです。

 

<ここも社労士(社会保険労務士)の出番>

具体的なケースについて迷ったら、信頼できる社労士にご相談ください。

また、急な解雇は不当解雇であることが多いものです。この点についても、迷ったら信頼できる社労士にご相談ください。

 

2017.04.04.解決社労士

<労働基準法を守っていたらつぶれる会社>

ビューティークリニックの女性経営者が、労働基準法を順守していたら会社がつぶれるというような発言をして、マスコミを騒がせました。もう2年以上も前のことです。

法律は国会で審議・可決され成立するのですが、法律案の段階で多くの専門家が関わりますので、順守できないような法律が施行されることは稀です。たとえ施行されたとしても、改正案が準備され、実態に合わせて改正されていきます。

特に労働基準法などの労働法で、会社の負担が過大になるような規定ができてしまうと、会社の経営が苦しくなり、結局、労働者の処遇が低下したり、整理解雇が必要になったりして、労働者の保護にはなりません。労働者の保護を目的とする労働法は、このバランスに配慮して作られています。

ですから、労働基準法を守るとつぶれてしまうような会社というのは、経営者が本業以外に気を取られているとか、社会のニーズに対応していないとか、今の時代には合っていないとか、根本的な問題を抱えているのでしょう。

労働基準法の中でも、労働時間や休日についての基本的な規定は、過重労働による過労死を防ぐのに役立ちます。以下の規定が守られていない会社では、守れない原因の原因、そのまた原因を突き止めて、一つひとつ解消する努力が求められます。

 

<法定労働時間>

形式的な労働時間とは、始業時刻から終業時刻までの時間から休憩時間を除いた時間をいいます。

実質的な労働時間は、労働者が使用者の指揮監督の下にある時間をいい、必ずしも実際に作業に従事していることは必要ありません。何もしていなくてもその場を離れることができない手待ち時間は労働時間となります。この実質的な労働時間は、客観的に決まるものですから、就業規則などにより違うルールにすることはできません。

 労働時間の長さは、週40時間以内、18時間以内に制限されています。〔労働基準法32条〕

 

<法定休日>

休日とは、労働契約で労働義務がないとされている日のことをいいます。

使用者は労働者に、毎週少なくとも1回、あるいは4週間を通じて4日以上の休日を与えなければなりません。〔労働基準法35条〕

カレンダーで色の違う日付が休日というわけではありません。就業規則などにより、職場ごとに決められます。

1日のうちの一部でも仕事をさせれば、たとえ30分位の短時間であったとしても、その日は休日を与えたことにはなりません。

 

<法定時間外労働・法定休日労働>

法定労働時間を超えて労働者を働かせる場合や、法定休日に働かせる場合には、あらかじめ労働者の過半数代表者(過半数の労働者で組織される労働組合がある場合にはその労働組合)との間に、「時間外労働・休日労働に関する協定」を締結し、労働基準監督署長に届け出なければなりません。〔労働基準法36条〕

 

<ここも社労士(社会保険労務士)の出番>

「そうは言っても、うちの会社には特別な事情があって、こんな規定は守れない」という会社があれば、ブラック企業の汚名を着せられないうちに、信頼できる社労士にご相談ください。

 

2017.04.03.解決社労士

個人差の大きな試験です。参考になりそうなところだけ参考にしてください。

 

<目的意識>

なぜ受験するのか、なぜ合格したいのか、合格したらどうしたいのか、目的意識が薄れていると、勉強の効率が上がりません。

あれが嫌、これも嫌の消去法で受験を決意したのでは、勉強が手につかないでしょう。

 

<参考書より問題集>

勉強がかなり進まないと問題集に手を出さないものですが、過去の問題を中心に勉強している人は、実力のつくスピードがすごいです。

参考書の理解を目指しているのではなく、本番の試験で高得点を取ることを目指しているのですから、早い段階で問題集に取り組むべきです。

 

<問題集の使い方>

自分なりの答えが出るまで粘るのは時間の無駄です。

私は中学、高校と数学が得意でした。問題集を解くときは、30秒ほど考えて解き方がわからなければ、解答と解説を読んで覚えました。5分かかって答えにたどり着かなければあきらめました。

数学が不得意な人は、1問を解くのに長時間かけすぎていたと思います。

ましてやこの試験では知識がものを言いますから、悩んでも仕方が無い問題が多いのです。少し考えて正解を出せなければ、解答と解説を読んで覚えましょう。

 

<結局最後は丸暗記>

基本書を読むときは、最初の5~6回は理解することを心がけると良いです。記憶は薄れていきますが、理解は薄れにくいです。

次の3~4回は、記憶することを心がけたいです。どんなに理解しようと思っても、理屈に合わない部分が多いのがこの試験の特徴です。

最後の1~2回は、語呂合わせでも何でもいいですから、すべて覚えるつもりで臨みましょう。

 

<勉強時間の確保>

このように、やるべきことは多いです。

勉強時間の確保が最重要課題です。早朝だったり、休日にまとめてだったり、細切れ時間の有効活用だったり、自分の個性に合わせて確保するしかないです。

週40時間の勉強を1年続けたら合格ラインだと思います。しかし、週20時間の勉強を2年続けても、同じ水準には達しません。なぜなら、法改正やデータの変化により、記憶の混乱が生じてくるからです。

 

<独学は苦しい>

資格取得のための学校に通って仲間ができるとモチベーションを維持できます。精神的に楽だと思います。

また、ネット授業やビデオ授業でも、そこそこの効果が期待できます。

このページ右側の「お勧めします」の中の「いいだ先生メール相談」をクリックすると、飯田弘和先生のブログに飛びます。この先生は、行政書士試験も社労士試験も独学で合格しています。しかし、こういう方は、年に数人しかいないそうです。特別に優れた方を除き、独学で合格を目指すことはお勧めできません。

 

<あきらめないこと>

私が受験した年は、試験当日、途中で帰った人が多かったのが印象的でした。選択式の健保だけが難しくて、足切り点が1点でしたからあきらめたのでしょう。泣いている人もいましたし、参考書に殴り書きをしている人もいました。結果的には、合格率の高い年でしたから、合格発表のデータを見て、途中で帰って失敗だったと思った人は多かったようです。

 

<健康管理>

8月下旬は、風邪を引きやすい時期ではないと思うのですが、試験会場に行くと風邪引きが半分以上でしょうか。試験当日に風邪を引いていないというだけで、かなり合格が近づきます。

やはり健康管理は大事です。

 

2017.04.02.解決社労士

<マクロ経済スライドとは>

年金の給付水準は、賃金や物価により変動します。しかし、あまりに大きな変動は給付額が不安定になり好ましくありません。マクロ経済スライドは、賃金や物価の改定率を調整して、緩やかに年金の給付水準を調整する仕組みです。

これによって、保険料等の収入と年金給付等の支出の均衡が保たれるようになりますし、子や孫など将来の現役世代の負担が過重なものとならないよう保険料の負担水準を定めることになります。

 

<具体的な仕組み>

賃金や物価による改定率から、加入者(被保険者)の減少と平均余命の伸びに応じて算出した「スライド調整率」を差し引くことによって、年金の給付水準を調整します。

そして、賃金や物価がある程度上昇する場合にはそのまま適用しますが、賃金や物価の伸びが小さく、適用すると年金額が下がってしまう場合には、年金額の改定は行われません。

さらに、賃金や物価の伸びがマイナスの場合は調整を行わず、賃金や物価の下落分のみ年金額を下げることになります。

 

<ここも社労士(社会保険労務士)の出番>

年金額に変更があった場合、その原因がわからないこともあります。

お近くの年金事務所などで確認すれば良いのですが、時間が無かったり、一度説明を受けたけれども良くわからなかったりした場合には、信頼できる社労士にご相談ください。

 

2017.04.01.解決社労士