2017年 3月

<厚生年金の対象者>

国民年金に上乗せされた保障を受けることができる厚生年金の制度は、いわゆる勤め人を対象としています。

したがって、学生や自営業者は国民年金のみに加入することになります。

 

<厚生年金の加入条件>

厚生年金の加入条件(資格取得要件)は健康保険と同じです。以下の条件を満たした人は、自動的に加入(資格取得)します。そして、会社は加入手続きをとる義務があります。労働者が加入を拒んだ場合でも、会社はこの義務を免除されません。

まず、1週間の所定労働時間と1か月の所定労働日数が正社員の4分の3以上であれば、パート、アルバイト、派遣社員、契約社員などの雇用形態にかかわらず加入することになります。

また、501人以上の加入者(被保険者)がいる企業では、1週間の所定労働時間が20時間以上であり、月収8万8000円(年間106万円)以上となったときに加入することになります。

しかし、従業員5人以下の個人事業所で働く場合や、契約期間が2か月以下で更新しなかった場合など、一定の場合に加入できないこともあります。

なお、1週間の所定労働時間と1か月の所定労働日数は、会社が労働者に書面で明示する義務を負っています。ですから、予め決めておく必要があります。

 

<受けられる年金の種類>

厚生年金に一定の期間加入していることにより、つぎの年金を受けられます。

・老齢厚生年金(原則として65歳から)

・障害厚生年金(病気、事故によって障害が残った場合)

・遺族厚生年金(加入者が死亡したときに、扶養していた妻、18歳未満の子、一定範囲の親族に支給される)

これらは、支払った保険料に応じて支給されます。

また、国民年金は全国民に共通の基礎年金が支払われ、厚生年金は基礎年金に上乗せして年金が支払われる制度です。この制度により支払われる、老齢基礎年金と老齢厚生年金、障害基礎年金と障害厚生年金、遺族基礎年金と遺族厚生年金は、同じ事由で支払われるため、1つの年金とみなされ併せて受けることができます。

 

<ここも社労士(社会保険労務士)の出番>

国民年金や厚生年金の加入期間、保険料の納付状況、将来年金を受ける可能性については、お近くの年金事務所などで確認することができます。

お時間が無くてご自分で確認できない場合や、一度相談に行ってみてわかりにくかったときには、信頼できる社労士にご相談ください。

 

2017.03.31.解決社労士

<冷静に考えれば>

会社の物品が壊れたのに、すぐに報告せず遅れて報告したら、責任を問われ半額弁償するよう迫られたという相談がありました。

かなりメチャクチャな話であることは明らかです。

理論的に反論するなら、報告が遅れたことと会社の物品が壊れたこととの間に因果関係が無いので、物品の修理費用や新品の購入代金を基準に責任を負わされるのは不合理だということになります。報告が遅れたから物品が壊れたわけではないのに、壊れたことに対して責任を負うのはおかしいのです。

 

<営業上の損害が発生する場合>

パン屋さんやピザ屋さんで、閉店間際にパンを焼くオーブンやピザを焼く窯(かま)が壊れたとします。このときすぐ会社に報告して、修理の手配や代品の手配ができるようにしなかったため、翌日、臨時休業になったとします。会社の損害は、その店舗の1日分の売上に基づく利益ということになります。

もし、会社に損害を加えようとして、わざと報告しなかったのであれば、不法行為としてこの損害を基準とする賠償を求められることもありえます。〔民法709条〕

しかし、この場合でも、修理費用が賠償額の基準になるわけではありません。

また、その場にいる従業員だけで、何とか修理しようとして翌朝まで頑張ってしまい、会社に報告することなど思いもよらなかったというケースなら、故意はありません。過失にしてはひどすぎますが、会社側の教育不足も原因だと考えられます。就業規則の懲戒規定に従い、合理的な範囲内で懲戒処分を受けることになるでしょう。

 

<ここも社労士(社会保険労務士)の出番>

こんなとき報告を受ける側としては、ついカッとなってしまいます。クビにしようか、全額弁償させようかと、極端な思考に走りがちです、一呼吸おいて信頼できる社労士にご相談いただけたらと思います。

 

2017.03.30.解決社労士

<定額(固定・みなし)残業代とは?>

1か月の残業代を定額で支給するものです。

基本給に含めて支給する方式と、基本給とは別に定額残業手当として支給する方式があります。

労働基準監督署では正しい運用を指導しています。しかし、正しい運用が難しいことから、ハローワークでは求人票に載せることを嫌います。

 

<ブラック運用1

対象となる従業員に計算根拠の説明が無い。あるいは、就業規則に具体的な規定が無い。これはブラックな運用です。

残業代の計算方法がわからなければ、給与を支給されたときに、誤っていてもわかりません。対象者全員に理解させることが必要です。

 

<ブラック運用2

残業時間が少ないと、定額残業代が減額される。これはブラックな運用です。

基準時間を下回る時間しか残業が発生しない月も、定額の残業代は減額せずに支給します。「定額」残業代と言うことばから当然のことです。

定額残業代は、全く残業しなくても支給される最低保証額なのです。

 

<ブラック運用3

残業時間がどんなに多くても、残業代は増えず、定額残業代だけが支給される。これはブラックな運用です。

基準時間を上回る時間の残業が発生した月は、定額の残業代を上回る部分の残業代を給与に加えて支給します。賞与でまとめてということはできません。

そもそも定額残業代の基準時間が無いという悪質なものもあります。

 

<ブラック運用4

定額残業代に、深夜労働や法定休日労働の割増賃金を含めている。これは、多くの場合ブラックな運用です。

深夜労働や法定休日労働の分も定額にすることは、理論的には可能です。しかし、それぞれの基準時間と金額を明らかにする必要があって、計算や運用が難しくなりますし、人件費が割高になるのであまり使われません。

 

<ブラック運用5

1時間あたりの基本賃金が、最低賃金法の基準を下回っている。これはブラックな運用です。

最低賃金は、年々上昇していますので、いつの間にか違法になってしまうケースもあります。給与の設定が春だと、最低賃金の変更が秋なので、この時点で違法になることも多いのです。

 

<ここも社労士(社会保険労務士)の出番>

定額残業代(固定残業代・みなし残業代)を使うなら、適法に運用しなければなりません。それだけではなく、適法に運用するとかえって人件費が割高になるという場合には、給与制度や人事制度を見直す必要があります。

それぞれの職場に合った制度をお考えでしたら、ぜひ、信頼できる社労士にご相談ください。

 

2017.03.29.解決社労士

<年次有給休暇は労働者の権利> ※以下、年次有給休暇を年休と表示します。

年休は、労働基準法に定められた労働者の権利です。〔労働基準法391項〕

週1日の勤務でも、法定の年休を取得する権利があります。〔労働基準法393項〕

会社が法定以上の年休を与えるのはかまいませんが、一時的にせよ法定の基準を下回ることはできません。〔労働基準法12項〕

こうして与えられた年休を、退職時にまとめて取得するのも労働者の権利です。〔労働基準法395項本文〕

会社は、一定の条件のもとで、年休の取得日を変更できるのですが、退職日よりも後の日に変更することはできません。〔労働基準法395項但し書き〕

 

<権利の濫用ではないのか>

会社は、労働者から退職の申し出があるとともに、何日もの年休取得を言われると、業務の引継ぎについて懸念が生じます。そもそも、引継ぎの相手となる人材がいなければ、新たに採用する必要も出てきます。

退職希望者から、何日もの年休取得を言われた場合、会社はそれを権利の濫用として拒否できるのでしょうか。客観的に見て、会社が対応不可能なのに、労働者が権利を主張してくるのは、権利濫用と言わざるを得ません。

しかし、会社は日常の業務についても、労働者にマニュアルの作成と改善を指示することができます。これを元に、複数の労働者が業務を共有したり、計画的な人事異動を行ったりということも、会社の指揮命令によって行うことができます。つまり、客観的に見て、会社が対応不可能とは言えません。

少し厳しい話ですが、労働基準法が労働者に年休取得の権利を認めている以上、会社は様々な事態を想定して、予め対応しておく必要があります。法律が、それを会社に求めているのです。

 

<就業規則による対処>

就業規則によって、会社に発生する不都合を減少させることもできます。たとえば、次のような規定を設けてはどうでしょうか。

・退職にあたっては、後任者に対し、従来の任務を遂行するのに必要なマニュアルの引継ぎを完了し、上長の確認を受けなければなりません。

・自己都合により退職する人は、退職予定日が決定次第、その理由を申し出て、少なくとも14日前に「退職願」を提出しなければなりません。

・最終出勤日は、退職の理由や引継ぎの内容を考慮して、退職する人と会社とで協議のうえ決定します。

また、懲戒処分の対象に、「正当な理由なく、退職にあたって引継ぎを放棄し、あるいは、引継ぎに必要な出勤を拒んだとき」を加えておくことも考えたいです。退職金減額の理由とすることも可能です。

 

<礼儀として>

十分な引継ぎもできないほどの突発的な退職というのは、労働者が急死するなどの例外的な場合にしか発生しません。

退職する人は、きちんと引継ぎを済ませたうえで、円満退社すべきです。世間は狭いもので、知り合いの知り合いを通じて、悪いうわさが流れたりするものです。ネット上に、あることないこと書かれることもありえます。

会社も、きちんと引継ぎが済むように、年休の一部を買い上げて引継ぎに必要な日数は出勤してもらえるように、丁寧に頼むなど礼儀を尽くすことが必要です。

 

<ここも社労士(社会保険労務士)の出番>

急に誰かが退職を申し出ても困らない体制づくりは必要です。具体的に何をどうすべきか、迷ったら信頼できる社労士にご相談ください。

 

2017.03.28.解決社労士

<業務災害とは>

労働者の業務上の負傷、疾病、障害、死亡を業務災害といいます。

「業務災害」として認定されるためには、業務に内在する危険有害性が現実化したと認められること(業務起因性)が必要で、その前提として、労働者が使用者の支配下にある状態(業務遂行性)にあると認められなければなりません。

 

<これも業務遂行性が認められる>

厳密には業務といえない行為であっても、労働者が使用者の支配下にある状態だといえるので、業務遂行性が認められる行為として次のものがあります。

・事業主の私用を手伝うなどの作業中

・生理的行為(用便、飲水等)による作業中断中

・作業に関連または附随する行為、作業の準備、後始末、待機中

・火災等緊急事態に際しての緊急行為中

・事業施設内での休憩中でその事業施設に欠陥があった場合

・出張中(住居と出張先の往復を含む)

 

<業務災害の特殊ケース>

次のような災害も、過去に業務災害として認められています。

・上司の指示により、無届欠勤者の事情を調査するため、通常より約30分早く自宅を出発し、自転車で欠勤者宅に向かう途中で電車にはねられ死亡した〔昭和24年12月15日基収第3001号通達〕

・勤務時間中に、作業に必要な私物の眼鏡を自宅に忘れた労働者が、上司の了解を得て、家族が届けてくれた眼鏡を工場の門まで自転車で受け取りに行く途中で運転を誤り負傷した〔昭和32年7月20日基収第3615号通達〕

・小型パイプが事業場の資材置場に乱雑に荷下しされていたため、それを整理していた際、材料が小型のため付近の草むらに投げ込まれていないかと草むらに探しに入ったところ、その草むらの中にいた毒蛇に足をかまれて負傷した〔昭和27年9月6日基災収第3026号通達〕

 

<ここも社労士(社会保険労務士)の出番>

業務災害にあたらないものを、勘違いして労災保険の手続きをしても、病院や労働基準監督署でストップがかかります。それでも、健康保険の手続きに切り替えたり、被災者やご家族に説明して、お叱りを受けたりという負担は発生します。

恐いのは、業務災害として労災保険の補償が受けられるのに、業務災害ではないと勘違いして手続きを進めないことです。この場合には、時効により権利が失われる前でも、遅れたことにより手続きを進めるのが困難なこともあります。

迷ったら、所轄労働基準監督署の労災課に確認すれば良いのですが、少し聞きづらいと感じたら、信頼できる社労士にご相談ください。

 

2017.03.27.解決社労士

<通勤災害とは>

労働者の通勤による負傷、疾病、障害、死亡をいいます。ここで「通勤」とは、労働者が就業に関し合理的な経路および方法により移動、往復することをいい、業務の性質を有するものを除きます。

 

<これも「通勤」の一種>

転勤に伴い、やむを得ない事情により配偶者、子、要介護状態にある父母・親族等と別居することとなった場合に、帰省先への移動に反復性や継続性が認められれば、単身赴任先と帰省先との間の移動が通勤と認められうるとされます。〔平成18年3月31日基発0331042号通達〕

 

<「みちくさ」の例外>

通勤経路の途中で、通勤とは関係ない目的で、合理的な経路をそれた場合や、通勤とは関係のない行為を行った場合は、その時点で通勤とは認められなくなるのが原則です。

しかし、日常生活上必要な行為で厚生労働省令に定められているものである場合は、「みちくさ」をしても元の経路に戻った後からは、通勤災害として認められうるとされます。

「日常生活上必要な行為で厚生労働省令に定められているもの」とは、次の行為です。

・日用品の購入その他これに準ずる行為

・職業訓練、学校教育法1条に規定する学校で行われる教育その他これらに準ずる教育訓練であって職業能力の開発向上に資するものを受ける行為

・選挙権の行使その他これに準ずる行為

・病院または診療所で診察や治療を受けることその他これに準ずる行為

・要介護状態にある配偶者、子、父母、配偶者の父母、要介護状態にあり同居し扶養している孫、祖父母、兄弟姉妹の介護(継続的にまたは反復して行われるものに限る)

 

<ここも社労士(社会保険労務士)の出番>

通勤災害にあたらないものを、勘違いして労災保険の手続きをしても、病院や労働基準監督署でストップがかかります。それでも、健康保険の手続きに切り替えたり、被災者やご家族に説明して、お叱りを受けたりという負担は発生します。

恐いのは、通勤災害として労災保険の補償が受けられるのに、通勤災害ではないと勘違いして手続きを進めないことです。この場合には、時効により権利が失われる前でも、遅れたことにより手続きを進めるのが困難なこともあります。

迷ったら、所轄労働基準監督署の労災課に確認すれば良いのですが、少し聞きづらいと感じたら、信頼できる社労士にご相談ください。

 

2017.03.26.解決社労士

<空欄のある労働条件通知書の有効性>

労働条件通知書は、使用者から労働者に対して主要な労働条件を書面で通知するための書類です。そして、労働条件は労働契約の中心的な内容となっています。

労働契約は、使用者と労働者との口頭による合意で成立しますので、書面に不備があっても労働契約の効力には影響しません。〔民法623条〕

たとえ労働契約書や労働条件通知書が無くても、労働契約は有効に成立するのです。

 

<書面による通知義務のある法定事項>

しかし労働契約の成否とは別に、労働者を保護するため、労働条件のうち次の法定事項は、使用者から労働者に書面で通知する必要があります。

1. 労働契約の期間

2. 就業の場所、従事する業務の内容

3. 始業・終業時刻、所定労働時間を超える労働の有無、休憩時間、休日、休暇、交替制勤務をさせる場合は就業時転換に関する事項

4. 賃金の決定・計算・支払いの方法、賃金の締切り・支払いの時期に関する事項

5. 退職に関する事項(解雇の事由を含む)

さらに、パートタイマー(短時間労働者)については、パートタイム労働法により、昇給・退職手当・賞与の有無について、文書の交付等による労働条件明示が必要です。

 

<口頭で通知すれば良い事項>

1. 昇給に関する事項

2. 退職手当の定めが適用される労働者の範囲、退職手当の決定、計算・支払いの方法、支払いの時期に関する事項

3. 臨時に支払われる賃金、賞与などに関する事項

4. 労働者に負担される食費、作業用品その他に関する事項

5. 安全・衛生に関する事項

6. 職業訓練に関する事項

7. 災害補償、業務外の傷病扶助に関する事項

8. 表彰、制裁に関する事項

9. 休職に関する事項

つまり、これらの事項は労働条件通知書に漏れていても大丈夫です。ただし、パートタイマー(短時間労働者)については、1.3.の事項がパートタイム労働法により、文書の交付等による労働条件明示が必要な事項とされています。

 

<空欄があることによるトラブル>

労働条件通知書は、使用者の労働者に対する一方的な通知書ですから、1部だけ作成して労働者に交付すれば良い書面です。この点が、労働契約書とは違うところです。

しかし、もし空欄があった場合、交付を受けた労働者が勝手に空欄を補充するとこれがトラブルの元になります。ですから、使用者もコピーを1部保存するのが良いでしょう。

 

<ここも社労士(社会保険労務士)の出番>

就業規則が無い会社では、就業規則の代わりに労働条件通知書にかなり詳細な内容を記載する必要があります。

決まっていないからと言って空欄のままにしておくことは、法定の要件を満たしていなかったり、トラブルの火種となったりします。

そうは言っても、決め方がわからないなど迷うことがあれば、信頼できる社労士にご相談ください。

 

2017.03.25.解決社労士

<不満分子に見えますが>

問題社員なら、就業規則の抜け道や不合理な部分を見つけても、これを会社に言わないでしょう。むしろ悪用するチャンスをうかがうハズです。

就業規則を批判する社員は、会社の成長を願う真面目な社員だと受け取った方が良いでしょう。

 

<批判の対象>

就業規則には、労働法の概要、労働契約の共通部分、社内ルールの3つが含まれます。ですから批判も、労働法に対する批判、労働契約に対する批判、社内ルールに対する批判に分類できます。

 

<労働法に対する批判>

法律を作るのは国会です。ですから、会社に対する批判とはなりません。

ただ、こうした批判が出るということは、社員教育が不十分かもしれません。会社は労働基準法について、周知義務を負っています。〔労働基準法1061項〕

少なくとも、労働法の内容は会社の方針で決めたものではなく、批判されても対応できないということは理解してもらいましょう。

 

<労働契約に対する批判>

この部分で批判が出るということは、労働契約の内容に法令違反があるかもしれません。批判の内容を良く聴いて、就業規則に法令違反が無いか専門家にチェックさせることをお勧めします。労働法は、しばしば改正されていますから、労働契約の内容がいつの間にか違法になっていることもあるのです。

 

<社内ルールに対する批判>

もし、規定されている通りに実践されていないという批判なら、頼もしいことです。その批判をした社員を含めたメンバーで、実践を推進すべきでしょう。

そうではなくて、規定の中身が悪いという批判であれば、これは経営者の考えが強く反映されている部分に対する批判ですから少し警戒したいところです。

一番多いのは、時代遅れであるとの指摘でしょう。しかし、古くても良いことはたくさんあり、新しくてもダメなこともあります。ライバル会社を中心に業界全体の動向を把握し、また他業界や世界の動きも見据えて、在るべき姿を再考するチャンスです。

 

<ここも社労士(社会保険労務士)の出番>

法的観点や業界動向を踏まえて、就業規則の適法性、妥当性を確認するのも、労働法の基本についてレクチャーするのも、社労士の得意分野です。社内でまかない切れない部分については、ぜひ、信頼できる社労士にご相談ください

 

2017.03.24.解決社労士

<就業規則変更の手順>

就業規則変更の正しい手順は、

1.法改正や社内ルールなどの変更により就業規則変更の必要が発生

2.担当部署や社労士(社会保険労務士)が変更案を作成

3.社内での決裁

4.従業員への周知

5.労働者の意見書作成

6.労働基準監督署への変更届提出

という順番になります。

5.の意見書には、労働組合や労働者の過半数を代表する者の、就業規則変更についての意見を記入します。変更後の就業規則が社内に周知され、多くの労働者の反応を把握してから意見書を書くようにしなければ、労働者を代表する立場で書くのは難しいでしょう。ですから、上記の順番が正しいわけです。

 

<手順がおかしいと>

ところが実際には、5.意見書 → 6.届出 → 4.周知 の順番になってしまうことも多いようです。就業規則が効力を発生するのは、従業員への周知の時なのですが、労働基準監督署への届出の時だという勘違いがあるのでしょう。

社内の一部の人や社労士が就業規則の変更案を作り、これが従業員一般に公開されないまま決定されて労働基準監督署に届出が行われるというのは良くないです。「就業規則が変わりました。労働基準監督署にも届出済です。守ってください」では、唐突すぎて会社に対する不信感が生まれてしまいます。

たとえ従業員に有利な変更だったとしても、だまし討ちのように思われてしまいます。やはり、正しい手順で行うことは大切です。

 

<一歩進んで>

就業規則の変更案を作る段階で、その変更により最も影響を受ける従業員から意見を聴き、それを参考にしたらどうでしょうか。

意見の内容はバラバラでしょうから、すべての意見を聞き入れることはできません。それどころか会社の都合で、変更案に意見が全く反映されないこともあるでしょう。それでも、一応、意見を聴いておけば、思わぬ勘違いを防げますし、より良い変更案のヒントが得られるかもしれません。なにより、会社が従業員の意見を聴いたうえで、就業規則の変更を進めるというのは、民主的で良いことです。

このように、一手間加えることで、会社の態度を示すことができますし、従業員の皆さんも就業規則に関心を持ち、守ろうとする気持が高まることでしょう。

 

<ここも社労士(社会保険労務士)の出番>

就業規則が従業員に理解され守られるようにするのは、手間がかかることです。勤務先の店内でふざけた写真を撮りネットに掲示することが、就業規則の中の「会社の信用を傷付け・・・」にあたるとは思わない若者が多いのです。

新人が入ってきたら、就業規則について基本的なことは説明しなければなりません。初めて役職者になった従業員に対しては、一段高いレベルの教育も必要です。理想を言えば、毎年のように定期的な説明会を開きたいところです。

もし、社内でまかない切れない部分があれば、ぜひ、信頼できる社労士にご相談ください。

 

2017.03.23.解決社労士

<朝礼の時間の賃金支払義務>

朝礼は、業務上必要な連絡事項の伝達、心身の異常の有無の確認、勤務に就く態勢を整えさせるなどのために行われています。

業務に密接に関わる内容を含みますので、通常は出勤者全員の参加が義務付けられています。

確立した判例理論によると、労働時間の定義は「何らかの形で使用者の指揮命令下に置かれているものと評価される時間」です。通常の場合、朝礼はこの定義に当てはまりますので、賃金支払の対象となります。

例外的に、その朝礼が自由参加であって、参加しなくても評価の低下などの不利益が全く無いのなら、労働時間の定義に当てはまりませんから賃金の支払いは不要です。

 

<掃除当番の時間の賃金支払義務>

掃除当番は、会社が通常の業務にプラスアルファで行わせているのが一般的な形です。これは、上記の労働時間の定義に当てはまりますので、賃金支払の対象となります。

例外的に、従業員同志が話し合って、自主的に当番を決めてボランティアで行っている場合には、労働時間の定義に当てはまりませんから賃金の支払いは不要です。

たとえば、長年にわたり社長が毎朝早く出社してトイレ掃除をしていたとします。あるとき、一人の社員の提案で、社長に代わり自分たちで掃除することになって、掃除当番が始まったとします。これが、社長に対する尊敬の念とボランティア精神から始まったことであれば、賃金の支払いは不要なのです。

 

<ここも社労士(社会保険労務士)の出番>

「昔から朝礼や掃除当番の時間については無給です」というのは、その時間の賃金を支払わなくて良い理由にはなりません。

長く続いているルールが、労働法違反の慣行に過ぎないということもあるのです。

社内で行われている何となくのルールに疑問を感じたら、信頼できる社労士にご相談ください。

 

2017.03.22.解決社労士

<生理休暇取得の権利>

「使用者は、生理日の就業が著しく困難な女性が休暇を請求したときは、その者を生理日に就業させてはならない」と規定され、これに違反すると30万円以下の罰金という罰則もあります。〔労働基準法68条、120条1号〕

つまり、生理日の就業が著しく困難な女性が休暇を取るのは権利であり、使用者に当たる人がこれを妨げるような発言をすれば、それは違法であるということになります。

ここで「使用者」には、個人事業なら事業主、会社なら会社そのもの、代表者、取締役、理事、人事部長、労務課長などが含まれます。〔労働基準法10条〕

 

<パワハラにあたる場合>

パワハラは、力関係に基づく嫌がらせです。

年齢、経験年数、能力、地位、権限、人気などのパワーを持った人が、自分から見てある側面で「劣る」と思える相手に対して、主に指導の名目で嫌がらせをします。

多少不快感や損害を与えたとしても、指導に伴うものはある程度仕方がないという勘違いがあります。

しかし、生理日の就業が著しく困難な従業員が生理休暇を取得した時に、「仕事を優先しろ」「使えない」などの発言をすることは、明らかにパワハラです。

 

<セクハラにもあたる場合>

セクハラは、性的なことについての嫌がらせです。

職場に限らず、性的なことに対する興味が特に強い人がいます。こうした人が、「いたずら」「からかい」のつもりで「嫌がらせ」をするとセクハラになるのですが、本人は道徳に反しないと思っているので、反省することなく繰り返します。

「生理の周期がおかしい」「今月は無いのか」「その歳で?」という発言はセクハラになります。

 

<ここも社労士(社会保険労務士)の出番>

生理休暇など労働者の権利についての知識習得は従業員任せにはできません。会社が教育研修を実施する義務を負っています。

また、パワハラ、セクハラ、マタハラについては教育だけでなく、就業規則などにその定義を明らかにし、懲戒処分の対象とすることも必要です。

これらのことは、ぜひ、信頼できる社労士にご相談ください。

 

2017.03.21.解決社労士

<就業規則の3つの柱>

就業規則には、次の3つの柱があります。

・職場のルール

・労働契約の共通部分

・法令に定められた労働者の権利・義務

 

<職場のルール>

会社と労働者が職場で守るべきルールです。

ここには経営者の想いが反映されます。「明るく元気に自分から挨拶」「会議では積極的に発言」「書類は探すことがないように整理整頓」など、違法なことを除き自由に規定できます。会社として、従業員にどのように働いて欲しいのか、存分に規定しておくべきです。

当然のことですが、就業規則のひな形に、それぞれの経営者の想いは反映されていません。社労士は、経営者の方から普段考えていることや心情をうかがって、それを就業規則にふさわしく解かりやすい表現にまとめていきます。もちろん違法性が疑われる表現は排除します。

 

<労働契約の共通部分>

会社ごとに見ると、正社員は正社員の、パートはパートの共通部分があります。この共通部分は会社ごと、職場ごとに異なります。文書化されているものも、口頭で認識されているものもあります。

社労士は、労働契約の内容を法的観点から分析し、共通部分を抽出して、就業規則の規定にまとめます。

労働契約の内容や慣行が法令違反の場合もあります。必要な手続きが行われていないために違法な場合には、社労士が手続きを指導しあるいは代行します。実質的に違法な部分については、社労士が改善のお手伝いをします。

 

<法令に定められた労働者の権利・義務>

会社は労働者に対して、法令に定められた労働者の権利や義務さらには各種制度について、重要なものを周知する義務を負っています。

これを個別に説明していたのでは手間がかかりますから、就業規則の内容に盛り込んで、就業規則の周知として行っています。

法令はしばしば改正されていますから、子の看護休暇などのように、法定されていて会社に義務づけられていても、あまり知られていないものもあります。

社労士は、これらの内容をわかりやすく就業規則にまとめます。年次有給休暇の制度や産休のしくみなど、必要に応じて説明会を開催することも可能です。

 

<社労士(社会保険労務士)に就業規則の作成を依頼する意味>

ただ形ばかり規定を備えるのであれば、ネットで検索したひな形に少し手を加えればできそうです。

それなのに社労士に報酬を支払ってまで就業規則の作成を依頼するのは、次のような効果が期待されるからです。

・問題社員から会社と真面目に働く従業員を守る。

・就業規則を通じて経営者の想いを従業員に伝える。

・会社で運用されるルールのうち問題のあるものを改善できる。

・法改正や労働市場動向に適合した内容にできる。

つまり、就業規則の作成を通じて、実は会社の強化と成長促進ができるわけです。

 

2017.03.19.解決社労士

<正当防衛が成立すれば>

刑法に正当防衛の規定があります。「急迫不正の侵害に対して、自己又は他人の権利を防衛するため、やむを得ずにした行為は、罰しない」〔刑法361項〕

ですから、部下の反発が「突然、本気で首を絞めてきた」ということでしたら、首を絞められている最中に、部下を殴っても正当防衛になります。

公法である刑法が認めている行為を、パワハラ扱いすることはできないでしょう。

 

<過剰防衛ならば>

刑法には、正当防衛にはならないものの、行き過ぎた防衛行為の場合には、過剰防衛と認定され、刑が軽くなりあるいは免除される場合があるという規定があります。「防衛の程度を超えた行為は、情状により、その刑を減軽し、又は免除することができる」〔刑法362項〕

ですから、部下の反発が「突然、胸ぐらをつかんできた」ということでしたら、その瞬間に部下を殴っても過剰防衛となる可能性があります

そうだとしても、殴る行為それ自体はパワハラです。

 

<どちらでもない場合>

部下がただ反論してきたに過ぎないのに、つまり暴言を吐いたに過ぎないのに、殴ってしまったなら、正当防衛どころか過剰防衛にもなりません。暴行罪が成立しますし、ケガをさせてしまったら傷害罪の成立の他、治療費や慰謝料の賠償が問題になります。〔刑法208条、204条、民法709条〕

この場合には、パワハラを通り越して明らかに犯罪です。

 

<反発の原因も問題>

「反発」の原因がパワハラであれば、たとえ殴ったのが正当防衛になっても、パワハラは正当化されません。加害者と被害者が入れ替わっても、悪いことを帳消しにはできません。

たとえば、コンビニのA店とB店が並んでいて、A店の店長がB店で万引きしたとします。さらに、これを知ったB店の店長がA店で万引きしても、お互い様にはなりません。両方の店長に窃盗罪が成立します。〔刑法235条〕

殴った行為がどのように評価されようとも、部下の反発前に行われたパワハラは正当化されません。

 

<ここも社労士(社会保険労務士)の出番>

パワハラ被害の申し出は増加しています。そして、パワハラ予防や発生時の対応は簡単ではありません。ぜひ、信頼できる社労士にご相談ください。

 

2017.03.18.解決社労士

<就業規則による時給の引き下げ>

労働者と使用者が労働契約を締結する場合に、使用者が合理的な労働条件が定められている就業規則を労働者に周知させていた場合には、労働契約の内容は、その就業規則で定める労働条件によるものとなります。〔労働契約法7条本文〕

では、就業規則に「従業員が社会保険の被保険者資格を取得したときは、取得日の属する月の翌月支給分の給与より、基本給を2割減額するものとする」などという規定があったら、これを根拠に時給を下げることができるでしょうか。

もちろん、できません。

なぜなら、「合理的な労働条件が定められている就業規則」とは言えないからです。この「合理的」というのは、使用者が都合良く解釈した合理性ではなく、客観的な合理性が基準になります。使用者側は、次のような解釈をするかも知れません。

・従業員の勤務時間が増えて、社会保険の加入基準に達すると、使用者は加入させる義務を負う。これは法定の義務である。

・厚生年金保険料と健康保険料は、使用者が半分負担するので、時給を下げないと使用者の負担が増えてしまう。

・従業員は勤務時間が増えているので、時給を下げても、総支給額はあまり変わらない。

しかし、客観的な立場で考えると、使用者が従業員を社会保険に加入させる義務を負う場合には、保険料の半分を負担するのも義務なので、負担が増えるのは当然です。この負担を、従業員に押し付けるのは、社会保険料を折半する制度の趣旨から考えて不合理です。

また時間給の場合には、勤務時間が増えれば、それに比例する形で給与の総支給額が増えます。それなのに、あまり変わらないというのは不合理です。

 

<合意による時給の引き下げ>

労働者と使用者が合意により、労働契約の内容である労働条件を変更することはできます。〔労働契約法8条〕

ただ、労働者は立場が弱いですから、労働者が精神的な圧迫を受けずに、自由な意思により同意したのでなければ、合意があったとは認められません。

「時給を引き下げることに異議なく同意します」という同意書や、下げた後の時給を基準に作った労働契約書に従業員が署名してあったとしても、それだけで合意があったことは証明できません。法廷などでは、労働者がダマされたのではないか、署名しないとクビになると思ったのではないかということが疑われるからです。

ましてや、社会保険に加入するとともに、時給引き下げに同意するというのは、自由な意思によるものではないと疑われるでしょう。

 

<自由な意思による同意があったことの証拠>

パート社員から店長に直筆の「お願い」が出され、そこに「私は長年このお店で働いてきました。今では、このお店で働くのが生きがいです。もっと長時間働きたいです。でも、その分人件費が増えるのでは申し訳ないと思います。ですから、時給を2割下げて、毎週もう1日シフトに入れていただけないでしょうか」と書いてあって、その人なりの「計算書」も添付されていたとします。

これを受けて、会社の会議で検討され、勤務日数の増加と時給の5%引き下げが決議され、その議事録も作成・保管されているとします。

この状況で、時給を5%下げた労働契約書が交わされたなら、「自由な意思による同意」の存在は証明できるのではないでしょうか。

しかし、実際にこのような「お願い」をもらった店長は、会社に対して、このパート社員の臨時昇給を提案するかもしれないですね。

 

2017.03.17.解決社労士

<多い手続きは>

医療機関での治療費を無料にする手続きと、3日を超えて休業したときの収入補償の手続きがほとんどです。

実際には、医療機関で治療費の一部を「保証金」などの名目で立て替えておいて、保証金の預かり証と労災保険の書類を提出すると、返金してもらえるという仕組みになっています。

もっとも、労災指定の医療機関でなければ、すべて口座振り込みですが。

 

<社労士が行うと給付が早い>

被災者は、一日も早くお金が入ってくることを期待しています。

ところが、労災保険の書類を書くようなことは、社内でめったに起こりません。むしろ、事務処理の担当者が書き慣れてしまうほど労災事故が多発していたら、その方が大きな問題です。

社労士は、いろいろな会社の事案で書類を書き慣れていますから、被災が業務に起因することなどポイントとなる説明を要領よく記入します。慣れていないと、所轄の労働基準監督署で手続きが止まってしまい、会社に説明を求める電話がかかってきたりします。こうしたことにより、被災者が給付を受けるのが遅れるのは残念なことです。

社労士が書類を作成・提出すると給付がスムーズなために、「社労士って会社に有利になるように書いているのですか?」と聞かれます。しかし、労働基準監督署や労働局のご担当の方に、良くわかるように心がけて書いているだけで、ウソを書いているわけではありません。そんなことをしたら一種の保険金詐欺になってしまいます。

 

<副次的な効果も>

社労士が手続きを行う場合には、目の前の手続きだけで終わりません。

まず、被災者が医療機関や薬局で、健康保険証を使っていないか確認します。使っていれば、医療機関などに電話で説明し、労災保険の適用に切りかえてもらいます。

また、同じ労災事故であっても、業務災害であれば事業主は休業の最初の3日間について賃金の補償が必要ですから、その補償額の計算をすることもできます。通勤災害の場合には、就業規則などに特別な規定がない限り、この補償が必要ないですから、念のためその確認もします。

そして、労災の再発防止策も具体的にご提案します。多くの場合には、教育不足が原因となっているのですが、「本人の不注意だから」で済まされ、労災が再発してしまうのは残念です。

さらに、今後のことを考えて、労災手続きをスムーズにするための「労災発生報告書」もご提案できます。

このように、社労士というのは、単なる手続き屋ではないのです。

 

2017.03.16.解決社労士

<ひとたび労働紛争になれば>

退職者の代理人弁護士から、会社あてに内容証明郵便が届いて、アッと驚くことがあります。「円満退職だと思っていたのになぜ?」「本人が悪いのになぜ?」と頭の中はクエスチョンマークだらけになってしまいます。

労働審判や訴訟となれば、弁護士を代理人に立てて対応するのが当たり前です。弁護士の先生は、会社が責任を負わないように、また、たとえ賠償金を支払うことになっても少額で済むように力を尽くしてくれます。

また、訴訟などで解決した後になって、その退職者がウジウジとネットへの書き込みなどで反発してくるようであれば、今度は会社から退職者を相手取って訴えを起こすこともできます。

この点社労士は、訴訟の場合に弁護士である訴訟代理人とともに、補佐人として法廷に出頭し陳述できるだけです。〔社会保険労務士法2条の2〕

社労士が当事者の代理人となれるのは、個々の労働者と事業主との間のトラブルについて労働局の斡旋(あっせん)などが行われる場合に限られています。しかもこれは、社労士すべてができるわけではなく、特定社労士に限られています。

 

<労働紛争になる前に>

たとえ社員が会社に不満を感じても、会社の中で解決できれば、社員も会社も負担が少なくて済みます。金銭的なことはもちろん、時間も労力も精神力の負担も少ないうちに解決できた方が良いのは分かっていることです。

しかし、そうならないのは、社員が上司に相談したがダメだった、あるいは、それ以前に会社には話の分かる人がいないと感じてしまうからでしょう。

もし、顧問の社労士がいて、相談窓口になっていれば、法令の定めや判例の動向などを踏まえ客観的な説明が可能です。勘違いが原因で退職し、労働基準監督署や弁護士に相談する事例が多いのは悲しい事実です。

平成27年4月のパートタイム労働法の改正によって、パート社員については、相談窓口を設置し労働条件通知書などに記載することが義務付けられていますが、こうした窓口の設置と告知は、正社員しかいない会社であっても必要でしょう。

顧問の社労士であれば、相談窓口となるだけではなく、会社の職場ごとの実情に応じたトラブル予防策を提案し推進します。

会社が責任を負わないようにする、徹底的に争うというのも一つの考えです。しかし、人には感情があります。社員と会社との信頼関係が保たれ、気持ちよく働ける会社を目指したいものです。

 

2017.03.15.解決社労士

<社労士利用のメリット>

求人・採用から退職後まで、企業の中の人にかかわることは、お客様のご要望に応じスポットでも顧問でも承ります。

急な欠員や緊急事態に対応してスポットで、人材不足や人件費不足で専任者を置けないときには顧問としてご活用ください。

次に一部の例を示しますが、一般に思われているよりも幅広い業務で、企業をサポートしています。

 

<担当者業務>

求人票・求人広告の手配。入社・退職時の社会保険・雇用保険手続き。社会保険の算定基礎届・月額変更届・賞与支払い届。労災発生時の手続き。産休、育休、介護休、私傷病休業、労災休業の手続き。労働基準監督署への是正報告書などの提出。定期健康診断の手配・管理、個人別結果票の保管、実施報告書の提出。就業規則(変更)届。三六協定書など労使協定書の提出。給与計算業務。パート契約更新管理。助成金の申請。

 

<課長職業務>

効果的な求人票・求人広告の立案。労災発生時の被災者面談、再発防止策の立案。担当者業務改善提案。三大帳簿の調製・ファイリング。法改正に伴う就業規則変更の立案。人事異動に伴う引き継ぎ等管理。助成金申請の前提となる施策の推進。

 

<部長職業務>

採用面接等採用選考。退職時・定年後再雇用時の面談。労働基準監督署の是正勧告など行政指導への対応。人事関連書類・データの保管管理。給与体系・人事制度変更・これに伴う就業規則変更の立案。賞与・退職金制度の運用・制度変更の立案。懲戒処分・表彰の立案と運用。労働紛争の予防。ハラスメント相談対応。問題社員への対応。

 

<役員業務>

会社設立時の社会保険・労働保険・雇用保険手続き。労働基準監督署・年金事務所・会計検査院などの調査立会。社内ルール順守の管理。組織変更・人員配置の立案。労働紛争(斡旋・調停・労働審判・訴訟)への対応。

 

<社外専門職業務>

就業規則作成。新人・2年目・3年目研修。課長・部長・役員研修。ビジネスマナー研修。セクハラ・パワハラ研修。各種相談窓口の受託。

 

2017.03.14.解決社労士

<残業代を減らすための選択肢>

残業代をカットするのは違法ですし、6か月以下の懲役または30万円以下の罰金という罰則もあります。〔労働基準法37条、119条〕

しかし、残業を全面的に禁止したのでは、仕事が回らなくなってしまいます。

そこで、ある程度まで残業を制限するという対策が取られます。人件費が予算の範囲内に収まるよう、うまく調整するわけです。これは役職者任せにするとうまくいきません。取締役と管理監督者が働き放題となり、すぐに否定されることになります。

結局、本当に必要な残業だけを認めようということになります。

 

<残業代の多い社員>

残業代の多い社員には、大きく分けて3つのパターンがあります。自己都合で残業する社員と、会社都合で残業する社員、そして能力不足の社員です。

 

<自己都合で残業する社員への対策>

自己都合というのは、生活のために多額の残業代を必要とする、家に居場所が無いなどの個人的な理由で残業するパターンです。本来の勤務時間帯には、おしゃべりをしたり席を外したりダラダラと過ごし、残業の時間帯には頑張っている姿が見られます。

上司が指導し、本来の勤務時間帯に職務に集中するようにさせること、プライバシーの侵害にならないよう気を付けながら、個人的な悩みについて相談に乗ることが対策となります。

 

<会社都合で残業する社員への対策>

会社都合というのは、仕事ができる優秀な社員なので仕事が集まってしまい、やむを得ず残業するパターンです。こういう社員は、始業時間前から残業時間帯までテキパキと仕事をこなしています。

上司が役割分担を見直すこと、代わりにできる人を育てることが対策となります。仕事ができる社員は、仕事を抱え込み他の社員に関与させたがらないことも多いのですが、マニュアルを作らせ他の社員に引き継がせることが必要となります。

 

<能力不足の社員への対策>

能力不足というと、何もできないように思われがちですが、ここでは担当業務が上手にできないことを言うものとします。

こうした能力不足の半分以上は、会社の教育不足によるものでしょう。

たとえば、事務仕事でエクセルを使う場合、コピーして貼り付ける操作でも、マウスの左クリックだけを使う方法、マウスの左右両方のクリックを使う方法、マウスは使わずにキーボードで行う方法、そしてこれらを組み合わせた方法があります。どのような操作が効率的であるかは、作業によって異なります。ところが、本人任せにしておくと1つの方法しか覚えません。これでは生産性が上がりません。

能力不足の社員は、頑張っているのですが、他の社員と同じ仕事を与えられても残業が発生してしまいます。スピード感が無いですし、やり直しが多いのも特徴です。しかし、上司の指導によって改善が期待できます。

 

<どのパターンかわからない場合には>

他部署に異動させてみると、どのパターンかが良くわかります。

自己都合の残業なら、異動の前後で残業時間が変化しません。仕事内容とは関係なく残業しているからです。

会社都合の残業なら、異動直後に残業が減り、その後徐々に増えていきます。異動先でも周囲での評価が高まり、任される仕事量が増えるからです。

能力不足の残業なら、異動直後の残業が多く、その後徐々に減っていきます。異動先の仕事を覚えれば、少しずつ効率が上がるからです。

 

<ここも社労士(社会保険労務士)の出番>

いつの間にか残業代込みの給与になってしまっているのであれば、正式に定額残業代のしくみを定めて適正に運用したいところです。

また、残業代だけでなく、能力や貢献度に応じた給与にするためには、人事考課制度が必要です。

どちらも、社労士の得意分野ですから、ぜひ、信頼できる社労士にご相談ください。

 

2017.03.13.解決社労士

<制限の根拠1

ダブルワークを制限する根拠として、労働契約の存在があります。

労働者は使用者との間に労働契約を交わしていますから、労務提供の義務を負っています。しかも、疲れてため息をつきながらの勤務では不完全です。使用者は労働者に対して、健康状態を保ちながらの勤務を求めることができます。

この根拠からすると、他の会社の非常勤取締役としてのわずかな活動や、休日に軽易な労働をしている場合には、こうした兼業を制限できないことになります。

反対に、出勤日に深夜トラックの運転や、深夜2時までバーでアルバイトするなどは、負担が大き過ぎますから制限することに合理性が認められます。

 

<制限の根拠2

もう一つの根拠として、労働者の職業選択の自由と会社の事業活動の自由との調整があります。

誰にも、公共の福祉に反しない限り、職業選択の自由があります。つまり、どのような仕事をするかは基本的に自由です。〔日本国憲法221項〕

一方で、会社にも営業の自由があって、その根拠も職業選択の自由にあります。

そして、両方の自由を調整する原理として「公共の福祉」があるのです。どちらか片方の自由が優先されてはならず、お互いにバランス良く制限し合うということです。

このことからすると、ライバル会社で副業をすることや、お客様から信頼を求められる社員が性風俗産業でアルバイトをするなどは制限されます。ましてや違法な副業をすることは許されません。

 

<就業規則の効力>

たとえダブルワークを一切禁止する定めが就業規則にあったとしても、具体的な副業が本業の妨げにならず、本業の会社に不利益を与えないのならば、それは禁止することができません。禁止の合理的な根拠が無いからです。

 

<ここも社労士(社会保険労務士)の出番>

就業規則に定めても無効なことや、有効性が制限されることもあります。もちろん定め方次第ということもあります。

会社を守るためにも、一度、信頼できる社労士に就業規則をチェックさせてはいかがでしょうか。

 

2017.03.12.解決社労士

<使用者の義務として>

労働時間の適正な把握は使用者の義務です。現在では、過重労働による労災の発生や長時間労働の問題がマスコミでも大きく取り上げられ、この義務が再認識されています。

 

<残業要否の判断>

こうした中でも、労働者の希望や申請により残業が認められている会社が多いというのは不思議な現象です。

そもそも、残業というのは使用者の命令によって行われるものです。ですから、残業の要否を判断するのは、労働者ではなく使用者です。

そうでなければ、労働者の自由な判断で残業できることになり、好きなだけ残業代を稼げるということになってしまいます。これでは会社が人件費をコントロールできません。

 

<残業命令のあり方>

だとしても、使用者がその都度、具体的な残業命令を出すことにしていたのでは大変です。

まず、包括的な残業命令を使用者から労働者に一覧表の形で示しておきましょう。たとえば、小売店や飲食店であれば「その場でのクレーム対応が必要な時」「レジで違算が発生し再確認が必要な時」「店内にお客様が残っていて接客が必要な時」というように条件の形で示します。

そして、この一覧表に無いような突発的な理由で、残業の必要性が問題となったときには、労働者から使用者に残業命令を打診するのです。たとえば、地震によって商品や食器が店内に散乱して、ある程度まで片付けておく必要性が感じられる時などです。

使用者側が、ここまで残業の管理をしておけば、労働者の勝手な判断で残業しても、これに対する賃金の支払い義務は無いと主張しうることになります。

 

<やってはいけないこと>

残業命令をうやむやにして、労働者の残業管理を怠っておきながら、残業代をカットしてしまうのは、違法なサービス残業となってしまいます。

ダラダラ残業も、持ち帰り残業も、知っていて放置すると、使用者側が許したものと評価されてしまいます。これらにも残業代を支払わなければなりません。

 

<ここも社労士(社会保険労務士)の出番>

残業そのものを減らすにも、残業代の支払いを減らすにも、合法的で適正な方法を検討するのであれば、ぜひ、信頼できる社労士にご相談ください。

 

2017.03.11.解決社労士

<解決法>

能力を理由に給与を引き下げることは、個人的な不利益変更ですから、労働協約や就業規則の変更ではなく、会社と労働者との合意の形で行うことになります。〔労働契約法8条〕

この場合に、「賃金減額に合意しなければ解雇します」などの強迫をしてしまうと、労働者から賃金減額に対する合意が取り消されることもあります。〔民法96条1項〕

ですから会社としては、強く迫るのではなく丁寧な説明をする必要があります。

 

<予防法>

とはいえ、「能力が期待外れなので賃金を減額します」と言われて、素直に納得する人は少ないでしょう。

こうしたことが起こらないようにするには、採用に至る前の段階で、求人広告に詳細な人材要件を明示すること、面接など採用選考で能力を見極めることが必要です。

また採用決定後も、試用期間を設けて、雇い入れ通知書に会社の期待する能力を詳細に記述し、業務に必要な能力が欠けている場合には本採用しないことを明らかにしておきたいところです。

 

<本当に必要な人材か>

そもそも、期待した能力を発揮しない労働者を、社員として雇用しておくことは必要なのでしょうか。

人手不足だから、せっかく採用したのだから、かわいそうだからといった理由で、労働条件を引き下げて雇い続けることは、会社にとっても計画の挫折ですし、本人も意欲的に勤務できないでしょう。

会社としては、別の人材獲得を考えるのが得策ではないでしょうか。

 

<ここも社労士(社会保険労務士)の出番>

必要な人材の確保に必要な求人、採用選考、試用期間制度の運用は、ぜひ信頼できる社労士にお任せください。

 

2017.03.10.解決社労士

<パワハラとは>

職場のパワーハラスメントとは、同じ職場で働く者に対して、職務上の地位や人間関係など職場内での優位性を背景に、業務の適正な範囲を超えて、精神的・身体的苦痛を与え、または職場環境を悪化させる行為をいいます。

パワーを背景とした嫌がらせがパワハラであり、これによって被害を受けた人は、行為者と会社に対して民法などを根拠に損害賠償などを求めることができ、社長以下取締役に対しては会社法を根拠に損害賠償を求めることができます。

 

<目立たないパワハラ>

パワハラというと、暴力を振るったり怒鳴ったりの激しいものを考えがちです。こうした行為は、誰かが気付き注意しやすいでしょう。

しかし、次のような目立たないパワハラもあるのです。

・過大な要求型パワハラ ― 能力や経験を超える無理な指示はパワハラにあたります。終業間際に過大な仕事を押し付けるのがその例です。

・過小な要求型パワハラ ― 能力や経験とかけ離れた程度の低い仕事を命じることや、仕事を与えないことはパワハラにあたります。与える仕事の件数を他の社員よりも著しく少なくするのがその例です。

・個の侵害型パワハラ ― 私的なことに関わる不適切な発言や私的なことに立ち入る管理などはパワハラにあたります。休みの理由を根掘り葉掘りしつこく聞いたり、スマホをのぞき込んだりするのがその例です。

こうしたパワハラは、一般に思われているパワハラと違い、物静かでおとなしい役職者でも行いうるものです。そして、気付かれないうちに被害が拡大しがちです。

 

<ここも社労士(社会保険労務士)の出番>

パワハラの定義が無い会社には、必ずパワハラがあり被害者がいると思います。目立たないパワハラも就業規則に規定し、禁止し、教育したうえで懲戒処分も行わなければ、被害者の発生は防げません。また、第三者的な相談窓口の設置によって、被害を最小限にとどめる必要があります。

これらをトータルに任せるのであれば、ぜひ、信頼できる社労士にご依頼ください。

 

2017.03.09.解決社労士

<やる気そのものは見えない>

いかにも「やる気」がなさそうな社員は、他の社員に悪影響を及ぼします。しかし、「やる気」というのは、心の中のことですから目に見えません。それでも、「やる気」のないことが客観的に外部にあらわれていれば、それを理由とする解雇も可能です。

 

<法的規制>

「退職に関する事項」は、就業規則の絶対的必要記載事項ですから、就業規則に必ず規定しなければなりません。〔労働基準法893号〕

就業規則に定めていない理由での解雇はできません。しかし、どんな理由でも解雇できるわけではありません。

解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合には、その権利を濫用したものとして、無効とするとされています。〔労働契約法16条〕

 

<具体的な規定例>

具体的な就業規則の規定例としては、次のようになります。

「労働者が次のいずれかに該当するときは解雇することがある。

1.勤務状況が著しく不良で改善の見込みがなく、労働者としての職責を果たし得ないとき。

2.勤務成績または業務能率が著しく不良で向上の見込みがなく、他の職務にも転換できないなど就業に適さないとき。」

1.は「やる気」のなさが、遅刻、早退、欠勤などに形となってあらわれた場合、

2.は「やる気」のなさが、仕事の成果に形となってあらわれた場合の規定です。

 

<ここも社労士(社会保険労務士)の出番>

労働法の改正が重ねられ、労働判例が集積されるにつれ、「不当解雇」のハードルが低くなっています。「常識的に考えて解雇は当然」と思われる場合でも、客観的には「不当解雇」であると判断されるケースが大半になっています。

解雇を検討する場合には、ぜひ、信頼できる社労士にご相談ください。

 

2017.03.08.解決社労士

<強制加入ということ>

社会保険は強制加入です。この点が、民間の生命保険などとは大きく異なります。

1か月の所定労働日数、1週間の所定労働時間などの加入基準を満たせば、手続きをしてもしなくても、法的には社会保険に加入していることになります。

ですから、厳密には「加入を拒否」ではなくて、「加入手続きへの協力を拒否」ということになります。

 

<会社のとるべき行動>

本来は国の広報が果たすべき役割なのですが、加入手続きに非協力的な従業員に対しては、会社が教育しなければなりません。

会社は、従業員が拒んでも加入手続きが法的に強制されているので、協力してもらわないと困るのだということを説明します。

ただ強制加入とはいえ、給与の手取り額が減ることも事実です。社会保険料の支払いに見合うメリットがあることを教える必要もあります。

 

<社会保険のメリット>

厚生年金は、保険料の半分を会社が負担し、国民年金よりも多額の老齢厚生年金、障害厚生年金、遺族厚生年金が支給されます。平成298月以降は、保険料の納付が10年以上あれば、老齢厚生年金の受給資格を得られるようになります。

健康保険も、保険料の半分を会社が負担し、プライベートのケガや病気で、長期間仕事ができない場合に、賃金の約66%が補償される傷病手当金などがあります。

 

<ここも社労士(社会保険労務士)の出番>

社会保険、労働保険、労務管理などについての教育も、社労士の専門分野です。保険料の仕組みや給付などについて、きちんと理解すれば、むしろ加入を希望するはずの公的保険制度です。困ったら、信頼できる社労士にご相談ください。

 

 2017.03.07.解決社労士

<懲戒規定と表彰規定>

おそらくどの会社の就業規則にも、懲戒規定と表彰規定があると思います。懲戒既定の方しか無い会社というのは、それだけでブラックな印象を与えてしまいますね。

厚生労働省のモデル就業規則にも、両方の規定があります。しかし、懲戒既定は50行もあるのに、表彰規定は7行しかありません。懲戒規定の方が、表彰規定よりも分量が多いというのは、やはり多くの会社で同様だと思います。

これだけでも、懲戒は表彰よりも目につきやすいですし、実際に、懲戒処分は行われても、表彰は行われたことがないという会社も少なくないでしょう。

 

<懲戒処分の目的>

社員を懲戒する目的の一つに、懲戒対象となった社員に反省を求め、その将来の言動を是正しようとすることがあります。懲戒処分を受けた社員が深く反省し、二度と同じ過ちを犯さないように注意して働くことが期待されています。

しかし、これと併せて、「会社が懲戒対象となった行為が悪であると評価している」ということを公にして、懲戒対象とならなかった社員に対して注意を促すことも、懲戒処分に期待される効果であり目的となっています。

 

<同じ目的を達成するのなら>

たとえば遅刻を繰り返す社員に懲戒処分を行ったとします。これによって、「遅刻は悪いことです。皆さん気をつけましょう」という会社の意思を表明することができます。

しかし、同じ目的を達成することは、長年にわたり無遅刻無欠勤の社員を表彰することによっても可能です。「遅刻しないのは良いことです。皆さんも見ならいましょう」という会社の意思を表明することができるのです。

同じ目的を達成できるのであれば、懲戒処分よりも表彰の方が気持ち良いに決まっています。

 

<懲戒と表彰のバランス>

懲戒処分が連続したのでは、社員の気持ちが暗くなってしまいます。同じ目的を達成できるのであれば、表彰も同じくらいの回数、実施したいものです。

とはいえ、人命救助など限られたことだけを対象としていたのでは、表彰の機会は生まれません。積極的に社内キャンペーンなどを行い、表彰の回数を増やしてはいかがでしょうか。

 

<ここも社労士(社会保険労務士)の出番>

懲戒事案が発生した時だけ、社労士に相談が来るというのは悲しい事実です。懲戒処分が発生しないような教育研修の実施、労働環境の確保、納得のいく人事制度などと併せて、表彰についてもご相談いただけたらと願っています。

 

2017.03.06.解決社労士

<パチンコ店で背後からのおじぎ>

パチンコ店内で、遊戯中のお客様の接客が終わった直後、店員がお客様の背中に向かって深々とおじぎする姿を見ます。

お客様の顔が見えるわけでもなく、店員の姿が見えるわけでも…いや、見えています。お客様には、パチンコ台のガラスに映った店員の姿が見えるのです。

ですから、店員がいい加減なおじぎをして、さっさとその場を離れれば、そのお客様にはバレてしまいます。

しかし実際には、お客様は遊戯に夢中でガラスに映った店員の姿など目に入りません。

 

<デパートで背後からのおじぎ>

デパートで、ちょっと高級な商品を購入し精算すると、店員さんがカウンターからわざわざ出てきて商品を手渡ししてくれます。

そして、その場を離れるお客様の背中に向かって深々とおじぎをします。

そのお客様には、おじぎをする店員の姿が見えません。

 

<高級ブランドショップで背後からのおじぎ>

買物を終えたお客様が、お店の外に出て行った後、店員がお店の外に出てきて、お客様の背中に深々とおじぎをします。

これはなぜなのでしょう。お客様は、店員がお店の外に出てきて見送っていることに、気付かないことすらあるのです。

 

<接客の目的>

もし、接客の目的が、目の前のお客様に喜んでいただくためならば、背後からのおじぎは意味がありません。

しかし、接客の目的が、「お客様を増やす」ことだったらどうでしょう。

店員でもなくお客様でもない全くの第三者が、お客様の背中に深々とおじぎをする店員の姿を見たとき、「バカな店員だ」と思うでしょうか。いいえ、「自分があそこで買物したら同じように深々とおじぎをされるだろう」と思います。

これによって「いつか自分もあそこで買物したい」と思うようになるのです。

 

<目的意識>

どんな仕事であれ、一つひとつに目的があります。その目的を正しく把握していなければ、十分な成果を上げることはできません。生産性が上がらないのです。

従業員に対して、「考えろ」「自主的に動け」というよりも、最初から目的を教えた方が簡単です。目的を自分で考える、目的意識を高めるというのは、次の段階です。

おじぎ一つをとっても、目的意識の大切さ、教育の必要性を考える良い材料となるのです。

そうは言っても、具体的にどう教育して良いのか迷ってしまうということであれば、信頼できる社労士(社会保険労務士)にご相談ください。

 

2017.03.05.解決社労士

<スーパーマーケットと経営者を逮捕・送検>

江戸川労働基準監督署長は、スーパーマーケット経営会社とその代表取締役等を労働基準法違反の容疑で、平成2662日、東京地方検察庁に書類送検しました。

 

<逮捕・送検の理由>

このスーパーマーケット経営会社の代表取締役は、東京都江戸川区内の2店舖で勤務する従業員に残業代を支払いませんでした。

そこで、江戸川労働基準監督署労働基準監督官が、割増賃金の不払につき是正指導し、その是正措置結果について報告をするよう求めました。

ところが、この代表取締役は、部長A、課長Bと共謀し、平成25101日、労働基準監督官に対し、実際には支払をしていないのに、過去の賃金不払残業に対する割増賃金を遡及して支払ったとする虚偽の内容を記載した是正報告書を提出しました。

このウソの報告書提出が逮捕・送検の理由です。

 

<捜査が入ったキッカケ>

この会社に対しては、平成248月、平成256月に、江戸川労働基準監督署が、割増賃金の不払について是正するよう監督指導を行ってきました。

ところが、その指導にもかかわらず、違反行為を続けてきたので捜査に着手したのです。

そしてこの会社は、是正指導に対して是正報告を行っていたのですが、本社などを家宅捜索したところ、実際には遡及支払を行っていないことがわかり、ウソの報告であったことが判明したのです。

 

<サービス残業に対する指導>

各労働基準監督署では、事業者に対して適正な労働時間管理の徹底を図り、賃金不払残業を起こさせないことを重点とした監督指導を実施しています。

また、是正指導にも関わらず改善の意欲が認められず、賃金不払残業を繰り返し、または労働基準監督署に対し虚偽の報告を行うなど重大悪質な事業者に対しては、書類送検を含めて厳正に対処しています。

 

<ここも社労士(社会保険労務士)の出番>

労働基準監督署は、退職者などからの申告に基づき、会社に抜き打ちの調査をすることがあります。また、事前に調査内容や調査日時を通知したうえで調査に入ることもあります。

通知があった場合には、ぜひ信頼できる社労士(社会保険労務士)にご相談ください。調査への立会や、その後の報告書作成・提出を含め、会社の負担を最小限にして速やかな対応をすることができます。

また、顧問の社労士がいれば、抜き打ち調査への対応も安心です。

 

※労基署による監督をわかりやすく調査と表示したところがあります。

 

2017.03.03.解決社労士

<建設会社と社長を書類送検>

青梅労働基準監督署は、建設会社とその代表取締役社長を、労働安全衛生法違反(労災かくし)の容疑で、平成261020日、東京地方検察庁立川支部に書類送検しました。

この事件では、会社と社長の両方が書類送検されています。こうした場合には、会社も社長個人も信用を失ってしまいます。

 

<逮捕・送検の理由>

労災事故は、平成25513日、JR五日市線熊川駅と東秋留駅間の多摩川に架かる橋梁下右岸河川敷(東京都あきる野市平沢)での立木伐採工事で起こりました。このとき、建設会社の労働者Bが伐採した立木の幹が落下して、付近で作業を行っていた同社所属の労働者Aの頭部から背部に激突したのです。その結果Aは、3か月の治療を要する怪我を負い、負傷の翌日から休業しました。

本来であれば、青梅労働基準監督署長に遅滞なく「労働者死傷病報告書」を提出しなければなりませんでした。しかしこの建設会社は、災害発生からおよそ5か月が経過した平成25108日になってから報告書を提出しました。

これが逮捕・送検の理由です。

労災事故のうち、被災者が3日を超える休業をした場合には、「労働者私傷病報告書」の提出が義務付けられています。しかし、頻繁に提出が必要となる書類ではありませんから、提出義務すら認識されていないことがあります。それでも、遅滞なく提出しなければ、意図的に提出しないものと見なされ、労災かくしと評価されうるのです。

 

<逮捕・送検の背景>

行政の立場からすると「労災かくし」が行われることは、災害原因究明、同種災害の防止対策の確立など、労働者の安全を確保する機会を失わせるほか、被災労働者が適正に労災補償を受ける権利を侵害することに繋がるということになります。

そこで、労働基準行政では「労災かくし」の排除を推進し、あらゆる機会を通じて事業者に「労働者死傷病報告」の提出を周知・啓発しています。

もちろん、こうした行政の動きは、一般にはわかりにくいものですが、行政が「労働者死傷病報告」の提出を周知・啓発しているにもかかわらず、きちんと提出しなければ、それは労災かくしであると評価されやすいのです。

 

<ここも社労士(社会保険労務士)の出番>

会社の人事担当者は、労働法を中心とする法改正には敏感だと思います。しかし、労働局や労働基準監督署がどのような手続きについて周知・啓発を強化しているかについてまでは、気が回らないかもしれません。

それでも、こうしたことに目を光らせていないと、今まで大丈夫だったことが逮捕・送検の対象となっていることに気付きません。

会社を守るためにも、労災が発生したときには、必要な手続きについて、信頼できる社労士(社会保険労務士)にご相談ください。

 

2017.03.03.解決社労士

<違法残業の発生パターン>

次のような状況下で、法定労働時間を超える勤務をさせると違法残業となります。

・三六協定の労働基準監督署長への届出をしていない

・三六協定の有効期限が切れたままになっている(有効期間は最長1年)

・労働者代表の選出方法が民主的ではないなどにより三六協定が無効

また、三六協定の限度を超える勤務をさせた場合にも違法残業となります。

結局、違法残業というのは、有効な三六協定が届出されない状態で法定労働時間を超える勤務があった場合と、三六協定に違反する勤務があった場合を指すものだといえます。

 

<パン製造販売業者を書類送検>

亀戸労働基準監督署は、平成27326日、労働基準法違反容疑で、パン製造販売業を営む会社の元東京工場エリアマネージャー(工場長)と元工場サンドイッチ部門チームリーダー(部門長)を東京地方検察庁に書類送検しました。

これでわかることは、社長などの経営者ではなくても「使用者」の立場にある者は、長時間労働を行わせたことについて責任を負うということです。

また、サービス残業が発生した場合に、勤務時間の集計をごまかして残業代未払いの原因を作った工場長や部門長が責任を負うこともあるということです。

 

<逮捕・送検の理由>

逮捕・送検の具体的な理由は次の2つです。

東京工場サンドイッチ部門に所属するパートタイム労働者3名(1日の所定労働時間6時間)に対し、最長で月139時間に達する時間外労働を行わせ、労働基準法36条で定める時間外労働協定(三六協定)の延長時間の限度を超える違法な時間外労働を行わせていたこと。

また、本来支払うべき時間外労働に対する割増賃金のうち3割程度の支払しかしていなかったこと。(1月当たり最大で約11万円の時間外手当の不払が発生)

これでわかることは、正社員だけでなくパート社員などについても、労働基準法の順守が求められるということです。

 

<逮捕・送検の背景>

厚生労働省では、長時間労働の抑制と過重労働による健康障害防止対策の強化を喫緊の課題として、平成269月に厚生労働大臣を本部長とする「長時間労働削減対策推進本部」が設置され、省をあげて取り組むようになりました。

各労働基準監督署でも、過重労働等の撲滅に向けた対策推進のため、著しい過重労働により労働基準法違反が認められるなど重大または悪質な事案に対しては司法処分を含め厳正な対応を強化することとしています。

 

<ここも社労士(社会保険労務士)の出番>

会社の人事担当者は、労働法を中心とする法改正には敏感だと思います。しかし、改正が確実になってから対応したのでは、予算取りや人員配置の問題があり、遅れをとってしまうこともあります。やはり、法改正情報の先取りはライバル企業に負けないためにも必要です。

また、国の政策転換にも目を光らせていないと、今まで大丈夫だったことが逮捕・送検の対象となったことに気付かないものです。

会社を守るためにも、法改正や政策転換の情報に明るい社労士(社会保険労務士)にご相談ください。

 

2017.03.02.解決社労士

<労災保険は適用されない>

パワハラによってケガをさせた場合、労災保険は適用されません。なぜなら、ケガをさせるようなことは本来の業務に含まれませんし、本来の業務に通常伴うものでもなく、また関連するものでもないからです。

 

<パワハラ加害者の責任>

暴力によって相手にケガをさせれば傷害罪が成立します。これは、最高刑が懲役15年という重い犯罪です。〔刑法204条〕

また、これとは別に、被害者から治療費や慰謝料などの損害賠償を請求されるでしょう。〔民法709条、710条〕

刑事責任と民事責任は別問題ですから、たとえ国家から罰金刑を科されたとしても、これとは無関係に損害賠償責任を負うわけです。

 

<会社の責任>

そして会社は、職場で行われた加害について、加害者の使用者として、加害者本人と同様の賠償責任を負います。使用者責任です。〔民法715条〕

さらに会社は、労働者がその生命、身体などの安全を確保しつつ労働することができるよう必要な配慮をする労働契約上の責任もありますから、加害行為があることを知りながら適切な対処をしなかったときは、この義務違反による損害賠償責任が発生します。〔民法415条〕

 

<ここも社労士(社会保険労務士)の出番>

このように、パワハラによるケガの治療費は、被害者から加害者に対しても、また会社に対しても請求することができます。

会社は、被害が発生したら賠償請求に応ずれば良いということではなく、パワハラそのものが発生しないようにする義務を負っています。

具体的には、パワハラの定義を明確にし、従業員を教育してその発生防止に努める他、就業規則などでパワハラを禁止し、万一発生した場合には懲戒処分が行えるように具体的な懲戒規定を置くことも必要です。さらに、パワハラを行う従業員に適正な評価をし、役職者から外せるような人事制度も必要ですし、問題が小さいうちに被害者が相談できる窓口の設置も必要です。

信頼できる社労士を相談窓口に指定し、具体的な施策の推進についても相談されてはいかがでしょうか。

 

2017.03.01.解決社労士