2016年 12月

<雇用保険の対象者(被保険者)とならない取締役>

法人等の代表者(会長・代表取締役社長・代表社員など)は、雇用保険の対象者(被保険者)とはなりません。

また、法人等の役員(取締役・執行役員・監査役など)についても、原則として雇用保険の対象者(被保険者)となりません。

これらの人と会社との関係は、雇用ではなく委任だからです。

 

<例外的に雇用保険の対象者(被保険者)となる場合>

役員などが同時に部長、支店長、工場長など会社の従業員としての身分を兼ねている兼務役員の場合であって、就労実態や給料支払いなどの面からみて労働者としての性格が強く、雇用関係が明確に存在している場合には、例外的に雇用保険の対象者(被保険者)となります。

この場合、ハローワークで雇用保険の対象者(被保険者)とするときの手続きには、就業規則、登記事項証明書、賃金台帳、などの提出が必要となります。

「働いている」という実態に変わりがなくても、一般の従業員から兼務役員になった場合には、ハローワークでの手続きが必要になります。

兼務役員は、従業員としての身分の部分についてのみ、雇用保険の対象者となります。そして保険料も、役員報酬の部分は含まれず、労働者としての賃金部分のみを基準に決定されます。

 

<ここも社労士(社会保険労務士)の出番>

新たに取締役に就任した方がいらっしゃる場合の雇用保険の手続きや、その年度の労働保険(労災保険と雇用保険)の保険料の計算は間違えやすいポイントです。

信頼できる社労士(社会保険労務士)のチェックを受けるようお勧めします。

 

2016.12.31.解決社労士

<労働基準監督署による監督指導>

厚生労働省は、時間外労働などに対する割増賃金が支払われていないとして、平成27年度に労働基準法違反で是正指導した結果を取りまとめ公表しました。

これは、全国の労働基準監督署が、賃金不払残業に関する労働者からの申告や各種情報に基づき企業への監督指導を行った結果、不払の割増賃金が各労働者に支払われたもののうち、その支払額が1企業で合計100万円以上となったものを取りまとめたものです。

 

<平成27年度の監督指導による賃金不払残業の是正結果>

(1) 是正企業数               1,348企業

うち、1,000万円以上の割増賃金を支払ったのは、184企業

(2) 支払われた割増賃金合計額      99億9,423万円

(3) 対象労働者数              9万2,712人

(4) 1企業当たり平均741万円、労働者1人当たり平均11万円

(5) 1 企業での支払額のワースト3は、

・1億3,739万円(金融業)

・1億1,368万円(その他の事業(協同組合))

・  9,009万円(電気機械器具製造業)

 

<統計の注意ポイント>

上記の是正結果は、支払額が1企業で100万円以上のものだけを集計しています。100万円未満のものは集計対象に入っていませんので、実際の是正結果はこれらの件数を遥かに上回っています。

 

<サービス残業の落とし穴>

企業の対応として陥りやすい失敗としては、次のようなものがあります。

・昔から続けているやり方が正しいとは限らない。

・所定労働日数、所定労働時間が明確でなければ、割増賃金が計算できない。

・丼勘定で払い過ぎ部分と不払い部分があった場合、相殺されずに不払い部分の是正が求められる。

 

<ここも社労士(社会保険労務士)の出番>

会社として意図的に不払い残業を発生させているわけではないのに、割増賃金を計算するのに必要な労働条件があやふやで計算できていないケースがあります。

労働基準法などの基準がよくわからず、不必要な割増賃金を支払っているケースがあります。

「残業は使用者の命令により行う」という基本が崩れ、従業員の自己判断で残業が行われていて、会社が人件費のコントロール力を失っているケースがあります。

これらの問題を発見し改善するには、信頼できる社労士(社会保険労務士)にご相談ください。

 

2016.12.30.解決社労士

<必要な手続き>

労働者が労働災害により負傷した場合などには、休業補償給付などの労災保険給付の請求を所轄の労働基準監督署長あてに行います。

具体的には、厚生労働省の「労災保険給付関係請求書等ダウンロード」のページで、手続きに適合した書式をダウンロードし、会社、被災者、診断した医師の記入欄を記入し、労働基準監督署に提出します。

なお、休業4日未満の労働災害については、労災保険によってではなく、使用者が労働者に対し、休業補償を行わなければならないことになっています。 平均賃金の60%以上の補償が必要です。就業規則に明示しましょう。

 

<療養補償給付>

治療費の補償が行われます。

治療した医療機関が労災保険指定医療機関の場合には、「療養補償給付たる療養の給付請求書」をその医療機関に提出します。請求書は医療機関を経由して労働基準監督署長に提出されます。

このとき、本来は療養費を支払う必要が無いのですが、医療機関の立場からすると必ずしも労災の手続きが行われるとは限りませんので、「保証金」の名目で被災者から一定の現金を受け取り、「預かり証」を発行するのが通例です。

治療した医療機関が労災保険指定医療機関でない場合には、一旦治療費を立て替えて支払います。その後「療養補償給付たる療養の費用請求書」を、直接、労働基準監督署長に提出すると、その費用が口座振込で支払われます。

 

<休業補償給付>

労働災害により休業した場合には、第4日目から休業補償給付が支給されます。「休業補償給付支給請求書」を労働基準監督署長に提出します。

 

<その他の保険給付>

他にも障害補償給付、遺族補償給付、葬祭料、傷病補償年金、介護補償給付などの保険給付があります。

 

<ここも社労士(社会保険労務士)の出番>

被災者は1日でも早く補償を受け現金を手にしたいところです。ところが、手続きに慣れていないと、受けられる補償の内容や必要な書類の種類で迷ってしまうことになります。

こんな時は、迷わず信頼できる社労士(社会保険労務士)にご相談ください。

 

2016.12.29.

<プライバシー権>

プライバシー権とは、個人の私的領域につき他人から干渉を受けない権利をいいます。

この権利は、日本国憲法13条の幸福追求権に含まれるものとされ、基本的人権の一つです。

その内容には、個人情報を自らコントロールすることや、私生活上の事項について他人から干渉されないことなどが含まれます。

つまり、個人情報の保護は憲法で保障された基本的人権だということです。

 

<個人情報の保護のための行動指針>

事業者は、労働者のプライバシー権に含まれる個人情報を守らなければなりません。労働者の個人情報をみだりに開示した場合などは、損害賠償責任が発生しうるのです。

労働省(現在の厚生労働省)により発表された「労働者の個人情報に関する行動指針」(平成12年12月20日)が、個人情報の処理は労働者の雇用に直接関連する範囲内において適法かつ公正に行われるべきこと、業務上知り得た個人情報をみだりに第三者に知らせ、または不当な目的に使用してはならないことなどの基本原則を明らかにしています。

さらに厚生労働省は、個人情報保護法の施行を受けて「雇用管理に関する個人情報の適正な取扱いを確保するために事業者が講ずべき措置に関する指針」を定めました(平成16年7月1日厚労告259号)。この指針は、収集する従業員の個人情報の利用目的を具体的に特定すべきこと、個人データ管理者を事業所ごとに設置すべきこと、個人データの処理を外部に委託する場合の注意事項などについて定めています。

 

<改正個人情報保護法>

平成29年5月30日から、個人情報を取り扱うすべての事業者に個人情報保護法が適用されます。全面施行です。

事業者が守るべきルールの概略は次の通りです。

1.個人情報を取得・利用する時のルール

→個人情報を取得した場合は、その利用目的を本人に通知、または公表すること(あらかじめ利用目的を公表している場合を除く。)

2.個人情報を保管する時のルール

→情報の漏えい等が生じないように安全に管理すること

3.個人情報を他人に渡す時のルール

→個人情報を本人以外の第三者に渡すときは、原則として、あらかじめ本人の同意を得ること

4.個人情報を外国にいる第三者に渡す時のルール

5.本人から個人情報の開示を求められた時のルール

→本人からの請求に応じて、個人情報を開示、訂正、利用停止等すること

 

2016.12.28.

<健康診断の受診義務>

労働安全衛生法は事業者に対して、雇入れ時および年1回の定期健康診断の実施を義務付けています。ただし、深夜業や坑内労働などの特定業務従事者は年2回です。また、法定の有害業務に従事する労働者については、特殊健康診断も実施しなければなりません。

これを受けて、労働者の受診義務も定められています。〔労働安全衛生法66条5項〕

しかし、健康診断を受けなかった場合の罰則規定はありません。

やはり、就業規則に健康診断の受診義務を明確に規定しておくべきです。

 

<誓約書の効力>

会社と労働者との関係で、法令や就業規則、労働契約などで労働者の義務とされていることがあります。これについて、労働者に誓約書を書かせて確認することは違法ではありません。しかし、誓約書によって初めて義務が生じるのではなく、ただ単に改めて確認するだけですから、法的な効力が強まるわけでもありません。

結局、誓約書を書かせることによって、労働者に心理的にプレッシャーをかけているだけのことです。しかし多くの会社では、この心理的効果に期待して誓約書を書かせています。

 

<会社の立場から>

そもそも労働者に健康診断を受けさせただけでは、会社の労働者に対する健康配慮義務が尽くされたとは言えません。しかし反対に、労働者が健康診断の受診を拒否していたとしても、会社が労働者に対する健康配慮義務を免れるわけでもありません。

それでも、会社が労働安全衛生法で義務付けられた健康診断を、一部の労働者が受診しないというのでは、会社が法定の義務を果たせないことになってしまいます。

 

<より良い方法>

就業規則に健康診断の受診義務を規定するのに対応して、義務違反に対する懲戒規定を置くべきです。

たとえば昇格・昇進の条件に、就業規則で定められた健康診断を受診していることを含めるなど、ある程度、人事考課の基準とすることにも合理性があります。

健康診断に限らず、就業規則に規定された義務を果たすことは、会社のルールを守るということですから、評価の対象にできることは当然です。

 

<ここも社労士(社会保険労務士)の出番>

健康診断の受診対象者や健診項目についての法令順守、実施後の記録の保管、個人情報保護、労基署への報告、結果の分析と対応なども社労士の守備範囲です。ぜひ、信頼できる社労士(社会保険労務士)にご相談ください。

 

2016.12.27.

<割増賃金の必要な時間外労働・休日労働>

時間外労働(早出・残業)や休日労働は、一般社員から管理監督者に申請して行うものではありません。管理監督者から、一般社員に命令があって初めて行われるものです。

たしかに、一般社員が必要を感じて「残業しましょうか?」と管理監督者に確認することは、業務遂行の上で必要なことです。しかし、この場合でも、管理監督者の指示があって、初めて時間外労働として認められます。〔労働基準法33条、36条〕

 

<管理監督者に求められる行動>

時間外労働が命令に基づき行われるものである以上、管理監督者には、時間外労働の指示を出す権限があり、部門や店舗運営のために、適切な時間外労働の指示を出す義務を負っています。

個々具体的な業務についての残業命令もあるでしょう。しかし、多くの場合は、条件付きの残業命令となります。たとえば、次のようなものです。

・レジで違算が出たら原因の究明が完了次第勤務を終了すること。

・夜間設備工事の立会では工事人が全員退去次第勤務を終了すること。

こうした命令を前提としない時間外労働は、災害発生などの緊急時以外にはありえませんので、一般社員が居残っている場合には、管理監督者から速やかな勤務終了と事務所・店舗からの退出を促しましょう。

 

<タイムカードなどの正しい打刻>

勤務時間の管理方法は、就業規則に規定されているのが通常ですが、タイムカードなどで行われていることが多いでしょう。

そして会社には、労働者全員の勤務時間を適正に管理する義務があります。この義務は、残業手当が支給されない社員も対象となっています。

ところが実際には、勤務を開始した時のタイムカードなどの打刻、勤務を終了した時のタイムカードなどの打刻が、正しい時刻ではない場合があります。

これはルール違反ですので、管理監督者が自ら率先垂範すると共に、一般社員の正しいタイムカード打刻を指導する必要があります。

 

2016.12.26.

<調査の目的>

賃金、労働時間、雇用の変動を明らかにすることを目的に厚生労働省が実施する調査です。

統計法に基づき、国の重要な統計調査である基幹統計調査として実施されています。

毎月勤労統計調査の結果は、経済指標の一つとして景気判断や、都道府県の各種政策決定に際しての指針とされるほか、雇用保険や労災保険の給付額を改定する際の資料として、また、民間企業等における給与改正や人件費の算定、人事院勧告の資料とされるなど、国民生活に深く関わっています。

さらに、日本の労働事情を表す資料として海外にも紹介されています。

 

<回答の義務>

毎月勤労統計調査など、国の重要な統計調査である基幹統計調査について、「個人又は法人その他の団体に対し報告を求めることができる」と規定されています(報告義務)。〔統計法13条〕

また「報告を拒み、又は虚偽の報告をした者」に対して、「50万円以下の罰金に処する」と規定されています。〔統計法61条〕

「統計法」に基づき実施する基幹統計調査である毎月勤労統計調査の報告義務は「個人情報保護法」によって免除されるものではありません。

調査対象の事業場は、無作為に抽出されます。これはクジに当たるようなものです。当たったら、面倒でも協力しましょう。

 

<調査の秘密>

調査対象となった人や法人には調査に回答する義務がある一方、安心して調査に回答できるよう、調査員を始めとする調査関係者に対しては、調査で知り得た内容について秘密を保護することが定められています。〔統計法41条〕

また、調査票情報を適正に管理すること、調査票情報を統計調査の目的以外に使用してはならないことも規定されています。〔統計法39条、40条〕

調査関係者に対しては、これらの規定を厳守するよう指導が徹底されます。

「毎月勤労統計調査」の調査票は外部の人の目に触れないよう厳重に管理され、またそれらは集計して調査結果を得るためだけに使われ、税金徴収の資料や労働局の調査などに使われることは絶対にありません。

 

<ここも社労士(社会保険労務士)の出番>

詐欺の準備のための情報集めを目的として、まぎらわしい名称でインチキな調査回答依頼が届くこともあります。

怪しいと思ったり迷ったりしたら、信頼できる社労士(社会保険労務士)にご相談ください。

 

2016.12.25.

<労働契約>

ある人が、ある会社に「会社の指示で働きます」と約束して、会社がその人に「それなら給料を払います」と約束すれば、これが労働契約です。

契約の中には、特別な方式を必要とするものもありますが、労働契約は口約束でも成立します。

しかし労働契約は、人の自由や生活を大きく左右する重要な契約です。ですから、働く人を保護するためにも、雇う側は「どういう条件で働くのか」を書面の交付などによって示す義務があります。

中には、この義務を果たさない会社もあって、さまざまなトラブルを生じています。

 

<契約の成立>

誰かと取引するときには、どんな条件で取引するのかという約束をします。この約束が「契約」です。契約書を作らずに、こうしよう、ああしようと口約束をしただけでも、契約は成立します。

自動販売機で缶コーヒーを買うのは売買契約です。このときには、口約束すらありません。

そして、契約が成立すれば、お互いにその内容を守らなければなりません。もし、相手が契約に違反したら、きちんと守るように求めたり、違反によって発生した損害賠償を請求したりすることができます。

逆に、自分が違反すれば、相手から契約を守るよう求められたり、損害賠償を請求されたりします。

ですから、契約で何が決まっていたかということは、自分が相手に対して何を要求できるか、あるいは自分が何をしなければならないのかを決めるための、大事な基準となるのです。

自動販売機で缶コーヒーを買ったのに出てこなかったら、そして投入したお金も戻ってこなかったら、当然に返金を請求できるわけです。このことは、自動販売機にお金を投入する前から決まっていたわけです。

 

<労働者の保護>

労働契約を結ぶと、労働者として法律による特別な保護を受けることができるようになります。

ここが「業務請負契約」や「業務委託契約」などとは違うところです。もちろん、契約書のタイトルが「業務請負契約書」や「業務委託契約書」であっても、実質的な内容が労働契約であれば、労働契約としての効力を持ちます。

そして労働契約が成立したら、その内容を勝手に変えることはできません。

労働契約で、給料の額や出勤日・出勤時間、担当する仕事、働く期間などの労働条件が決まっていれば、労働者も雇い主も、その条件を一方的に変えることはできないのが原則です。

もし、労働契約で決められている労働条件を変更したければ、相手にお願いして、契約内容を変更することに同意してもらわなければなりません。同意が無ければ、今まで通りの労働条件で仕事をすることになります。

ですから働き始めた後で、労働条件について、労働者と雇い主で意見の違いやトラブルが発生したときには、労働契約でどう決まっていたかということが、とても重要になるのです。

 

<ここも社労士(社会保険労務士)の出番>

労働条件をどのように定めたら、働く人と雇い主にとって都合が良いのか、またトラブルを未然に防げるのか、さらに違法や不当の問題を避けられるのかについては、信頼できる社労士にご相談ください。

万一、トラブルになってしまった場合でも頼りになります。当事者の主張内容を法的観点から整理し、その正当性、反論可能性を明らかにしたうえで、実体と証明の両面からのご対応をご提案いたします。人の感情に配慮して、お互いに怨みを残さない解決を目指すのが社労士の使命です。

 

2016.12.24.

<昼間学生ではない場合>

学生・生徒のうち、昼間授業を受ける従業員は、原則として雇用保険の対象者にはなりません。これらの従業員は、働いていても小遣い稼ぎであり、失業が大きな痛手にならないと推定されるからです。

これに対して、通信制の学校や夜間・定時制の学校に在籍する従業員は雇用保険に入ります。これらの従業員は、働きながら学んでいるので、失業した場合などの給付が必要になると考えられるからです。

もちろん定時制高校の生徒すべてが、働くことを考えて入学したわけではありません。しかし、個人的な事情を細かく分析するのは現実的ではありませんから、上記のように形式的に区分されています。

 

<昼間学生の例外>

昼間学生であっても次のような従業員は、一定の条件のもと雇用保険に加入します。

・卒業前に新卒として就職し卒業後も継続勤務する予定の従業員

・休学中の従業員(休学証明書が必要)

・従業員の身分のまま事業主了解のもと大学院などに在籍する者

勉強よりも働くことのウエイトが高く、失業が大きな痛手になると考えられる従業員が、形式的な基準で例外とされています。

 

<ここに注意!>

「学生アルバイトだから雇用保険は関係ない」と思い込んでしまうと、雇用保険を必要とする従業員が保険に入れないことになりかねません。

もし迷ったら、信頼できる社労士(社会保険労務士)にご相談ください。

 

2016.12.23.

<目的>

中小企業・小規模事業者の生産性向上を支援し、事業場内で最も低い賃金(事業場内最低賃金)の引上げを図るための制度です。

生産性向上のための設備投資やサービスの利用などを行い、事業場内最低賃金を一定額以上引き上げた場合、その設備投資などにかかった費用の一部を助成します。

 

<助成金の額>

50万円~200万円

 

<受給できる事業主>

事業場内最低賃金 800 円未満から、1,000 円未満の全国 47 都道府県に事業場を設置している中小企業・小規模事業者に拡充されました。

過去に業務改善助成金を受給したことのある事業場であっても、助成対象となります。

※引き上げる賃金額により、支給対象者が異なります。

 

<条件>

1.事業実施計画を策定すること

(1) 賃金引上計画

事業場内最低賃金を一定額 以上引き上げる計画。(就業規則等に規定)

(2) 業務改善計画

生産性向上のための設備投資などの計画。

2.事業実施計画を推進すること

(1) 引上げ後の賃金額を支払うこと

引上げ後の賃金額が、事業場内最低賃金になることが必要です。

(2) 生産性向上に資する機器・設備などを導入することにより業務改善を行い、その費用を支払うこと

ただし、次の費用は対象外となります。

ア 単なる経費削減のための経費

イ 職場環境を改善するための経費

ウ 社会通念上当然に必要となる経費

3.解雇、賃金引下げ等が無いこと など

※その他、申請に当たって必要な書類があります。

 

<変更にご注意>

助成金の内容は変更になることがあります。また、助成金そのものが廃止されることもあります。

このページ右側の「お勧めします」の中から「雇用関係助成金」を選んでいただくと、現在の助成金の内容をご確認いただけます。

 

助成金の受給について、面倒に感じられたり迷うことがあれば、信頼できる社労士(社会保険労務士)にご相談ください。

社労士資格の無いコンサルタント会社は、手続きの代行ができませんので注意しましょう。

 

2016.12.22.

<労働法に関する行政監督制度>

労働基準法などの実効性を高めるため、行政監督制度が設けられています。

厚生労働大臣のもとに、国に1つの厚生労働省労働基準局、各都道府県に1つの労働局、都道府県をいくつかのエリアに分けて設置される労働基準監督署があります。

たとえば、東京都立川市にある立川労働基準監督署は、立川市、昭島市、府中市、小金井市、小平市、東村山市、国分寺市、国立市、武蔵村山市、東大和市の10市を管轄しています。

 

<労働基準監督官と署長>

労働基準監督官は、労働基準法など労働法の施行のための行政取締や刑事処分にかかわり、事業場を臨検し、帳簿や書類の提出を求め、必要な尋問を行う権限や、労働基準法違反の罪に対する捜査権、逮捕権など司法警察員としての権限をもっています。

労働基準監督署長も、労働基準法のもとで臨検、尋問、許可、認定など様々な権限をもっています。

この他、労働基準監督署長や労働基準監督官は、必要があると認めるときには使用者や労働者に報告や出頭を命じることができます。

 

<労働基準監督署の機能の限界>

労働基準監督署は、強力な権限をもっていますが、それは労働基準法や労働安全衛生法などに根拠のある場合に限られています。

たとえば、解雇権濫用の有無の判断など、労働者や企業にとって切実な問題であっても、監督権限を行使することはできません。残念ながら、これらの機関は直接の紛争解決権限をもっているわけではないのです。

 

<社労士(社会保険労務士)の立場から>

直接訪問した場合でも、電話による問い合わせの場合でも、社労士であることを名乗ると、労働局や労働基準監督署の皆さんはとても親切です。本当に頼りになります。

会社の人事部門で働いていた時に比べて、一段上の対応をしてくださっているように思われます。おそらく話の通じる専門家として見てくださっているのでしょう。

年金事務所や協会けんぽでも同様のことを感じます。もし、行政の相談窓口などに問い合わせても、今一つ納得できない場合には、信頼できる社労士(社会保険労務士)にご相談ください。社労士から改めて問い合わせると、深い回答が得られるものです。

 

2016.12.21.

<具体的な例>

総務や経理のメンバーが、新規開店の店舗の応援に行き、慣れない仕事をしてケガをしてしまったという場合、普段と違う仕事内容でも、会社の業務として行った以上、労災になります。

それはそれとして、社内的には誰の責任かが問われることになります。

 

<一般的な基準>

応援メンバーが、所属部門の上司から相当に具体的な指示を受けたうえで、応援に行ったのなら、その指示をした上司にも責任があります。

ただ「応援要請があったので頼む」という抽象的な指示しか無かったのであれば、応援先の責任者がほぼ全面的に責任を問われることになります。

しかし実際には、所属部門の上司からの指示が具体的と言えるかどうか、応援先の責任者の指導は的確だったのかなど、水掛け論になりがちです。

 

<ここも社労士(社会保険労務士)の出番>

他部署の応援がありうる職場の就業規則には、次のような規定を置いて責任の所在を明らかにしておくべきです。

 

第○条 従業員には会社の都合により、他部署の応援を求めることがあります。

2. 従業員は、正当な理由なくこれを拒んではなりません。

3. 従業員はこの場合、直属上司から応援先責任者の指定を受け、応援先責任者の指揮命令に従うものとします。

 

たしかに、他部署の応援がありえない職場では、全く必要のない規定です。しかし、応援のある職場には必要不可欠な規定でしょう。

社労士が就業規則の作成・改善を依頼された場合には、その職場に適合するものにします。もし、現在の就業規則に不安があれば、信頼できる社労士(社会保険労務士)にご相談ください。

 

2016.12.20.

<制度の趣旨と加入>

社会保険(健康保険と厚生年金保険)は、会社などで働く「勤め人」が、収入に応じて保険料を出し合い、いざというときの生活の安定を図る目的で作られた制度です。

勤め人個人や事業主が希望して契約・加入する保険ではなく、法律により加入が強制され、手続きが義務づけられています。

一定の条件を満たせば、加入することになり、事業主に加入手続きが義務づけられています。手続きをしなくても、加入していることになり、事業主に保険料の納付義務も発生しています。

これは、赤ちゃんが生まれれば、出生届を出さなくても、生まれた事実に変わりはなく、親はその子をきちんと育て、学校にも通わせなければならないのと似ています。

 

<強制加入の事業所>

健康保険と厚生年金保険は、事業所を単位として適用されます。

常時5人以上の従業員を使用している事業所(事務所、工場、店舗など)は、強制的に加入させられる「適用事業所」です。

また、法人事業所は従業員が5人未満でも「適用事業所」です。つまり、法人の場合には、事業主1人だけの事業所であっても強制加入となります。

なお、

5人未満の個人事業所と、5人以上であってもサービス業の一部や農業・漁業などの個人事業所は、強制加入とはなりません。

 

<任意加入の事業所>

従業員が5人未満の個人事業所などでも、条件を満たせば厚生労働大臣の認可を受けて、適用事業所となることができます。

この認可の権限は、厚生労働大臣から日本年金機構理事長に委任されています。

認可を受けるには、その事業所の従業員の2分の1以上の同意を得て行います。この場合には、同意せず加入を希望しない従業員を含めて加入することになります。

具体的な手続きについては、信頼できる社労士(社会保険労務士)にご相談ください。

 

2016.12.19.

<適用事業の範囲>

労働者を1人でも雇用する事業は、その業種や事業規模に関係なく、原則としてすべて適用事業となります。

例外として、農林水産の事業のうち一部の事業は、当分の間、任意適用事業とされています。

これは暫定任意適用事業と呼ばれ、個人経営の農林水産業で、雇用している労働者が常時5人未満の事業を言います。ただし、農業用水供給事業、もやし製造業を除きます。

任意適用というのは、希望すれば適用され、希望しなければ適用されないという意味です。

暫定任意適用事業の事業主であっても、雇用する労働者の2分の1以上が加入を希望するときは、都道府県労働局長に任意加入の申請を行います。認可されると希望しない労働者を含めて、雇用保険の対象者(被保険者)となります。

 

<雇用保険適用の単位>

雇用保険は、経営組織として独立性をもった事業所単位で適用されます。

支店や工場などでも、ある程度独立して業務を行っていれば、個々に手続きを行います。

独立性の無い支店などは、公共職業安定所長の承認を受けて本社等で一括して手続きを行うことになります。具体的には「雇用保険事業所非該当承認申請書」を提出することになります。これにはコツがありますので、信頼できる社労士(社会保険労務士)にご相談ください。

 

<労働保険の適用>

労働保険は事業を単位として適用されます。

事業の種類により、一元適用事業と二元適用事業に分かれ、加入手続きや保険料の申告・納付先が違います。

 

<一元適用事業>

労災保険の保険関係と雇用保険の保険関係を一つの事業についての労働保険関係として扱い、保険料の申告納付を一括して行います。

これが原則となります。次の二元適用事業以外は、すべて一元適用事業となります。

 

<二元適用事業>

雇用保険の保険関係と労災保険の保険関係を別々に取り扱い、保険料の申告納付を別々に行います。

二元適用事業は次に該当するものです。

・都道府県、市町村、これらに準ずるものの行う事業

・農林水産の事業

・建設の事業

・港湾労働法の適用される港湾で港湾運送の行為を行う事業

 

 2016.12.18.

<取得単位の変更>

「子の看護休暇」と「介護休暇」の取得単位が1日単位から半日単位に変更となります。

これまでは、会社が1日単位での取得のみ認めれば合法でした。半日単位の休暇を認めるかどうかは、会社の方針に任されていたのです。

しかし平成29年からは、従業員から半日だけ取得したいという申し出があった場合には、会社がこれに応じなければなりません。

 

<「半日」の原則>

「半日」とは、1日の所定労働時間の半分です。

ただし、1日の所定労働時間に1時間未満の端数がある場合には、1時間未満を1時間に切り上げて、その時間の半分となります。

たとえば、所定労働時間が7時間45分であれば、1時間未満を切り上げた8時間の半分で、4時間ということになります。

 

<「半日」の例外>

上記の原則とは違う運用をしたい場合には、労使協定を交わすことによって可能となります。

たとえば、夕方が忙しい会社などで、午後3時までの5時間と、午後3時からの3時間を半日とすることもできます。

 

<給与計算の注意>

半休を取ったことによって欠勤控除をする場合には、1日の賃金の半分ではなくて、実際に欠勤した時間分の賃金しか控除できません。

 

<ここも社労士(社会保険労務士)の出番>

法改正以前に、今の「子の看護休暇」についても社内で知られていないという会社もあるでしょう。

「来月の25日は息子の健康診断で午前中は休みます。子の看護休暇です。」と言われた上司が、制度を知らずに「そんなの認めない!」と言ってしまうとトラブルになります。

こうした制度については、第一に厚生労働省など行政が広報に努めるわけですが、会社ごとに必要な内容は違いますから、信頼できる社労士に相談して必要なレクチャーを依頼したり、会社に合った制度の運用を構築したりが必要でしょう。

労働法が頻繫に改正されるなか、就業規則の改善と併せて、信頼できる社労士へのご相談をお勧めします。

 

2016.12.17.

<賠償予定の禁止>

会社の就業規則で、研修の費用を労働者の負担とし、一定期間勤続せずに退職した場合には、返還するものと定めていることがあります。

しかし労働契約を結ぶ際に、契約違反があったときの賠償額を決めておくことは、人身拘束につながるとして禁止されています。〔労働基準法16条〕

通常の業務のために行われる教育訓練や、通常の新人研修や社内研修として実施される教育訓練について、退職時の費用返還を定めておくことは、この規定に違反する可能性があります。

 

<返還請求が認められる場合>

ところが裁判の中には、返還請求が認められた例もあります。

たとえば通常の業務と直接の関係がない研修であって、もともと本人が支出すべき内容の研修費用を、会社が一時的に立て替えたに過ぎない場合です。

希望者を募って海外の大学院へ留学させた例で、費用を会社が貸し付けた形をとり、一定の年数の勤続によって返済を免除するという事例で、退職者への返還請求を認めた裁判例があります。

実際に返還請求が認められるためには、返済金額や返済方法などから客観的に見て退職の自由を奪うものではないこと、返還について事前に十分な説明が尽くされていて合意があったことなど、厳格な条件を満たしていることが必要になります。

 

2016.12.16.

<結論として>

ここで言う解雇とは、懲戒解雇ではなく会社が期待しただけの働きができないことによる普通解雇でしょう。

結論から言うと、労働契約の内容によるということになります。

労働契約は口頭でも成立しますが、基本的な労働条件については会社から労働者に書面を交付して確認することが法定されています。

ところが書面が作成されていなかったり、そもそも基本的なことを決めていなかったりすれば、トラブルが発生するのは当たり前です。

 

<年俸制の考え方>

厚生労働省のモデル就業規則に年俸制の規定が無いことからも明らかですが、プロ野球の制度を真似してサラリーマンに年俸制を当てはめるのは無理があります。

取締役であれば委任契約ですから、年俸制がしっくりきます。

実際にサラリーマンに年俸制を適用する場合、今後の活躍ぶりを期待してあらかじめ年俸を決める場合と、過去の実績から年俸を決める場合があります。

過去の実績から決める場合は良いのですが、これからの活躍を期待して年俸を決めたのに、期待を裏切ったら減俸できるのか、さらには普通解雇できるのかという問題になります。

こうしたことは、労働契約の内容が不合理でなければ、労働契約の内容に従うということです。

ところが口頭でも決めていなければ、解決の手掛かりがありません。結局、会社と年俸制社員の話し合いで決めるしかありません。

 

<あらかじめ職位・職種を定めた社員の解雇>

年俸制でなくても、あらかじめ経理部長とか店長とか職位や職種を定めて中途採用することがあります。

労働契約で「何をどのレベルで」ということが明確になっていれば、普通解雇も困難ではないでしょう。

しかし、「当社の経理部長にふさわしい働きぶり」とか、「当社の店長として標準的な業務」では、裁判などで客観的に認定できないですから、紛争になるのは目に見えてます。

ところが口頭でも決めていなければ、解決の手掛かりがありません。結局、会社とその社員の話し合いで決めるしかありません。

 

<ここも社労士(社会保険労務士)の出番>

社労士は手続きを代行するだけではありません。労働と社会保険に関する法律と人事・労務管理の専門家として、企業経営の3要素(ヒト・モノ・カネ)のうち、採用から退職までのヒトに関するエキスパートです。

顧問先の企業でトラブルが発生しないように予防策を講じることで、経費、労力、時間、精神力の負担を軽減します。

万一トラブルが発生した場合には、両当事者の主張内容を法的観点から整理し、その正当性、反論可能性を明らかにしたうえで、実体と証明の両面からのご対応をご提案いたします。人の感情に配慮して、お互いに怨みを残さない解決を目指します。これは、顧問先でなくてもスポットでも対応いたします。

是非、信頼できる社労士にご相談ください。

 

2016.12.15.

<労災保険は強制保険>

労災保険は政府が管掌する強制保険です。

労働保険(労災保険と雇用保険)では、法律上当然に保険関係が成立する事業を適用事業といい、農林水産業の一部を除き、原則として1人でも労働者を使用する事業は、すべて適用事業になります。

そして、適用事業については、その事業が開始された日または適用事業に該当するようになったときに、事業主の意思にかかわりなく法律上当然に保険関係が成立することになります。

これは市区役所に出生届を出さなくても、赤ちゃんが生まれなかったことにはならないのと同じです。

 

<届出義務>

適用事業については、その事業開始の日または適用事業に該当することとなった日に自動的に保険関係が成立しますので、適用事業の事業主は、保険関係成立の日から10日以内に、「保険関係成立届」を所轄の労働基準監督署または公共職業安定所へ提出しなければなりません。

この手続きは、社労士(社会保険労務士)が代行できます。

この届出を行わなくても、保険関係は成立しますので、労災事故が発生すれば被災者に労災保険が適用されます。

 

<届出を怠った場合>

成立手続を行うよう指導を受けたにもかかわらず、自主的に成立手続を行わない事業主に対しては、最終的な手段として、行政庁の職権による成立手続と労働保険料の認定決定が行われます。

この場合には、さかのぼって労働保険料を徴収されるほか、追徴金も徴収されることとなります。

 

<無届のうちに労災が発生した場合>

事業主が故意または重大な過失により「保険関係成立届」を提出していない期間中に労働災害が生じ、労災保険給付を行った場合は、事業主からさかのぼって労働保険料を徴収(併せて追徴金を徴収)するほかに、労災保険給付に要した費用の全部または一部を徴収することになります。

 

2016.12.14.

<最低賃金>

最低賃金は、都道府県ごとに1時間あたりの賃金額で定められています。

たとえ働く本人の同意があっても、最低賃金額を下回ることはできません。〔最低賃金法4条〕

高校生のアルバイトにも適用されますし、本人や家族の「同意書」は無効です。

 

<労働基準法の定める「賃金の原則」規定>

賃金は通貨で、直接働く本人に、全額を、毎月1回以上、一定の期日を定めて支払わなければなりません。〔労働基準法24条〕

これは賃金支払いの5原則と呼ばれます。「原則」とは言うものの、違反すれば30万円以下の罰金が科せられます。ですから原則違反は犯罪行為です。〔労働基準法1201号〕

 

<通貨払いの原則>

賃金は通貨で支払う必要があり、現物支給は禁止されています。

働く本人の同意などがあれば銀行振込も可能です。ただし、家族名義の口座ではなく本人の口座であることが必要です。

 

<直接払いの原則>

賃金は働く本人に直接支払う必要があります。代理人や親権者等への支払はできません。

 

<全額払いの原則>

賃金は全額を支払う必要があります。

ただし、所得税など法令に定めがあるものや、労使協定で定めたものだけは控除できます。

 

<毎月1 回払いの原則>

毎月少なくとも1回は賃金を支払わなければなりません。

賞与等の一時金は、会社の就業規則などに従って支払えば良いので、この原則の対象とはなりません。

 

<一定期日払いの原則>

毎月25日というように、周期的な支払期日を定めなければなりません。

毎月第3月曜日というように、固定されているように見えて、実は周期的ではない期日は原則違反となります。

 

2016.12.13.

<健康保険(協会けんぽ)・厚生年金保険 産前産後休業取得者申出書>

産前産後休業期間(産前42日(双子・三つ子など多胎妊娠の場合は98日)、産後56日のうち、妊娠または出産を理由として労務に従事しなかった期間)について、健康保険・厚生年金保険の保険料は、事業主の申し出により、産休中の従業員(被保険者)分と事業主分のどちらも徴収されません。

「事業主の申し出により」ですから、会社が事実を知っていて、年金事務所などへの書類提出を忘れていると、産休中の従業員の保険料も免除されません。この場合には、会社に落ち度があるわけですから、免除されずに従業員が負担した保険料は、原則として会社が補償するのが一般です。

かつては、育児休業中の保険料だけ免除されていましたが、平成26年4月30日以降は、産休中の保険料も免除されています。

 

<厚生年金保険 養育期間標準報酬月額特例申出書>

次世代育成支援の拡充を目的として、子どもが3歳までの間、勤務時間短縮等の措置を受けて働き、それに伴って標準報酬月額が低下した場合、子どもが生まれる前の標準報酬月額に基づく年金額を受け取ることができる仕組みが設けられています。

対象となる従業員(被保険者)の申出に基づき、より高い従前の標準報酬月額をその期間の標準報酬月額とみなして年金額を計算します。養育期間中の報酬の低下が将来の年金額に影響しないようにするための措置です。

 

<注意事項>

産前産後休業取得者申出書は、産前産後休業期間中に提出します。

ここで出産とは、妊娠85日以後の生産(早産)、死産(流産)、人工妊娠中絶をいいます。

対象者(被保険者)が産前産後休業期間を変更したとき、または産前産後休業終了予定日の前日までに産前産後休業を終了したときは、速やかに「産前産後休業取得者変更(終了)届」を年金事務所などへ提出します。

なお、育児休業の保険料免除期間と産前産後休業の保険料免除期間が重複する場合は、産前産後休業期間中の保険料免除が優先されます。

 

<ここも社労士(社会保険労務士)の出番>

顧問の社労士がいれば、当然のこととして手続きの必要なことが説明されます。顧問契約の内容となっていれば、手続きの代行も行います。

顧問の社労士がいない会社でも、信頼できる社労士にご相談いただければ、手続きの代行だけでなく、出産前から育児休業後の職場復帰後まで、労務管理全体をトータルにサポートいたします。

 

2016.12.12.

<業務上腰痛の認定基準>

腰痛は労災保険の対象外だというウワサがあります。

しかし、厚生労働省の定めた認定基準の条件を満たす場合には、労災認定できることになっています。

この認定基準では、災害性の原因による腰痛と、それ以外の腰痛とで、それぞれ別の条件が定められています。

 

<災害性の原因による腰痛>

次の2つの条件を両方とも満たす腰痛が対象です。

・腰のケガまたはケガの原因となった急激な力の作用が、仕事中の突発的な出来事によって生じたことが明らかであること。

・腰に作用した力が腰痛を起こさせ、または元々あった腰痛を著しく悪化させたと認められること。

ぎっくり腰は、日常的な動作の中でも生じるので、たまたま仕事中に起こったとしても、原則として労災補償の対象とはなりません。

 

<災害性の原因によらない腰痛>

突発的なことが原因ではなく、重量物を取り扱う仕事など、腰に大きな負担のかかる仕事をする人に起こった腰痛で、作業状態や作業期間からみて、その仕事が原因で起こったと認められるものが対象です。

日々の業務によって、腰への負担が徐々に作用して、ついには腰痛を発症したという場合で、筋肉疲労の場合と骨の変化の場合とがあります。

 

<労災の認定について>

労災の認定をするのは所轄の労働基準監督署(労働局)です。会社や労働者自身が判断するのではありません。

もし判断に迷ったり、納得がいかないということがあれば、信頼できる社労士(社会保険労務士)にご相談ください。

 

2016.12.11.

<マイナンバー欄追加と情報連携>

平成29年1月から協会けんぽの各種申請書にマイナンバー欄が追加されます。

また、平成29年7月からは、他の医療保険者や行政機関等との情報連携が開始される予定です。

 

<従業員のマイナンバーの提出は不要>

協会けんぽに対して、従業員やその家族のマイナンバーを提出する必要はありません。協会けんぽが、日本年金機構や住民基本台帳ネットワークから収集します。

 

<マイナンバーの利用による添付書類の省略>

平成29年7月から、次の申請については、マイナンバーの記入により添付書類を省略できるようになる予定です。

○高額療養費の申請

○高額介護合算療養費の申請

○基準収入額適用申請

○食事及び生活療養標準負担額の減額申請

○限度額適用・標準負担額減額認定証の申請

 

<取り扱い開始前には>

協会けんぽでは、平成28年12月末までの間、加入者のマイナンバーが記入された申請書や住民票を扱えません。

申請書や住民票の写しについては、マイナンバーが記載されていない様式で提出する必要があります。市区役所・町村役場で住民票の写しの交付を受けるときには、マイナンバーが無いものを指定しましょう。

 

2016.12.10.

<雇用保険の届出書類>

ハローワークで雇用保険についての届出を行うと、先回りして次の手続きで使用する用紙を渡されます。

たとえば、新規採用の従業員が雇用保険に入ったことの届をするために「雇用保険被保険者資格取得届」を提出すると、「雇用保険被保険者資格喪失届・氏名変更届」という用紙を渡されます。これは、基本的には退職して雇用保険を抜けたときに使う用紙です。すでに氏名、生年月日、被保険者番号、事業所番号などが印字されているので、その人専用の用紙になります。

ですから、何年後に使用するかわからない用紙を、長期間保管することになります。

 

<保管上の注意点>

ハローワークでの雇用保険関係の事務処理は、全国をオンラインで結ぶ「ハローワークシステム」により、各種届出書類の内容をそのまま機械(OCR)で読み取り、即時処理を行っています。

機械で光学的に読み取る書類の性質上、次の点に注意して、大切に保管しなければなりません。

・ホチキスでとめたり、とじ穴をあけたりしない

・折り曲げない。また、角についても折り曲がらないようにする

・汚さない

・湿気の多い場所には置かない

・直射日光に当たらないようにする

 

<保管期間>

雇用保険関係の書類は、手続き完結の日から少なくとも次の期間は保管します。

被保険者(加入者)に関する書類 4年

労働保険料に関する書類 3年

その他雇用保険に関する書類 2年

 

<ここも社労士(社会保険労務士)の出番>

手続きについて基本的なことは、所轄のハローワークで気軽に確認できます。

しかし、聞きにくいことや会社特有のことなど、じっくり相談したいことは信頼できる社労士におたずねください。

顧問の社労士がいれば、入社前から退職後まで、その会社の実情に適合した対応ができます。手続きの代行も書類の管理も社労士の業務です。どうぞ、お気軽にご相談ください。

 

2016.12.09.

<社労士の定義>

社労士は、社会保険労務士試験に合格した後に連合会に備える社会保険労務士名簿に登録することで、プロとして社会で活躍しています。

社労士の定義は「社会保険労務士法に基づき、毎年一回、厚生労働大臣が実施する社会保険労務士試験に合格し、かつ、2年以上の実務経験のある者で、全国社会保険労務士会連合会に備える社会保険労務士名簿に登録された者」と法律により定められています。

 

<社労士の役割>

社労士は、労働・社会保険に関する法律、人事・労務管理の専門家として、企業経営の3要素(ヒト・モノ・カネ)のうち、ヒトの採用から退職までの労働・社会保険に関する諸問題、さらに年金の相談に応じる、ヒトに関するエキスパートです。

 

<社労士の主な業務>

1.労働社会保険手続業務

・労働社会保険の適用

・労働保険の年度更新

・社会保険の算定基礎届

・各種助成金などの申請

・労働者名簿、賃金台帳の調製

・就業規則の作成、変更

2.労務管理の相談指導業務

・雇用管理・人材育成などに関する相談

・人事・賃金・労働時間の相談

・経営労務監査

3.年金相談業務

・年金の加入期間、受給資格などの確認

・裁定請求書の作成・提出

4.紛争解決手続代理業務

・あっせん申立てに関する相談及び手続

・代理人として意見を陳述

・相手方との和解のための交渉及び和解契約の締結の代理

5.補佐人の業務

・裁判所において、補佐人として弁護士とともに出廷し意見を陳述

 

<特定社労士とは>

職場のトラブルは、これまで裁判で解決するのが一般的でしたが、裁判は多くの時間を費やすうえ、経営者と労働者の間に「勝った」「負けた」の関係を生み出してしまいます。

そこで、最近では、裁判によらない解決手段として、ADR(裁判外紛争解決手続)が活用されるようになっています。このADRは、当事者同士の話し合いにより解決を目指す制度です。

特定社労士は、このADRのうち個別労働関係紛争にかかる業務を行うことができます。

 

※社労士が、特定社労士になるには、『厚生労働大臣が定める研修を修了』し、『「紛争解決手続代理業務試験」に合格』した後に、その旨を連合会に備える社会保険労務士名簿に付記しなければなりません。

具体的には、ADRを行う機関として厚生労働大臣が指定する「社労士会労働紛争解決センター」や労働局の紛争調整委員会におけるあっせんなどにおいて、特定社労士は労働者や事業主の皆さまの代理人として、個別労働関係紛争の円満な解決のお手伝いをすることができます。

 

(全国社会保険労務士会連合会ホームページより)

 

2016.12.07.

<履歴書の重要性>

履歴書で印象や評価が大きく変わります。それなのに、履歴書で損をしている人が半分以上です。

直接お話しする面接担当者に対しては、記入不足や不明確な部分があっても、会話の中で補充することができます。しかし、その担当者の上司など決裁権を持っている人は、履歴書が最大の情報源となります。面接担当者が気を利かして補足情報を加えれば加えるほど、元の履歴書の情報不足が明らかとなり、かえって不利になることもあります。

内容の充実した履歴書であって、文字の大きさも小さすぎず大きすぎず、読む気にさせるものであることが必要です。

 

<履歴書用紙の選択>

履歴書の書式は統一されていません。

初めてのアルバイトなのに、職歴欄が広い履歴書では、空白が目立ってしまいます。反対に、職歴が多い場合には、職歴欄が広いものを選びます。自分がアピールできる項目が広いものを選ぶのがポイントです。

無料の求人誌から乱暴に切り取った履歴書では、内容がすばらしくても人物を疑われてしまいます。なるべく、市販のものから自分に有利な書式を選んで使いましょう。

 

<原則は手書き>

パソコンの技能が問われる職種でない限り、手書きが原則です。

高校生のアルバイトの履歴書で、鉛筆で下書きしたのをボールペンでなぞり、後から消しゴムで消したことがわかるものを見ると少し感動します。

結局、こうして努力して作成した履歴書は、プリンターで大量生産でき手軽に訂正できるパソコン入力のものよりも感動的なのです。

同じ手書きでも、訂正が無くて丁寧に書こうとした努力が見られる履歴書は好印象です。反対に、修正印、修正液などを使ったものはガッカリさせられます。

 

<日付>

日付が空欄だったり古かったりすると、使い回しを考えているようで変に思われます。

日付は提出日、郵送の場合には発送日を記入します。

 

<写真>

背景なし、脱帽、身だしなみが整っていること、そして全体のバランスがとれていることが条件です。顔の比率が大きい写真は、サイズを間違えて無理に小さくカットしたような印象を与えます。

カラオケで歌っているところを友達に撮ってもらった写真や、どう見ても10年以上前の写真、さらには写真のコピーが貼られた履歴書を見たことがあります。あきれてしまって、面接が上の空になりました。

履歴書で損をするポイントとしては、写真が最大の要素だと思います。自分で納得のいく写真を使いましょう。

 

<学歴>

義務教育については卒業のみを記載します。高校以降は入学と卒業をそれぞれ分けて記入します。大学などは、学部学科まで記入します。

他の項目もそうですが、特に学歴欄にウソを書くと、採用取消になったり、入社後しばらくしてから解雇されたりということもありますので正直に書きましょう。

 

<職務経歴書>

中途採用で職歴がある場合には、履歴書に職務経歴書を添えます。

履歴書の職歴欄には、勤務先、転勤、役職変更等の大きな異動に関することを記載します。

職務経歴書には、職務経験、スキル、実績について具体的に記載します。職務経歴書は、特に指定が無ければパソコン入力で作成するのが普通です。

 

<資格>

資格は無いよりはあった方が良いのですが、余りに多いと資格マニアと勘違いされます。社会人の場合には、役立つ資格は1級に限定されるものも多いので、2級や3級の資格を並べるよりは、書かない方が有利となるでしょう。

資格をたくさん持っている場合には、求人の内容に適合した資格を選んで記入しましょう。

 

<志望動機>

最も重視されるのが志望動機です。会社が求めている人物であることをアピールするため、求人内容や業種・職種に合った内容にしましょう。ここが上手く書けない場合には、応募そのものを考え直す必要があるかもしれません。

 

<趣味、特技>

担当者が興味を引くような内容だったり、配属先に同じ趣味の人がいるなど、偶然有利になることはあります。

非常識でなければ、正直に書けば良いのですが、「特になし」ではなくて、「~に興味があります」など、何かしら書きましょう。

 

<本人希望欄>

特に希望する職種・勤務地等があれば記入します。

ここは無ければ「特になし」でかまいません。

 

<その他>

郵便番号が無記入だったり、電話番号の市外局番の区切りが古かったり、市町村名が間違っていたりすると、自宅にこもり勝ちの印象を与えます。

氏名や学校名の漢字が間違っていると、かなり印象が悪くなりますので、トメル、ハネル、ハラウなどきちんと確認して正しく書きましょう。パソコンの文字は不正確なこともありますから、漢字辞典などで確認しましょう。

 

<ここも社労士(社会保険労務士)の出番です>

社会保険労務士は、企業の採用をお手伝いすることが多いのですが、個人の方の求職をサポートすることもしています。

自己アピールに自信が無かったり、履歴書で迷うことがあれば、信頼できる社労士ご相談ください。

 

2016.12.06.

<常識的な考え方>

就業規則には職場のルールが定められ、従業員にある程度共通する労働条件の統一的内容が示されています。

ですから、これに従うのが当然であるというのが、企業と従業員の共通認識だと考えられます。

 

<就業規則は校則のようなもの?>

しかし、就業規則は使用者が一方的に作成するものです。

労働基準監督署長に就業規則を届け出る場合には、労働者の過半数で組織される労働組合または労働者の過半数を代表する者の「意見書」を添付します。

この「意見書」は労働者側の意見を示したものですが、使用者はこれに従う義務どころか応答する義務もありません。

作成の経緯としては、中学校や高校の生徒手帳に書いてある校則と同じようなものです。

契約であれば当事者の合意を根拠として、その内容に従う義務を負うのは当然ですが、就業規則は契約ではないのです。

 

<法令の規定は?>

次の2つの条件を満たしている場合には、労働者も使用者も就業規則の規定に従う義務があります。〔労働契約法7条〕

・合理的な労働条件を定めていること

・周知されていること

ですから、合理的ではない就業規則に労働者が従う義務は無いということになります。

しかし、「周知されていること」というのが、就業規則を見ようと思えば見られるかどうかで明らかなのに対して、「合理的」かどうかは簡単に判断がつきません。

 

<「合理的」の判断基準>

労働契約法は、裁判所が判断するにあたって形成してきた理論(判例法理)を立法化したものです。そして、2007年の成立後も数多くの裁判例があらわれています。

それでも、統一的な基準ができているわけではなく、一つひとつの具体的な事例に即して判断する形がとられています。

ですから、社会人としての一般常識から「合理的」かどうかを判断するのは困難です。多くの労働法と、さらに多くの裁判例を踏まえて、具体的な就業規則の規定の合理性を判断する必要があるのです。

 

<ここも社労士(社会保険労務士)の出番>

ある会社で就業規則の規定について、「合理性」の判断が分かれた場合、社内で解決することは困難です。

こうした場合には、専門家である社労士に判断を仰ぎ、わかりやすい説明を求めることで決着させるのが安心です。

もし、不合理な規定であったり、法令違反の規定であった場合には、会社の実情に照らしてふさわしい規定の提案も依頼できます。

こんなときは、ぜひ、信頼できる社労士(社会保険労務士)にご相談ください。

 

2016.12.05.

仕事と家庭の両立を図りながら、充実した職業生活を送れるように、妊娠・出産、育児、介護をサポートし、働く男性、女性とも仕事を継続できるような制度が設けられています。

 

<妊産婦の健康管理>

使用者は、6週間(双子や三つ子など多胎妊娠の場合は14週間)以内に出産予定の女性が休業を申請した場合または産後8週間を経過しない女性については、就業させてはなりません。

ただし、産後6週間経過した女性が請求した場合、医師が支障なしと認めた場合は就業できます。

その他、妊婦健診の時間を確保したり、女性労働者が医師等から指導を受けた場合は事業主がその措置を講じること、育児時間を取得できるなどの規定もあります。〔労働基準法6章の2〕

 

<育児休業>

労働者は原則として子どもが1歳(一定の場合は1歳6か月)になるまで、育児休業を取得することができます。

育児休業は、女性・男性どちらも取得できます。

事業主は要件を満たした労働者の育児休業の申出を拒むことはできません。〔育児・介護休業法2章〕

これは法律で認められていますので、就業規則に無くても拒めません。

なお、両親がともに育児休業を取得する場合には、子が1歳2か月に達するまでの間で1年間育児休業を取得することができます。

 

<介護休業>

労働者は、要介護状態にある家族を介護するために介護休業を取得することができます。

介護休業は、対象家族一人につき、最長で通算93日間取得することができます。

(平成28年12月31日までは、原則1回に限り93日まで取得可能です。平成29年1月1日以降は、対象家族一人につき通算93日まで3回を上限として分割取得が可能となります。)

事業主は、要件を満たした労働者の介護休業の申出を拒むことはできません。〔育児・介護休業法3章〕

 

<不利益取扱いの禁止>

結婚、妊娠、出産したことや産前産後休業、育児休業などの申し出をしたことまたは取得したことなどを理由として、解雇その他不利益取扱いをすることは、法律で禁止されています。〔男女雇用機会均等法9条、育児・介護休業法10条、16条、16条の4、16条の7、16条の9、18条の2、20条の2、23条の2〕

 

これらに反して休業できない、あるいは不利益な扱いを受けたり、退職を迫られるようなことがあれば、信頼できる社労士(社会保険労務士)にご相談ください。

 

22016.12.04.

<「ねんきん定期便」に基づく従業員からの申し出>

「ねんきん定期便」は個人の自宅に届きますから、「賞与の分が年金記録からもれている」という指摘が、従業員から会社に対して行われることがあります。

会社が設立以来初めて賞与を支給したような場合には、会社の担当者が、手続きを知らなかったこともありえます。

早く気づけば、すぐに年金事務所に書類を提出すれば良いのですが、賞与を支払ってから既に2年以上経過している場合には、時効期間の問題もあります。

 

<でも大丈夫>

会社から自主的に届出もれがあったことを申し出る場合には、「事業主からの自主的な申出にかかる申出者リスト」(賞与支払届提出もれ用)という書類が用意されています。

この書類を、事業所を管轄する年金事務所の窓口に持参して相談します。

この「申出者リスト」に基づき、届出もれとなっている従業員に、その従業員の住所地を管轄する年金事務所より「お知らせ文書」が郵送されます。

そして「お知らせ文書」を受け取った従業員は、年金事務所の窓口で記録を確認することになるのです。

 

<ここも社労士(社会保険労務士)の出番>

上記の「申出者リスト」については、日本年金機構のホームページからダウンロードできます。これに必要事項を記入して、所轄の年金事務所に持参すれば良いのです。

しかし、この手続きをするにあたって不安なことがあれば、信頼できる社労士にご相談ください。こうした手続きを代行することも社労士の業務の一つです。

 

2016.12.03.

※この記事の執筆後、労働時間の適正な把握のための使用者向けの新たなガイドラインが平成29年1月20日に作られました。

 

<基準の存在>

労働時間をどのような方法で把握すべきかについて、法令には規定がありません。しかし使用者には、労働時間を適正に把握するなど労働時間を適切に管理する責務があり、その責務を誠実に履行しなければなりません。

そのため、労働時間の把握については、厚生労働省から基準が示されています。これに反する自己流の把握方法であれば、労働基準監督署などによる行政の調査が入ったとき、指摘を受け改善が求められることになります。

 

<厚生労働省の示す基準>

労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関する基準(平成13年4月6日基発339通達)により明らかにされています。

その内容は、次のとおりです。

1.始業・終業時刻の確認及び記録使用者は、労働時間を適正に管理するため、労働者の労働日ごとの始業・終業時刻を確認し、これを記録すること。

2.始業・終業時刻の確認及び記録の原則的な方法

ア 使用者が、自ら現認することにより確認し、記録すること。

イ タイムカード、ICカード等の客観的な記録を基礎として確認し、記録すること。

3.自己申告制により始業・終業時刻の確認及び記録を行う場合の措置

上記2.の方法によることなく、自己申告制によりこれを行わざるを得ない場合、使用者は、次の措置を講ずること。

ア 自己申告制を導入する前に、その対象となる労働者に対して、労働時間の実態を正しく記録し、適正に自己申告を行うことなどについて十分な説明を行うこと。

イ 自己申告により把握した労働時間が実際の労働時間と合致しているか否かについて、必要に応じて実態調査を実施すること。

ウ 労働者の労働時間の適正な申告を阻害する目的で時間外労働時間数の上限を設定するなどの措置を講じないこと。また、時間外労働時間の削減のための社内通達や時間外労働手当の定額払等労働時間に係る事業場の措置が、労働者の労働時間の適正な申告を阻害する要因となっていないかについて確認するとともに、当該要因となっている場合においては、改善のための措置を講ずること。

 

<ここも社労士(社会保険労務士)の出番>

労働時間の把握方法については、会社によって大きな違いが見られます。どのような方法であれ、通達の基準を満たしていれば大丈夫です。

しかし、注意しなければならないのは、通達に示されているように、会社は労働時間を管理される労働者に対して説明と教育を行う義務があること、運用の現状について定期的に確認し改善しなければならないことです。

よくあるパターンは、会社がルールだけ決めて、あとは労働者にお任せしてしまい、退職者からサービス残業や長時間労働を指摘されて、対応に追われるというものです。

顧問の社労士がいれば、日常業務に埋もれてしまいがちな労働時間の把握についても、常に目を光らせ定期的な確認と従業員教育を行うことで、トラブルの発生を未然に防止できます。

ぜひ、信頼できる社労士にご相談ください。

 

2016.12.02.

<派遣元と派遣先に求められる配慮>

派遣元は、派遣労働者に対して、計画的に教育訓練やキャリア・コンサルティングなどのキャリアアップのための措置を実施することが求められています。また、派遣先の社員との均衡がとれた待遇になるよう配慮しなければなりません。

派遣先も、派遣元への情報提供などの協力をするほか、派遣労働者に必要な教育訓練や福利厚生設備の利用などについて、できるだけ配慮するよう求められています。

 

<安定した雇用継続のための措置>

派遣労働では、期間を定めて派遣元に雇用されているときは、その期間が終了することで雇用は終了します。

しかし派遣元は、1年以上の派遣が見込まれるときには、その派遣労働者について、できるだけ、次のような措置を実施することが求められています。

・派遣先に直接雇用を依頼する

・新しい派遣先を提供する

・派遣元が無期契約で雇用する

・安定した雇用の継続を図るために必要な措置

また3年間の派遣が見込まれるときには、これらを必ず実施しなければなりません。

 

<直接雇用への転換>

派遣先も、1年以上派遣を受けた後、その業務のために人を雇おうとするときは、現に派遣されている社員が希望したときに、できるだけその人を雇うよう努力するほか、1年以上派遣労働者として受け入れている人に対して、自社の新規採用情報を提供することが求められています。

さらに、派遣先が、法律の定める届出や受入の上限などに違反していることを知りながら労働者派遣を受け入れていたときは、その派遣労働者が希望すれば、直接雇用された扱いとなることもあります。

これらは必ず正社員となることを保障するものではありませんが、法律は、できるだけ均衡のとれた処遇にすることを求めています。

 

2016.12.01.