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<不満分子に見えますが>

問題社員なら、就業規則の抜け道や不合理な部分を見つけても、これを会社に言わないでしょう。むしろ悪用するチャンスをうかがうハズです。

就業規則を批判する社員は、会社の成長を願う真面目な社員だと受け取った方が良いでしょう。

 

<批判の対象>

就業規則には、労働法の概要、労働契約の共通部分、社内ルールの3つが含まれます。ですから批判も、労働法に対する批判、労働契約に対する批判、社内ルールに対する批判に分類できます。

 

<労働法に対する批判>

法律を作るのは国会です。ですから、会社に対する批判とはなりません。

ただ、こうした批判が出るということは、社員教育が不十分かもしれません。会社は労働基準法について、周知義務を負っています。〔労働基準法1061項〕

少なくとも、労働法の内容は会社の方針で決めたものではなく、批判されても対応できないということは理解してもらいましょう。

 

<労働契約に対する批判>

この部分で批判が出るということは、労働契約の内容に法令違反があるかもしれません。批判の内容を良く聴いて、就業規則に法令違反が無いか専門家にチェックさせることをお勧めします。労働法は、しばしば改正されていますから、労働契約の内容がいつの間にか違法になっていることもあるのです。

 

<社内ルールに対する批判>

もし、規定されている通りに実践されていないという批判なら、頼もしいことです。その批判をした社員を含めたメンバーで、実践を推進すべきでしょう。

そうではなくて、規定の中身が悪いという批判であれば、これは経営者の考えが強く反映されている部分に対する批判ですから少し警戒したいところです。

一番多いのは、時代遅れであるとの指摘でしょう。しかし、古くても良いことはたくさんあり、新しくてもダメなこともあります。ライバル会社を中心に業界全体の動向を把握し、また他業界や世界の動きも見据えて、在るべき姿を再考するチャンスです。

 

<ここも社労士(社会保険労務士)の出番>

法的観点や業界動向を踏まえて、就業規則の適法性、妥当性を確認するのも、労働法の基本についてレクチャーするのも、社労士の得意分野です。社内でまかない切れない部分については、ぜひ、信頼できる社労士にご相談ください

 

2017.03.24.解決社労士

<就業規則変更の手順>

就業規則変更の正しい手順は、

1.法改正や社内ルールなどの変更により就業規則変更の必要が発生

2.担当部署や社労士(社会保険労務士)が変更案を作成

3.社内での決裁

4.従業員への周知

5.労働者の意見書作成

6.労働基準監督署への変更届提出

という順番になります。

5.の意見書には、労働組合や労働者の過半数を代表する者の、就業規則変更についての意見を記入します。変更後の就業規則が社内に周知され、多くの労働者の反応を把握してから意見書を書くようにしなければ、労働者を代表する立場で書くのは難しいでしょう。ですから、上記の順番が正しいわけです。

 

<手順がおかしいと>

ところが実際には、5.意見書 → 6.届出 → 4.周知 の順番になってしまうことも多いようです。就業規則が効力を発生するのは、従業員への周知の時なのですが、労働基準監督署への届出の時だという勘違いがあるのでしょう。

社内の一部の人や社労士が就業規則の変更案を作り、これが従業員一般に公開されないまま決定されて労働基準監督署に届出が行われるというのは良くないです。「就業規則が変わりました。労働基準監督署にも届出済です。守ってください」では、唐突すぎて会社に対する不信感が生まれてしまいます。

たとえ従業員に有利な変更だったとしても、だまし討ちのように思われてしまいます。やはり、正しい手順で行うことは大切です。

 

<一歩進んで>

就業規則の変更案を作る段階で、その変更により最も影響を受ける従業員から意見を聴き、それを参考にしたらどうでしょうか。

意見の内容はバラバラでしょうから、すべての意見を聞き入れることはできません。それどころか会社の都合で、変更案に意見が全く反映されないこともあるでしょう。それでも、一応、意見を聴いておけば、思わぬ勘違いを防げますし、より良い変更案のヒントが得られるかもしれません。なにより、会社が従業員の意見を聴いたうえで、就業規則の変更を進めるというのは、民主的で良いことです。

このように、一手間加えることで、会社の態度を示すことができますし、従業員の皆さんも就業規則に関心を持ち、守ろうとする気持が高まることでしょう。

 

<ここも社労士(社会保険労務士)の出番>

就業規則が従業員に理解され守られるようにするのは、手間がかかることです。勤務先の店内でふざけた写真を撮りネットに掲示することが、就業規則の中の「会社の信用を傷付け・・・」にあたるとは思わない若者が多いのです。

新人が入ってきたら、就業規則について基本的なことは説明しなければなりません。初めて役職者になった従業員に対しては、一段高いレベルの教育も必要です。理想を言えば、毎年のように定期的な説明会を開きたいところです。

もし、社内でまかない切れない部分があれば、ぜひ、信頼できる社労士にご相談ください。

 

2017.03.23.解決社労士

<朝礼の時間の賃金支払義務>

朝礼は、業務上必要な連絡事項の伝達、心身の異常の有無の確認、勤務に就く態勢を整えさせるなどのために行われています。

業務に密接に関わる内容を含みますので、通常は出勤者全員の参加が義務付けられています。

確立した判例理論によると、労働時間の定義は「何らかの形で使用者の指揮命令下に置かれているものと評価される時間」です。通常の場合、朝礼はこの定義に当てはまりますので、賃金支払の対象となります。

例外的に、その朝礼が自由参加であって、参加しなくても評価の低下などの不利益が全く無いのなら、労働時間の定義に当てはまりませんから賃金の支払いは不要です。

 

<掃除当番の時間の賃金支払義務>

掃除当番は、会社が通常の業務にプラスアルファで行わせているのが一般的な形です。これは、上記の労働時間の定義に当てはまりますので、賃金支払の対象となります。

例外的に、従業員同志が話し合って、自主的に当番を決めてボランティアで行っている場合には、労働時間の定義に当てはまりませんから賃金の支払いは不要です。

たとえば、長年にわたり社長が毎朝早く出社してトイレ掃除をしていたとします。あるとき、一人の社員の提案で、社長に代わり自分たちで掃除することになって、掃除当番が始まったとします。これが、社長に対する尊敬の念とボランティア精神から始まったことであれば、賃金の支払いは不要なのです。

 

<ここも社労士(社会保険労務士)の出番>

「昔から朝礼や掃除当番の時間については無給です」というのは、その時間の賃金を支払わなくて良い理由にはなりません。

長く続いているルールが、労働法違反の慣行に過ぎないということもあるのです。

社内で行われている何となくのルールに疑問を感じたら、信頼できる社労士にご相談ください。

 

2017.03.22.解決社労士

<生理休暇取得の権利>

「使用者は、生理日の就業が著しく困難な女性が休暇を請求したときは、その者を生理日に就業させてはならない」と規定され、これに違反すると30万円以下の罰金という罰則もあります。〔労働基準法68条、120条1号〕

つまり、生理日の就業が著しく困難な女性が休暇を取るのは権利であり、使用者に当たる人がこれを妨げるような発言をすれば、それは違法であるということになります。

ここで「使用者」には、個人事業なら事業主、会社なら会社そのもの、代表者、取締役、理事、人事部長、労務課長などが含まれます。〔労働基準法10条〕

 

<パワハラにあたる場合>

パワハラは、力関係に基づく嫌がらせです。

年齢、経験年数、能力、地位、権限、人気などのパワーを持った人が、自分から見てある側面で「劣る」と思える相手に対して、主に指導の名目で嫌がらせをします。

多少不快感や損害を与えたとしても、指導に伴うものはある程度仕方がないという勘違いがあります。

しかし、生理日の就業が著しく困難な従業員が生理休暇を取得した時に、「仕事を優先しろ」「使えない」などの発言をすることは、明らかにパワハラです。

 

<セクハラにもあたる場合>

セクハラは、性的なことについての嫌がらせです。

職場に限らず、性的なことに対する興味が特に強い人がいます。こうした人が、「いたずら」「からかい」のつもりで「嫌がらせ」をするとセクハラになるのですが、本人は道徳に反しないと思っているので、反省することなく繰り返します。

「生理の周期がおかしい」「今月は無いのか」「その歳で?」という発言はセクハラになります。

 

<ここも社労士(社会保険労務士)の出番>

生理休暇など労働者の権利についての知識習得は従業員任せにはできません。会社が教育研修を実施する義務を負っています。

また、パワハラ、セクハラ、マタハラについては教育だけでなく、就業規則などにその定義を明らかにし、懲戒処分の対象とすることも必要です。

これらのことは、ぜひ、信頼できる社労士にご相談ください。

 

2017.03.21.解決社労士

<社労士の業務>

社労士は採用から退職までのヒトに関するエキスパートです。「採用後から」ではなくて、「採用から」なので、社労士の業務には採用活動の代行も含まれます。

 

<社長による採用活動>

大切なことは、求人広告会社や人材紹介会社に頼りすぎないことです。必要な人材が一発で採用できたら、売上は上がりません。本音では、いつまでも採用が決まらず、繰り返し利用してもらえたらラッキーなのです。社長自身が媒体への掲載について、あれこれ工夫しなければなりません。

この点、ハローワークの求人票を利用すれば、営業トークに振り回されません。ただ、個性的な提案は期待できませんから、やはり自分で考える必要があります。

 

<総務・人事担当者による採用活動>

社内に担当者を指定して採用活動を行わせれば社長は楽です。しかし、必要な人材が一発で採用できたら、その担当者の評価は上がりません。何度も求人広告を出して、多くの応募者の中から究極の選択をした方が、努力し苦労しているように見えます。

こうした理由で無駄な経費、時間、労力、精神力、人件費を発生させないためには、採用担当者の業務目標を設定し適正な評価をする必要があります。しかし、人事考課制度が確立していない会社では、難しい部分もあるでしょう。

 

<社労士による採用活動>

社労士は、お客様である会社のご要望により、例示した次のうちの1つだけでも、すべてでも行うことができます。

・会社の魅力、働くメリットなどを取材します。社内の人たちにとって当たり前になってしまっているポイントを上手く抽出します。

・どんな人材を求めるか、人材要件を確認します。決まっていない要素については、社内の関係者との打合せで確定します。

・職場の魅力と求める人物像がよくわかる求人広告を作成します。

・最適な求人媒体を選定しご提案します。

・媒体の営業担当者と折衝し、効率的・効果的なサービスを選定します。

・ハローワークについて利用登録や求人票の作成・提出を代行します。

・採用面接を代行し結果レポートを作成します。

 

<社労士に任せるメリット>

人手不足だから募集をかけるのに、採用活動に人手を取られるという矛盾が解消されます。

また、社労士の業務は採用したら終わりではなく、採用対象者の保険手続きや本人への説明、雇い入れ時健康診断の実施関連、教育・研修などもニーズに応じて行います。短期間での効率的な採用は、社労士の腕の見せ所ですから、採用活動を長引かせません。そんなことをしていては、仕事が回って来なくなります。

そして、何よりのメリットは適法性の確保です。求人広告の内容についても、面接での発言についても、その効果を保ちつつ違法とはならないようにしています。

採用活動や人事考課制度は、ぜひ、信頼できる社労士にご相談ください。

 

2017.03.20.解決社労士

<就業規則の3つの柱>

就業規則には、次の3つの柱があります。

・職場のルール

・労働契約の共通部分

・法令に定められた労働者の権利・義務

 

<職場のルール>

会社と労働者が職場で守るべきルールです。

ここには経営者の想いが反映されます。「明るく元気に自分から挨拶」「会議では積極的に発言」「書類は探すことがないように整理整頓」など、違法なことを除き自由に規定できます。会社として、従業員にどのように働いて欲しいのか、存分に規定しておくべきです。

当然のことですが、就業規則のひな形に、それぞれの経営者の想いは反映されていません。社労士は、経営者の方から普段考えていることや心情をうかがって、それを就業規則にふさわしく解かりやすい表現にまとめていきます。もちろん違法性が疑われる表現は排除します。

 

<労働契約の共通部分>

会社ごとに見ると、正社員は正社員の、パートはパートの共通部分があります。この共通部分は会社ごと、職場ごとに異なります。文書化されているものも、口頭で認識されているものもあります。

社労士は、労働契約の内容を法的観点から分析し、共通部分を抽出して、就業規則の規定にまとめます。

労働契約の内容や慣行が法令違反の場合もあります。必要な手続きが行われていないために違法な場合には、社労士が手続きを指導しあるいは代行します。実質的に違法な部分については、社労士が改善のお手伝いをします。

 

<法令に定められた労働者の権利・義務>

会社は労働者に対して、法令に定められた労働者の権利や義務さらには各種制度について、重要なものを周知する義務を負っています。

これを個別に説明していたのでは手間がかかりますから、就業規則の内容に盛り込んで、就業規則の周知として行っています。

法令はしばしば改正されていますから、子の看護休暇などのように、法定されていて会社に義務づけられていても、あまり知られていないものもあります。

社労士は、これらの内容をわかりやすく就業規則にまとめます。年次有給休暇の制度や産休のしくみなど、必要に応じて説明会を開催することも可能です。

 

<社労士(社会保険労務士)に就業規則の作成を依頼する意味>

ただ形ばかり規定を備えるのであれば、ネットで検索したひな形に少し手を加えればできそうです。

それなのに社労士に報酬を支払ってまで就業規則の作成を依頼するのは、次のような効果が期待されるからです。

・問題社員から会社と真面目に働く従業員を守る。

・就業規則を通じて経営者の想いを従業員に伝える。

・会社で運用されるルールのうち問題のあるものを改善できる。

・法改正や労働市場動向に適合した内容にできる。

つまり、就業規則の作成を通じて、実は会社の強化と成長促進ができるわけです。

 

2017.03.19.解決社労士

<正当防衛が成立すれば>

刑法に正当防衛の規定があります。「急迫不正の侵害に対して、自己又は他人の権利を防衛するため、やむを得ずにした行為は、罰しない」〔刑法361項〕

ですから、部下の反発が「突然、本気で首を絞めてきた」ということでしたら、首を絞められている最中に、部下を殴っても正当防衛になります。

公法である刑法が認めている行為を、パワハラ扱いすることはできないでしょう。

 

<過剰防衛ならば>

刑法には、正当防衛にはならないものの、行き過ぎた防衛行為の場合には、過剰防衛と認定され、刑が軽くなりあるいは免除される場合があるという規定があります。「防衛の程度を超えた行為は、情状により、その刑を減軽し、又は免除することができる」〔刑法362項〕

ですから、部下の反発が「突然、胸ぐらをつかんできた」ということでしたら、その瞬間に部下を殴っても過剰防衛となる可能性があります

そうだとしても、殴る行為それ自体はパワハラです。

 

<どちらでもない場合>

部下がただ反論してきたに過ぎないのに、つまり暴言を吐いたに過ぎないのに、殴ってしまったなら、正当防衛どころか過剰防衛にもなりません。暴行罪が成立しますし、ケガをさせてしまったら傷害罪の成立の他、治療費や慰謝料の賠償が問題になります。〔刑法208条、204条、民法709条〕

この場合には、パワハラを通り越して明らかに犯罪です。

 

<反発の原因も問題>

「反発」の原因がパワハラであれば、たとえ殴ったのが正当防衛になっても、パワハラは正当化されません。加害者と被害者が入れ替わっても、悪いことを帳消しにはできません。

たとえば、コンビニのA店とB店が並んでいて、A店の店長がB店で万引きしたとします。さらに、これを知ったB店の店長がA店で万引きしても、お互い様にはなりません。両方の店長に窃盗罪が成立します。〔刑法235条〕

殴った行為がどのように評価されようとも、部下の反発前に行われたパワハラは正当化されません。

 

<ここも社労士(社会保険労務士)の出番>

パワハラ被害の申し出は増加しています。そして、パワハラ予防や発生時の対応は簡単ではありません。ぜひ、信頼できる社労士にご相談ください。

 

2017.03.18.解決社労士

<就業規則による時給の引き下げ>

労働者と使用者が労働契約を締結する場合に、使用者が合理的な労働条件が定められている就業規則を労働者に周知させていた場合には、労働契約の内容は、その就業規則で定める労働条件によるものとなります。〔労働契約法7条本文〕

では、就業規則に「従業員が社会保険の被保険者資格を取得したときは、取得日の属する月の翌月支給分の給与より、基本給を2割減額するものとする」などという規定があったら、これを根拠に時給を下げることができるでしょうか。

もちろん、できません。

なぜなら、「合理的な労働条件が定められている就業規則」とは言えないからです。この「合理的」というのは、使用者が都合良く解釈した合理性ではなく、客観的な合理性が基準になります。使用者側は、次のような解釈をするかも知れません。

・従業員の勤務時間が増えて、社会保険の加入基準に達すると、使用者は加入させる義務を負う。これは法定の義務である。

・厚生年金保険料と健康保険料は、使用者が半分負担するので、時給を下げないと使用者の負担が増えてしまう。

・従業員は勤務時間が増えているので、時給を下げても、総支給額はあまり変わらない。

しかし、客観的な立場で考えると、使用者が従業員を社会保険に加入させる義務を負う場合には、保険料の半分を負担するのも義務なので、負担が増えるのは当然です。この負担を、従業員に押し付けるのは、社会保険料を折半する制度の趣旨から考えて不合理です。

また時間給の場合には、勤務時間が増えれば、それに比例する形で給与の総支給額が増えます。それなのに、あまり変わらないというのは不合理です。

 

<合意による時給の引き下げ>

労働者と使用者が合意により、労働契約の内容である労働条件を変更することはできます。〔労働契約法8条〕

ただ、労働者は立場が弱いですから、労働者が精神的な圧迫を受けずに、自由な意思により同意したのでなければ、合意があったとは認められません。

「時給を引き下げることに異議なく同意します」という同意書や、下げた後の時給を基準に作った労働契約書に従業員が署名してあったとしても、それだけで合意があったことは証明できません。法廷などでは、労働者がダマされたのではないか、署名しないとクビになると思ったのではないかということが疑われるからです。

ましてや、社会保険に加入するとともに、時給引き下げに同意するというのは、自由な意思によるものではないと疑われるでしょう。

 

<自由な意思による同意があったことの証拠>

パート社員から店長に直筆の「お願い」が出され、そこに「私は長年このお店で働いてきました。今では、このお店で働くのが生きがいです。もっと長時間働きたいです。でも、その分人件費が増えるのでは申し訳ないと思います。ですから、時給を2割下げて、毎週もう1日シフトに入れていただけないでしょうか」と書いてあって、その人なりの「計算書」も添付されていたとします。

これを受けて、会社の会議で検討され、勤務日数の増加と時給の5%引き下げが決議され、その議事録も作成・保管されているとします。

この状況で、時給を5%下げた労働契約書が交わされたなら、「自由な意思による同意」の存在は証明できるのではないでしょうか。

しかし、実際にこのような「お願い」をもらった店長は、会社に対して、このパート社員の臨時昇給を提案するかもしれないですね。

 

2017.03.17.解決社労士

<多い手続きは>

医療機関での治療費を無料にする手続きと、3日を超えて休業したときの収入補償の手続きがほとんどです。

実際には、医療機関で治療費の一部を「保証金」などの名目で立て替えておいて、保証金の預かり証と労災保険の書類を提出すると、返金してもらえるという仕組みになっています。

もっとも、労災指定の医療機関でなければ、すべて口座振り込みですが。

 

<社労士が行うと給付が早い>

被災者は、一日も早くお金が入ってくることを期待しています。

ところが、労災保険の書類を書くようなことは、社内でめったに起こりません。むしろ、事務処理の担当者が書き慣れてしまうほど労災事故が多発していたら、その方が大きな問題です。

社労士は、いろいろな会社の事案で書類を書き慣れていますから、被災が業務に起因することなどポイントとなる説明を要領よく記入します。慣れていないと、所轄の労働基準監督署で手続きが止まってしまい、会社に説明を求める電話がかかってきたりします。こうしたことにより、被災者が給付を受けるのが遅れるのは残念なことです。

社労士が書類を作成・提出すると給付がスムーズなために、「社労士って会社に有利になるように書いているのですか?」と聞かれます。しかし、労働基準監督署や労働局のご担当の方に、良くわかるように心がけて書いているだけで、ウソを書いているわけではありません。そんなことをしたら一種の保険金詐欺になってしまいます。

 

<副次的な効果も>

社労士が手続きを行う場合には、目の前の手続きだけで終わりません。

まず、被災者が医療機関や薬局で、健康保険証を使っていないか確認します。使っていれば、医療機関などに電話で説明し、労災保険の適用に切りかえてもらいます。

また、同じ労災事故であっても、業務災害であれば事業主は休業の最初の3日間について賃金の補償が必要ですから、その補償額の計算をすることもできます。通勤災害の場合には、就業規則などに特別な規定がない限り、この補償が必要ないですから、念のためその確認もします。

そして、労災の再発防止策も具体的にご提案します。多くの場合には、教育不足が原因となっているのですが、「本人の不注意だから」で済まされ、労災が再発してしまうのは残念です。

さらに、今後のことを考えて、労災手続きをスムーズにするための「労災発生報告書」もご提案できます。

このように、社労士というのは、単なる手続き屋ではないのです。

 

2017.03.16.解決社労士

<ひとたび労働紛争になれば>

退職者の代理人弁護士から、会社あてに内容証明郵便が届いて、アッと驚くことがあります。「円満退職だと思っていたのになぜ?」「本人が悪いのになぜ?」と頭の中はクエスチョンマークだらけになってしまいます。

労働審判や訴訟となれば、弁護士を代理人に立てて対応するのが当たり前です。弁護士の先生は、会社が責任を負わないように、また、たとえ賠償金を支払うことになっても少額で済むように力を尽くしてくれます。

また、訴訟などで解決した後になって、その退職者がウジウジとネットへの書き込みなどで反発してくるようであれば、今度は会社から退職者を相手取って訴えを起こすこともできます。

この点社労士は、訴訟の場合に弁護士である訴訟代理人とともに、補佐人として法廷に出頭し陳述できるだけです。〔社会保険労務士法2条の2〕

社労士が当事者の代理人となれるのは、個々の労働者と事業主との間のトラブルについて労働局の斡旋(あっせん)などが行われる場合に限られています。しかもこれは、社労士すべてができるわけではなく、特定社労士に限られています。

 

<労働紛争になる前に>

たとえ社員が会社に不満を感じても、会社の中で解決できれば、社員も会社も負担が少なくて済みます。金銭的なことはもちろん、時間も労力も精神力の負担も少ないうちに解決できた方が良いのは分かっていることです。

しかし、そうならないのは、社員が上司に相談したがダメだった、あるいは、それ以前に会社には話の分かる人がいないと感じてしまうからでしょう。

もし、顧問の社労士がいて、相談窓口になっていれば、法令の定めや判例の動向などを踏まえ客観的な説明が可能です。勘違いが原因で退職し、労働基準監督署や弁護士に相談する事例が多いのは悲しい事実です。

平成27年4月のパートタイム労働法の改正によって、パート社員については、相談窓口を設置し労働条件通知書などに記載することが義務付けられていますが、こうした窓口の設置と告知は、正社員しかいない会社であっても必要でしょう。

顧問の社労士であれば、相談窓口となるだけではなく、会社の職場ごとの実情に応じたトラブル予防策を提案し推進します。

会社が責任を負わないようにする、徹底的に争うというのも一つの考えです。しかし、人には感情があります。社員と会社との信頼関係が保たれ、気持ちよく働ける会社を目指したいものです。

 

2017.03.15.解決社労士

<社労士利用のメリット>

求人・採用から退職後まで、企業の中の人にかかわることは、お客様のご要望に応じスポットでも顧問でも承ります。

急な欠員や緊急事態に対応してスポットで、人材不足や人件費不足で専任者を置けないときには顧問としてご活用ください。

次に一部の例を示しますが、一般に思われているよりも幅広い業務で、企業をサポートしています。

 

<担当者業務>

求人票・求人広告の手配。入社・退職時の社会保険・雇用保険手続き。社会保険の算定基礎届・月額変更届・賞与支払い届。労災発生時の手続き。産休、育休、介護休、私傷病休業、労災休業の手続き。労働基準監督署への是正報告書などの提出。定期健康診断の手配・管理、個人別結果票の保管、実施報告書の提出。就業規則(変更)届。三六協定書など労使協定書の提出。給与計算業務。パート契約更新管理。助成金の申請。

 

<課長職業務>

効果的な求人票・求人広告の立案。労災発生時の被災者面談、再発防止策の立案。担当者業務改善提案。三大帳簿の調製・ファイリング。法改正に伴う就業規則変更の立案。人事異動に伴う引き継ぎ等管理。助成金申請の前提となる施策の推進。

 

<部長職業務>

採用面接等採用選考。退職時・定年後再雇用時の面談。労働基準監督署の是正勧告など行政指導への対応。人事関連書類・データの保管管理。給与体系・人事制度変更・これに伴う就業規則変更の立案。賞与・退職金制度の運用・制度変更の立案。懲戒処分・表彰の立案と運用。労働紛争の予防。ハラスメント相談対応。問題社員への対応。

 

<役員業務>

会社設立時の社会保険・労働保険・雇用保険手続き。労働基準監督署・年金事務所・会計検査院などの調査立会。社内ルール順守の管理。組織変更・人員配置の立案。労働紛争(斡旋・調停・労働審判・訴訟)への対応。

 

<社外専門職業務>

就業規則作成。新人・2年目・3年目研修。課長・部長・役員研修。ビジネスマナー研修。セクハラ・パワハラ研修。各種相談窓口の受託。

 

2017.03.14.解決社労士

<残業代を減らすための選択肢>

残業代をカットするのは違法ですし、6か月以下の懲役または30万円以下の罰金という罰則もあります。〔労働基準法37条、119条〕

しかし、残業を全面的に禁止したのでは、仕事が回らなくなってしまいます。

そこで、ある程度まで残業を制限するという対策が取られます。人件費が予算の範囲内に収まるよう、うまく調整するわけです。これは役職者任せにするとうまくいきません。取締役と管理監督者が働き放題となり、すぐに否定されることになります。

結局、本当に必要な残業だけを認めようということになります。

 

<残業代の多い社員>

残業代の多い社員には、大きく分けて3つのパターンがあります。自己都合で残業する社員と、会社都合で残業する社員、そして能力不足の社員です。

 

<自己都合で残業する社員への対策>

自己都合というのは、生活のために多額の残業代を必要とする、家に居場所が無いなどの個人的な理由で残業するパターンです。本来の勤務時間帯には、おしゃべりをしたり席を外したりダラダラと過ごし、残業の時間帯には頑張っている姿が見られます。

上司が指導し、本来の勤務時間帯に職務に集中するようにさせること、プライバシーの侵害にならないよう気を付けながら、個人的な悩みについて相談に乗ることが対策となります。

 

<会社都合で残業する社員への対策>

会社都合というのは、仕事ができる優秀な社員なので仕事が集まってしまい、やむを得ず残業するパターンです。こういう社員は、始業時間前から残業時間帯までテキパキと仕事をこなしています。

上司が役割分担を見直すこと、代わりにできる人を育てることが対策となります。仕事ができる社員は、仕事を抱え込み他の社員に関与させたがらないことも多いのですが、マニュアルを作らせ他の社員に引き継がせることが必要となります。

 

<能力不足の社員への対策>

能力不足というと、何もできないように思われがちですが、ここでは担当業務が上手にできないことを言うものとします。

こうした能力不足の半分以上は、会社の教育不足によるものでしょう。

たとえば、事務仕事でエクセルを使う場合、コピーして貼り付ける操作でも、マウスの左クリックだけを使う方法、マウスの左右両方のクリックを使う方法、マウスは使わずにキーボードで行う方法、そしてこれらを組み合わせた方法があります。どのような操作が効率的であるかは、作業によって異なります。ところが、本人任せにしておくと1つの方法しか覚えません。これでは生産性が上がりません。

能力不足の社員は、頑張っているのですが、他の社員と同じ仕事を与えられても残業が発生してしまいます。スピード感が無いですし、やり直しが多いのも特徴です。しかし、上司の指導によって改善が期待できます。

 

<どのパターンかわからない場合には>

他部署に異動させてみると、どのパターンかが良くわかります。

自己都合の残業なら、異動の前後で残業時間が変化しません。仕事内容とは関係なく残業しているからです。

会社都合の残業なら、異動直後に残業が減り、その後徐々に増えていきます。異動先でも周囲での評価が高まり、任される仕事量が増えるからです。

能力不足の残業なら、異動直後の残業が多く、その後徐々に減っていきます。異動先の仕事を覚えれば、少しずつ効率が上がるからです。

 

<ここも社労士(社会保険労務士)の出番>

いつの間にか残業代込みの給与になってしまっているのであれば、正式に定額残業代のしくみを定めて適正に運用したいところです。

また、残業代だけでなく、能力や貢献度に応じた給与にするためには、人事考課制度が必要です。

どちらも、社労士の得意分野ですから、ぜひ、信頼できる社労士にご相談ください。

 

2017.03.13.解決社労士

<制限の根拠1

ダブルワークを制限する根拠として、労働契約の存在があります。

労働者は使用者との間に労働契約を交わしていますから、労務提供の義務を負っています。しかも、疲れてため息をつきながらの勤務では不完全です。使用者は労働者に対して、健康状態を保ちながらの勤務を求めることができます。

この根拠からすると、他の会社の非常勤取締役としてのわずかな活動や、休日に軽易な労働をしている場合には、こうした兼業を制限できないことになります。

反対に、出勤日に深夜トラックの運転や、深夜2時までバーでアルバイトするなどは、負担が大き過ぎますから制限することに合理性が認められます。

 

<制限の根拠2

もう一つの根拠として、労働者の職業選択の自由と会社の事業活動の自由との調整があります。

誰にも、公共の福祉に反しない限り、職業選択の自由があります。つまり、どのような仕事をするかは基本的に自由です。〔日本国憲法221項〕

一方で、会社にも営業の自由があって、その根拠も職業選択の自由にあります。

そして、両方の自由を調整する原理として「公共の福祉」があるのです。どちらか片方の自由が優先されてはならず、お互いにバランス良く制限し合うということです。

このことからすると、ライバル会社で副業をすることや、お客様から信頼を求められる社員が性風俗産業でアルバイトをするなどは制限されます。ましてや違法な副業をすることは許されません。

 

<就業規則の効力>

たとえダブルワークを一切禁止する定めが就業規則にあったとしても、具体的な副業が本業の妨げにならず、本業の会社に不利益を与えないのならば、それは禁止することができません。禁止の合理的な根拠が無いからです。

 

<ここも社労士(社会保険労務士)の出番>

就業規則に定めても無効なことや、有効性が制限されることもあります。もちろん定め方次第ということもあります。

会社を守るためにも、一度、信頼できる社労士に就業規則をチェックさせてはいかがでしょうか。

 

2017.03.12.解決社労士

<使用者の義務として>

労働時間の適正な把握は使用者の義務です。現在では、過重労働による労災の発生や長時間労働の問題がマスコミでも大きく取り上げられ、この義務が再認識されています。

 

<残業要否の判断>

こうした中でも、労働者の希望や申請により残業が認められている会社が多いというのは不思議な現象です。

そもそも、残業というのは使用者の命令によって行われるものです。ですから、残業の要否を判断するのは、労働者ではなく使用者です。

そうでなければ、労働者の自由な判断で残業できることになり、好きなだけ残業代を稼げるということになってしまいます。これでは会社が人件費をコントロールできません。

 

<残業命令のあり方>

だとしても、使用者がその都度、具体的な残業命令を出すことにしていたのでは大変です。

まず、包括的な残業命令を使用者から労働者に一覧表の形で示しておきましょう。たとえば、小売店や飲食店であれば「その場でのクレーム対応が必要な時」「レジで違算が発生し再確認が必要な時」「店内にお客様が残っていて接客が必要な時」というように条件の形で示します。

そして、この一覧表に無いような突発的な理由で、残業の必要性が問題となったときには、労働者から使用者に残業命令を打診するのです。たとえば、地震によって商品や食器が店内に散乱して、ある程度まで片付けておく必要性が感じられる時などです。

使用者側が、ここまで残業の管理をしておけば、労働者の勝手な判断で残業しても、これに対する賃金の支払い義務は無いと主張しうることになります。

 

<やってはいけないこと>

残業命令をうやむやにして、労働者の残業管理を怠っておきながら、残業代をカットしてしまうのは、違法なサービス残業となってしまいます。

ダラダラ残業も、持ち帰り残業も、知っていて放置すると、使用者側が許したものと評価されてしまいます。これらにも残業代を支払わなければなりません。

 

<ここも社労士(社会保険労務士)の出番>

残業そのものを減らすにも、残業代の支払いを減らすにも、合法的で適正な方法を検討するのであれば、ぜひ、信頼できる社労士にご相談ください。

 

2017.03.11.解決社労士

<解決法>

能力を理由に給与を引き下げることは、個人的な不利益変更ですから、労働協約や就業規則の変更ではなく、会社と労働者との合意の形で行うことになります。〔労働契約法8条〕

この場合に、「賃金減額に合意しなければ解雇します」などの強迫をしてしまうと、労働者から賃金減額に対する合意が取り消されることもあります。〔民法96条1項〕

ですから会社としては、強く迫るのではなく丁寧な説明をする必要があります。

 

<予防法>

とはいえ、「能力が期待外れなので賃金を減額します」と言われて、素直に納得する人は少ないでしょう。

こうしたことが起こらないようにするには、採用に至る前の段階で、求人広告に詳細な人材要件を明示すること、面接など採用選考で能力を見極めることが必要です。

また採用決定後も、試用期間を設けて、雇い入れ通知書に会社の期待する能力を詳細に記述し、業務に必要な能力が欠けている場合には本採用しないことを明らかにしておきたいところです。

 

<本当に必要な人材か>

そもそも、期待した能力を発揮しない労働者を、社員として雇用しておくことは必要なのでしょうか。

人手不足だから、せっかく採用したのだから、かわいそうだからといった理由で、労働条件を引き下げて雇い続けることは、会社にとっても計画の挫折ですし、本人も意欲的に勤務できないでしょう。

会社としては、別の人材獲得を考えるのが得策ではないでしょうか。

 

<ここも社労士(社会保険労務士)の出番>

必要な人材の確保に必要な求人、採用選考、試用期間制度の運用は、ぜひ信頼できる社労士にお任せください。

 

2017.03.10.解決社労士

<パワハラとは>

職場のパワーハラスメントとは、同じ職場で働く者に対して、職務上の地位や人間関係など職場内での優位性を背景に、業務の適正な範囲を超えて、精神的・身体的苦痛を与え、または職場環境を悪化させる行為をいいます。

パワーを背景とした嫌がらせがパワハラであり、これによって被害を受けた人は、行為者と会社に対して民法などを根拠に損害賠償などを求めることができ、社長以下取締役に対しては会社法を根拠に損害賠償を求めることができます。

 

<目立たないパワハラ>

パワハラというと、暴力を振るったり怒鳴ったりの激しいものを考えがちです。こうした行為は、誰かが気付き注意しやすいでしょう。

しかし、次のような目立たないパワハラもあるのです。

・過大な要求型パワハラ ― 能力や経験を超える無理な指示はパワハラにあたります。終業間際に過大な仕事を押し付けるのがその例です。

・過小な要求型パワハラ ― 能力や経験とかけ離れた程度の低い仕事を命じることや、仕事を与えないことはパワハラにあたります。与える仕事の件数を他の社員よりも著しく少なくするのがその例です。

・個の侵害型パワハラ ― 私的なことに関わる不適切な発言や私的なことに立ち入る管理などはパワハラにあたります。休みの理由を根掘り葉掘りしつこく聞いたり、スマホをのぞき込んだりするのがその例です。

こうしたパワハラは、一般に思われているパワハラと違い、物静かでおとなしい役職者でも行いうるものです。そして、気付かれないうちに被害が拡大しがちです。

 

<ここも社労士(社会保険労務士)の出番>

パワハラの定義が無い会社には、必ずパワハラがあり被害者がいると思います。目立たないパワハラも就業規則に規定し、禁止し、教育したうえで懲戒処分も行わなければ、被害者の発生は防げません。また、第三者的な相談窓口の設置によって、被害を最小限にとどめる必要があります。

これらをトータルに任せるのであれば、ぜひ、信頼できる社労士にご依頼ください。

 

2017.03.09.解決社労士

<やる気そのものは見えない>

いかにも「やる気」がなさそうな社員は、他の社員に悪影響を及ぼします。しかし、「やる気」というのは、心の中のことですから目に見えません。それでも、「やる気」のないことが客観的に外部にあらわれていれば、それを理由とする解雇も可能です。

 

<法的規制>

「退職に関する事項」は、就業規則の絶対的必要記載事項ですから、就業規則に必ず規定しなければなりません。〔労働基準法893号〕

就業規則に定めていない理由での解雇はできません。しかし、どんな理由でも解雇できるわけではありません。

解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合には、その権利を濫用したものとして、無効とするとされています。〔労働契約法16条〕

 

<具体的な規定例>

具体的な就業規則の規定例としては、次のようになります。

「労働者が次のいずれかに該当するときは解雇することがある。

1.勤務状況が著しく不良で改善の見込みがなく、労働者としての職責を果たし得ないとき。

2.勤務成績または業務能率が著しく不良で向上の見込みがなく、他の職務にも転換できないなど就業に適さないとき。」

1.は「やる気」のなさが、遅刻、早退、欠勤などに形となってあらわれた場合、

2.は「やる気」のなさが、仕事の成果に形となってあらわれた場合の規定です。

 

<ここも社労士(社会保険労務士)の出番>

労働法の改正が重ねられ、労働判例が集積されるにつれ、「不当解雇」のハードルが低くなっています。「常識的に考えて解雇は当然」と思われる場合でも、客観的には「不当解雇」であると判断されるケースが大半になっています。

解雇を検討する場合には、ぜひ、信頼できる社労士にご相談ください。

 

2017.03.08.解決社労士

<強制加入ということ>

社会保険は強制加入です。この点が、民間の生命保険などとは大きく異なります。

1か月の所定労働日数、1週間の所定労働時間などの加入基準を満たせば、手続きをしてもしなくても、法的には社会保険に加入していることになります。

ですから、厳密には「加入を拒否」ではなくて、「加入手続きへの協力を拒否」ということになります。

 

<会社のとるべき行動>

本来は国の広報が果たすべき役割なのですが、加入手続きに非協力的な従業員に対しては、会社が教育しなければなりません。

会社は、従業員が拒んでも加入手続きが法的に強制されているので、協力してもらわないと困るのだということを説明します。

ただ強制加入とはいえ、給与の手取り額が減ることも事実です。社会保険料の支払いに見合うメリットがあることを教える必要もあります。

 

<社会保険のメリット>

厚生年金は、保険料の半分を会社が負担し、国民年金よりも多額の老齢厚生年金、障害厚生年金、遺族厚生年金が支給されます。平成298月以降は、保険料の納付が10年以上あれば、老齢厚生年金の受給資格を得られるようになります。

健康保険も、保険料の半分を会社が負担し、プライベートのケガや病気で、長期間仕事ができない場合に、賃金の約66%が補償される傷病手当金などがあります。

 

<ここも社労士(社会保険労務士)の出番>

社会保険、労働保険、労務管理などについての教育も、社労士の専門分野です。保険料の仕組みや給付などについて、きちんと理解すれば、むしろ加入を希望するはずの公的保険制度です。困ったら、信頼できる社労士にご相談ください。

 

 2017.03.07.解決社労士

<懲戒規定と表彰規定>

おそらくどの会社の就業規則にも、懲戒規定と表彰規定があると思います。懲戒既定の方しか無い会社というのは、それだけでブラックな印象を与えてしまいますね。

厚生労働省のモデル就業規則にも、両方の規定があります。しかし、懲戒既定は50行もあるのに、表彰規定は7行しかありません。懲戒規定の方が、表彰規定よりも分量が多いというのは、やはり多くの会社で同様だと思います。

これだけでも、懲戒は表彰よりも目につきやすいですし、実際に、懲戒処分は行われても、表彰は行われたことがないという会社も少なくないでしょう。

 

<懲戒処分の目的>

社員を懲戒する目的の一つに、懲戒対象となった社員に反省を求め、その将来の言動を是正しようとすることがあります。懲戒処分を受けた社員が深く反省し、二度と同じ過ちを犯さないように注意して働くことが期待されています。

しかし、これと併せて、「会社が懲戒対象となった行為が悪であると評価している」ということを公にして、懲戒対象とならなかった社員に対して注意を促すことも、懲戒処分に期待される効果であり目的となっています。

 

<同じ目的を達成するのなら>

たとえば遅刻を繰り返す社員に懲戒処分を行ったとします。これによって、「遅刻は悪いことです。皆さん気をつけましょう」という会社の意思を表明することができます。

しかし、同じ目的を達成することは、長年にわたり無遅刻無欠勤の社員を表彰することによっても可能です。「遅刻しないのは良いことです。皆さんも見ならいましょう」という会社の意思を表明することができるのです。

同じ目的を達成できるのであれば、懲戒処分よりも表彰の方が気持ち良いに決まっています。

 

<懲戒と表彰のバランス>

懲戒処分が連続したのでは、社員の気持ちが暗くなってしまいます。同じ目的を達成できるのであれば、表彰も同じくらいの回数、実施したいものです。

とはいえ、人命救助など限られたことだけを対象としていたのでは、表彰の機会は生まれません。積極的に社内キャンペーンなどを行い、表彰の回数を増やしてはいかがでしょうか。

 

<ここも社労士(社会保険労務士)の出番>

懲戒事案が発生した時だけ、社労士に相談が来るというのは悲しい事実です。懲戒処分が発生しないような教育研修の実施、労働環境の確保、納得のいく人事制度などと併せて、表彰についてもご相談いただけたらと願っています。

 

2017.03.06.解決社労士

<パチンコ店で背後からのおじぎ>

パチンコ店内で、遊戯中のお客様の接客が終わった直後、店員がお客様の背中に向かって深々とおじぎする姿を見ます。

お客様の顔が見えるわけでもなく、店員の姿が見えるわけでも…いや、見えています。お客様には、パチンコ台のガラスに映った店員の姿が見えるのです。

ですから、店員がいい加減なおじぎをして、さっさとその場を離れれば、そのお客様にはバレてしまいます。

しかし実際には、お客様は遊戯に夢中でガラスに映った店員の姿など目に入りません。

 

<デパートで背後からのおじぎ>

デパートで、ちょっと高級な商品を購入し精算すると、店員さんがカウンターからわざわざ出てきて商品を手渡ししてくれます。

そして、その場を離れるお客様の背中に向かって深々とおじぎをします。

そのお客様には、おじぎをする店員の姿が見えません。

 

<高級ブランドショップで背後からのおじぎ>

買物を終えたお客様が、お店の外に出て行った後、店員がお店の外に出てきて、お客様の背中に深々とおじぎをします。

これはなぜなのでしょう。お客様は、店員がお店の外に出てきて見送っていることに、気付かないことすらあるのです。

 

<接客の目的>

もし、接客の目的が、目の前のお客様に喜んでいただくためならば、背後からのおじぎは意味がありません。

しかし、接客の目的が、「お客様を増やす」ことだったらどうでしょう。

店員でもなくお客様でもない全くの第三者が、お客様の背中に深々とおじぎをする店員の姿を見たとき、「バカな店員だ」と思うでしょうか。いいえ、「自分があそこで買物したら同じように深々とおじぎをされるだろう」と思います。

これによって「いつか自分もあそこで買物したい」と思うようになるのです。

 

<目的意識>

どんな仕事であれ、一つひとつに目的があります。その目的を正しく把握していなければ、十分な成果を上げることはできません。生産性が上がらないのです。

従業員に対して、「考えろ」「自主的に動け」というよりも、最初から目的を教えた方が簡単です。目的を自分で考える、目的意識を高めるというのは、次の段階です。

おじぎ一つをとっても、目的意識の大切さ、教育の必要性を考える良い材料となるのです。

そうは言っても、具体的にどう教育して良いのか迷ってしまうということであれば、信頼できる社労士(社会保険労務士)にご相談ください。

 

2017.03.05.解決社労士

<スーパーマーケットと経営者を逮捕・送検>

江戸川労働基準監督署長は、スーパーマーケット経営会社とその代表取締役等を労働基準法違反の容疑で、平成2662日、東京地方検察庁に書類送検しました。

 

<逮捕・送検の理由>

このスーパーマーケット経営会社の代表取締役は、東京都江戸川区内の2店舖で勤務する従業員に残業代を支払いませんでした。

そこで、江戸川労働基準監督署労働基準監督官が、割増賃金の不払につき是正指導し、その是正措置結果について報告をするよう求めました。

ところが、この代表取締役は、部長A、課長Bと共謀し、平成25101日、労働基準監督官に対し、実際には支払をしていないのに、過去の賃金不払残業に対する割増賃金を遡及して支払ったとする虚偽の内容を記載した是正報告書を提出しました。

このウソの報告書提出が逮捕・送検の理由です。

 

<捜査が入ったキッカケ>

この会社に対しては、平成248月、平成256月に、江戸川労働基準監督署が、割増賃金の不払について是正するよう監督指導を行ってきました。

ところが、その指導にもかかわらず、違反行為を続けてきたので捜査に着手したのです。

そしてこの会社は、是正指導に対して是正報告を行っていたのですが、本社などを家宅捜索したところ、実際には遡及支払を行っていないことがわかり、ウソの報告であったことが判明したのです。

 

<サービス残業に対する指導>

各労働基準監督署では、事業者に対して適正な労働時間管理の徹底を図り、賃金不払残業を起こさせないことを重点とした監督指導を実施しています。

また、是正指導にも関わらず改善の意欲が認められず、賃金不払残業を繰り返し、または労働基準監督署に対し虚偽の報告を行うなど重大悪質な事業者に対しては、書類送検を含めて厳正に対処しています。

 

<ここも社労士(社会保険労務士)の出番>

労働基準監督署は、退職者などからの申告に基づき、会社に抜き打ちの調査をすることがあります。また、事前に調査内容や調査日時を通知したうえで調査に入ることもあります。

通知があった場合には、ぜひ信頼できる社労士(社会保険労務士)にご相談ください。調査への立会や、その後の報告書作成・提出を含め、会社の負担を最小限にして速やかな対応をすることができます。

また、顧問の社労士がいれば、抜き打ち調査への対応も安心です。

 

2017.03.03.解決社労士

<建設会社と社長を書類送検>

青梅労働基準監督署は、建設会社とその代表取締役社長を、労働安全衛生法違反(労災かくし)の容疑で、平成261020日、東京地方検察庁立川支部に書類送検しました。

この事件では、会社と社長の両方が書類送検されています。こうした場合には、会社も社長個人も信用を失ってしまいます。

 

<逮捕・送検の理由>

労災事故は、平成25513日、JR五日市線熊川駅と東秋留駅間の多摩川に架かる橋梁下右岸河川敷(東京都あきる野市平沢)での立木伐採工事で起こりました。このとき、建設会社の労働者Bが伐採した立木の幹が落下して、付近で作業を行っていた同社所属の労働者Aの頭部から背部に激突したのです。その結果Aは、3か月の治療を要する怪我を負い、負傷の翌日から休業しました。

本来であれば、青梅労働基準監督署長に遅滞なく「労働者死傷病報告書」を提出しなければなりませんでした。しかしこの建設会社は、災害発生からおよそ5か月が経過した平成25108日になってから報告書を提出しました。

これが逮捕・送検の理由です。

労災事故のうち、被災者が3日を超える休業をした場合には、「労働者私傷病報告書」の提出が義務付けられています。しかし、頻繁に提出が必要となる書類ではありませんから、提出義務すら認識されていないことがあります。それでも、遅滞なく提出しなければ、意図的に提出しないものと見なされ、労災かくしと評価されうるのです。

 

<逮捕・送検の背景>

行政の立場からすると「労災かくし」が行われることは、災害原因究明、同種災害の防止対策の確立など、労働者の安全を確保する機会を失わせるほか、被災労働者が適正に労災補償を受ける権利を侵害することに繋がるということになります。

そこで、労働基準行政では「労災かくし」の排除を推進し、あらゆる機会を通じて事業者に「労働者死傷病報告」の提出を周知・啓発しています。

もちろん、こうした行政の動きは、一般にはわかりにくいものですが、行政が「労働者死傷病報告」の提出を周知・啓発しているにもかかわらず、きちんと提出しなければ、それは労災かくしであると評価されやすいのです。

 

<ここも社労士(社会保険労務士)の出番>

会社の人事担当者は、労働法を中心とする法改正には敏感だと思います。しかし、労働局や労働基準監督署がどのような手続きについて周知・啓発を強化しているかについてまでは、気が回らないかもしれません。

それでも、こうしたことに目を光らせていないと、今まで大丈夫だったことが逮捕・送検の対象となっていることに気付きません。

会社を守るためにも、労災が発生したときには、必要な手続きについて、信頼できる社労士(社会保険労務士)にご相談ください。

 

2017.03.03.解決社労士

<違法残業の発生パターン>

次のような状況下で、法定労働時間を超える勤務をさせると違法残業となります。

・三六協定の労働基準監督署長への届出をしていない

・三六協定の有効期限が切れたままになっている(有効期間は最長1年)

・労働者代表の選出方法が民主的ではないなどにより三六協定が無効

また、三六協定の限度を超える勤務をさせた場合にも違法残業となります。

結局、違法残業というのは、有効な三六協定が届出されない状態で法定労働時間を超える勤務があった場合と、三六協定に違反する勤務があった場合を指すものだといえます。

 

<パン製造販売業者を書類送検>

亀戸労働基準監督署は、平成27326日、労働基準法違反容疑で、パン製造販売業を営む会社の元東京工場エリアマネージャー(工場長)と元工場サンドイッチ部門チームリーダー(部門長)を東京地方検察庁に書類送検しました。

これでわかることは、社長などの経営者ではなくても「使用者」の立場にある者は、長時間労働を行わせたことについて責任を負うということです。

また、サービス残業が発生した場合に、勤務時間の集計をごまかして残業代未払いの原因を作った工場長や部門長が責任を負うこともあるということです。

 

<逮捕・送検の理由>

逮捕・送検の具体的な理由は次の2つです。

東京工場サンドイッチ部門に所属するパートタイム労働者3名(1日の所定労働時間6時間)に対し、最長で月139時間に達する時間外労働を行わせ、労働基準法36条で定める時間外労働協定(三六協定)の延長時間の限度を超える違法な時間外労働を行わせていたこと。

また、本来支払うべき時間外労働に対する割増賃金のうち3割程度の支払しかしていなかったこと。(1月当たり最大で約11万円の時間外手当の不払が発生)

これでわかることは、正社員だけでなくパート社員などについても、労働基準法の順守が求められるということです。

 

<逮捕・送検の背景>

厚生労働省では、長時間労働の抑制と過重労働による健康障害防止対策の強化を喫緊の課題として、平成269月に厚生労働大臣を本部長とする「長時間労働削減対策推進本部」が設置され、省をあげて取り組むようになりました。

各労働基準監督署でも、過重労働等の撲滅に向けた対策推進のため、著しい過重労働により労働基準法違反が認められるなど重大または悪質な事案に対しては司法処分を含め厳正な対応を強化することとしています。

 

<ここも社労士(社会保険労務士)の出番>

会社の人事担当者は、労働法を中心とする法改正には敏感だと思います。しかし、改正が確実になってから対応したのでは、予算取りや人員配置の問題があり、遅れをとってしまうこともあります。やはり、法改正情報の先取りはライバル企業に負けないためにも必要です。

また、国の政策転換にも目を光らせていないと、今まで大丈夫だったことが逮捕・送検の対象となったことに気付かないものです。

会社を守るためにも、法改正や政策転換の情報に明るい社労士(社会保険労務士)にご相談ください。

 

2017.03.02.解決社労士

<労災保険は適用されない>

パワハラによってケガをさせた場合、労災保険は適用されません。なぜなら、ケガをさせるようなことは本来の業務に含まれませんし、本来の業務に通常伴うものでもなく、また関連するものでもないからです。

 

<パワハラ加害者の責任>

暴力によって相手にケガをさせれば傷害罪が成立します。これは、最高刑が懲役15年という重い犯罪です。〔刑法204条〕

また、これとは別に、被害者から治療費や慰謝料などの損害賠償を請求されるでしょう。〔民法709条、710条〕

刑事責任と民事責任は別問題ですから、たとえ国家から罰金刑を科されたとしても、これとは無関係に損害賠償責任を負うわけです。

 

<会社の責任>

そして会社は、職場で行われた加害について、加害者の使用者として、加害者本人と同様の賠償責任を負います。使用者責任です。〔民法715条〕

さらに会社は、労働者がその生命、身体などの安全を確保しつつ労働することができるよう必要な配慮をする労働契約上の責任もありますから、加害行為があることを知りながら適切な対処をしなかったときは、この義務違反による損害賠償責任が発生します。〔民法415条〕

 

<ここも社労士(社会保険労務士)の出番>

このように、パワハラによるケガの治療費は、被害者から加害者に対しても、また会社に対しても請求することができます。

会社は、被害が発生したら賠償請求に応ずれば良いということではなく、パワハラそのものが発生しないようにする義務を負っています。

具体的には、パワハラの定義を明確にし、従業員を教育してその発生防止に努める他、就業規則などでパワハラを禁止し、万一発生した場合には懲戒処分が行えるように具体的な懲戒規定を置くことも必要です。さらに、パワハラを行う従業員に適正な評価をし、役職者から外せるような人事制度も必要ですし、問題が小さいうちに被害者が相談できる窓口の設置も必要です。

信頼できる社労士を相談窓口に指定し、具体的な施策の推進についても相談されてはいかがでしょうか。

 

2017.03.01.解決社労士

<雇い止めとトラブル防止>

雇い止めとは、会社がパートやアルバイトなど、有期労働契約で雇っている労働者を、期間満了時に契約の更新を行わずに終了させることをいいます。

契約更新の繰り返しにより、一定の期間雇用を継続したにもかかわらず、会社が期間満了時に突然退職させるなどの場合にはトラブルとなりがちです。

そのため、有期労働契約の締結にあたっては、更新の有無とその判断基準の明示が必要です。能力不足を理由に契約を更新しない場合にも、その判断基準が明示されていなければなりません。

また会社は、雇い止めの理由について労働者から証明書を請求された場合には、遅滞なくこれを交付しなければなりません。この証明書は、労働審判や訴訟の重要な証拠となります。誰もが納得できる客観的な理由でなければ、会社が損害賠償を請求されるリスクは高まります。

 

<勤続18年の場合の特殊性>

入社して18年も経過すれば、会社の事業内容も労働者に求められる能力も、相当にレベルアップしているでしょう。入社時には、十分な能力を備えていたとしても、労働者自身がレベルアップしていなければ、業務について行けなくなってしまいます。また、加齢によって気力や体力が低下することも考えられます。このことは、会社も労働者も容易に想像できたはずです。

ですから、会社は労働者に十分な教育・研修を行っていなければなりませんし、労働者はこれに応じて能力を高める努力をしてきていなければなりません。会社が業務に必要な訓練を怠っておきながら、能力不足を理由に雇い止めをすれば、それは不合理とされ無効とされます。反対に、労働者が教育・研修を拒んでいたような場合には、合理的な理由があるものと認められ、雇い止めが有効と認められやすくなります。

加齢による能力低下に対しては、会社が機械化を進めたり、無理のない業務に異動させたりして、雇用を継続する義務を負います。ただ、会社の規模や業種によっては、こうしたことが困難なケースもあります。この場合には、会社の義務も軽減されます。そして、労働者が異動を拒むような場合には、会社として雇用継続の努力を示している以上、雇い止めも正当性をもつことになります。

 

<ここも社労士(社会保険労務士)の出番>

雇い止めをめぐるトラブルは、表面化するものが急増しています。有期雇用の従業員がいる会社では、紛争の予防を十分にする必要があります。ぜひ、信頼できる社労士にご相談ください。

 

2017.02.28.解決社労士

<最低賃金法の罰則>

最低賃金法に示された都道府県別の最低賃金を、単なる指針や目安であると勘違いしている事業主の方もいらっしゃいます。

しかし違反に対しては、罰金や懲役刑といった罰則が規定されています。〔最低賃金法39条、40条、41条〕

そして、実際に適用されることなど無いようにも思われがちですが、書類送検の事例は労働局のホームページなどに公開されています。

 

<居酒屋経営者を逮捕・送検>

新宿労働基準監督署は、平成27年3月2日、居酒屋経営者を最低賃金法違反の疑いで逮捕し、平成27年3月3日、東京地方検察庁にこの経営者を身柄と共に送検し、居酒屋を経営する法人も書類送検しました。

ここで分かることは、労働基準監督署によって、本当に逮捕・送検されてしまうということだけではありません。

罰則は、経営者と法人の両方に適用されるのです。〔最低賃金法42条〕

 

<逮捕・送検の理由>

ある労働者の平成25年6月分の賃金が、東京都の最低賃金を下回っていたのが理由です。

たった1人でも、1か月でも、最低賃金を下回れば違法です。

これだけなら、素直に不足分の賃金を支払って、「今後は最低賃金法を順守します」と約束すれば良かったのです。

ところがもっとひどい事情がありました。

実は、平成23年1月1日から平成25年8月16日までの間に、この会社の元労働者から、勤務した最後の月の給料が支払われないという申告が4件ありました。

新宿労基署では、この申告を受け、会社に対して賃金を支払うよう行政指導を行いました。ところが、会社はその行政指導に従わなかったのです。

そこで新宿労基署は、この会社の社長に対して出頭を要求します。ところが、この社長は再三の出頭要求に応じず、証拠隠滅のおそれもあったことなどから、逮捕のうえ、送検に踏み切ったのです。

 

<ここも社労士(社会保険労務士)の出番>

そもそも、賃金は後払いが基本です。〔民法624条〕

「退職者に給料を支払う必要は無い」と勘違いし、退職後に支払われるはずの給料を支払わない社長もいます。今回ご紹介した事例の社長もそうです。「昔からこれでやっていて問題は無かった」と考えていたかも知れません。

労働法違反によって、会社や経営者がどのような不利益をこうむるのか、今まじめに働いている社員に対する影響はどうなのか、少しでも疑問を感じたら信頼できる社労士にご相談ください。

 

2017.02.27.解決社労士

<あいまいさの残る懲戒規定>

どんなに良くできた懲戒規定でも、「平素の勤務態度その他情状によっては」「しばしば」「数回にわたって」「著しく」などあいまいな表現が残るものです。

これらの抽象的な表現は、それぞれの案件の具体的な事情に応じて、適切な結論を出すためには必要なものでもあります。

しかし、解釈に幅があるだけに、平等で公平な運用はむずかしいものです。

 

<懲戒対象者を納得させるのは難しい>

なにしろ、懲戒処分を検討しなければならない事件は、日常的に起こるものではありません。むしろ、滅多に起こりません。

ですから、その場限りの判断を繰り返していると、懲戒処分を検討している対象者から「今まで遅刻で懲戒処分を受けた社員はいないのに、なぜ自分だけ懲戒処分を検討されるのか?」とたずねられても、明確な回答ができない恐れがあります。

また、出勤停止の懲戒処分があったときに、別の社員から「自分の時は始末書を書かされただけで済んだのに」という疑問が出されたら、上手に説明できないこともあります。

これでは、懲戒処分を受けた社員が納得できず、心から反省することもなくなってしまいそうです。さらに、本人以外の社員が納得できないのでは、会社に対する不信感が高まってしまいます。

 

<徹底した記録の保管が必要>

こうしたマイナスの効果が発生しないように、懲戒処分があったときには、懲戒対象者、懲戒対象事実、懲戒処分の内容について、詳細な記録を残すことが必要です。

それだけでなく、懲戒処分には至らず検討されただけの案件についても記録も保管は必要です。

さらに、懲戒処分が労働局の斡旋の対象になったり、労働審判の対象になったりすれば、その経緯と結論の資料も一緒に保管する必要があります。

ここまでしないと、平等で公平な懲戒処分は実現しませんし、疑問が出されたときに納得のいく説明をすることができないのです。

せっかく、時間と労力、人件費をかけ、何より大変神経をすり減らして行う懲戒処分です。効果の最大化を図るためには、資料保管の労を惜しんではなりません。

 

<ここは刑法が得意な社労士(社会保険労務士)の出番>

会社の就業規則に定めてある懲戒規定がおかしいので改善したい、あるいは、いざ懲戒処分を行おうとしたら迷いが生じたということであれば、ぜひ、刑法が得意な信頼できる社労士にご相談ください。

 

2017.02.26.解決社労士

<会社の利益を確保するためには>

会社に損害が発生しないようにするには、社員にして欲しくないことを、懲戒規定にもれなく定めておかなければなりません。

しかし、想定外のことで会社に損害が発生することもあり、すべてを規定しておくことは困難です。最近では、SNSやブログへの悪ふざけの投稿が問題となっています。

 

<包括的な規定の効果>

懲戒規定の中に「その他前各号に準ずる不適切な行為があったとき」という条文を見ることがあります。

こうしておけば、すべてを網羅しているようにも見えます。

しかし、「悪いことをしたら処分します」という規定を置くようなもので、あまりに具体性を欠いていますから、有効性は疑わしいです。

こうした規定を根拠に懲戒処分を行うことは、社員に対する人権侵害の恐れが大きいといえます。

それだけではなく、このような規定があることを知った社員は、委縮してしまい伸び伸びと活躍することができなくなってしまうでしょう。

 

<解釈が分かれる規定>

「会社の名誉を傷つけ、業務に悪影響を及ぼす行為」が懲戒処分の対象に規定されているとします。

このカッコの中の「、」が曲者(くせもの)です。この「、」は、「または」の意味にも「かつ」の意味にも解釈できます。

「または」と解釈すれば処分の対象は増え、「かつ」と解釈すれば処分の対象は減ります。

このようなあやふやな規定がある場合には、懲戒処分が検討されている対象社員に有利に解釈しなければなりません。そうしないと、人権侵害となる恐れが大きいのです。

 

<ここは刑法が得意な社労士(社会保険労務士)の出番>

会社の就業規則に定めてある懲戒規定がおかしいので改善したい、あるいは、いざ懲戒処分を行おうとしたら迷いが生じたということであれば、ぜひ、刑法が得意な信頼できる社労士にご相談ください。

 

2017.02.25.解決社労士

<会社に懲戒規定を置く目的>

会社に懲戒規定を置く目的として、次のようなものが挙げられます。

・懲戒対象の社員に反省を求め、その将来の言動を是正する。

・懲戒が行われることで、他の社員は道義感が満たされ安心して働ける。

・懲戒対象となる行為が明確になり、社員全員が伸び伸びと行動できる。

・懲戒規定があることで、社員全員が不正行為を思いとどまる。

一般には、行為者を懲らしめる目的だけがクローズアップされがちですが、他の目的も重要です。

 

<実は相反する目的>

まず、懲戒対象の社員に反省を求め、その将来の言動を是正するには、起こしてしまった言動と懲戒とのバランスが大事です。懲戒処分が軽すぎても反省しませんし、重すぎると会社に対する反感が生まれてしまいます。

つぎに、懲戒が行われることで他の社員の道義感が満たされること、良くないことをした社員がきちんと懲戒されることで、他の社員は同様の事態は発生しないと考え安心して働けるようになるという点では、懲戒処分がやや重い方がその目的が達成されやすいでしょう。

そして、懲戒対象となる行為が明確になり、社員全員が伸び伸びと行動できるようになるという点では、懲戒処分がやや軽い方がその目的が達成されやすいでしょう。

さらに、懲戒規定を置いて社員全員に不正行為を思いとどまらせるという目的では、処分が重ければ重いほど効果があると考えられます。

このように、懲戒処分をどの程度の重さにするかは、どの目的を重視するかによって判断が変わってきます。もちろん、あまりに重い懲戒は不合理とされ有効性が疑われます。

 

<ここは刑法が得意な社労士(社会保険労務士)の出番>

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2017.02.24.解決社労士

<損害の大きさに見合った処分>

社員の不都合な行為によって会社が被る損害としては、会社存続の危機、業務の妨害、取引の不正、欠勤・遅刻・早退、金銭・備品・設備の損失、取引関係の消滅、金融機関・取引先・顧客の信用棄損、社員の安全侵害(ハラスメントを含む)、情報の不足、誤った情報の伝達などなど、考えただけでも心配になるくらい多くの種類があります。

同じ種類の損害でも、その損害が大きければ、より重い懲戒処分が検討されることになります。

 

<会社により違う評価>

すべての損害が金銭に換算できるわけではありません。ですから、「損害の大きさ」といっても、異なる種類の損害の間で大小を比べるのは困難です。

それだけではなく、会社の方針が「お客様第一」の場合と、「会社の利益第一」の場合とでは、同じ行為に対する評価が変わってきます。

またたとえば、社員がトイレに入り手を洗わずに出てきた様子をお客様に見られたとします。その社員が飲食店の店員であった場合には、靴屋の店員の場合よりも会社のダメージが大きいことは明らかです。

つまり、損害の大きさに見合った処分を行うというときの「損害の大きさ」は、客観的に決まっているものではなく、その会社や職場ごとにある程度主観的に決めなければならないものです。

もともと就業規則というのは、ひな形をベースにしても、自社に合うように修正することが必要なのですが、特に懲戒規定についてはオーダーメイドの覚悟で大幅な修正が必要になるのです。

 

<ここは刑法が得意な社労士(社会保険労務士)の出番>

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2017.02.23.解決社労士

<目的による悪質性の違い>

同じく小学生を誘拐した場合でも、可愛いから連れて帰ったなら未成年者誘拐罪、身代金を要求する目的なら身代金目的誘拐罪です。

未成年者誘拐罪の法定刑が「3月以上7年以下の懲役」なのに対して、身代金目的が加わると「無期または3年以上の懲役」となります。〔刑法224条、225条の2

身代金を得る目的が加わると重く罰せられるのは、その危険性や行為に対する世間一般の非難のレベルが大きく異なるからです。

 

<懲戒規定でも>

自社で開発中の自動車について、故意に虚偽の性能検査報告書を作成し上司に提出したとします。これだけでも、懲戒処分の対象となりうる行為であることは明らかです。しかし、何を目的として行ったかによって、その悪質性には大きな違いが出てきます。

たとえば、次のような目的を想定することができます。

・上司をからかうつもりで、ほんの冗談で行った。

・上司を困らせる目的で行った。

・会社に損害を加える目的で行った。

・会社に損害を加えるとともにライバル会社から謝礼をもらう目的で行った。

会社の懲戒規定は、社内の刑法ともいうべきものですから、同じ故意による行為であっても、その目的によって処分の重さが異なってくるのが当然です。

ところが、「故意または重大な過失により会社に損害を与えたとき」というように、目的による区別をしていない規定も見られます。

たしかに、「平素の勤務態度その他情状によっては」一段低い処分にするという規定が置かれ、柔軟に対応できるようにしてある場合もありますが、これでは適切な懲戒処分を行いにくいので、場合を分けて規定すべきでしょう。

 

<ここは刑法が得意な社労士(社会保険労務士)の出番>

会社の就業規則に定めてある懲戒規定がおかしいので改善したい、あるいは、いざ懲戒処分を行おうとしたら迷いが生じたということであれば、ぜひ、刑法が得意な信頼できる社労士にご相談ください。

 

2017.02.22.解決社労士

<故意と過失の違い>

同じく他人にケガを負わせた場合でも、意図的に殴りかかった結果なら傷害罪になりますし、人ごみで高齢者にうっかりぶつかって転倒させた結果なら過失傷害罪となります。

故意のある傷害罪は「15年以下の懲役または50万円以下の罰金」という重い法定刑なのに対して、過失傷害罪は「30万円以下の罰金または科料」で、しかも告訴がなければ公訴を提起されません。〔刑法204条、209条〕

同じ結果が発生した場合でも、わざと行ったのなら重く処罰され、うっかりなら軽く処罰されるのは、その危険性や行為に対する世間一般の非難のレベルが大きく異なるからです。

 

<懲戒規定でも>

会社の懲戒規定は、社内の刑法ともいうべきものですから、故意による行為は過失による行為よりも重い処分になるのが当然です。

ところが、「会社の業務上重要な秘密を外部に漏洩して会社に損害を与え(以下略)」というように、故意によるものと過失によるものを区別せず、1つの条文で定めていることがあります。

これでは適切な懲戒処分を行いにくいので、場合を分けて規定すべきでしょう。

 

<過失なら懲戒しない?>

大手鉄道会社が、大規模な事故を起こした運転手について、「過失なので懲戒処分を行わない」という発表したことがあります。徹底的な再教育と適正な人事考課で対応するということでした。

なるほど、過失による行為は「悪いことをした」というよりも、適切な行動をとるための「注意力など能力が足りない」という評価のほうが正しいのかもしれません。ミスを繰り返す社員に懲戒処分を繰り返しても効果は期待できません。むしろ、教育研修が大事ですし、能力と貢献度に見合った処遇をするための人事考課制度が必要でしょう。

ただ、上場企業が「うちの会社は過失なら懲戒処分しません」と宣言してしまうのは、被害者が出た場合の本人・家族や世間一般の批判にさらされることになって危険だと思います。

 

<重過失という考え方>

普通の人ならありえないような極端な不注意で、わずかな注意で結果の発生を防げたハズの過失を、一般の過失と区別して「重過失」と呼ぶことがあります。

正常な人であれば、重過失を繰り返すということは考えにくいです。また、重過失には故意と同程度の危険があり、非難の程度もハイレベルですから、懲戒処分によって反省と改善を求める必要性は高いのです。

このことから「故意または重過失により(以下略)」という規定も、多く見られますし妥当だと思います。

 

<ここは刑法が得意な社労士(社会保険労務士)の出番>

会社の就業規則に定めてある懲戒規定がおかしいので改善したい、あるいは、いざ懲戒処分を行おうとしたら迷いが生じたということであれば、ぜひ、刑法が得意な信頼できる社労士にご相談ください。

 

2017.02.21.解決社労士

<自宅待機は労働時間か?>

労働時間とは、労働者が使用者の指揮命令下に置かれた時間のことをいいます。これは、就業規則などの社内ルールとは関係なく客観的に認定されるものです。

ところが、自宅待機は「もし仕事が入ったら出勤する約束で自宅にいてもらうこと」ですから、実際に仕事で呼び出されない限りは、労働者が自由に過ごして良いというのであれば、労働時間にはあたらず給与の支払い義務は発生しません。

たしかに、待機中は会社からの連絡に注意を払わなければならず、その前提として、すぐに連絡がつく場所にいなければならないのですが、使用者の指揮命令下に置かれているとは言えないのです。

 

<職場待機の場合には>

これに対し、労働者を職場で待機させ、仕事が発生したらすぐに業務に就くように命じてある場合には、その待機時間は、場所的な拘束があること、業務に備えた状態でいなければならないことから、使用者の直接の指揮命令が及んでいると評価され、労働時間にあたります。

したがって、職場待機の場合には給与の支払義務が発生します。

 

<待機手当の支給が望ましいケース>

その職場で、同じ職種のすべての社員が、当番制で平等に自宅待機を受け持つなら、自宅待機の負担込みで給与が設定されていると考えられます。

しかし、一部の社員だけが自宅待機の対象となったり、自宅待機の回数が個人ごとに片寄ったりしたのでは、不満が出てくるでしょう。

この場合には、待機手当の支給を考えたいものです。

 

<待機手当を設定するなら>

待機手当は給与の一部になりますから、就業規則などにその詳細を定める必要があります。

待機手当の金額は、定額あるいは基本給に対する一定割合などで定めます。金額が少ないと、負担に見合っていないという不満が出ますし、金額が多すぎると、実際に勤務している場合とのバランスが悪くなってしまいます。これについては、自宅待機することのある社員にヒアリングすると良いでしょう。

それだけではなく、自宅待機の時間帯、服装・髪・ヒゲなどの身だしなみ、外出や飲酒の制限など、待機手当を支払うからには、ある程度の基準を設定したいものです。ただし、使用者の指揮命令下に置くことになる内容は含めることができません。

 

<ここも社労士(社会保険労務士)の出番>

一度、待機手当について定めてしまうと、後から労働者の不利益に変更するのは限定されてしまいます。

待機手当を導入する前に、ぜひ、信頼できる社労士にご相談ください。

 

2017.02.20.解決社労士

<強制労働の禁止>

1年以上10年以下の懲役または20万円以上300万円以下の罰金という罰則が一番重いものです。

使用者が、暴行、脅迫、監禁その他精神または身体の自由を不当に拘束する手段によって、労働者の意思に反して労働を強制した場合に適用されます。

これは、強制労働の禁止〔労働基準法5条〕に違反した場合の規定です。

 

<家出少年・家出少女に対する実例>

家出少年・家出少女をマンションに軟禁し、強制的に働かせたうえで、その収入を巻き上げるという明らかな犯罪行為が報道されます。

このようなことが一般の企業で行われるとは考えられません。

 

<学生アルバイトに対する実例>

学生アルバイトを深夜までこき使い、正社員のするような仕事までさせておいて、「あなたには管理監督者の仕事まで任せているのだから残業手当は出ない」と説明しているという報道もありました。

学業よりも仕事を優先させて働かせ、結局、退学に追い込んでしまうという話もあります。

たしかに、監禁や身体の自由を不当に拘束する手段に出てはいませんが、弱みにつけこみ、誤った常識を押し付けて、脅迫や精神の自由を不当に拘束する手段を使っています。

 

<ありがちな実例>

店長から店員へ次のような電話があって、その店員が断り切れずに出勤したら、強制労働になります。

「おい!お前今日は休みだったよな。人が足らないんだ。出ろよ。来なかったら承知しねえぞ!」

店長は使用者ですし、これも労働基準法の禁止する強制労働にあたるのですが、さてニュースにならないということは、実際には行われていないのでしょうか。

それとも…

 

<ここも社労士(社会保険労務士)の出番>

店長が労働基準法違反で逮捕されたのではお話になりません。

遅くとも役職者になったなら、最低限の労働法知識を身につけないといけません。

社員教育についても、ぜひ、信頼できる社労士(社会保険労務士)にご相談ください。

 

2017.02.19.解決社労士

<違法解雇と呼べるもの>

労働基準法により違法とされ、罰則が規定されている解雇には次のものがあります。〔労働基準法119条1号〕

・業務災害を理由とする休業期間中と業務復帰後30日間の解雇〔労働基準法19条〕

・産前産後休業期間中と業務復帰後30日間の解雇〔労働基準法19条〕

・法定の解雇予告・解雇予告手当が無い解雇〔労働基準法20条〕

これらの場合には、国家により使用者に刑罰が科されるという規定です。

この刑罰とは別に、労働者から使用者に対して、不法行為を理由とする損害賠償の請求がありえます。〔民法709条〕

前者が刑事的な側面の話で、後者が民事的な側面の話です。

 

<不当解雇は無効>

一方で、不当解雇というのは、使用者が労働者を解雇したつもりになっていて、それが不当であるために無効とされる場合を言います。

労働契約法に「解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする。」と規定されているのが不当解雇です。罰則はありません。〔労働契約法16条〕

解雇が有効になるのは、解雇を通告された本人が客観的に合理的な理由があると納得できる場合であって、しかも、世間一般の人々が「やむを得ない」と納得できる事情がある場合に限られるのです。

たとえば、毎日普通に勤務していた男性社員が、社長の好きなアイドルの歌を嫌いだと言ったがために、30日分の解雇予告手当を渡されると同時に解雇を通告された場合、違法解雇ではありませんが、不当解雇になります。つまり、解雇予告手当を支払ったとしても、解雇が無効になるわけです。

こうした場合、使用者が罰せられることはないのですが、解雇が無効なのに退職扱いされた労働者は、使用者に対して損害の賠償を請求できます。

 

<ここも社労士(社会保険労務士)の出番>

有効な解雇は条件が厳しいものです。

無効とされない解雇を考える経営者も、不当解雇されたと感じる労働者も、ぜひ、信頼できる社労士にご相談ください。

 

2017.02.18.解決社労士

<偉くなるとタイムカードはなくなる?>

タイムカードは、出勤時刻と退出時刻の記録を残し、労働時間を管理するために使われています。会社によっては、休憩時間や外出時間もタイムカードに記録しています。こんなことは誰でもわかっていることです。

ところが、「労働時間を管理するのは何のためか?」と問われると、残業手当の計算ができないと困るから、サービス残業になるといけないからという答えが返ってくることがあります。

タイムカードを使う目的を、残業手当の計算に絞ってしまうと、残業手当の付かない管理監督者にタイムカードは必要ないことになります。そして、やがてはタイムカードの無いことが、役職者の一種のステータスになります。

 

<タイムカードが無い悲劇>

たとえば、部長が勤務中に心臓発作で倒れたとします。過重労働による労災ではないかと疑われたとき、会社はこの部長が長時間労働ではなかったことをどのように証明するのでしょうか。家族が「帰宅は毎日24:00を過ぎていました。土日も出勤していました」と話したら、これが事実とは違っていても、会社は責任を免れないように思われます。

またたとえば、部長が通勤経路で意識を失い倒れたとします。通勤災害かも知れません。しかし、発見されたのが深夜で、仕事帰りなのかどうかすらわからなければ、労災保険の手続きをしようにも情報が足りません。

こうしたことを想定すると、取締役など経営者を除き、誰でもきちんと労働時間を管理するのが正しいことがわかります。

 

<目的を見失うと>

結局、タイムカードを使う目的は、あくまでも労働時間の管理であって、残業手当の計算はその一部に過ぎないのです。

会社の中には多くのルールが存在します。そして、思考の単純化のために、そのルールの存在理由を1つに絞って説明することも良く行われています。

しかし、これが危険なことは、上の例からも明らかでしょう。

 

<ここも社労士(社会保険労務士)の出番>

会社の就業規則を見直す場合、規定を増やすだけでなく削ることもあります。しかし、その規定を削って良いのか悪いのか、安易な判断は会社にとって大きなダメージにつながることもあります。

就業規則の改善や運用の見直しをお考えでしたら、ぜひ、信頼できる社労士にご相談ください。

 

2017.02.17.解決社労士

<労災保険の適用>

次のような通勤災害についても、通常の労災と同じ基準で労災保険が適用されます。

・会社への届出と違う経路での通勤途中のケガ

・会社への届出と違う交通手段による通勤途中でのケガ

・バイク通勤禁止の会社でバイクによる通勤中転倒してケガ

不合理な寄り道や遠回りは、通常の労災と同じく労災保険の対象外となります。

 

<なぜかというと>

労災保険は、政府の制度ですから、会社のルールによって労災保険の適用範囲を制限したり広げたりはできません。

これを許すと、何のために国が統一的に労災保険の仕組みを作っているのか、わからなくなってしまいます。

それに、保険は保険料と保険金の給付のバランスが細かく計算され設計されています。それぞれの会社が、保険金の給付について独自のルールを作り、それが有効だとすると、保険料と保険金の給付のバランスが崩れてしまい、保険制度そのものが破たんする可能性すらあります。

 

<労災保険の勘違い>

アルバイトやパートに労災保険が適用されないという勘違いもあります。

また、労災保険を使うと保険料が高くなるという勘違いもあります。たしかに、従業員が100人を超える会社では、メリット制という保険料の割増・割引の制度がありますから、一定の限度を超えて保険給付を受けると、保険料が割増になることはあります。しかし、従業員が100人未満の会社で、保険料の割増はありません。

 

<ここも社労士(社会保険労務士)の出番>

会社が労災保険の手続きに協力的でない場合には、被災者は所轄の労働基準監督署の労災課に相談できます。もちろん、信頼できる社労士にご相談いただければ、手続きの代行もいたします。

一方で会社としては、通勤手当をごまかしている従業員からは、払い過ぎの金額を徴収したいでしょう。しかし、給与から勝手に控除することはできません。

また、禁止しているバイク通勤を行った従業員には、適正な懲戒処分が必要です。「けしからんからクビ」というのでは不当解雇になります。

こうしたことに対応できる就業規則の改善と運用も、ぜひ、信頼できる社労士にご相談ください。

 

2017.02.16.解決社労士

<服装の場合には>

男女兼用の服や、どの世代の人にも似合う服というのは、一時的に流行しても、その流行は長続きしません。

人は歳をとるものですし、体型も変わります。ですから、高校時代に着ていた服を40代、50代になっても違和感なく着こなせるという人は、尊敬に値しますが稀な存在です。

たとえ身体にフィットしても、流行との関係で、恥ずかしくて外出時は着られず、もっぱら部屋着になる服もあります。

それでも、我慢して着ていると、流行が一巡して外出するのに問題なくなることもあったりします。

 

<会社にフィットした就業規則>

大企業と中小企業のどちらにもピッタリな就業規則や、小売業にも工場にも適合する就業規則というのは、ちょっと想定しがたいです。

公開されている就業規則のひな形の中には、中小企業向け、小売業向けなど親切なものもあります。しかし、同じ小売業でも呉服店とコンビニが一緒の就業規則を使うというのは、無理があるでしょう。

やはり会社の規模や業種に応じた就業規則であることが望ましいのです。

 

<時代遅れの就業規則>

会社の設立以来30年間改定していない就業規則を見たことがあります。もちろん法改正に対応していないので、違法なポイントが満載でした。女性が結婚を理由に退職すると、男性の場合よりも多くの退職金が支給されるというのは、時代を反映していて、興味深いものがありました。

もちろん、この就業規則は実際には機能していなくて、労働基準監督署の調査予告が入ってしまい、あわてたということです。

 

<流行と就業規則>

就業規則について、流行を追いかける必要は無く、また、流行を追っている会社も無いでしょう。

しかし、ブラック企業や過労自殺の話題に接したなら、自分の会社の就業規則が対応できているのか確認して、必要な改定をしていくというのは正しい姿です。

もう少し想像力を働かせて、たとえば大雪のニュースを見たら「社員が大雪で出張や旅行から帰って来られない場合の給与支払いはどうなるのか」など考えてみると良いでしょう。電車の事故で出勤が遅れても、遅刻扱いにしないというルールは、多くの会社で見られます。その延長線上で考えてみるのです。

 

<ここも社労士(社会保険労務士)の出番>

労働関係の法令も社会情勢も、1年間変わらないということが無い世の中ですから、就業規則を3年以上も改定しないというのは危険です。

この1年を振り返ってみて、会社が痛い思いをしたことがあったなら、就業規則と運用の改善で再発を防げないか検討の余地があります。

ノービスクラスの就業規則を改善して、会社を守る武器にするためにも、信頼できる社労士(社会保険労務士)にご相談ください。

 

2017.02.15.解決社労士

<退職金の性質>

もともと会社に退職金の支払い義務はありません。しかし、就業規則などに計算方法、支払い方法などの規定を設けることにより、労働契約の内容となって、会社に支払い義務が生じます。

 

<退職金の減額・不支給が許されない場合>

懲戒解雇の場合に退職金が減額されあるいは支給されない旨の規定が、就業規則や退職金規程の中に無ければ会社に全額支払いの義務があります。なぜなら、それが労働契約の内容となっているからです。

ちなみに、中退共(中小企業退職金共済)や建退共(建設業退職金共済)の退職金についても、懲戒解雇による退職金の減額などの規定はありませんので、全額支給されることになります。

 

<退職金の減額・不支給を規定する意味>

退職にあたって、退職者が会社に大きな損害を与えていることが発覚し、その穴埋めのために退職金の減額・不支給という手段を用いるということも考えられます。

しかし、むしろ退職金を減額されたり支給されなかったりということがないように、従業員に真面目で誠実な勤務を心がけてもらうための警告として規定していることが多いのです。

 

<退職金の減額が許される場合>

就業規則などに、懲戒解雇の場合には退職金が減額される旨の規定があり、従業員のそれまでの長年の勤務による功労を大きく減殺するほどの信義に反する行為があった場合には許されます。

信義に反する行為というのは、正義に反し信頼関係を破壊する行為のことです。

もちろん、功労をどの程度減殺するかによって、減額が許される限度も変わってきます。

裁判になれば、会社が思い切った減額をした場合、裁判所は退職者の功労や過去の勤務態度を踏まえ、減額し過ぎを指摘し不足分を追加で支払うように命ずることがあります。

 

<退職金の不支給が許される場合>

就業規則などに、懲戒解雇の場合には退職金が不支給となる旨の規定があり、従業員のそれまでの長年の勤務による功労がすべて抹消されるような信義に反する行為があった場合には許されます。

裁判になれば、会社に対する劣悪な裏切り(功労を全く失わせる程度の著しい背信的行為)があった場合にのみ、退職金の不支給が許されます。

 

<ここも社労士(社会保険労務士)の出番>

万一の場合に、退職金の減額や不支給が可能となる就業規則を整えるのも社労士の仕事です。

また、実際に懲戒解雇が発生したときに、どの程度まで退職金を減額できるか意見を述べるのも社労士の仕事です。

しかし、懲戒解雇を出さないように職場環境を整えることこそ、社労士の大事な仕事です。

ぜひ、信頼できる社労士にご相談ください。

 

2017.02.14.解決社労士

<パワハラは優位性による嫌がらせ>

パワー・ハラスメントとは、「職場において、職権などの力関係を利用して、相手の人格や尊厳を侵害する言動を繰り返し行い、精神的な苦痛を与えることにより、その人の働く環境を悪化させたり、あるいは雇用不安を与えること」とされています。

ハラスメント(嫌がらせ)は、被害を受けている従業員のメンタルヘルス不調に直結します。

 

<会社の正しい対応>

パワハラについての教育・研修も大切です。しかし、パワハラを懲戒処分の対象とし、就業規則に懲戒規定を置くことや、人事考課の基準に取り入れることはもっと大事です。

そして、これらすべての前提として、パワハラについての明確な定義が就業規則などによって社内に示されていることが必要です。パワハラの定義が無い会社には、必ずパワハラがあり被害者が存在すると言っても過言ではありません。

 

<パワハラ被害に気付いたら>

パワハラについて正しい対応ができていない会社で、部下や同僚の被害に気付いたら、プライバシーに配慮しつつ、熱心に話を聴くことが大切です。

ここでは安易に意見を述べたり、間違いを指摘してはいけません。じっくりと話を聴いて、気持ちをくみ取ることに心がけます。

もし、メンタルヘルス不調の徴候に気付いたら、専門家に相談することを勧めましょう。

また、社内での解決が難しいケースでは、都道府県の相談窓口への相談も考えましょう。

 

<ここも社労士(社会保険労務士)の出番>

会社の正しい対応を進めるには、信頼できる社労士との連携が必要だと思います。

また、パワハラ対策が進んでいない会社では、従業員の相談窓口として社労士を指定しておくことをお勧めします。

相談窓口の無い会社では、従業員が突然、労働基準監督署や弁護士に相談するものです。

問題が小さなうちに対処できるよう、安全策を講じましょう。

 

2017.02.13.解決社労士

<ストレス軽減は企業の課題>

人手不足により一人ひとりの負担が大きくなるなどの理由で、職場環境が厳しくなり多くの人がストレスを強く感じるようになりました。

ストレスを軽減するには、コミュニケーションを良好にして、快適な職場環境を整えることが大切です。

企業にとっても、従業員のストレスを軽減することは、生産性を向上させることにつながりますから、積極的に取り組む課題となっています。

 

<管理職の役割>

管理職の皆さんは、ストレスを抱えた部下を持つことによっても、ストレスを多く感じていることでしょう。

しかし管理職には、部下のプライバシーに配慮しながらも、部下の職務適性などを考慮して、ストレスを解消するための工夫と努力が求められています。

実際、快適な職場環境を作るのに管理職の果たす役割は大きいといえます。

 

<メンタルヘルス不調に気付くには>

部下のメンタルヘルス不調に気付くには、その人の「従来の行動様式からの小さな変化」に注目することが必要です。

余裕をもって出社していた部下が遅刻するようになった、朝の挨拶に元気がなくなった、身だしなみが乱れてきた、書類を探している姿が目立つようになった、一人ぼっちでいることが多くなったなどです。

この状態が続き、仕事の能率低下やミスが目立つようになったら、放置することはできません。

少しでも早く徴候に気付いて、ゆっくり話を聴くことが大切です。

 

<気持ちを聴く姿勢>

話を聴く場合、アドバイスするよりも、部下の気持ちを十分に聴くという姿勢が大事です。

話の中で、眠りにつけない、夜中に目覚める、食べられない、疲れが取れないなど体の不調を訴えたり、飲酒量や喫煙量が増えたという話が出てきたりしたら、心から心配していることを伝え、専門の医師や相談窓口への相談を勧めましょう。

 

<ここも社労士(社会保険労務士)の出番>

ストレスを抱えて悩んでいる人は、上司に言い出せないこともあります。ましてや、ストレスの最大の原因が上司からのパワハラだと感じている人は、上司に相談できるわけがありません。

職場でのストレスの相談窓口に、信頼できる社労士を利用してはいかがでしょうか。労働法の解釈や、会社の対応の誤解によって、ストレスをためこんでしまう従業員も多いものです。こんなとき、社労士ならストレスが小さいうちに対応することができるでしょう。

 

2017.02.12.解決社労士

<社会保険の加入基準>

大多数の会社では、1週間の所定労働時間が30時間以上で、1か月の所定労働日数が17日以上の従業員は、原則として社会保険の加入基準を満たすことになります。

そして、一度この基準を満たし社会保険に入った後で、労働時間が減少し、この基準を下回った場合には、社会保険から抜けるのが原則となります。

ただし、基準を下回るのが12か月程度で、やがて元の状態に戻ることが見込まれるなら、社会保険に入ったままとなります。

 

<労働契約(雇用契約)の変更>

労働時間が減少し、その状態が長く続くと見込まれる場合には、労働契約を変更する必要があります。

労働契約の変更は口頭でも可能ですが、労働条件は使用者から労働者に書面で示されるのが原則ですから、労働契約書の内容を改定し、新しい労働契約書を交わすのが一般的です。

実体に合わせて労働契約書を変更しておかないと、たとえば年次有給休暇の付与日数が変更されているのに、これに気付かないなどの不都合があります。

たとえば週5日勤務の従業員が、週4日勤務になって1週間の所定労働日数が30時間を下回れば、付与日数は減少します。

ところが、労働契約をそのままにしておいて、週5日勤務の契約で週4日の出勤となると、出勤率が8割を下回り、年次有給休暇が付与されないことにもなりかねません。

やはり、労働契約書は勤務の実態に合わせて改定しておくことをお勧めします。

 

<ここも社労士(社会保険労務士)の出番>

顧問の社労士がいれば、従業員ひとり一人の勤務時間などの実態に合わせ、社会保険や雇用保険で必要な手続きや、労働契約の変更について、タイムリーに対応することができます。

しかし、社内に対応できる社員がいなければ、信頼できる社労士にご相談ください。

 

2017.02.11.解決社労士

<事実の認定>

ある人が亡くなったとき、自殺、他殺、事故死、病死のどれなのか、ご本人に確認できれば簡単に判断できるのですが、ご本人が亡くなってしまった以上、客観的な事実の認定の積み重ねで判断するしかありません。

例は良くないですが、人を殺すつもりで突き飛ばしたら殺人、殺す気が無かったら傷害致死です。このとき、犯人が「殺すつもりでした」と言えば殺人罪、「殺す気はありませんでした」と言えば傷害致死だとしたら、ほとんどの犯人は後者を選びます。実際、殺人を犯した人の多くは「殺すつもりは無かった」と言います。

しかし、検察は本人の発言よりも、客観的な事実を認定して判断します。その場の客観的な状況、目撃者の証言、犯人と被害者との関係、犯人の性格を示す事実など、多くの事実を把握して判断材料とするのです。

 

<過労によるうつ病>

うつ病の原因も、仕事なのかプライベートなのか、これはご本人に聞いても不明なことすらあります。仕事の状況とプライベートの状況について、客観的な事実を確認して、うつ病の原因を推定するわけです。

 

<うつ病による自殺>

うつ病にかかったら必ず自殺するということではなく、自殺の原因がうつ病に限られるわけでもありません。

やはり、自殺するほど重いうつ病だったのか、うつ病の他に自殺の原因が無かったか、客観的事実を確認した上で認定するのです。

 

<会社が注意すべきこと>

従業員が自殺するようなうつ病の原因を作らないことです。

原因となる客観的な事実を発生させないためには、次のような対策が必要です。

・孤独にしない

・人間関係を悪くしない

・パワハラ、セクハラ、マタハラなど嫌がらせの事実を発生させない

・仕事の指示は具体的で明確に出す

・困ったときの相談窓口を設け機能させる

・抱えるストレスをチェックし、分析し、職場環境を改善する

・長時間労働を許さない

・業務終了から次の業務開始までの時間を十分に空ける

・休日と休暇を取らせる

そして、個人の体質、性格、遺伝的要素を言い訳にしないことです。

 

<ここも社労士(社会保険労務士)の出番>

「人手不足だから」は言い訳になりませんし、パワハラの定義すら無い会社には必ずパワハラがあり被害者がいます。

もし、具体的に何をどうしたら良いのか不明な点があれば、迷わず信頼できる社労士(社会保険労務士)にご相談ください。

 

2017.02.10.解決社労士

<3つのパターン>

障害年金は、障害の状況や請求の時期によって、請求の方式が認定日請求、遡及請求、事後重症請求の3通りに分かれます。

 

<認定日請求>

障害年金請求の本来の形ですが、実際には少数派です。

認定日請求は、初診日から16か月経過後の障害認定日の時点で、障害が障害年金を受給できる程度である場合に行います。

障害認定日から1年以内に請求する必要があります。

障害認定日から3か月以内の症状で作成された診断書が必要です。

支給が決定されると、障害認定月の翌月から支給されます。

 

<遡及請求>

認定日請求のタイミングで請求しなかった場合に、障害認定日に遡って請求する形です。

各月の年金請求権の消滅時効は5年間ですから、5年前の分まで請求が可能です。この間の年金は、まとめて支給されます。

診断書は、次の2枚が必要です。

・障害認定日から3か月以内の症状で作成された診断書

・請求時までの3か月以内に作成された診断書

支給が決定されると、障害認定月の翌月から支給されます。

 

<事後重症請求>

障害認定日の時点で、障害が障害年金を受給できる程度ではなかった人が、後から重くなって受給できる程度になった場合に行います。ただし、65歳以降は請求できません。

請求時までの3か月以内に作成された診断書が必要です。

遡っての支給はありません。

 

<ここも社労士(社会保険労務士)の出番>

3つのパターンのうち、一番早く受給できるのは認定日請求です。

しかし、認定日請求は遡及請求や事後重症請求よりも件数が少ないのです。

その原因は、ご本人や主治医が年金の受給を考えなかったからというのが多いのです。

もし、身体や精神の障害が発生したなら、なるべく早く、信頼できる社労士(社会保険労務士)にご相談ください。

受給の条件や時期、金額など、「もしも」の前提で相談するなら社労士がベストです。

特に、精神の障害であれば、ご本人か相談するのが困難なこともありますから、ご家族からの相談が良いと思います。

万一に備えて、頭の片隅に置いてくださればと思います。

 

2017.02.09.解決社労士

<年度更新とは?>

労働保険では、翌年度の保険料を概算で納付し、年度末に賃金総額が確定してから精算するという方法がとられています。〔労働保険徴収法15条・17条〕

したがって会社は、前年度の保険料を精算するための確定保険料の申告・納付と、新年度の概算保険料を納付するための申告・納付の手続きを同時に行うことになります。これが「年度更新」の手続きです。

 

<間違いの訂正は?>

年度内の訂正であれば、所轄の労働基準監督署、場合によっては所轄の労働局に相談して修正申告ができます。

納めた保険料が不足していれば追納になりますし、多過ぎたのであれば還付を受けることになります。

 

<間違えた場所により>

前年度の確定保険料に間違いがあったのであれば、速やかに修正しましょう。放置すると金額が確定してしまいます。

しかし、今年度の概算保険料のみに間違いがあったのであれば差額を確認し、それほど大きな金額でなければ、次回の年度更新で自動的に精算されますので、必ずしも修正申告は必要ないと思います。

ただし、年度更新を指示した事業主や上司への報告は忘れずに。

 

2017.02.08.解決社労士

<解雇の有効性についての判断基準>

「解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする」という規定があります。〔労働契約法16 条〕

この規定は、裁判所が判断を下すのに使った理論が条文となったものですから、その趣旨は様々な形で解雇の有効性の判断基準にあらわれます。

 

<就業規則に解雇の理由が無ければ>

まず、解雇の理由(事由)は、就業規則に必ず記載する事項とされています。〔労働基準法89 条3 号〕

つまり、就業規則に規定の無い理由で解雇することはできません。

また労働者が、解雇の予告をされた日から退職する日までの間に、解雇の理由について証明書を請求した場合には、使用者は、遅滞なくこれを交付しなければなりません。〔労働基準法22 条2 項〕

ですから、使用者が就業規則に規定の無い理由で労働者を解雇した場合には、労働者に有利な証拠書類を交付することになってしまいます。

 

<就業規則に解雇の理由があっても>

つぎに、裁判所はあいまいさの残る規定について、使用者に対して厳密な立証を求めます。

たとえば、営業成績が「著しく不良」という規定であれば、使用者はその程度が客観的かつ具体的に重大であることを証明しなければなりません。

また、将来の改善・回復の見込みが無いなどの「将来の予測」については、客観的な立証が必要とされます。

今日の判例は、使用者に困難な立証を求めることによって、「解雇は最後の手段であるべき」との態度を示しているのです。

 

<能力不足を理由とする解雇>

そして裁判では、労働者の能力が職場全体の中で相対的に低いというだけでは、能力不足による解雇が認められていません。

使用者は、解雇を検討する前に、配置転換や再教育による能力向上、あるいは降格処分など、解雇を回避するための措置を求められます。

 

<目標未達成を理由とする解雇>

結局、市場動向の変化や会社の業績に左右されない、客観的で合理的な目標が就業規則に規定されていて、その目標を達成できないことを理由に解雇する場合であって、教育研修を十分に行い、配置転換や降格処分も行ったのになお効果が無く、やむを得ず解雇を通告するのでなければ、その有効性は疑わしいということになってしまいます。

そもそも、条件付きの解雇通告というのは、それだけで労働者の立場を不安定にしますから、どんなに工夫を重ねても、有効性に自信を持てないものなのです。

こんなむずかしいことにチャレンジするよりは、信頼できる社労士(社会保険労務士)と相談して、充実した教育研修システムや、納得のいく人事考課制度を構築したほうが、会社も社員も成長するのではないでしょうか。

 

2017.02.07.解決社労士

<退職金の支払い義務>

民間企業の従業員に対する退職金支給義務は、使用者に課されていません。

ですから民間企業では、必ずしも退職金を支給する必要はなく、実際に退職金制度の無い企業も少なくありません。

とはいうものの、退職金は日本の雇用慣行の中で、引退後の生活基盤の原資として重視されています。

その額も、給与や賞与に比べても多額なのが通常です。

 

<退職金と就業規則>

就業規則に「退職手当の定めをする場合においては、適用される労働者の範囲、退職手当の決定、計算及び支払の方法並びに退職手当の支払の時期に関する事項」を規定すべきことが定められています。〔労働基準法89条〕

ここでいう退職手当とは、退職金よりは広い概念で、労働契約などによってあらかじめ支給条件が明確になっていて、その受給権が退職により在職中の労働全体に対する対償として具体化するものであれば良いとされています。

また、一時金だけでなく年金である場合も含みます。

 

<社外の退職金制度利用の場合>

使用者が、中小企業退職金共済制度などの社外積み立て型の退職金制度を利用している場合も、ここにいう退職手当の制度に該当します。

ですから、この場合にも、就業規則に規定を設けなければなりません。

 

<危険なケース>

社外の制度を利用しているからという理由で、就業規則に退職金の規定を置かないのは、労働基準法違反になります。

それ以上に問題なのは、就業規則がひな形や他社の就業規則のマネを元に作られていて、実際には退職金を支給していないのに、あるいは支給する予定がないのに、規定だけが存在するという場合です。

これらの場合には、自己流で修正することがトラブルの原因となりかねません。是非、信頼できる社労士(社会保険労務士)にご相談ください。

 

2017.02.06.解決社労士

<労災保険での失敗>

あくまでも人から聞いた話です。

労災保険はアルバイトに適用しない旨の規定が就業規則にあって、アルバイトに労災事故が発生しても、手続きをしていない会社がありました。

ある日、アルバイトが出勤の途中でひき逃げされ、ご本人は意識を失い救急車で病院に運ばれて、ご家族が駆けつけました。

アルバイトの父親から、その会社に電話しました。急な欠勤のお詫びと、労災手続きを速やかにして欲しいとの依頼です。ところが、その会社の社員から自信たっぷりに「うちの会社はアルバイトに労災保険を適用しません」という話をされます。

そこでこの父親が、所轄労働基準監督署の労災課に相談して、会社に調査が入り、労災保険料の不足と、今までの手続きの未了が発覚します。そして、多額の出費と手続きのやり直しの手間が発生し、経営が危うくなったということです。

 

<社内の常識>

社内での長年の常識が、実は法令違反ということもあります。所轄労働基準監督署に届けてあるのだから、その就業規則に規定されていることは、すべて合法であり問題無いと思ったら大間違いです。

労働基準監督署は、届け出のあった就業規則に違法な部分を見つければ、その是正を指導します。しかし、私の経験からしても、就業規則の作成や変更を労働基準監督署の窓口に届け出たときに、1時間以上かけてじっくりとチェックされたのは、約100回中たったの1回です。

通常は、ざっと見てくださって、気づいたところをコメントしてくださる程度です。ですから届けの控えに「受付」のハンコを押してもらっても、内容が保証されたわけではないのです。

また、就業規則を届け出てから2~3年もすれば、法改正によっていつの間にか違法になってしまう規定が出てくるものです。

 

<ここも社労士(社会保険労務士)の出番>

なぜ不適法な就業規則が作成されたのか、その経緯は不明です。

しかし、少なくとも専門家のチェックを経ないまま、所轄労働基準監督署に届け出が行われ、そのまま長年にわたって運用されてしまったのでしょう。

それでも、何かキッカケが無ければ発覚しないものです。

就業規則の作成、変更、運用については、是非、信頼できる社労士(社会保険労務士)にチェックさせることをお勧めします。

 

2017.02.05.解決社労士

<雇い入れ時の健康診断>

雇い入れ時の健康診断は、1週間の所定労働時間が正社員の4分の3以上で、1年以上勤続する予定の従業員について法的義務があります。〔労働安全衛生法661項、労働安全衛生規則45条〕

また、1週間の所定労働時間が正社員の半分以上であれば、受診させることが望ましいとされています。努力義務です。

いずれにせよ、雇い入れ時の健康診断実施義務は、採用側の義務ですから、基本的には採用側が実施し、費用も負担するのが法の趣旨に適合します。

とはいえ、費用負担について、法令に明確な規定が無いので、応募者側が費用を負担するルールにしても違法ではありません。また、応募者が自主的に健康診断の結果を提出することも問題ありません。

 

<採用面接時の対応>

以前は、採用面接を行うにあたって、健康診断結果の提出を求め、雇入れ時の健康診断を兼ねていた会社が多かったのです。

ところが、平成5年労働省通知と平成13年厚生労働省通知によれば、「雇い入れ時健康診断は、雇い入れた際における適正配置と入職後の健康管理のためのものであって、採用選考時に採用の可否の決定のための健診を行うことは適切を欠く」とされています。

この背景には、採用側がHIV検査を義務付けるなど、人権侵害の問題がありました。

やはり、法定の項目以外の検査を義務付けるのは避けるべきでしょう。

そもそも、法令の文言を素直に読めば、「雇い入れ時」というのは採用前ではなく採用後のことを言っています。ですから、基本的には採用決定後に、雇い入れ時の健康診断を実施することになります。

 

<健康状態の確認方法>

とはいえ、健康状態に問題のある応募者を採用してしまうと、採用取消や解雇は簡単にはできません。ほとんどの場合は、採用取消や解雇が無効とされ、損害賠償請求の対象となってしまいます。

トラブルになるのは、入社後に健康不良が発覚したものの、「その点については質問されませんでした」と言ってかわされていまい、採用側は有効な手を打てなくなるというケースです。

ですから、採用面接の段階で応募者の健康状態について、人権侵害にならない範囲で、詳細な情報を申告していただくのが得策です。これと併せて、就業規則には、採用時の虚偽申告は採用取消や解雇の理由となりうることを規定しておくべきです。

 

<ここも社労士(社会保険労務士)の出番>

入社時の健康状態チェックに限らず、労務管理上のトラブルは事前の対策によってその大半が防げるものです。

できれば想定しうるすべてのトラブルを予防すべきですし、一度痛い目に遭ったなら速やかに再発防止策を講ずるべきです。

是非、信頼できる社労士(社会保険労務士)にご相談ください。

 

2017.02.04.解決社労士

<給与からの控除>

基本給の他に、通勤手当、残業手当、その他の手当があれば、それらを合計して給与の総支給額となります。

しかし、この総支給額がそのまま従業員に支給されるわけではありません。

総支給額を基準に、厚生年金保険料、健康保険料、雇用保険料が決まり、これらが控除されます。40歳になれば、介護保険料も加わってきます。

また、総支給額から通勤手当を差し引いた金額を基準に、所得税と住民税の控除があります。ただし、一定の基準を超えれば通勤手当にも課税されますし、住民税は入社の翌年か翌々年の6月から控除することが多いのです。

こうして、いろいろ控除された残りが手取り額となります。

 

<入社にあたっての給与の決定>

小さな会社では、社長と応募者とで採用面接をして、給与については手取り額で合意することもあります。

たしかに、応募者の入社後の生活費を考えると、手取り額で約束しておけば安心です。

しかし、手取り額から基本給を逆算するのは容易ではありません。所得税や住民税は、扶養家族の状況によっても変わるものです。

 

<深夜労働がある場合>

夜間に営業する飲食店などでは、午後10時から翌日午前5時の間に勤務時間が含まれるのが通常です。そして、この時間帯は深夜手当として25%以上の割増賃金が発生します。

深夜手当の計算基礎は、基本給に一定の手当を加えた金額ですから、基本給とも総支給額とも違う金額になるのが通常です。

基本給を手取り額から逆算する場合には、この深夜手当も計算に入れる必要があります。

このとき、休憩時間をいつ取るかによっても計算が変わってきます。

 

<残業代込みの場合>

残業代込みで手取り額を設定する場合には、定額残業代についてきちんとしたルールを定め、正しく運用しなければ違法になってしまいます。

残業代の計算基礎は、深夜手当と同額になります。

 

<結論として>

新人を採用する場合に、給与について手取り額で約束してしまうと後の計算が大変です。

基本給と各手当の金額で決定し、手取り額を目安として提示するのが得策です。

 

<ここも社労士(社会保険労務士)の出番>

それでも手取り額で給与を決めたい、あるいは決めてしまったという場合には、信頼できる社労士(社会保険労務士)にご相談ください。

ご本人から必要な情報をうかがって、可能な限り正確な基本給を計算いたします。

 

2017.02.03.解決社労士

<社会保険加入基準>

大企業(特定適用事業所)の例外はありますが、原則として、臨時に使用される人や季節的業務に使用される人を除いて、1週の所定労働時間および1月の所定労働日数が正社員の4分の3以上というのが社会保険加入基準です。

万一、週の所定労働時間が定まっていない場合には、次の計算によって算定します。1年間の月数を「12」、週数を「52」として週単位の労働時間に換算するものです。

・1か月単位で定められている場合は、1か月の所定労働時間×12か月÷52週

・1年単位で定められている場合は、1年間の所定労働時間÷52週

・1週間の所定労働時間が短期的かつ周期的に変動する場合は、その平均値

 

<正社員がいない場合>

この基準は、正社員の存在が前提になっています。

しかし、小規模の飲食店が1店舗のみの会社などでは、経営者の他にはパートとアルバイトだけで、正社員はいないという場合があります。

この場合には、もしその会社に正社員がいたとしたら、週何時間勤務で、月何日勤務になるかを想定して、その4分の3を基準とします。

一般には週40時間が法定労働時間ですが、従業員が10人未満の商業、映画・演劇業、保健衛生業、接客娯楽業では、週44時間が法定労働時間となります。

ですから、この制限内で正社員の労働時間を想定することができます。

こうした会社で、週27時間勤務のパートがいた場合に、正社員の所定労働時間を週40時間と想定すれば、その4分の3にあたる30時間を下回るので、社会保険には入りません。しかし、正社員の所定労働時間を週36時間と想定すれば、その4分の3は27時間ですから、社会保険に入ることになります。

こうして、正社員のいない会社では、正社員の所定労働時間と所定労働日数の想定の仕方によって、ある程度は加入基準を選ぶことができるのです。

 

<ここも社労士(社会保険労務士)の出番>

何事にも原則と例外があって、労働関係では、その区分が必ずしも「常識」に従っていないことが多いのです。

従業員のうち誰が、社会保険、雇用保険、労災保険の対象なのか、信頼できる社労士(社会保険労務士)に確認させることをお勧めします。

 

2017.02.02.解決社労士

<進歩の無いマニュアル>

マニュアルとは、ある物事に対応する方法を知らない初心者に対して示し、教えるために標準化・体系化して作られた文書だとされています。

電化製品を買ったときに付属されるマニュアルには、危険を避け、その商品を活用するための情報がたっぷりと掲載されています。たっぷり過ぎて読まない方もいらっしゃるようですが。

会社の中で使われるマニュアルというと、新人教育のための冊子で、一人前になれば使わなくなるものだとされています。いつまでもマニュアルに頼っていてはいけないと言われます。

しかし、これは進歩の無いマニュアルの話です。

 

<社員と共に成長するマニュアル>

進歩するマニュアルは、このような新人向けのものではありません。

まず、その仕事をもっとも良くわかっている社員がマニュアルを作成します。この段階で、このマニュアルを新人に持たせて、同じようにすることを求めるのは無理です。

そうではなくて、マニュアルを作成した社員自身が、その仕事を行うときにそのマニュアルを見ながら行います。そうすると次のようなことを考えます。

・マニュアルにはこう書いたけれど、実際には、こうしているな。

・ここは、こうすればもう少し効率良くできそうだ。

・この手順はカットしても影響がなさそうだ。

・この部分は、私の仕事ではなくてお隣の部署の仕事だ。

・もしここが間違っていたらアウトだから誰かにチェックしてもらうべきだ。

このように思いついたことは、赤文字で修正やコメントを入れていき、上司の了解を得ながら改訂していきます。

つまり、マニュアルの改善という手段によって、仕事そのものが改善されていくのです。

これは、新人や一人前ではない社員には無理な改善です。

マニュアルを見ながら作業したのでは仕事が遅くなるような気もします。しかし、ベテランといえども月に1回、年に1回の仕事は思い出しながらやるものです。きっとマニュアルを見ながら行ったほうが早く終わるでしょう。

反対に日常的な業務であれば、マニュアルの改善による業務改善の効果は、生産性向上となって大きな成果を示します。

ぜひ、社員と共に成長するマニュアルの活用をお勧めします。

 

<ここも社労士(社会保険労務士)の出番>

とはいうものの、最初のマニュアルをどうやって作ったら良いのか、具体的な方法や手順については、いろいろと迷うこともあるでしょう。

そんなときは、是非、信頼できる社労士(社会保険労務士)にご相談ください。

社員と共に成長するマニュアルを活用する目的は、生産性の向上にあります。生産性の向上は、長時間労働の解消や定着率の向上とも深いかかわりを持っています。

さらに、この方法によるマニュアルの活用は、上司が部下の仕事内容や改善の進み具合を知るにはベストな手段ですから、人事制度や人事考課基準と連動させると絶大な効果を発揮します。

すべてまとめてご相談することをお勧めします。

 

2017.02.01.解決社労士

<原則>

個人事業の事業主と同居している親族は、事業主のもとで働いていても、原則として雇用保険に入りません。

これは、実質的に代表者の個人事業と同様と認められる法人の場合も同じです。

雇用関係にあるとは認定されないわけです。

 

<例外的に雇用保険に入る場合>

次のすべてに当てはまる場合には、雇用保険に入ることがあります。雇用関係にあると認定されれば、雇用保険で保護する必要があるからです。

・事業主の指揮命令下で業務を行っていることが明確であること。

・その事業所の他の労働者と同じ就業実態で、賃金も他の労働者と同じ基準で支払われていること。たとえば、他の労働者と同じように、就業規則に従い勤務し管理されているような場合。

・取締役など事業主と利益を共にする地位に無いこと。

 

<ここも社労士(社会保険労務士)の出番>

何事にも原則と例外があって、労働関係では、その区分が必ずしも「常識」に従っていないことが多いのです。

従業員のうち誰が、社会保険、雇用保険、労災保険の対象なのか、信頼できる社労士(社会保険労務士)に確認させることをお勧めします。

 

2017.01.31.解決社労士

<退職後の健康保険証>

退職後は健康保険の資格を失いますので、健康保険証は使用できません。

健康保険証さえあれば、保険診療が受けられるというわけではないのです。

退職後に、医療機関で健康保険証が使われた場合には、健康保険で支払われた医療費を、保険者である協会けんぽなどから資格を失った人に直接返還請求しています。

医療費が1万円の場合、本人負担は3千円ですが、保険者から残りの7千円が請求されることになります。

繰り返し請求しても、返還されない場合は、保険者は裁判所へ支払督促申立てや少額訴訟等の法的手続を経て、強制執行(給与、預貯金等の差押え)による回収を行っています。

実際、健康保険の資格を失った人が、健康保険証を返却せずに医療機関等で使用し、協会けんぽから返還請求を行っているケースは全国で発生しています。

うっかり健康保険証を使ってしまわないよう、資格を失ったら速やかに勤務先を通じで保険者に健康保険証を返却しましょう。

 

2017.01.30.解決社労士

<慶弔休暇についての社内規定>

社員本人や社員のお子さんの結婚式については、慶弔休暇の規定があって休暇が認められる職場は多いでしょう。

しかし、兄弟姉妹や友人の結婚式となると、慶弔休暇が与えられる職場は少ないものです。

こんなときは、年次有給休暇を取得できるのでしょうか。

 

<年次有給休暇取得の理由>

年次有給休暇の取得にあたって、その理由づけに悩んでいる人は多いものです。しかし、誰かが休暇を取ったとき、休暇を取った理由によって、会社の仕事が上手く回ったり停滞したりということはありません。

実際、年次有給休暇について「使用者は、年次有給休暇を労働者の請求する時季に与えなければならない。ただし、請求された時季に休暇を与えることが事業の正常な運営を妨げる場合においては、他の時季にこれを与えることができる」というように、法律の条文には「理由」のことなど何も書かれていないのです。〔労働基準法395項〕

 

<調整が必要な場合>

このように、年次有給休暇の取得理由が基本的には問題にならないとはいえ、同じ部署で特定の日に休暇を取得する人が集中すると「事業の正常な運営を妨げる」ことになりますから、やはり調整が必要になります。

この場合には、誰が休暇を取得するかについて使用者が決めるのではなく、部署内のメンバーで話し合って決めるのが望ましいでしょう。

こんな時のためにも、職場内でのコミュニケーションは良好に保っておかなければなりません。

 

<ここも社労士(社会保険労務士)の出番>

年次有給休暇について、労働基準法の規定をそっくりそのまま写したような就業規則では、同じ日に複数の社員が休暇を希望した時に対応できません。

とはいえ、使用者が休暇取得の理由を詮索すると、休暇取得の妨害が疑われて労働紛争の火種ともなりかねません。

やはり、それぞれの職場に合った年次有給休暇のルールは必要です。困ったら、ぜひ信頼できる社労士(社会保険労務士)にご相談ください。

 

2017.01.29.解決社労士

<有効な取組みとは>

「2016年人事・労務に関するトップ・マネジメント調査」の結果が経団連から発表されています。

この中で注目されるのは、若手社員の定着状況の改善に向けた取組みです。企業が改善に向けて有効と考える取組みのベスト5は次のとおりです。

・職場での良好な人間関係の構築(60.7%)

・能力や適性に合った配置、納得性の高い評価制度の整備・運用(54.4%)

・労働時間の削減、年次有給休暇の取得促進(33.9%)

・キャリアパスや企業ビジョン・企業理念の見える化(31.8%)

・能力開発の強化(27.9%)

 

<ここも社労士(社会保険労務士)の出番>

自社の中で、具体的にどう取り組んだら良いのかが課題です。「うちの会社では無理」と言っていたら、人手不足が進行してしまいます。

どの項目を見ても、社労士の得意分野です。社員の定着率向上をお考えでしたら、信頼できる社労士(社会保険労務士)にご相談ください。

 

2017.01.28.解決社労士

<労災保険法1条>

労働者災害補償保険は、業務上の事由又は通勤による労働者の負傷、疾病、障害、死亡等に対して迅速かつ公正な保護をするため、必要な保険給付を行い、あわせて、業務上の事由又は通勤により負傷し、又は疾病にかかつた労働者の社会復帰の促進、当該労働者及びその遺族の援護、労働者の安全及び衛生の確保等を図り、もつて労働者の福祉の増進に寄与することを目的とする。

 

<必要な保険給付>

治療費が無料になります。また、仕事を休んでいる間の所得が補償され、障害が残った場合には一時金や年金が支給されます。被災者が死亡した場合には残された遺族に対して補償が行われます。

 

<社会復帰の促進など>

被災労働者の円滑な社会復帰を促進するために、義肢、義眼、補聴器など補装具の購入・修理費が支給されます。

被災労働者とその遺族の援護を図るために、お子さんの学資が援助され、介護施設が運営され、労災ケアサポーターによる訪問支援が行われます。

この他、メンタルヘルス対策、アスベスト対策、労災発生防止対策、賃金支払い確保のための事業が行われています。

 

<ここも社労士(社会保険労務士)の出番>

労災保険を会社に適用させる手続きが完了していなかったり、労災が発生しても給付を受けるための手続きが行われていなかったりというのは、もちろん違法なのですが、それ以前に大変もったいないことです。

迷ったら信頼できる社労士(社会保険労務士)にご相談ください。 

 

2017.01.27.解決社労士

<引継ぎと目的意識>

人事異動や退職によって、仕事の引継ぎが発生します。

何も意識しないで引き継げば、慣れている前任者から不慣れな後任者に仕事が移るわけですから、明らかに戦力ダウンです。

しかし、一つひとつの仕事の目的を意識した引継ぎを行えば、仕事のレベルは向上し、社員は成長し、会社も成長するのです。

まさに、引継ぎは会社成長のチャンスなのです。

 

<後任者の気持>

早く一人前になりたいと思います。1日も早く前任者と同じように仕事ができるようにと考えるわけです。

この気持は、前向きな気持ですから、それはそれで素晴らしいのですが、「前任者と同じように」ではなく「前任者以上に」を目指さなければ成長がありません。

そのためには、引き継ぐ仕事の一つひとつについて、それが何を目的としているのかを考える必要があります。

場合によっては、その仕事は既に必要が無いという結論が出ることもあります。同じ目的を達成するのに、もっと手間のかからない方法があったり、同じ手間でより大きな成果を出す方法があったり、前任者と後任者で話し合いながら、改善しながら引継ぎを行うのが得策です。

 

<前任者の気持ち>

仕事に対する愛着があります。自分の中でベストと思うやり方で仕事をこなしてきたという自負もあります。

ですから後任者に対しては「つべこべ言わずに私のやってきたようにやりなさい」というのが本音でしょう。しかし、その気持をグッとこらえて、よりよい仕事と成長を目指して、後任者と話し合いながら改善を試みるのが得策です。

 

<前任者と後任者の上司の気持ち>

限られた時間の中で、スムーズにトラブルなく引継ぎが完了して欲しいという、保守的な気持になるのが普通です。

しかし、担当者が変わっても仕事の中身か変わらないのでは、成長がありません。このことを強く意識して、前任者と後任者との間に考え方の違いがあることを前提に、調整役を買って出るのが得策です。

 

<ここも社労士(社会保険労務士)の出番>

このように引継ぎは会社成長のチャンスですから、固定的な組織や役割分担ではなく、23年サイクルでの人事異動や組織変更をお勧めします。当然、就業規則も変わってくるわけです。

その就業規則も、会社の成長を促す引継ぎのルールがあると無いとでは大違いです。

社員と会社の成長を促す就業規則をお考えでしたら、信頼できる社労士(社会保険労務士)にご相談ください。

 

2017.01.26.解決社労士

<規定が無いと>

就業規則に産前産後休業の規定が無い会社では、従業員が希望しても産休を取ることはできず退職するしかないのでしょうか。

そもそも従業員が10人未満の会社では、就業規則の作成と労働基準監督署長への届出義務がありませんから、実際に就業規則が無いこともあります。

 

<労働契約を規制するもの>

労働契約は、労働者の「働きます」という意思表示と、使用者の「雇います」という意思表示が合致して成立します。

そして、契約自由の原則というものがあり、契約を締結するかしないか、誰と契約するか、どのような内容の契約をするかなどは、原則として自由だとされています。

しかし、この原則を制約する法令の規定として、強行規定があります。強行規定は、それに反する契約当事者間の合意にかかわらず、強制的に適用される規定をいいます。

強行規定かどうかは、条文を見ただけでは区別できず、その趣旨が社会の秩序を維持するためであったり、弱者保護のためであったりすることによって、強行規定であると解釈されます。

労働基準法は、まさに弱者である労働者を保護するための基準を示した法律ですから、その条文は基本的に強行規定だといえます。

 

<結論として>

就業規則に規定が無くても、そもそも就業規則が無くても、産休を取る権利は労働基準法によって認められています。

使用者は、就業規則のことを理由に産休を否定することはできないのです。

これは、産休だけでなく、年次有給休暇、残業手当などにも当てはまります。

 

<ここも社労士(社会保険労務士)の出番>

労働基準監督署で「うちではアルバイトに労災保険を適用しない」と主張する経営者、ハローワークで「パートまで雇用保険に入れる必要はない」と熱弁をふるう取締役の姿を見たことがあります。会社独自のルールを設けて良いことと悪いことの区別がついていないわけです。

会社のルールがおかしくないか、少しでも疑問を感じたら、信頼できる社労士にご相談ください。

 

2017.01.25.解決社労士

<労使協定>

労使協定とは、労働者と使用者との間で締結される書面による協定のことです。法令に「労使協定」という用語があるわけではなく一種の通称です。

法令には「当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合があるときはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がないときは労働者の過半数を代表する者との書面による協定」と書かれています。

この表現からわかるように、使用者と労使協定を交わす主体は、2通りに分かれます。

・労働者の過半数で組織する労働組合があるとき ― その労働組合

・労働組合が無いとき、あるいは、労働組合があっても労働者の過半数で組織されていないとき ― 労働者の過半数を代表する者

労働者の過半数を代表する者は、その事業場で民主的に選出されます。

 

<三六(さぶろく)協定>

その事業場で、時間外労働(法定労働時間を超える早出、残業)や休日出勤(法定休日の出勤)が全くない事業場を除き、これらについての三六協定を所轄の労働基準監督署長に届け出なければなりません。

労使協定の中には、所轄の労働基準監督署長に届け出を義務づけられたものがいくつかあります。

そして、ほとんどの労使協定は、届出をしなくても罰則を適用されるだけで、効力そのものは発生するのですが、この三六協定だけは届出をするまで無効です。しかも、届出をした日からの時間外労働などについてのみ有効とされ、日付をさかのぼっての効力は認められません。

 

<労働協約>

労使協定と混同されるものに労働協約があります。労働協約は、労働組合法に定められた労働組合と使用者または使用者団体と結ばれた取り決めで、書面にされたものをいいます。

この労働協約は、労働組合が無ければ作成することができないわけです。

 

<ここも社労士(社会保険労務士)の出番>

うっかり三六協定の届出を忘れたり、期限切れの三六協定を放置しておくと、たった1分の残業でも「違法残業」となります。

三六協定の有効期間は最長で1年間ですから、更新が必要になるわけです。

社労士は、正しい三六協定の届出と更新をタイムリーに行います。うっかりすることがないように、信頼できる社労士にお任せください。

 

2017.01.24.解決社労士

<退職勧奨の法的性質>

新人を採用する場合には、会社が求人広告を出し、求職者が応募します。そして、採用面接などを経て会社が採用を決めます。この流れの中では、求職者の応募が労働契約の申し込みであり、会社の採用決定が労働契約の申し込みに対する承諾です。こうして労働契約が成立します。求人広告は、労働契約の申し込みを誘っている広告で、法的には「申し込みの誘因」とされます。

同じように、希望退職者を募って社内に告知し、退職希望者が退職の申し出をして、会社が承諾すれば、労働契約の合意解除による退職が成立します。このとき、希望退職者募集の社内告知は、退職の申し出を誘っているので、法的には「申し込みの誘因」とされます。

この退職の申し出を誘う相手が多数の社員ではなく個人であれば、退職勧奨ということになります。退職勧奨は、求人広告と同じように、相手が申し込むかどうかは完全に自由です。

 

<退職勧奨が問題となるケース>

このように退職勧奨は、本来、会社が自由に行えるはずのものですが、社会的に相当な範囲を逸脱した場合には違法とされます。違法とされれば、退職が無効とされたり、会社から退職勧奨を受けた社員に対する慰謝料の支払い義務が発生したりします。

 

<安全な退職勧奨>

退職が無効とされたり、慰謝料が発生したりのリスクが無い退職勧奨とは、次のようなものです。

・1人の社員に対して2名以内で行う(男性が女性に1人で退職勧奨を行うのは、セクハラなどを主張される恐れがあるので避ける)。

・パワハラ、セクハラなど、人格を傷つける発言はしない。

・大声を出したり、机をたたいたりしない。脅さない。だまさない。

・長時間行わない。何度も繰り返さない。

・きっぱりと断られたら、それ以上の退職勧奨は行わない。

・他人に話を聞かれる場所で行わない。明るく窓のある個室が望ましい。

・家族など本人以外の人に働きかけない。

結局、本人の自由な本心による退職の申し出が必要なので、後になってから本心ではなかったとか、脅された、だまされたなどの主張がありえない退職勧奨であることが必要となります。

 

<ここも社労士(社会保険労務士)の出番>

会社としては何とかして辞めてもらう必要を感じていて、退職勧奨にあたる社員も熱くなりがちです。

冷静さを求められる局面でこそ、信頼できる社労士にご相談いただきたいものです。

 

2017.01.23.解決社労士

<就業規則の機能>

就業規則は、労働条件や職場の規律を明らかにして、働きやすい職場づくりに役立ちます。

つまり、就業規則が文書化され明らかであれば、労働者は労働条件や守るべきルールが明らかなので、安心して働くことができます。

また、使用者も職場秩序を確立・維持し、多数の労働者の労働条件を統一的に管理することによって、事業運営の見通しを立て計画性を保つことができます。

さらに、労働者と使用者との間の権利義務関係を明らかにして、労働紛争を予防することができます。なぜなら、労働紛争の多くは「あやふや」であることに起因するからです。

 

<就業規則に対する法規制>

就業規則は、労働基準法をはじめとする法律、命令、省令、労働協約に反してはなりません。反している部分は無効となります。

これらに反する就業規則が作成された場合には、所轄労働基準監督署長が変更を命じることになります。

 

<就業規則の個性>

就業規則は、法令や労働協約により規制されるものの、その範囲内では職場の実情に応じたものを定めることができます。つまり、就業規則にも個性があります。

そして、労働者の権利が最低限守られるだけの就業規則もあれば、労働者の権利を大幅に認めた就業規則もあります。

最低限の就業規則であれば、会社の負担は少ないのですが、労働者が不満を感じて労働意欲を失ったり、退職してしまったりでは元も子もありません。

反対に、福利厚生やその他の面で、労働者に最大限の権利や自由を認める就業規則であれば、労働者の利益になるようにも見えますが、会社の負担が大きすぎて経営が行き詰まるようでは、結局、労働者の雇用の安定が損なわれてしまいます。

結局、実際に運用されている就業規則は、労働者と使用者との間の権利義務関係が、職場の実情に応じて微妙なバランスを保った内容であることが求められるわけです。

 

<ここも社労士(社会保険労務士)の出番>

会社の実情を踏まえたバランスの良い就業規則をお考えでしたら、信頼できる社労士(社会保険労務士)にご相談ください。

 

2017.01.22.解決社労士

<就業規則の由来>

就業規則は、従業員の労働条件や職場の規律などを定めたものです。

多数の従業員を抱える企業では、営利追求の目的を達成するために、雇い入れた従業員を組織化し労働条件や職場の規律をある程度画一的に規制する必要があります。

多くの従業員が集まって生産活動に携わる場合には、予め決められている一定の秩序に従うことが効率的であり、安全も確保され、生産設備や施設の管理も適切に行えるため、その必要性が認識されて自然発生的に作られ、やがて慣行化されたものです。

このように就業規則は、労働基準法が作成を命じているから作られたというものではありません。

 

<就業規則の内容>

実際の就業規則には、次の3つの内容が織り込まれています。

・労働条件の共通部分

・職場の規律

・法令に定められた労働者の権利・義務

どの規定が3つのうちのどれにあてはまるのか、一見しただけではわかりません。また、一つの条文に複数の内容が含まれていることもあります。

 

<法令に定められた労働者の権利・義務>

就業規則の由来からすると、その内容は労働条件の共通部分と職場の規律だけで十分なはずです。

しかし会社は労働者に対して、法令に定められた労働者の権利や義務さらには各種制度について、重要なものを周知する義務を負っています。

これを個別に説明していたのでは手間がかかりますから、就業規則の内容に盛り込んで、就業規則の周知として行っています。

 

<パート・アルバイトがいる場合の就業規則>

就業規則は、労働条件の共通部分についての規定を含みます。そして、正社員とパート・アルバイトでは労働条件が違うのですから、それぞれ別の就業規則が必要となります。

正社員には退職金制度があり、パート社員には退職金を支払わないという暗黙のルールがあっても、正社員の就業規則しか無ければ、退職したパート社員から退職金の支払いを請求されても断り切れないのです。

 

<ここも社労士(社会保険労務士)の出番>

それぞれの会社の実情に適合した就業規則の作成と改善は、社労士の最も得意とするところです。

きちんと機能する就業規則をお考えでしたら、信頼できる社労士にご相談ください。

 

2017.01.21.解決社労士

<経営者の立場からすると>

創業者であればもちろん、そうでなくても経営者であれば、今後の会社をどうすべきか、今抱えている課題をどのように解決したら良いのか、365日、24時間思いを巡らせ悩んでいるのは当たり前です。

その一方で従業員たちは、残業手当がどうだとか、休暇が取れないとか、賞与の金額が他社に比べて少ないとか、好き勝手なことを言っています。

経営者からすると、どうしてみんな自分と同レベルで頑張っていないのか、特に若い頃の自分と、若手社員の現実の姿の差にがく然としてしまいます。

 

<目的意識の差>

こうした態度の差をもたらしているのは、まさに目的意識の違いでしょう。

経営者は会社と従業員、その家族までを支えなければなりません。ところが、従業員はともすると「給料分だけ働こう」という気持ちになってしまいます。実際に、すべての社員が給料分しか働かなければ、会社の発展どころか存続すら危ういのですが。

 

<創業の精神>

創業の精神というのは、「なぜその事業を始めたのか」という事業開始の目的意識を言葉にしたものです。

どの会社でも、事業を始めるにあたっては、創業者が多大なリスクを冒し、大変な努力をしています。そのときの思いを集約したのが、創業の精神なのです。

この創業の精神は、すべての社員に浸透させなければなりません。そうしなければ、今なぜこの会社があるのか、その存在意義すらあやふやになってしまうからです。

 

<経営理念>

経営理念というのは、「どうやって利益を出すか」を言葉にしたものです。

どの会社にも、様々な方針があります。明確に文書化されたものや、なんとなく共有されているものまで、相当な数に及びます。

その中でも、会社がどうやって営利を追求するかという態度を示したものが経営理念です。この経営理念が、お客様やお取引先に受け入れられないような内容であれば、会社は社会性を失い存続できなくなります。

この経営理念も、すべての社員に浸透させなければなりません。そうしなければ、今なぜこの仕事をしているのか、その目的すらあやふやになってしまうからです。

 

<創業の精神と経営理念の見える化>

創業の精神や経営理念の中であやふやになっている部分は、文書化して明確にしておくべきです。

会社は就業規則の周知を義務付けられていますが、実はそれ以上に、創業の精神と経営理念を周知する必要に迫られていると考えます。

就業規則ファイルには、創業の精神、経営理念、就業規則、労使協定の順に並んでいるのが望ましいと思います。

 

2017.01.20.解決社労士

<年金相談の際に>

日本年金機構(年金事務所)では、平成29年1月からマイナンバーによる年金相談を受け付けています。

受付でマイナンバーカード(個人番号カード)を提示することによって、年金に関する相談や年金記録に関する照会を行うことができます。

 

<手続きの省略>

また、平成29年1月以降に郵送される現況届や年金請求書にマイナンバーを記入すれば、原則として、受給権者はその後の現況届や住所変更届、死亡届の提出が不要となります。

ただし、住民票の住所以外に住んでいる人など、引き続き住所変更の届出が必要となる場合があります。

 

<将来の予定>

将来的には、マイナンバーを届け出ておくことによって、一般の年金加入者(被保険者)を含めて住所変更届などの提出を不要としたり、これまで申請時に必要としていた添付書類の提出を省略できるようになる予定です。

 

2017.01.19.解決社労士

<助成金の額> 

助成対象経費の半額 最高200万円 

喫煙室の設置などにかかる工費、設備費、備品費、機械装置費などの半額ですが、事業場内において、措置を講じた区域以外を禁煙としなければなりません。 

 

<受給できる事業主> 

次の両方に該当する事業主が対象です。 
・労働者災害補償保険の適用事業主であること 
・中小企業事業主であること 

 

<助成金のねらい> 

平成27年6月1日から、職場の受動喫煙防止対策(事業者・事業場の実情に応じた適切な措置)が事業者の努力義務となりました。 
そこで、積極的に受動喫煙防止対策を行う事業主に対して、費用の一部を支援するものです。 

 

<助成の対象となる措置> 
①次の基準を満たす喫煙室の設置・改修 
※喫煙室の入口で、喫煙室内に向かう風速が0.2 m/秒以上 
②次の基準を満たす屋外喫煙所(閉鎖系)の設置・改修 
※喫煙所での喫煙で、喫煙所の直近の建物の出入口などにおける粉じん濃度が増加しない 
③次の基準を満たす換気装置の設置など(宿泊業・飲食店を営んでいる事業場のみ) 
※喫煙区域の粉じん濃度が0.15 mg/m3以下、または必要換気量が70.3 ×(席数)m3/時間以上 

 

<変更にご注意> 

助成金の内容は変更になることがあります。また、助成金そのものが廃止されることもあります。 

このページ右側の「お勧めします」の中から「雇用関係助成金」を選んでいただくと、現在の助成金の内容をご確認いただけます。 

 

2017.01.18.解決社労士

<育児・介護休業法の目的>

この法律は、育児休業及び介護休業に関する制度並びに子の看護休暇及び介護休暇に関する制度を設けるとともに、子の養育及び家族の介護を容易にするため所定労働時間等に関し事業主が講ずべき措置を定めるほか、子の養育又は家族の介護を行う労働者等に対する支援措置を講ずること等により、子の養育又は家族の介護を行う労働者等の雇用の継続及び再就職の促進を図り、もってこれらの者の職業生活と家庭生活との両立に寄与することを通じて、これらの者の福祉の増進を図り、あわせて経済及び社会の発展に資することを目的とする。

〔育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律1条〕

このように、育児や介護の負担が原因となって働けなくなるケースを減らし、経済社会の成長力を維持するのがこの法律のねらいです。

 

<政策の推進>

少子高齢化が進む現在の日本で、政府は政策として、少子化対策と高齢化対策を強化していますから、育児・介護休業法も、度重なる改正によりその内容が充実してきています。

さらに、労働者が妊娠したことを理由に不利益な扱いを受けるなど、事業主が育児・介護休業法に規定する義務に違反したことが原因で退職した場合には、雇用保険法により特定受給資格者とされ、会社都合で退職させられた人と同じように、失業手当(求職者給付の基本手当)の給付日数が多めに付与されるようになっています。

これは、育児・介護休業法の枠を越えて、政策が推進されている実例の一つです。

 

<会社が政府の政策に追いつくために>

法改正に合わせて、就業規則の改定を繰り返すという受け身の対応だけでなく、積極的に労働環境の改善を考える場合には、少子高齢化対策を軸に据えて計画を推進してはいかがでしょうか。

就業規則の改定や制度の導入すらままならないということであれば、是非、信頼できる社労士(社会保険労務士)にご相談ください。

 

2017.01.17.解決社労士

<建前上の請求人>

労災保険法によると、被災した労働者本人が請求人です。もちろん、労働者が死亡した場合には本人からの請求は無理ですから、その遺族が請求人となります。

この建前から、労災の請求をするかどうかは、被災した労働者本人や遺族が決めることになります。

しかし、労災保険の請求手続きを、建前通りに労働者本人や遺族が行うことには無理があると感じられます。

 

<事業主の手助け>

一方で「労働者本人がケガのため、自ら手続きができないときは、事業主は労災保険の請求手続きを手助けしなければならない」「労働者から労災保険の請求手続きに必要な証明を求められたときは、事業主は速やかに必要な証明をしなければならない」という規定があります。〔労災保険法施行規則23条〕

このように会社について、労災保険の請求手続きに関する証明義務と助力義務が規定されています。

 

<実際には>

実務的には、会社が労災保険の請求手続きを主導することになります。

多くの会社は、被災労働者に労災保険の手続きについて説明し、請求書の記入をその大半の部分で代行し、労働基準監督署に請求書を提出するなど、ほとんどの手続きを行っています。

実際に、手続きを本人任せにしていると、所轄の労働基準監督署の労災課から「きちんと手続きを主導しなさい」という指導が入ることになります。

 

2017.01.16.解決社労士

<目的意識とは>

「なぜするのか」という意識を持ち続けることが目的意識です。

ここから派生して「なぜこの時間にやるのか」「なぜここでやるのか」「なぜこの人がやるのか」「なぜこれがあるのか」「なぜこの方法でするのか」なども目的意識に含まれます。

 

<裏から見た目的意識>

裏を返せば、「これをしなかったらどうなるのか」という意識を持ち続けることも、一種の目的意識です。

ここから派生して「別の時間にやったらどうか」「別の場所でやったらどうか」「別の人がやったらどうか」「これが無かったらどうか」「他にどんな方法があるか」なども裏から見た目的意識です。

 

<生産性とは>

生産性とは、投入量と産出量の比率をいいます。

計算式であらわすと 生産性=産出量÷投入量 となります。

会社は営利を追求していますから、基本的には生産性のが高いと良いわけです。

 

<生産性ゼロの仕事>

10年以上にわたって、各部門から人事部門に月次データが送られています。ある時、一人の人事担当者が別の部門に異動になり、月次データの作成を指示されました。「ああ、このデータってシステムが変わったからもう使っていないんだよね」と言ったのです。多大な人件費のムダと、人事部門の連絡ミスが明らかになりました。

実は、こうした事例は数多く見られます。経営陣は生産性の停滞に悩んでいるのに、現場レベルでは要らない仕事が習慣的に続けられているという事例です。

たしかに人事部門が「このデータはもう要りません」としっかり伝えなかったのが敗因です。しかし、ある部門の担当者が「このデータのここは省略してもいいのでは?」などと人事部門に問合せをしていれば、もっと早く無駄に気付いたことでしょう。

結局、人事部門だけが悪いのではなく、社員ひとり一人に目的意識が欠けていたことの結果です。

 

<ここも社労士(社会保険労務士)の出番>

開業社労士は、部外者ですから岡目八目と言われるように、会社内部の問題点を見つけやすい立場にあります。しかも労務管理の専門家ですから、適法の範囲内で、生産性向上についてのアドバイスや提案をすることができます。

最低賃金の上昇や、定着率の低下で、何としても生産性を向上させなければならない経営者の方は、是非、信頼できる社労士(社会保険労務士)にご相談ください。

 

2017.01.15.解決社労士

<法律の第1条>

雇用保険法、労働安全衛生法、労災保険法、健康保険法、厚生年金保険法、男女雇用機会均等法、パートタイム労働法など、会社の労働に関わる法律の中には、第1条でその法律の目的を示しているものが多いと感じます。

これは、最初にその法律の目的を明らかにすることによって、1つの条文に複数の解釈が可能な場合には、目的に沿った解釈を選択できるようにするためです。そして、法律の意図した解釈とは違う解釈がされないように、一種の道しるべの役割を果たしているといえます。

 

<社内規程の第1条>

会社の就業規則や、賃金規程、退職金規程などを見ても、第1条にその規則や規程の目的が示されていることは多いものです。

もし、社内規程の最初にその規程の目的が示されていないとすると、個々の規定を見たときに、一般社員は労働者側に有利な解釈をし、経営者や人事部門の責任者は使用者側に有利な解釈を示して、対立してしまうという事態が発生しやすくなります。

反対に、「第1条(目的)」の役割をこのように把握したうえで、規程全体の解釈が統一的なものになるよう、「第1条(目的)」の内容を充実させなければなりません。

 

<モデル就業規則の「第1条(目的)」>

厚生労働省のモデル就業規則も、第1条は「目的」です。そして、労働基準法89条を基に規定していること、規定し切れないことについては法令の定めによるということが書かれています。

そこで、労働基準法89条を見てみると、就業規則に必ず規定する項目、社内にルールがあれば規定を置く項目が並んでいます。これによって、会社ごとに無ければならない項目が明らかとなります。

また、就業規則に規定が無いからと言って、その会社の従業員に適用されないということではなく、法令の内容が適用されるということを示しています。たとえば、産休や介護休業について就業規則に規定が無くても、法令が適用されてちゃんと休業できるということです。

 

<ここも社労士(社会保険労務士)の出番>

実際に就業規則を読んでみて、どう解釈して良いのかわからない規定があったり、そもそも意味不明な部分があれば、信頼できる社労士(社会保険労務士)にご相談ください。それぞれの職場に適合した就業規則について、アドバイスや提案を受けることができます。

 

2017.01.14.解決社労士

<専門実践教育訓練給付金>

雇用保険に一定の期間入っている人、または、入っていた人が、自分で費用を負担して、厚生労働大臣が指定する教育訓練講座を受講し修了した場合、その教育訓練に支払った経費の一部を支給する雇用保険の給付制度です。

平成2610月から従来の仕組みが拡充され、専門実践教育訓練の教育訓練給付金が新設されました。

 

<平成26101日以降の受給条件>

教育訓練講座の受講開始日現在で、雇用保険に入っていた期間(被保険者期間)が10年以上あることが条件です。ただし、初めて支給を受ける場合には、当分の間、2年以上あれば大丈夫です。

受講開始日時点で雇用保険に入っていない人(一般被保険者ではない人)でも、資格を失った日(離職日の翌日)以降、受講開始日までが1年以内であれば対象となります。

しかし、前に給付を受けたことがある場合には、前回の教育訓練給付金受給から、今回の受講開始日前までに10年以上の期間が無ければなりません。

 

<給付額>

教育訓練に支払った教育訓練経費の40%に相当する額となります。

ただし、その額が1年間で32万円を超える場合の支給額は32万円(訓練期間は最大で3年間となるため、最大で96万円が上限)とし、4千円を超えない場合は支給されません。

また、専門実践教育訓練の受講を修了した後、あらかじめ定められた資格等を取得し、受講修了日の翌日から1年以内に雇用保険に加入した人、または、加入している人(一般被保険者として雇用された人、または、すでに雇用されている人)に対しては、教育訓練経費の20%に相当する額を追加して支給します。

この場合、合計で60%に相当する額が支給されることとなりますが、その額が 144万円を超える場合の支給額は144万円(訓練期間が3年の場合、2年の場合は96万円、1年の場合は48万円が上限)とし、4千円を超えない場合は支給されません。

 

<教育訓練支援給付金>

専門実践教育訓練の教育訓練給付金を受給できる人のうち、受講開始時に45歳未満で離職しているなど、一定の条件を満たす場合には、訓練受講をさらに支援するため、「教育訓練支援給付金」が支給されます。

この教育訓練支援給付金は、平成30年度までの暫定措置です。

 

2017.01.13.解決社労士

<一般教育訓練給付金>

雇用保険に一定の期間入っている人、または、入っていた人が、自分で費用を負担して、厚生労働大臣が指定する教育訓練講座を受講し修了した場合、その教育訓練に支払った経費の一部を支給する雇用保険の給付制度です。

平成2610月から仕組みが変わりましたが、一般教育訓練給付金は従来の枠組みを引き継いだものです。

 

<平成26101日以降の受給条件>

教育訓練講座の受講開始日現在で、雇用保険に入っていた期間(被保険者期間)が3年以上あることが条件です。ただし、初めて支給を受ける場合には、当分の間、1年以上あれば大丈夫です。

受講開始日時点で雇用保険に入っていない人(一般被保険者ではない人)でも、資格を失った日(離職日の翌日)以降、受講開始日までが1年以内であれば対象となります。

しかし、前に給付を受けたことがある場合には、前回の教育訓練給付金受給から、今回の受講開始日前までに3年以上の期間が無ければなりません。

 

<給付額>

教育訓練に支払った教育訓練経費の20%に相当する額となります。

ただし、その額が10万円を超える場合は10万円とし、4千円を超えない場合は支給されません。

 

2017.01.12.解決社労士

<実は和製英語>

ポジティブ・アクション (positive action)は、肯定的差別(positive discrimination)と肯定的措置(affirmative action)を組み合わせた和製英語です。

このうち肯定的措置(affirmative action)というのは、弱者集団の不利な現状を把握し、歴史的経緯や社会環境を踏まえて是正するという改善措置を指します。

弱者集団については、民族、人種、出身などによる差別が問題となるのですが、日本では特に女性差別が問題とされ、厚生労働省が中心となって女性の活躍や男女格差解消を推進しています。

具体的な肯定的措置としては、就職や昇進での特別な採用枠の設置や試験点数の割り増しなどの直接的な優遇措置があります。

 

<企業での具体的な取組み>

固定的な男女の役割分担意識や過去の経緯から、営業職に女性がほとんどいない、課長以上の管理職は男性が大半を占めているなど、男女労働者の間に具体的な差が生じている場合、この差を解消しようと個々の企業が行う自主的かつ積極的な取組みをいいます。

社内制度には男女差別的取扱いはないのに「女性の職域が広がらない」「なかなか女性の管理職が増えない」そのために女性の能力が十分に活かされていないといった場合に、このような課題を解決し実質的な男女均等取扱いを実現するために必要となるものです。

たとえば、勤続年数が長い女性労働者が多数勤務しているにもかかわらず、 管理職になっている女性が男性と比べて極めて少数であるというような場合、「3年間で女性管理職20%増加」などという具体的な数値目標を掲げ、女性の管理職候補者を対象とする研修の実施、女性に対する昇進・昇格試験受験の奨励、昇進・昇格基準の明確化等の取組を行っていくことが考えられます。

 

<男女雇用機会均等法との関係>

男女雇用機会均等法(雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律)は、「この法律は、法の下の平等を保障する日本国憲法の理念にのっとり雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保を図るとともに、女性労働者の就業に関して妊娠中及び出産後の健康の確保を図る等の措置を推進することを目的とする」としています。〔1条〕

つまり単純な男女平等ではなく、女性労働者に対する一定の配慮もその目的としていることになります。

さらに、この法律は男女差別を禁止する一方で、「事業主が、雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保の支障となっている事情を改善することを目的として女性労働者に関して行う措置を講ずることを妨げるものではない」と規定しています。〔8条〕

これは、ポジティブ・アクションが男女平等に反する措置ではないことを、積極的に認める趣旨です。

 

2017.01.11.解決社労士

<労働条件の通知>

アルバイトでも、パートでも、人を雇った使用者は労働条件を書面で交付する義務があります。〔労働基準法15条〕

労働条件通知書、雇い入れ通知書、雇用契約書、労働契約書など名前はいろいろです。

名前はどうであれ、交付しないのは違法で30万円以下の罰金刑が規定されています。〔労働基準法120条〕

30万円の損失で済めばマシですが、マスコミやネットの書き込みの威力で、立ち直れなくなる可能性があります。

 

<労働条件明示の理由>

労働条件の明示が労働基準法に規定されているのはなぜでしょうか。

労働契約は、使用者の「働いてください。給料を支払います」という意思表示と、労働者の「働きます。給料を支払ってください」という意思表示が合致することによって成立します。

しかし、具体的な労働条件が決まっていなければ、使用者からアルバイトに「明日は私の自宅のトイレと浴室の掃除をしてもらいます」ということも、絶対に無いとは言えません。こうなると、労働者ではなくて奴隷扱いになりかねません。

もちろん、これは極端なたとえ話ですが、労働基準法が明示を義務付ける労働条件は、すべて限定されないと労働者が困る事項ばかりです。

 

<労働条件が不明確だと下がる定着率>

労働者が不安を感じ、定着しない理由となります。定着率の低い会社は、労働条件があやふやになっていることが多いものです。不安の内容としては、次のようなものが挙げられます。

・契約期間、契約更新の有無…これが不明確だと、次の仕事を探す必要性も、探し始めて大丈夫かどうかもわかりません。契約期間の終了が近づくと、労働者は不安ですし、中には次の仕事を見つけて自分から退職する人も出てきます。

・就業の場所…これが不明確だと、どこで働くのか、勤務地が変わることがあるのか、不安になります。例外的に転勤する人が出た場合、転勤を恐れて退職する人も出てきます。

・業務内容…これが不明確だと、仕事の範囲がわかりません。「こんな仕事までする約束ではなかった」と感じた人は退職を考えます。

・出勤日と始業終業時刻…ただ単に「シフト制」とするなど、不明確になっていると私生活との調整がむずかしくなります。また、どれだけ働いて、どれだけの収入が得られるのかもわからないのでは、勤務時間の安定した仕事を求めて退職するのは仕方のないことです。

この状態だと、年次有給休暇の付与日数も取得した場合の給与計算の方法も不明です。つまり、「うちは有給休暇を取らせないよ」と自白していることにもなります。

 

<ここも社労士(社会保険労務士)の出番>

実際、その日によって勤務時間帯が変わるなど、労働条件をどのように明示すれば良いのか迷うケースもあります。

労働条件が良くわからないために、新人が定着しないのでは、経費、時間、労力、精神力のムダです。

こんなときは、信頼できる社労士(社会保険労務士)にご相談ください。

 

2017.01.10.解決社労士

<転倒事故の増加>

積雪・凍結を原因とする転倒災害、交通労働災害、建物屋根等の除雪作業中の墜落・転落災害等の労働災害が多発しています。

東京では、平成262月の記録的な大雪によって、積雪・凍結を原因とする転倒災害が多く発生しました。

また、平成2811月、関東全域で雪が観測されました。11月に雪が観測されたのは54年ぶりです。

一般に都心部は「雪に弱い」と言われています。早めの積雪・凍結対策を行うことにより、転倒災害等防止への取組みが必要です。

 

<STOP!転倒災害プロジェクト実施要綱(抜粋)>(厚生労働省)

(1)重点取組期間に実施する事項

① 2月の実施事項

ア 安全管理者や安全衛生推進者が参画する場(安全委員会等)における転倒災害防止に係る現状と対策の調査審議

イ チェックリスト※を活用した安全衛生委員会等による職場巡視、職場環境の改善や労働者の意識啓発

② 6月の実施事項

職場巡視等により、転倒災害防止対策の実施(定着)状況の確認

(2)一般的な転倒災害防止対策

① 作業通路における段差や凹凸、突起物、継ぎ目等の解消

② 4s(整理、整頓、清掃、清潔)の徹底による床面の水濡れ、油汚れ等のほか台車等の障害物の除去

③ 照度の確保、手すりや滑り止めの設置

④ 危険箇所の表示等の危険の「見える化」の推進

⑤ 転倒災害防止のための安全な歩き方、作業方法の推進

⑥ 作業内容に適した防滑靴やプロテクター等の着用の推進

⑦ 定期的な職場点検、巡視の実施

⑧ 転倒予防体操の励行

(3)冬期における転倒災害防止対策

① 気象情報の活用によるリスク低減の実施

ア 大雪、低温に関する気象情報を迅速に把握する体制の構築

イ 警報・注意報発令時等の対応マニュアルの作成、関係者への周知

ウ 気象状況に応じた出張、作業計画等の見直し

② 通路、作業床の凍結等による危険防止の徹底

ア 通路、作業床の凍結等における除雪、融雪剤の散布による安全通路の確保

イ 事務所への入室時における靴裏の雪、水分の除去、凍結のおそれのある屋内通路、作業場への温風機の設置等による凍結防止策の実施

ウ 屋外通路や駐車場における転倒災害リスクに応じた「危険マップ」の作成、関係者への周知

エ 凍結した路面、除雪期間通過後の路面等における荷物の運搬方法、作業方法の見直し

 

2017.01.09.解決社労士

対象となる方には、年金事務所(日本年金機構)からお知らせが郵送されるはずですが、少々むずかしいお話ですから、疑問や不安を感じる方は、お近くの年金事務所か信頼できる社労士(社会保険労務士)にご相談ください。

 

<特例の内容>

障害をお持ちの方と厚生年金の加入期間が44(528)以上の方は、支給開始年齢に特例があります。

昭和16年(女性は昭和21年)42日以後に生まれた方でも、次のいずれかに該当する場合は、特例として、報酬比例部分と定額部分を合わせた特別支給の老齢厚生年金が支給されます。

・厚生年金保険の被保険者期間が44年以上の方(被保険者資格を喪失(退職)しているときに限る)

・障害の状態(障害厚生年金の1級から3級に該当する障害の程度)にあることを申し出た方(被保険者資格を喪失(退職)しているときに限る)

※申出月の翌月分から特別支給開始となります。

特別支給の老齢厚生年金は、原則として報酬比例部分のみの支給ですが、特例が適用される方については、報酬比例部分と定額部分の合計額が支給されます。金額が大きく違います。

 

2017.01.08.解決社労士

<定年年齢の規制>

事業主が定年制を設ける場合には、定年を60歳以上とすることが義務化されています。〔高年齢者雇用安定法8条〕

これにより、60歳未満の定年を定めた就業規則等の規定は無効とされます。

 

<定年後の継続雇用の規制>

定年の定めをしている事業主に対して、65歳までの高年齢者雇用確保措置を講ずべきことが定められています。〔高年齢者雇用安定法9条〕

義務付けられる雇用確保措置のうち継続雇用制度には、勤務延長制度と再雇用制度とがあります。

勤務延長制度は、原則として役職・職務、仕事内容、賃金水準などが変わりません。これに対し、再雇用制度は一度労働契約を終了させた後に、再び新しく労働契約を締結するものです。

つまり、定年の65歳への引上げが義務付けられるわけではありませんし、必ずしも勤務延長制度を選択しなければならないわけでもありません。再雇用制度を選択し、新しい労働契約によって、役職・職務、仕事内容、賃金水準などが変わることもあるわけです。

 

<再雇用制度を選択する場合の規制>

再雇用制度を選択した場合であっても、再雇用にあたって、事業主が極端に労働条件を下げた労働契約を提案した場合には、実質的に再雇用拒否と見られますから、解雇権の濫用と同視され、65歳までの高年齢者雇用確保措置を講ずべき義務に反します。つまり、高年齢者雇用安定法9条に違反することになります。

では、どの程度条件を下げても再雇用拒否と見なされないかというと、まだ裁判例の集積も通達も不十分ですから明確な基準は見当たりません。結局、具体的な事例に即して、社会通念に照らして相当かどうかで判断することになります。

 

<ここも社労士(社会保険労務士)の出番>

勤務延長制度であれば、トラブルは少ないと思います。しかし、再雇用制度の場合には、労働条件の低下を伴うことが通常で、労使の話し合いが決裂してしまい、トラブルになることが多いものです。

同じ労働条件の低下であっても、ただ「この条件になります」と言うのと、なぜそのような条件を提示することになるのかについて、具体的な説明を尽くした場合とでは、事業主から示される誠意に大きな差が出てきます。

こんなときは、信頼できる社労士(社会保険労務士)が間に入り、社労士が事業主から説明を受け、定年を迎える人にわかりやすく具体的な説明をするというのが、トラブルを未然に防ぐための良い方法でしょう。

 

2017.01.07.解決社労士

<コンサルタント>

コンサルタントは、問題解決や組織変革の専門家として特定のテーマの実現を推進します。

そして、設定したテーマが実現されれば、業務は終了することになります。

一応、専門家ではありますが、資格が無ければコンサルタントができないというわけではありません。

 

<社労士(社会保険労務士)>

社労士がコンサルタント業務を行う場合には、主に顧問社労士として、中長期的な視点から、会社を継続的に改善し成長させるためのアドバイスを続けます。

その分野は、採用、教育、労務管理、人事制度、就業規則、労使協定など人に関すること全体に及びます。ですから特定のテーマが実現しても、また別のテーマの実現を目指して活動しますし、同時に複数のテーマに取り組むことも多いものです。

社労士は国家資格ですので、無資格で業務を行うことはできません。社労士に業務を依頼する場合には、社会保険労務士証票と都道府県社会保険労務士会会員証で、資格の保有者であることを確認し、きちんと契約書を交わしたうえで依頼しましょう。

 

2017.01.06.解決社労士

<早く給付を受けるために>

労災が発生して、労災保険の給付を受けるには、労働基準監督署に所定の書類を提出します。

多いのは、治療費を無料にするための書類と賃金の一部を補償してもらうための書類ですが、これらの書き方にはコツがあります。

表現を工夫しないと、労基署から問い合わせの電話が入ったり、訂正を求められたり、書き直しが必要になったります。

被災者は一日も早く給付(お金)をもらいたいのですから、スムーズな手続きが望ましいのです。

 

<ポイントとなる記入欄>

これらの書類で一番のポイントは「災害の原因及び発生状況」の欄です。

この欄には、「(あ)どのような場所で (い)どのような作業をしているときに(う)どのような物又は環境に(え)どのような不安全な又は有害な状態があって(お)どのような災害が発生したかを詳細に記入すること」という注意書きがあります。

しかし、必ずしもこれらの項目を分けてすべて記入しなければならないわけではありません。

労災保険の給付対象であることが説明できていれば良いのです。

そして、労災と認められるためには、業務遂行性と業務起因性を示す必要があります。

 

<業務遂行性>

業務遂行性というのは、労働者が使用者の支配・管理下にある状況のことをいいます。

たとえば、「昼食のお弁当を買いに外出していて事故にあった」と書いてあれば、労基署の担当者は「労災ではない」と判断しやすいでしょう。

しかし、「昼食のお弁当を買いに行く当番だったので休憩時間前に外出していて事故にあった」と書いてあれば、業務遂行性が認められ労災保険が適用されうるのです。

 

<業務起因性>

また、業務起因性というのは、業務にひそんでいる危険が現実化したと認められることをいいます。

たとえば、「空の段ボール箱を持って立ち上がったら腰を傷めた」と書いてあれば、労基署の担当者は「労災ではない」と判断する可能性が高いと言えます。

しかし、「空の段ボール箱(縦80cm×横100cm×高さ120cm)を持って立ち上がる途中で、お客様から声を掛けられ振り返ったときに、腰をひねって傷めた」と書いてあれば、客観的に見て腰を傷めうる作業であること、お客様に対応したのだから業務であることが明らかになります。

 

<心がけとして>

提出された書類をチェックするのは、労基署の担当者です。社内の人なら読んでわかる内容であっても、労基署の担当者が読んで業務遂行性と業務起因性が確認できなければ、手続きが滞ってしまうのです。

たとえば、パチンコ店の店員がケガをした状況について「災害の原因及び発生状況」の欄に記入したとします。それが、社内の人やパチンコ店の常連客にわかる内容でも、パチンコ店に入ったことのない人が読んだらわからない内容では不十分なのです。

ですから、労働基準監督署に提出する書類は、現場を見たことがない人でもわかるように、表現を工夫して作成しましょう。

 

<ここも社労士(社会保険労務士)の出番>

良くないことですが、書類が下手で受けられるはすの給付が受けられないというのは、労災に限らず、年金でも、健康保険でも、雇用保険でも、実際に起きていることです。

不安な点があれば、信頼できる社労士(社会保険労務士)にご相談ください。

 

2017.01.05.解決社労士

<憲法と就業規則>

それぞれの国の事情に応じて、それぞれの憲法があり法律があるように、それぞれの企業の事情に応じて、それぞれの就業規則が必要です。

なにしろ就業規則は、その企業の憲法であり法律ですから。

今の日本国憲法は、国民の人権を国家権力から守る構造になっています。

しかし、前の大日本帝国憲法は国家権力を守る構造になっていました。

就業規則の中にも、企業を守る要素が強いものと、労働者の権利を守る要素が強いものとがあります。

 

<理想を言えば>

ですから、経営者が自分の会社を守り自分の理想に近づけようとするなら、これを実現するための武器として自分で作った就業規則を持つべきです。

ただそのためには、少なくとも憲法、民法、そして労働基準法などの労働法について、体系的な理解と知識が必要ですから、もともとそうした勉強をしてきた経営者でなければ手がつけられないかも知れません。

また、就業規則には「何をどう規定したらどうなるか」という独特な専門知識と事例経験も必要です。これを習得するためには、さらに2~3年かかるでしょう。

 

<お手軽な方法>

知り合いの会社の就業規則を真似して…というのは最悪です。よその会社の就業規則を真似してもメリットがありません。経営者の考え方も違いますし、毎年のように改定されているのでなければ、法改正に追い付いていなくて違法な部分も含まれているでしょう。

やはり、厚生労働省のモデル就業規則をベースに作るのが安全です。これは、法改正に対応していて、適法であることが保証されているようなものですから。あとはこれに経営者の思いや、会社の個性、実情、成長段階などを反映させれば出来あがりです。

 

<詳しい人に任せる方法>

経営者が自分自身で就業規則を作ったり改定したりしなくても、社内に詳しい人がいたり、人事部門の責任者や担当者がいるときには、その人に任せるのも良いでしょう。

ただし、これには「お手盛り」の落とし穴があります。

企業で「お手盛り」というと、取締役が自分の報酬を自分で決めると多めの金額になるということを指すでしょう。

しかし、このことは就業規則にもあてはまります。就業規則の作成・改定を任されたのが取締役ならばともかく、労働者であれば労働者に有利な規定になるのは当たり前です。

たとえば、人事課長に給与規程を作らせれば、自分に有利な給与体系を作るのは、たとえ悪意が無くても、無意識のうちにそうしてしまうのは仕方のないことです。

 

<ここも社労士(社会保険労務士)の出番>

より短期間で強力な就業規則にするには、信頼できる社労士(社会保険労務士)と経営者とで打ち合わせを重ね、作り上げていくのが賢い方法です。

たしかに報酬などの経費が発生します。しかし、退職者から不当解雇を主張され、3か月から1年分の賃金プラス慰謝料を請求されることを1回でも防止できれば、すぐに元が取れる程度の経費です。

社労士事務所によっては、顧問契約の範囲内で、少しずつ就業規則を改善していくサービスも行っています。これは、就業規則を社内に定着させる点でも優れていると思います。

ぜひ、信頼できる社労士(社会保険労務士)にご相談ください。

 

2017.01.04.解決社労士

<日本語に直すと>

英語のハラスメント(harassment)は、日本語の「いやがらせ」にあたります。

「いやがらせ」は、相手に対して、わざと不快感や損害を与える行為で、道徳に反するものを言います。

「いたずら」も近い意味を持ちます。しかし、「いたずら」は第三者が見たときに笑えることもあるのですが、「いやがらせ」は道徳に反するので笑えません。

 

<セクシャルハラスメント>

これは「セクハラ」と略されることが多い「性的なことについてのいやがらせ」です。

職場に限らず、性的なことに対する興味が特に強い人がいます。こうした人が、「いたずら」のつもりで「いやがらせ」をするとセクハラになるのですが、本人は道徳に反しないと思っているので、反省することなく繰り返します。

また職場では、部下が上司に対して愛想よく、従順で素直です。これは立場上当然なのですが、上司が勘違いして部下から好かれていると思い込むことがあります。上司は、部下が自分に魅力を感じ恋愛感情を抱いていると勘違いすることによって、その部下に対して、ある程度は性的な言動をすることも許されるだろうと思い込んでしまいます。そして、対象となった部下は、立場上、その気が無いことをハッキリと言い出せずに、限界を超えるところまで従い耐えることになります。

 

<パワーハラスメント>

これは「パワハラ」と略されることが多い「力関係に基づくいやがらせ」です。

年齢、経験年数、能力、地位、権限、人気などのパワーを持った人が、自分から見てある側面で「劣る」と思える相手に対して、主に指導の名目で「いやがらせ」をします。多少不快感や損害を与えたとしても、指導に伴うものはある程度仕方がないという勘違いがあります。

職場では、上司と部下、先輩と後輩の関係で多く見られます。怖いことに、セクハラを伴うパワハラも見られます。それでも、行為者は自分の行為を許されていると思い込んでいます。

 

<会社など使用者の責任>

職場で、セクハラ、パワハラ、マタハラ、その他のハラスメントが起きないよう、使用者がしっかり管理しなければなりません。

働いている人たちは、労働契約によって働いています。雇い主の「働いてください。給料を支払います」という意思と、労働者の「働きます。給料を支払ってください」という意思の合致によって、労働契約が成り立っています。

ですから、会社側は労働者がきちんと働ける環境を整える義務を負っています。また、労働者もきちんと働ける環境を侵害しない義務を負っています。

つまり、労働者がハラスメントをしない義務を負っているのと同じく、会社側もハラスメントを防止する義務を負っています。

万一、ハラスメントが発生すれば、その行為者と会社の両方が責任を負います。

ここでのポイントは、見つけ次第対応することだけが会社の義務ではなく、発生しないように、十分な教育を繰り返すことも会社の義務だということです。

この義務は特別なことではなく、労働契約の性質から当然のことなのです。

 

<ここも社労士(社会保険労務士)の出番>

ハラスメントをなくすには、まず経営者の「許さない」という意志の表明が大切です。これが無くては、何も始まりません。

そして教育と、相談窓口の設置が必須となります。

教育についても、相談窓口についても、社内で間に合わせるよりは社外の専門家に委託したほうが、はるかに効果的です。

ぜひ、信頼できる社労士(社会保険労務士)にご相談ください。

 

2017.01.03.解決社労士

<委任状が必要です>

全国の年金事務所や街角の年金相談センターで、ご本人の代わりに誰か別の人が年金相談を受ける場合には、たとえ家族であっても委任状が必要です。

「家族だからいいだろう」と思って委任状を用意していなかったり、反対に「委任状を持っているから代理で相談を受ける人の身分証明は要らないだろう」と思って身分の証明になるものを持っていなかったりで、相談を受けられないというケースは意外と多いものです。

 

<委任状の様式>

委任状に法定の様式はありませんが、日本年金機構のホームページでダウンロードして使うこともできます。

委任状を作成した年月日、本人の年金手帳や年金証書などに記載されている基礎年金番号と年金コード、氏名、住所、生年月日、委任する内容と代理人の氏名、住所、本人との関係を記入し、本人が署名のうえ印鑑を押したものであれば有効です。

 

<相談窓口に持参するもの>

・委任状(本人の署名・押印があるもの)

・代理人の本人確認ができる書類(運転免許証など)

・本人の印鑑(証明書等の(再)交付を受けるときなど)

 

<委任状の注意点>

委任状の内容に不備がある場合、希望する相談を受けられない場合がありますので、記入漏れがないように注意しましょう。

また、委任する内容については、できる限り具体的に記入することになっています。

 

<相談は電話予約を>

個人のデータを踏まえた年金相談となると、やはり年金事務所で受けることになります。

ただ、大変混雑が予想されますので、電話で予約したうえで相談を受けることをお勧めします。予約の際には、基礎年金番号を聞かれますので準備が必要です。

 

<ここも社労士(社会保険労務士)の出番>

「そもそも何をどう相談して良いのかわからない」「説明を受けてもわかる気がしない」ということであれば、信頼できる社労士(社会保険労務士)にご相談ください。ご本人に代わって年金相談を社労士に任せることもできます。そうすれば、ご本人が納得できるように社労士から説明を受けることができます。

 

2017.01.02.解決社労士

<健康保険の考え方>

健康保険の「療養の給付」は、病気やケガをしたときの治療を対象として行われます。

このため、日常生活に何ら支障がないのに受ける診療(美容整形など)に健康保険は使えません。

妊娠・出産も病気ではないため、正常な状態での妊娠・出産は健康保険の適用から除外されています。

また、健康保険の目的からはずれるような病気やケガをしたときは給付が制限されることがあります。

 

<健康保険が使えないケース>

•美容を目的とする整形手術

•近視の手術など

•研究中の先進医療

•予防注射

•健康診断、人間ドック

•正常な妊娠・出産

•経済的理由による人工妊娠中絶

 

<例外的に健康保険が使えるケース>

•斜視等で労務に支障をきたす場合、生まれつきの口唇裂の手術、ケガの処置のための整形手術、他人に著しい不快感を与えるワキガの手術など 

•大学病院などで厚生労働大臣の定める診療を受ける場合  

•妊娠高血圧症候群(妊娠中毒症)などによる異常分娩の場合

•母体に危険が迫った場合に母体を保護するための人工妊娠中絶

 

2017.01.01.解決社労士

<雇用保険の対象者(被保険者)とならない取締役>

法人等の代表者(会長・代表取締役社長・代表社員など)は、雇用保険の対象者(被保険者)とはなりません。

また、法人等の役員(取締役・執行役員・監査役など)についても、原則として雇用保険の対象者(被保険者)となりません。

これらの人と会社との関係は、雇用ではなく委任だからです。

 

<例外的に雇用保険の対象者(被保険者)となる場合>

役員などが同時に部長、支店長、工場長など会社の従業員としての身分を兼ねている兼務役員の場合であって、就労実態や給料支払いなどの面からみて労働者としての性格が強く、雇用関係が明確に存在している場合には、例外的に雇用保険の対象者(被保険者)となります。

この場合、ハローワークで雇用保険の対象者(被保険者)とするときの手続きには、就業規則、登記事項証明書、賃金台帳、などの提出が必要となります。

「働いている」という実態に変わりがなくても、一般の従業員から兼務役員になった場合には、ハローワークでの手続きが必要になります。

兼務役員は、従業員としての身分の部分についてのみ、雇用保険の対象者となります。そして保険料も、役員報酬の部分は含まれず、労働者としての賃金部分のみを基準に決定されます。

 

<ここも社労士(社会保険労務士)の出番>

新たに取締役に就任した方がいらっしゃる場合の雇用保険の手続きや、その年度の労働保険(労災保険と雇用保険)の保険料の計算は間違えやすいポイントです。

信頼できる社労士(社会保険労務士)のチェックを受けるようお勧めします。

 

2016.12.31.解決社労士

<労働基準監督署による監督指導>

厚生労働省は、時間外労働などに対する割増賃金が支払われていないとして、平成27年度に労働基準法違反で是正指導した結果を取りまとめ公表しました。

これは、全国の労働基準監督署が、賃金不払残業に関する労働者からの申告や各種情報に基づき企業への監督指導を行った結果、不払の割増賃金が各労働者に支払われたもののうち、その支払額が1企業で合計100万円以上となったものを取りまとめたものです。

 

<平成27年度の監督指導による賃金不払残業の是正結果>

(1) 是正企業数               1,348企業

うち、1,000万円以上の割増賃金を支払ったのは、184企業

(2) 支払われた割増賃金合計額      99億9,423万円

(3) 対象労働者数              9万2,712人

(4) 1企業当たり平均741万円、労働者1人当たり平均11万円

(5) 1 企業での支払額のワースト3は、

・1億3,739万円(金融業)

・1億1,368万円(その他の事業(協同組合))

・  9,009万円(電気機械器具製造業)

 

<統計の注意ポイント>

上記の是正結果は、支払額が1企業で100万円以上のものだけを集計しています。100万円未満のものは集計対象に入っていませんので、実際の是正結果はこれらの件数を遥かに上回っています。

 

<サービス残業の落とし穴>

企業の対応として陥りやすい失敗としては、次のようなものがあります。

・昔から続けているやり方が正しいとは限らない。

・所定労働日数、所定労働時間が明確でなければ、割増賃金が計算できない。

・丼勘定で払い過ぎ部分と不払い部分があった場合、相殺されずに不払い部分の是正が求められる。

 

<ここも社労士(社会保険労務士)の出番>

会社として意図的に不払い残業を発生させているわけではないのに、割増賃金を計算するのに必要な労働条件があやふやで計算できていないケースがあります。

労働基準法などの基準がよくわからず、不必要な割増賃金を支払っているケースがあります。

「残業は使用者の命令により行う」という基本が崩れ、従業員の自己判断で残業が行われていて、会社が人件費のコントロール力を失っているケースがあります。

これらの問題を発見し改善するには、信頼できる社労士(社会保険労務士)にご相談ください。

 

2016.12.30.解決社労士

<必要な手続き>

労働者が労働災害により負傷した場合などには、休業補償給付などの労災保険給付の請求を所轄の労働基準監督署長あてに行います。

具体的には、厚生労働省の「労災保険給付関係請求書等ダウンロード」のページで、手続きに適合した書式をダウンロードし、会社、被災者、診断した医師の記入欄を記入し、労働基準監督署に提出します。

なお、休業4日未満の労働災害については、労災保険によってではなく、使用者が労働者に対し、休業補償を行わなければならないことになっています。 平均賃金の60%以上の補償が必要です。就業規則に明示しましょう。

 

<療養補償給付>

治療費の補償が行われます。

治療した医療機関が労災保険指定医療機関の場合には、「療養補償給付たる療養の給付請求書」をその医療機関に提出します。請求書は医療機関を経由して労働基準監督署長に提出されます。

このとき、本来は療養費を支払う必要が無いのですが、医療機関の立場からすると必ずしも労災の手続きが行われるとは限りませんので、「保証金」の名目で被災者から一定の現金を受け取り、「預かり証」を発行するのが通例です。

治療した医療機関が労災保険指定医療機関でない場合には、一旦治療費を立て替えて支払います。その後「療養補償給付たる療養の費用請求書」を、直接、労働基準監督署長に提出すると、その費用が口座振込で支払われます。

 

<休業補償給付>

労働災害により休業した場合には、第4日目から休業補償給付が支給されます。「休業補償給付支給請求書」を労働基準監督署長に提出します。

 

<その他の保険給付>

他にも障害補償給付、遺族補償給付、葬祭料、傷病補償年金、介護補償給付などの保険給付があります。

 

<ここも社労士(社会保険労務士)の出番>

被災者は1日でも早く補償を受け現金を手にしたいところです。ところが、手続きに慣れていないと、受けられる補償の内容や必要な書類の種類で迷ってしまうことになります。

こんな時は、迷わず信頼できる社労士(社会保険労務士)にご相談ください。

 

2016.12.29.

<プライバシー権>

プライバシー権とは、個人の私的領域につき他人から干渉を受けない権利をいいます。

この権利は、日本国憲法13条の幸福追求権に含まれるものとされ、基本的人権の一つです。

その内容には、個人情報を自らコントロールすることや、私生活上の事項について他人から干渉されないことなどが含まれます。

つまり、個人情報の保護は憲法で保障された基本的人権だということです。

 

<個人情報の保護のための行動指針>

事業者は、労働者のプライバシー権に含まれる個人情報を守らなければなりません。労働者の個人情報をみだりに開示した場合などは、損害賠償責任が発生しうるのです。

労働省(現在の厚生労働省)により発表された「労働者の個人情報に関する行動指針」(平成12年12月20日)が、個人情報の処理は労働者の雇用に直接関連する範囲内において適法かつ公正に行われるべきこと、業務上知り得た個人情報をみだりに第三者に知らせ、または不当な目的に使用してはならないことなどの基本原則を明らかにしています。

さらに厚生労働省は、個人情報保護法の施行を受けて「雇用管理に関する個人情報の適正な取扱いを確保するために事業者が講ずべき措置に関する指針」を定めました(平成16年7月1日厚労告259号)。この指針は、収集する従業員の個人情報の利用目的を具体的に特定すべきこと、個人データ管理者を事業所ごとに設置すべきこと、個人データの処理を外部に委託する場合の注意事項などについて定めています。

 

<改正個人情報保護法>

平成29年5月30日から、個人情報を取り扱うすべての事業者に個人情報保護法が適用されます。全面施行です。

事業者が守るべきルールの概略は次の通りです。

1.個人情報を取得・利用する時のルール

→個人情報を取得した場合は、その利用目的を本人に通知、または公表すること(あらかじめ利用目的を公表している場合を除く。)

2.個人情報を保管する時のルール

→情報の漏えい等が生じないように安全に管理すること

3.個人情報を他人に渡す時のルール

→個人情報を本人以外の第三者に渡すときは、原則として、あらかじめ本人の同意を得ること

4.個人情報を外国にいる第三者に渡す時のルール

5.本人から個人情報の開示を求められた時のルール

→本人からの請求に応じて、個人情報を開示、訂正、利用停止等すること

 

2016.12.28.

<健康診断の受診義務>

労働安全衛生法は事業者に対して、雇入れ時および年1回の定期健康診断の実施を義務付けています。ただし、深夜業や坑内労働などの特定業務従事者は年2回です。また、法定の有害業務に従事する労働者については、特殊健康診断も実施しなければなりません。

これを受けて、労働者の受診義務も定められています。〔労働安全衛生法66条5項〕

しかし、健康診断を受けなかった場合の罰則規定はありません。

やはり、就業規則に健康診断の受診義務を明確に規定しておくべきです。

 

<誓約書の効力>

会社と労働者との関係で、法令や就業規則、労働契約などで労働者の義務とされていることがあります。これについて、労働者に誓約書を書かせて確認することは違法ではありません。しかし、誓約書によって初めて義務が生じるのではなく、ただ単に改めて確認するだけですから、法的な効力が強まるわけでもありません。

結局、誓約書を書かせることによって、労働者に心理的にプレッシャーをかけているだけのことです。しかし多くの会社では、この心理的効果に期待して誓約書を書かせています。

 

<会社の立場から>

そもそも労働者に健康診断を受けさせただけでは、会社の労働者に対する健康配慮義務が尽くされたとは言えません。しかし反対に、労働者が健康診断の受診を拒否していたとしても、会社が労働者に対する健康配慮義務を免れるわけでもありません。

それでも、会社が労働安全衛生法で義務付けられた健康診断を、一部の労働者が受診しないというのでは、会社が法定の義務を果たせないことになってしまいます。

 

<より良い方法>

就業規則に健康診断の受診義務を規定するのに対応して、義務違反に対する懲戒規定を置くべきです。

たとえば昇格・昇進の条件に、就業規則で定められた健康診断を受診していることを含めるなど、ある程度、人事考課の基準とすることにも合理性があります。

健康診断に限らず、就業規則に規定された義務を果たすことは、会社のルールを守るということですから、評価の対象にできることは当然です。

 

<ここも社労士(社会保険労務士)の出番>

健康診断の受診対象者や健診項目についての法令順守、実施後の記録の保管、個人情報保護、労基署への報告、結果の分析と対応なども社労士の守備範囲です。ぜひ、信頼できる社労士(社会保険労務士)にご相談ください。

 

2016.12.27.

<割増賃金の必要な時間外労働・休日労働>

時間外労働(早出・残業)や休日労働は、一般社員から管理監督者に申請して行うものではありません。管理監督者から、一般社員に命令があって初めて行われるものです。

たしかに、一般社員が必要を感じて「残業しましょうか?」と管理監督者に確認することは、業務遂行の上で必要なことです。しかし、この場合でも、管理監督者の指示があって、初めて時間外労働として認められます。〔労働基準法33条、36条〕

 

<管理監督者に求められる行動>

時間外労働が命令に基づき行われるものである以上、管理監督者には、時間外労働の指示を出す権限があり、部門や店舗運営のために、適切な時間外労働の指示を出す義務を負っています。

個々具体的な業務についての残業命令もあるでしょう。しかし、多くの場合は、条件付きの残業命令となります。たとえば、次のようなものです。

・レジで違算が出たら原因の究明が完了次第勤務を終了すること。

・夜間設備工事の立会では工事人が全員退去次第勤務を終了すること。

こうした命令を前提としない時間外労働は、災害発生などの緊急時以外にはありえませんので、一般社員が居残っている場合には、管理監督者から速やかな勤務終了と事務所・店舗からの退出を促しましょう。

 

<タイムカードなどの正しい打刻>

勤務時間の管理方法は、就業規則に規定されているのが通常ですが、タイムカードなどで行われていることが多いでしょう。

そして会社には、労働者全員の勤務時間を適正に管理する義務があります。この義務は、残業手当が支給されない社員も対象となっています。

ところが実際には、勤務を開始した時のタイムカードなどの打刻、勤務を終了した時のタイムカードなどの打刻が、正しい時刻ではない場合があります。

これはルール違反ですので、管理監督者が自ら率先垂範すると共に、一般社員の正しいタイムカード打刻を指導する必要があります。

 

2016.12.26.

<調査の目的>

賃金、労働時間、雇用の変動を明らかにすることを目的に厚生労働省が実施する調査です。

統計法に基づき、国の重要な統計調査である基幹統計調査として実施されています。

毎月勤労統計調査の結果は、経済指標の一つとして景気判断や、都道府県の各種政策決定に際しての指針とされるほか、雇用保険や労災保険の給付額を改定する際の資料として、また、民間企業等における給与改正や人件費の算定、人事院勧告の資料とされるなど、国民生活に深く関わっています。

さらに、日本の労働事情を表す資料として海外にも紹介されています。

 

<回答の義務>

毎月勤労統計調査など、国の重要な統計調査である基幹統計調査について、「個人又は法人その他の団体に対し報告を求めることができる」と規定されています(報告義務)。〔統計法13条〕

また「報告を拒み、又は虚偽の報告をした者」に対して、「50万円以下の罰金に処する」と規定されています。〔統計法61条〕

「統計法」に基づき実施する基幹統計調査である毎月勤労統計調査の報告義務は「個人情報保護法」によって免除されるものではありません。

調査対象の事業場は、無作為に抽出されます。これはクジに当たるようなものです。当たったら、面倒でも協力しましょう。

 

<調査の秘密>

調査対象となった人や法人には調査に回答する義務がある一方、安心して調査に回答できるよう、調査員を始めとする調査関係者に対しては、調査で知り得た内容について秘密を保護することが定められています。〔統計法41条〕

また、調査票情報を適正に管理すること、調査票情報を統計調査の目的以外に使用してはならないことも規定されています。〔統計法39条、40条〕

調査関係者に対しては、これらの規定を厳守するよう指導が徹底されます。

「毎月勤労統計調査」の調査票は外部の人の目に触れないよう厳重に管理され、またそれらは集計して調査結果を得るためだけに使われ、税金徴収の資料や労働局の調査などに使われることは絶対にありません。

 

<ここも社労士(社会保険労務士)の出番>

詐欺の準備のための情報集めを目的として、まぎらわしい名称でインチキな調査回答依頼が届くこともあります。

怪しいと思ったり迷ったりしたら、信頼できる社労士(社会保険労務士)にご相談ください。

 

2016.12.25.

<労働契約>

ある人が、ある会社に「会社の指示で働きます」と約束して、会社がその人に「それなら給料を払います」と約束すれば、これが労働契約です。

契約の中には、特別な方式を必要とするものもありますが、労働契約は口約束でも成立します。

しかし労働契約は、人の自由や生活を大きく左右する重要な契約です。ですから、働く人を保護するためにも、雇う側は「どういう条件で働くのか」を書面の交付などによって示す義務があります。

中には、この義務を果たさない会社もあって、さまざまなトラブルを生じています。

 

<契約の成立>

誰かと取引するときには、どんな条件で取引するのかという約束をします。この約束が「契約」です。契約書を作らずに、こうしよう、ああしようと口約束をしただけでも、契約は成立します。

自動販売機で缶コーヒーを買うのは売買契約です。このときには、口約束すらありません。

そして、契約が成立すれば、お互いにその内容を守らなければなりません。もし、相手が契約に違反したら、きちんと守るように求めたり、違反によって発生した損害賠償を請求したりすることができます。

逆に、自分が違反すれば、相手から契約を守るよう求められたり、損害賠償を請求されたりします。

ですから、契約で何が決まっていたかということは、自分が相手に対して何を要求できるか、あるいは自分が何をしなければならないのかを決めるための、大事な基準となるのです。

自動販売機で缶コーヒーを買ったのに出てこなかったら、そして投入したお金も戻ってこなかったら、当然に返金を請求できるわけです。このことは、自動販売機にお金を投入する前から決まっていたわけです。

 

<労働者の保護>

労働契約を結ぶと、労働者として法律による特別な保護を受けることができるようになります。

ここが「業務請負契約」や「業務委託契約」などとは違うところです。もちろん、契約書のタイトルが「業務請負契約書」や「業務委託契約書」であっても、実質的な内容が労働契約であれば、労働契約としての効力を持ちます。

そして労働契約が成立したら、その内容を勝手に変えることはできません。

労働契約で、給料の額や出勤日・出勤時間、担当する仕事、働く期間などの労働条件が決まっていれば、労働者も雇い主も、その条件を一方的に変えることはできないのが原則です。

もし、労働契約で決められている労働条件を変更したければ、相手にお願いして、契約内容を変更することに同意してもらわなければなりません。同意が無ければ、今まで通りの労働条件で仕事をすることになります。

ですから働き始めた後で、労働条件について、労働者と雇い主で意見の違いやトラブルが発生したときには、労働契約でどう決まっていたかということが、とても重要になるのです。

 

<ここも社労士(社会保険労務士)の出番>

労働条件をどのように定めたら、働く人と雇い主にとって都合が良いのか、またトラブルを未然に防げるのか、さらに違法や不当の問題を避けられるのかについては、信頼できる社労士にご相談ください。

万一、トラブルになってしまった場合でも頼りになります。当事者の主張内容を法的観点から整理し、その正当性、反論可能性を明らかにしたうえで、実体と証明の両面からのご対応をご提案いたします。人の感情に配慮して、お互いに怨みを残さない解決を目指すのが社労士の使命です。

 

2016.12.24.

<昼間学生ではない場合>

学生・生徒のうち、昼間授業を受ける従業員は、原則として雇用保険の対象者にはなりません。これらの従業員は、働いていても小遣い稼ぎであり、失業が大きな痛手にならないと推定されるからです。

これに対して、通信制の学校や夜間・定時制の学校に在籍する従業員は雇用保険に入ります。これらの従業員は、働きながら学んでいるので、失業した場合などの給付が必要になると考えられるからです。

もちろん定時制高校の生徒すべてが、働くことを考えて入学したわけではありません。しかし、個人的な事情を細かく分析するのは現実的ではありませんから、上記のように形式的に区分されています。

 

<昼間学生の例外>

昼間学生であっても次のような従業員は、一定の条件のもと雇用保険に加入します。

・卒業前に新卒として就職し卒業後も継続勤務する予定の従業員

・休学中の従業員(休学証明書が必要)

・従業員の身分のまま事業主了解のもと大学院などに在籍する者

勉強よりも働くことのウエイトが高く、失業が大きな痛手になると考えられる従業員が、形式的な基準で例外とされています。

 

<ここに注意!>

「学生アルバイトだから雇用保険は関係ない」と思い込んでしまうと、雇用保険を必要とする従業員が保険に入れないことになりかねません。

もし迷ったら、信頼できる社労士(社会保険労務士)にご相談ください。

 

2016.12.23.

<目的>

中小企業・小規模事業者の生産性向上を支援し、事業場内で最も低い賃金(事業場内最低賃金)の引上げを図るための制度です。

生産性向上のための設備投資やサービスの利用などを行い、事業場内最低賃金を一定額以上引き上げた場合、その設備投資などにかかった費用の一部を助成します。

 

<助成金の額>

50万円~200万円

 

<受給できる事業主>

事業場内最低賃金 800 円未満から、1,000 円未満の全国 47 都道府県に事業場を設置している中小企業・小規模事業者に拡充されました。

過去に業務改善助成金を受給したことのある事業場であっても、助成対象となります。

※引き上げる賃金額により、支給対象者が異なります。

 

<条件>

1.事業実施計画を策定すること

(1) 賃金引上計画

事業場内最低賃金を一定額 以上引き上げる計画。(就業規則等に規定)

(2) 業務改善計画

生産性向上のための設備投資などの計画。

2.事業実施計画を推進すること

(1) 引上げ後の賃金額を支払うこと

引上げ後の賃金額が、事業場内最低賃金になることが必要です。

(2) 生産性向上に資する機器・設備などを導入することにより業務改善を行い、その費用を支払うこと

ただし、次の費用は対象外となります。

ア 単なる経費削減のための経費

イ 職場環境を改善するための経費

ウ 社会通念上当然に必要となる経費

3.解雇、賃金引下げ等が無いこと など

※その他、申請に当たって必要な書類があります。

 

<変更にご注意>

助成金の内容は変更になることがあります。また、助成金そのものが廃止されることもあります。

このページ右側の「お勧めします」の中から「雇用関係助成金」を選んでいただくと、現在の助成金の内容をご確認いただけます。

 

助成金の受給について、面倒に感じられたり迷うことがあれば、信頼できる社労士(社会保険労務士)にご相談ください。

社労士資格の無いコンサルタント会社は、手続きの代行ができませんので注意しましょう。

 

2016.12.22.

<労働法に関する行政監督制度>

労働基準法などの実効性を高めるため、行政監督制度が設けられています。

厚生労働大臣のもとに、国に1つの厚生労働省労働基準局、各都道府県に1つの労働局、都道府県をいくつかのエリアに分けて設置される労働基準監督署があります。

たとえば、東京都立川市にある立川労働基準監督署は、立川市、昭島市、府中市、小金井市、小平市、東村山市、国分寺市、国立市、武蔵村山市、東大和市の10市を管轄しています。

 

<労働基準監督官と署長>

労働基準監督官は、労働基準法など労働法の施行のための行政取締や刑事処分にかかわり、事業場を臨検し、帳簿や書類の提出を求め、必要な尋問を行う権限や、労働基準法違反の罪に対する捜査権、逮捕権など司法警察員としての権限をもっています。

労働基準監督署長も、労働基準法のもとで臨検、尋問、許可、認定など様々な権限をもっています。

この他、労働基準監督署長や労働基準監督官は、必要があると認めるときには使用者や労働者に報告や出頭を命じることができます。

 

<労働基準監督署の機能の限界>

労働基準監督署は、強力な権限をもっていますが、それは労働基準法や労働安全衛生法などに根拠のある場合に限られています。

たとえば、解雇権濫用の有無の判断など、労働者や企業にとって切実な問題であっても、監督権限を行使することはできません。残念ながら、これらの機関は直接の紛争解決権限をもっているわけではないのです。

 

<社労士(社会保険労務士)の立場から>

直接訪問した場合でも、電話による問い合わせの場合でも、社労士であることを名乗ると、労働局や労働基準監督署の皆さんはとても親切です。本当に頼りになります。

会社の人事部門で働いていた時に比べて、一段上の対応をしてくださっているように思われます。おそらく話の通じる専門家として見てくださっているのでしょう。

年金事務所や協会けんぽでも同様のことを感じます。もし、行政の相談窓口などに問い合わせても、今一つ納得できない場合には、信頼できる社労士(社会保険労務士)にご相談ください。社労士から改めて問い合わせると、深い回答が得られるものです。

 

2016.12.21.

<具体的な例>

総務や経理のメンバーが、新規開店の店舗の応援に行き、慣れない仕事をしてケガをしてしまったという場合、普段と違う仕事内容でも、会社の業務として行った以上、労災になります。

それはそれとして、社内的には誰の責任かが問われることになります。

 

<一般的な基準>

応援メンバーが、所属部門の上司から相当に具体的な指示を受けたうえで、応援に行ったのなら、その指示をした上司にも責任があります。

ただ「応援要請があったので頼む」という抽象的な指示しか無かったのであれば、応援先の責任者がほぼ全面的に責任を問われることになります。

しかし実際には、所属部門の上司からの指示が具体的と言えるかどうか、応援先の責任者の指導は的確だったのかなど、水掛け論になりがちです。

 

<ここも社労士(社会保険労務士)の出番>

他部署の応援がありうる職場の就業規則には、次のような規定を置いて責任の所在を明らかにしておくべきです。

 

第○条 従業員には会社の都合により、他部署の応援を求めることがあります。

2. 従業員は、正当な理由なくこれを拒んではなりません。

3. 従業員はこの場合、直属上司から応援先責任者の指定を受け、応援先責任者の指揮命令に従うものとします。

 

たしかに、他部署の応援がありえない職場では、全く必要のない規定です。しかし、応援のある職場には必要不可欠な規定でしょう。

社労士が就業規則の作成・改善を依頼された場合には、その職場に適合するものにします。もし、現在の就業規則に不安があれば、信頼できる社労士(社会保険労務士)にご相談ください。

 

2016.12.20.

<制度の趣旨と加入>

社会保険(健康保険と厚生年金保険)は、会社などで働く「勤め人」が、収入に応じて保険料を出し合い、いざというときの生活の安定を図る目的で作られた制度です。

勤め人個人や事業主が希望して契約・加入する保険ではなく、法律により加入が強制され、手続きが義務づけられています。

一定の条件を満たせば、加入することになり、事業主に加入手続きが義務づけられています。手続きをしなくても、加入していることになり、事業主に保険料の納付義務も発生しています。

これは、赤ちゃんが生まれれば、出生届を出さなくても、生まれた事実に変わりはなく、親はその子をきちんと育て、学校にも通わせなければならないのと似ています。

 

<強制加入の事業所>

健康保険と厚生年金保険は、事業所を単位として適用されます。

常時5人以上の従業員を使用している事業所(事務所、工場、店舗など)は、強制的に加入させられる「適用事業所」です。

また、法人事業所は従業員が5人未満でも「適用事業所」です。つまり、法人の場合には、事業主1人だけの事業所であっても強制加入となります。

なお、

5人未満の個人事業所と、5人以上であってもサービス業の一部や農業・漁業などの個人事業所は、強制加入とはなりません。

 

<任意加入の事業所>

従業員が5人未満の個人事業所などでも、条件を満たせば厚生労働大臣の認可を受けて、適用事業所となることができます。

この認可の権限は、厚生労働大臣から日本年金機構理事長に委任されています。

認可を受けるには、その事業所の従業員の2分の1以上の同意を得て行います。この場合には、同意せず加入を希望しない従業員を含めて加入することになります。

具体的な手続きについては、信頼できる社労士(社会保険労務士)にご相談ください。

 

2016.12.19.

<適用事業の範囲>

労働者を1人でも雇用する事業は、その業種や事業規模に関係なく、原則としてすべて適用事業となります。

例外として、農林水産の事業のうち一部の事業は、当分の間、任意適用事業とされています。

これは暫定任意適用事業と呼ばれ、個人経営の農林水産業で、雇用している労働者が常時5人未満の事業を言います。ただし、農業用水供給事業、もやし製造業を除きます。

任意適用というのは、希望すれば適用され、希望しなければ適用されないという意味です。

暫定任意適用事業の事業主であっても、雇用する労働者の2分の1以上が加入を希望するときは、都道府県労働局長に任意加入の申請を行います。認可されると希望しない労働者を含めて、雇用保険の対象者(被保険者)となります。

 

<雇用保険適用の単位>

雇用保険は、経営組織として独立性をもった事業所単位で適用されます。

支店や工場などでも、ある程度独立して業務を行っていれば、個々に手続きを行います。

独立性の無い支店などは、公共職業安定所長の承認を受けて本社等で一括して手続きを行うことになります。具体的には「雇用保険事業所非該当承認申請書」を提出することになります。これにはコツがありますので、信頼できる社労士(社会保険労務士)にご相談ください。

 

<労働保険の適用>

労働保険は事業を単位として適用されます。

事業の種類により、一元適用事業と二元適用事業に分かれ、加入手続きや保険料の申告・納付先が違います。

 

<一元適用事業>

労災保険の保険関係と雇用保険の保険関係を一つの事業についての労働保険関係として扱い、保険料の申告納付を一括して行います。

これが原則となります。次の二元適用事業以外は、すべて一元適用事業となります。

 

<二元適用事業>

雇用保険の保険関係と労災保険の保険関係を別々に取り扱い、保険料の申告納付を別々に行います。

二元適用事業は次に該当するものです。

・都道府県、市町村、これらに準ずるものの行う事業

・農林水産の事業

・建設の事業

・港湾労働法の適用される港湾で港湾運送の行為を行う事業

 

 2016.12.18.

<取得単位の変更>

「子の看護休暇」と「介護休暇」の取得単位が1日単位から半日単位に変更となります。

これまでは、会社が1日単位での取得のみ認めれば合法でした。半日単位の休暇を認めるかどうかは、会社の方針に任されていたのです。

しかし平成29年からは、従業員から半日だけ取得したいという申し出があった場合には、会社がこれに応じなければなりません。

 

<「半日」の原則>

「半日」とは、1日の所定労働時間の半分です。

ただし、1日の所定労働時間に1時間未満の端数がある場合には、1時間未満を1時間に切り上げて、その時間の半分となります。

たとえば、所定労働時間が7時間45分であれば、1時間未満を切り上げた8時間の半分で、4時間ということになります。

 

<「半日」の例外>

上記の原則とは違う運用をしたい場合には、労使協定を交わすことによって可能となります。

たとえば、夕方が忙しい会社などで、午後3時までの5時間と、午後3時からの3時間を半日とすることもできます。

 

<給与計算の注意>

半休を取ったことによって欠勤控除をする場合には、1日の賃金の半分ではなくて、実際に欠勤した時間分の賃金しか控除できません。

 

<ここも社労士(社会保険労務士)の出番>

法改正以前に、今の「子の看護休暇」についても社内で知られていないという会社もあるでしょう。

「来月の25日は息子の健康診断で午前中は休みます。子の看護休暇です。」と言われた上司が、制度を知らずに「そんなの認めない!」と言ってしまうとトラブルになります。

こうした制度については、第一に厚生労働省など行政が広報に努めるわけですが、会社ごとに必要な内容は違いますから、信頼できる社労士に相談して必要なレクチャーを依頼したり、会社に合った制度の運用を構築したりが必要でしょう。

労働法が頻繫に改正されるなか、就業規則の改善と併せて、信頼できる社労士へのご相談をお勧めします。

 

2016.12.17.

<賠償予定の禁止>

会社の就業規則で、研修の費用を労働者の負担とし、一定期間勤続せずに退職した場合には、返還するものと定めていることがあります。

しかし労働契約を結ぶ際に、契約違反があったときの賠償額を決めておくことは、人身拘束につながるとして禁止されています。〔労働基準法16条〕

通常の業務のために行われる教育訓練や、通常の新人研修や社内研修として実施される教育訓練について、退職時の費用返還を定めておくことは、この規定に違反する可能性があります。

 

<返還請求が認められる場合>

ところが裁判の中には、返還請求が認められた例もあります。

たとえば通常の業務と直接の関係がない研修であって、もともと本人が支出すべき内容の研修費用を、会社が一時的に立て替えたに過ぎない場合です。

希望者を募って海外の大学院へ留学させた例で、費用を会社が貸し付けた形をとり、一定の年数の勤続によって返済を免除するという事例で、退職者への返還請求を認めた裁判例があります。

実際に返還請求が認められるためには、返済金額や返済方法などから客観的に見て退職の自由を奪うものではないこと、返還について事前に十分な説明が尽くされていて合意があったことなど、厳格な条件を満たしていることが必要になります。

 

2016.12.16.