新着記事

「合理的」とは、法令の趣旨や目的に適合するという意味だと思います。

 

<法令に出てくる「合理的」>

労働契約法には、「合理的な」という言葉が7回出てきます。〔1条、7条、10条、15条、16条、19条本文、192号〕

しかし、ここでいう「合理的な」という言葉がどういう意味なのかは、労働契約法の中に説明がありません。

障害者基本法4条には、「合理的な配慮」という言葉が使われていて、その具体例については議論が活発です。

しかし、そもそも「合理的な配慮」という言葉の意味については、統一されていないように思われます。

法令や裁判に出てくる基本的な用語の意味が確定していないと、私たちが具体的な事実に当てはめて考えることがむずかしくなってしまいます。

 

<辞書の説明>

「合理的」という言葉を辞書で調べると、次のように書かれています。

 

大辞林 第三版

論理にかなっているさま。因習や迷信にとらわれないさま。

目的に合っていて無駄のないさま。

 

デジタル大辞泉

道理や論理にかなっているさま。

むだなく能率的であるさま。

 

辞書ですから、様々な場所で使われている「合理的」に共通する意味を表示しているのでしょう。

法令や裁判に出てくる「合理的」の意味にぴったり当てはまるようには思えません。

 

<たとえば解雇について>

労働契約法は、解雇について次のように定めています。

 

第十六条 解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする。

 

とても抽象的な表現です。

ですから、具体的に使用者が労働者を解雇しようとしたときに、それがこの規定に触れて無効になってしまうのか、それとも有効になるのかを判断するのは困難です。

使用者自身の判断で解雇に踏み切るのはリスクが大きすぎますから、専門家である社会保険労務士などに具体的な事情を話して判断を求めるのが安全です。

 

そして、この労働契約法16条の「合理的な理由」というのは、私の解釈では、「労働契約法の趣旨や目的に適合する理由」ということになります。

労働契約法の目的は他の多くの法令と同じように、第1条に書かれています。

これと他の条文全体の趣旨から、「合理的な理由」の意味が確定されるわけです。

 

2017.12.12.解決社労士

あくまでも私個人の経験に基づいた話です。

 

<人前で話すのが下手だと自覚すること>

まず、自分は人前で話すのが下手だということをきちんと自覚します。

そして、いつかはもう少し上手く話せるようになりたいと思います。

こうすることで、上手く話せるようになるための努力を続けます。

また、実際に話し始めれば、聞き手は話が下手なことに気付き、熱心に注意深く聞くこともないでしょう。誰も聞いていないかもしれません。

だから、緊張する必要も無いということになります。

このように考えるわけです。

 

<原稿を用意しないこと>

事前に話の内容を原稿にしておいて、本番でそれを読み上げれば失敗しないだろうと考えがちです。

しかし、実際には読み間違えたり、行を飛ばして読んでしまったりと、失敗はいくらでも起こります。

むしろ、原稿は準備しない方が上手くいきます。

読み間違いや、行を飛ばすということも起こりません。

原稿が無ければ、話の一部を忘れてしまい、頭の中が真っ白になったとしても、誰も気付かないのです。緊張することはありません。

項目だけを書いたメモを持つという考えもあります。しかし、このメモをなくすと大きな痛手になります。メモが読めなかったり、読んでも意味がわからなかったりということもあります。

 

<事前の準備は早めにスタート>

人前で話すことが決まったら、なるべく早く具体的な準備を開始します。

一気に準備することはお勧めできません。

歩きながら、電車の中で、入浴中に少しずつ考えます。

ある程度考えがまとまったらメモを作ります。そしてまた考えます。

新聞を読んだり、テレビを見たり、あるいは日常会話の中で多くのヒントが見つかるものです。

 

<本番では普段よりさらに下手になると覚悟すること>

話の下手な人が、事前にどれほど練習しようとも、本番では練習ほどに上手く話せないものです。

「これは本番だから普段より下手になる」と覚悟しておけば、失敗しても緊張せずに済みます。

 

<反省しないこと>

本番が終わったら、反省せずに、とりあえず終わったことを喜びましょう。

すべては過去のことです。

反省しない方が、次はもっとリラックスできます。

2017.12.11.解決?社労士

<懲戒処分の有効要件>

解雇まではいかなくても、懲戒処分が有効とされるには、多くの条件を満たす必要があります。

条件を1つでも欠けば無効となり、会社としては対象者から慰謝料その他の損害賠償を請求される可能性があるわけです。

法律上の制限として次の規定があります。

 

「使用者が労働者を懲戒できる場合に、その労働者の行為の性質、態様、その他の事情を踏まえて、客観的に合理的な理由を欠いているか、社会通念上相当であると認められない場合には、その権利を濫用したものとして無効とする」〔労働契約法15条〕

 

これは、数多くの裁判の積み重ねによって作られた「懲戒権濫用法理」という理論を条文にしたものです。

 

<使用者が労働者を懲戒できる場合>

労働契約法15条には、「使用者が労働者を懲戒できる場合に」とサラッと書いてありますが、この一言には就業規則や労働条件通知書などに懲戒処分の具体的な取り決めがあるという意味が込められています。

ですから、そもそも就業規則や労働条件通知書などに懲戒処分の具体的な取り決めが無ければ、懲戒処分そのものができないことになります。

 

たとえば、厚生労働省のモデル就業規則には、懲戒処分について次のような規定があります。

 

(懲戒の事由)

第62条 労働者が次のいずれかに該当するときは、情状に応じ、けん責、減給又は出勤停止とする。

①正当な理由なく無断欠勤が   日以上に及ぶとき。

②正当な理由なくしばしば欠勤、遅刻、早退をしたとき。

③過失により会社に損害を与えたとき。

④素行不良で社内の秩序及び風紀を乱したとき。

⑤性的な言動により、他の労働者に不快な思いをさせ、又は職場の環境を悪くしたとき。

⑥性的な関心を示し、又は性的な行為をしかけることにより、他の労働者の業務に支障を与えたとき。

⑦第11条、第13条、第14条に違反したとき。

⑧その他この規則に違反し又は前各号に準ずる不都合な行為があったとき。

 

従業員が大人ばかりでしたら、このまま自社の就業規則に使えそうです。

しかし、高校生のアルバイトがいるような職場では、もう少しわかりやすく、中学を卒業したばかりの人にも理解できる表現にするか、定期的に就業規則の学習会を開かないと無理がありそうです。

 

実際に懲戒規定の具体性が争われるのは、「前各号に準ずる不都合な行為があったとき」のような抽象的な表現です。

就業規則は会社が作るものですから、会社が就業規則を根拠として懲戒処分を行い、対象者がその有効性を争ったら、会社側が「前各号に準ずる不都合な行為があった」ことなどを証明しなければなりません。

 

<懲戒処分が無効とされないための規定>

従業員によって行われた不都合な行為が、就業規則の懲戒規定に当てはまるかどうかについて争いが生じたのでは、処分を行うのが難しくなってしまいます。

これを防ぐには、「正当な理由なく」「しばしば」「素行不良」など解釈が分かれそうな表現を具体化する必要があります。

また、「前各号に準ずる不都合な行為があったとき」とはどのような行為なのか、具体的に列挙する必要もあるでしょう。

実際にやってみると、懲戒規定の条文が100を超えてしまいます。

 

<ここも社労士(社会保険労務士)の出番>

適正な懲戒処分を行うためには、就業規則の内容を自社に合ったものにしておくこと、必要な教育研修を繰り返し行うことなど事前の準備が不可欠です。

また、実際に事件が発生してしまった場合には、適法要件を満たしつつスピーディーに動く必要があります。

こうした専門性の高いことは、信頼できる国家資格者の社労士にご相談ください。

 

2017.12.10.解決社労士

<AI等の普及・進展の影響>

人の仕事がAI等に取って代わられるため、人手不足の解消が期待できます。

しかし、雇用が大幅に減少すれば、失業者が増えることにもつながります。

確かに全体として見れば、AI等の活用により雇用量が減る方向に動くことが予想されます。

それでも、すべての業務について一律に雇用量が減るとは考えられません。

雇用量が減る業務がある一方で、付加価値の高い業務では雇用量が増えることが見込まれます。

 

<減少する業務と増加する業務>

2017年125日に厚生労働省で開催された「第3回 労働政策審議会労働政策基本部会」の資料が、ホームページに公開されました。

シンクタンクや各省庁等による先行研究の内容がまとめられています。

この中で、AI等の影響で減少する業務、増加する業務が取り上げられています。

 

<今後減少する業務>

労働政策審議会労働政策基本部会の資料には、次のように示されています。

・必ずしも特別の知識やスキルが求められない職業

・バックオフィス等、従来型のミドルスキルのホワイトカラーの仕事

・ルーティンタスク

・定型的業務が中心の職種

・教育水準や所得水準が低い労働者の仕事

 

社会保険労務士の業務のうち、給与計算や社会保険(健康保険と厚生年金保険)・労働保険(雇用保険と労災保険)の手続きのような定型的なものは今後減少していくでしょう。

ただ例外的に、「第三者行為災害」の手続きなどやや専門性の高いものは、社会保険労務士に委託されるのではないでしょうか。

 

<今後増加する業務>

労働政策審議会労働政策基本部会の資料には、次のように示されています。

・他者との協調や、他者の理解、説得、ネゴシエーション、サービス志向性が求められる職業

・上流工程やIT業務における、ミドルスキル・ハイスキルの仕事

・人が直接対応することが質・価値の向上につながるサービスに係る仕事

・新しい付加価値の創出に役立つ技術職

 

社会保険労務士の業務のうち、採用・懲戒・解雇などに伴うトラブルの予防・解決、就業規則および各種規程の作成・変更、労災やハラスメントを防止するために会社が行う教育の代行など、専門家が直接対応しなければならない業務は今後増加していくでしょう。

 

<これからの社会保険労務士>

AI等の活用による手続き業務の指導や、一部の専門的な手続きは社会保険労務士に任されるものの、単純な手続き業務は社会保険労務士の手を離れていくものと考えられます。

しかし、それ以外の業務では、労働者の減少により社内でまかない切れなくなることもあって、専門性の高い国家資格者の社会保険労務士の役割は拡大していくと思います。

それにもかかわらず、社会保険労務士の人数は増えていません。このままでは、社会保険労務士不足になる日も近いでしょう。

今のうち、いざという時に頼れる社会保険労務士を見つけておいてはいかがでしょうか。


2017.12.09.解決社労士

独立行政法人労働政策研究・研修機構が、「イノベーションへの対応状況調査」(企業調査)の結果 と「イノベーションへの対応に向けた働き方のあり方等に関する調査」(労働者調査)の結果を公表しています。

 

こちらです↓

http://www.jil.go.jp/press/documents/20170710.pdf

 

この中で、AIの活用が一般化する時代に従業員に求める能力については、企業調査と労働者調査のどちらでも、次の3つが上位に並んでいます。

 

・チャレンジ精神や主体性、行動力、洞察力などの人間的資質

・コミュニケーション能力やコーチングなどの対人関係能力

・企画発想力や創造性

 

しかし、こうした能力を備えた人を採用したり、従業員にこうした能力を身に着けるよう要求したりというのは、あまり現実的ではないように思われます。

 

こと労務管理関係でこうした能力を必要とするのであれば、従業員を雇うのではなくて、社労士(社会保険労務士)に任せた方が安あがりです。

たとえば、次のようなことは専門家である社労士に任せてしまうということです。

 

・従業員をやる気にさせる仕組みの構築

・従業員ひとり一人の生産性を上げるための社員教育

・従業員の定着率を高めるための施策

・社内ルールの整備によるトラブル防止

・良い人材を採用するための企画

 

こうした専門性の高いことは、従業員に頼るのではなく、信頼できる国家資格者の社労士にご相談ください。

 

2017.12.08.解決社労士

<人事考課の必要性>

社内に人事考課の基準がなくて、年齢や経験年数だけで昇給と昇格が決まっている会社からは、将来有望な若者が去っていくものです。

ただクビにならないように気を付けながら、在籍年数を伸ばしていくだけで、それなりの昇給と昇格が期待できるとすれば、危険を冒してまで努力するのはばかばかしくなります。こうして多数派の社員は、本気で業績に貢献しようという意欲を失っていきます。

 

<人事考課は客観的に>

社長や人事権を握っている一部の人が、主観的に判断して社員を評価するのも危険です。

こういう会社では、会社の業績に貢献するよりも、社長や考課権者と仲良くなるのが出世の近道になってしまいます。反対に社長や考課権者に嫌われたら最後、未来は暗くなりますから、優秀な社員でも会社から去っていくことになります。

 

<人事考課と給与>

給与というのは、今後1年間にどれだけ活躍するかを予測して決定するものです。

そうでなければ、新卒や中途採用では初任給が決まりません。

ベテラン社員であっても、これまでの実績を参考にして、今後一年間にどれだけ活躍するかを予測して決定するものです。

 

<人事考課と賞与>

賞与というのは、どれだけ能力があるかとは関係なく、どれだけの実績を上げて会社に貢献したかという結果を評価して設定するものです。

ここで注意したいのは、「結果がすべて」の評価にしないことです。

どれだけ社内外と協力したのか、そのプロセスを含めて評価しなければ、目的のためには手段を選ばない社員ばかりになってしまいます。

 

<一般的な注意点>

人事考課制度の導入にあたっては、相対評価にするのか絶対評価にするのかをあらかじめ決定しておかなければなりません。

評価結果の意味合いが違ってくるからです。

学校の成績表でもこの点は明確にされているものです。

 

考課表は人単位で作成されますが、評価する管理職は項目単位で評価しなければなりません。

そうしないと、人事考課で最も警戒すべきハロー効果の悪影響が出てしまうからです。他にも、中央化傾向、寛大化傾向、酷評化傾向、期末誤差、論理誤差、退避誤差の危険は一般に指摘されています。

 

考課者は、ともするとパワハラに走ります。

誰だって上司が、給与、賞与、昇進に大きくかかわる判断をするとわかっていれば、従順にならざるを得ません。

それなのに上司は自分が偉くなったのだと勘違いして、パワハラを行う危険は大きいのです。

こうなると、意見や改善提案は出にくくなりますから、会社の成長がストップしてしまうという大変な弊害も生じます。

考課者に対しては、くれぐれもパワハラを行わないこと、パワハラを行った管理職の評価は下がり、場合によっては管理職が不適格であると判断されるという警告を発しておかなければなりません。

 

<評価される側もかかわること>

評価項目や評価基準の設定にあたっては、一般担当者の意見も聞かなければなりません。

評価項目の漏れや、評価基準の不合理に気付かせてくれます。また、人事考課制度の構築にあたって、「自分も参加した」ということから納得を得やすくなるのです。

 

また、自分の仕事について、報告を怠ると正しく評価されないということを説明して、報連相を活発化させることも心がけましょう。

 

さらに、評価をして結果を出して終わりではなく、評価結果とその理由は面談できちんと伝えましょう。

これをしないと人事考課の効果は半減してしまいます。

ひとり一人の社員が、会社からどうして欲しいのかを把握することによって、努力の方向性が明確になり生産性の向上が可能となるのです。

 

<ここも社労士(社会保険労務士)の出番>

人事考課制度をどのように導入しレベルアップさせたら良いのか。会社ごと、職場ごとに、最善の方法は異なります。

こうした専門性の高いことは、信頼できる国家資格者の社労士にご相談ください。

2017.12.07.解決社労士

<社会保険の加入基準>

1週間の所定労働時間と1か月の所定労働日数が通常の労働者(正社員など)の4分の3以上であれば社会保険に加入します。

会社の意向や労働者の希望とは無関係な客観的な基準です。

 

さらに、短時間労働者について、平成28101日に基準が変更されました。

1週間の所定労働時間と1か月の所定労働日数が通常の労働者(正社員など)の4分の3未満であっても、次の5つの条件を全て満たす場合には、社会保険が適用されます。

・週の所定労働時間が20時間以上

・勤務期間が1年以上見込まれること

・月額賃金が8.8万円以上

・学生以外

・社会保険の加入者が501人以上の企業に勤務していること

 

このように、社会保険に入る基準は客観的なものであり、事業主が加入手続きをしていなくても、法律上は、基準を満たせば社会保険に加入していることになります。

 

<労働者側が約束した場合>

労働者が社会保険に入る約束をした場合には「加入条件を満たしたならば加入手続きに協力する」「加入条件を満たす労働条件で働く」のいずれかの約束だと理解されます。

加入条件を満たしたのに「私は社会保険料を支払いたくない」と言う労働者がいます。この場合には事業主が期限を区切って、所定労働時間を減らすか、手続きに応じるかの選択を迫ることになります。

 

<事業主側が約束した場合>

事業主が社会保険に入らせる約束をした場合で「加入条件を満たしたならば加入手続きを行う」という約束ならば、適法に運営することの表明に過ぎません。

しかし、「加入条件を満たす労働条件で働かせる」という約束ならば、基準よりも少ない所定労働時間で労働契約をしようとすることは約束違反になります。両者で良く話し合う必要があります。

 

<労働契約は口頭でも成立する>

労働契約は、契約書を交わさなくても口頭で成立します。

しかし、「社会保険に入る約束」というのは、労働契約の成立前でも後でもできることです。

こうしたことで無用な争いが発生することは避けたいところです。

迷った時には、信頼できる国家資格者の社労士(社会保険労務士)にご相談ください。

 

2017.12.06.解決社労士

<整理解雇の有効要件>

整理解雇は、会社の経営上の理由により行う解雇です。

これには、最高裁判所が「整理解雇の4要件」を示していて、これらの要件を満たしていないと、解雇権の濫用となり無効となる可能性があります。

その4要件とは次の4つです。

1.人員削減の必要性が高いこと

2.解雇回避の努力が尽くされていること

3.解雇対象者の人選に合理性が認められること

4.労働者への説明など適正な手続きが行われていること

これらはそれぞれに厳格な基準があるわけではなく、また、すべての基準を満たしていなければ解雇が無効になるということではありません。

裁判では、4要件を総合的に見て、一定の水準を上回っていれば、整理解雇が有効とされています。

 

<人選の合理性について>

整理解雇対象者の選定については、客観的で合理的な基準を設定し、公正に適用して行う必要があります。

年齢や勤続年数のように、簡単に数値化できるものは、客観的な基準として挙げられやすいものです。

しかし、たとえば比較的転職しやすいだろうという理由で、30歳未満の社員を整理解雇の対象とした場合でも、社内での経歴から転職しやすさに差が出るのは明らかです。会社の判断で配属し異動させているわけですから、転職しやすさに差が出るのは会社側にも責任があります。

また反対に、会社に対する貢献度の割に給与が高いという理由で、50歳以上の社員を整理解雇の対象とした場合でも、年齢とともに昇給する給与体系となっているのは会社がそのようにしているわけですから、これも会社側に責任があります。

 

<人事考課が適正に行われている場合>

協調性が無い、素行不良である、上司の指示に従わない、報連相ができない、身体が虚弱で業務に支障が出ているなど、総合的に評価された結果が、「直近3年間ですべてC評価以下であった」などの基準は、客観的で合理的な基準として使うことができます。

人事考課は、止むを得ず整理解雇を行う場合に備えてのものではありませんが、適正な人事考課の運用は、こうした場合にも役立つということです。

 

<懲戒処分が適正に行われている場合>

過去5年間に、減給処分または1週間以上の出勤停止処分を受けた者という基準も、客観的で合理的な基準として使うことができます。

ただし、解雇権の濫用と同様に、懲戒権の濫用も問題になりますから、あくまでも懲戒処分が適正に行われてきたことが前提となります。

 

今は、人手不足クライシスとまで言われている状況ですから、整理解雇が必要になる可能性は低いのかもしれません。

しかし、このような状況下でこそ、新たな人事考課制度や給与体系を構築しやすいものです。

このチャンスに、人事考課制度の課題に取り組むことをお勧めします。

こうした専門性の高いことは、信頼できる国家資格者の社会保険労務士(社労士)にご用命ください。

 

2017.12.05.解決社労士

<基礎年金番号>

各個人の年金加入記録は、「基礎年金番号」によって管理されています。

これは、〇〇〇〇-〇〇〇〇〇〇(4ケタ-6ケタ)の形の10ケタの数字です。

この基礎年金番号は、正しく記録管理を行うためにも、一人に1つの番号であることが前提となっています。

 

<仮基礎年金番号>

99で始まる基礎年金番号は、仮基礎年金番号と呼ばれています。

この仮基礎年金番号を持っている人は、基礎年金番号を複数持っている可能性があります。

仮基礎年金番号が付けられたのは、年金への加入時に年金手帳が事業主へ提示されず、そのために加入届の基礎年金番号が未記入だったなど、正しく基礎年金番号が確認できなかったため、確認が取れるまでの間、仮基礎年金番号で記録の管理を行うことになっているからです。

 

<起こりうる不都合>

基礎年金番号が複数あると、記録管理上はそれぞれ別人の記録として取り扱われることになり、その結果、本来支払う必要のない保険料の支払案内が届くなど、年金に関する案内が正しく行われない等の問題が発生します。

 

<不都合の解消>

99で始まる基礎年金番号を持っている人には、「基礎年金番号確認のお願い」が郵送されます。

郵送された人が「基礎年金番号確認のお願い」に記入した内容を基に、別の基礎年金番号をダブって持っていないかの確認が行われます。

もし、99で始まる基礎年金番号を持っているのに「基礎年金番号確認のお願い」が届かない場合や、記入して返送する前に紛失してしまった場合には、お近くの年金事務所にご相談ください。

 

2017.12.04.解決社労士

<企業の労災防止>

各企業は、労災事故の発生を防ぐため、安全教育、設備・機械・器具の点検、安全のためのルールの設定と遵守指導に取り組んでいます。

業務災害は、新人とベテランに多いものです。新人はまだ良くわかっていないからですし、ベテランは昔教育されただけで、その後教育されていないこともありますし、本人が油断していることもあります。

また通勤災害は、交通機関や道路の改善などは無理ですが、交通安全教育、通勤経路の危険個所についての情報提供などによって、間接的に防止するよう努めています。

 

<労災防止の効果>

労災防止の効果としては、労災事故の減少・軽減による会社資産の保護、労働力の確保、従業員の安心などがあります。

そして労働者の安心は、定着率の向上、応募者の増加、会社の評判の上昇をもたらしますから、企業は本気で労災防止に取り組むべきなのです。

 

<忘れがちな形式面の対策>

たとえば、所轄の労働基準監督署が企業に調査(臨検監督)に入ったとします。そして、その企業では労災防止策が徹底されていて、数年にわたって労災事故が無かったとします。

対応に当たった社員が、月1回労働安全研修会を行っていることを説明しても、労働基準監督官は証拠が無ければ説明内容を安易に信じるわけにはいきません。監督官が報告書に「毎月研修会を実施していると聞きました」と書くわけにはいかないのです。

同様に、毎日朝礼で安全対策の確認をしていて、従業員は設備・機械・器具の使い方や注意点をしっかり頭に入れていたとしても、証拠が無ければそうした対策が徹底されているとは認定されません。

むしろ、労災保険の給付請求書が提出されないのは、違法な労災隠しが行われているのではないかと疑われかねないのです。

 

またたとえば、不幸にして死亡事故が発生し、遺族から損害賠償を求められたらどうでしょう。

企業としてできる対策をきちんと行い、死亡した被災者にも定期的に十分な教育をしていたにもかかわらず、たまたま本人が想定外の不注意で事故を起こしてしまったような場合でも、証拠が無ければ裁判では企業の労災事故防止に向けた努力を主張できないのです。

こうなると、企業の負う賠償額はかなり高額になってしまいます。企業の存続すら脅かすかもしれません。

 

<証拠を残すとは>

企業が労災事故の発生防止に努めているという証拠を残しておくには、それを意図して行わなければできるものではありません。

 

社内研修を行うのであれば、社内研修の案内・資料・参加者名簿を残す準備が必要です。参加者名簿は、参加者のひとり一人から署名を得ておくのが良いでしょう。

また、マニュアルなど参照しなくても問題なく作業できる従業員ばかりの職場であったとしても、すぐ参照できる所にマニュアルを保管しておくべきです。

「危険!」「熱い!」などの表示は、それ自体が本当に労災防止に役立つものではなくても、労災防止に努めている証拠として積極的に施しておくべきです。

 

また、交通ルール・自転車マナー・危険個所情報の掲示も有効です。通勤災害の防止にも取り組んでいる資料を示しておくことになります。

実際には、通勤災害についてまで企業が責任を負うことは稀です。

しかし、勤務中の自動車・自転車の使用や移動中の歩行でケガをした場合には業務災害になりますから、こうした対策も必要でしょう。

 

労働基準法や労働安全衛生法などにより、作成・保管を義務付けられている書類は多いものですし、上記のように法的義務の無いものであっても、作成・保管が企業防衛に必要なものもあります。

こうしたことを一括してチェックするには、信頼できる国家資格者の社会保険労務士(社労士)に調査をご用命ください。

2017.12.03.解決社労士

<就業規則に規定があれば>

就業規則や人事考課規程の中に、考課期間の途中で人事異動があった場合の規定があれば、それに従い人事考課を行うことになります。

しかし、厚生労働省のモデル就業規則にも、そのような細かい規定はありません。

実際にも、人事異動を想定した規定を持たない会社は多いようです。

 

<考課期間による按分方式>

たとえば、冬の賞与支給額を決定するための考課期間が4月から9月までだったとします。

ある社員が、課長Aの部署から課長Bの部署に6月1日付で異動したならば、課長Aと課長Bの両方が人事考課をして、課長Aの評価の3分の1と課長Bの評価の3分の2を合計するという方法がとれます。

このやり方のメリットは、それぞれの課長が自由に評価できるという点にあります。

ただし、評価が数値化されていないと単純に計算できないので、この方法を使うのは困難です。

 

<協議による評価方式>

上の例で、課長Aと課長Bとで協議しながら評価を決めるという方式も考えられます。

このやり方のメリットは、評価が数値化されない場合や、少しずつ業務を移管していって実質的な異動日を特定できない場合でも問題ないという点にあります。

しかし、課長Aと課長Bとの人間関係や力関係から、どちらか一方だけの意見が強く反映される危険もありますし、そもそも仲が悪くて協議しないという場合まで考えられます。

 

やはり、あらゆることについて、人事異動を想定した明確な規定を備えておくべきです。

また、少子高齢化対策によって、労働関連法令全体に急速な法改正が広がっていますから、会社がこれに応じて就業規則を改定していくのが大変になっています。

この機会に、必要な就業規則の補充と変更をまとめて行ってはいかがでしょうか。

こうした専門性の高いことは、信頼できる国家資格者の社労士(社会保険労務士)にご用命ください。

2017.12.02.解決社労士

<待期期間の不思議>

健康保険の傷病手当金、労災保険の休業(補償)給付、雇用保険の基本手当(昔の失業手当)には、待期期間があります。

給付の理由があっても、最初の一定の日数は給付されません。しかし、その理由は意外と知られていませんので、ここにご紹介させていただきます。

なお、「待機期間」ではなくて「待期期間」です。

「待機」は、準備を整えてチャンスの到来を待つことです。待機児童、自宅待機、待機電力の「待機」はこの意味で使われています。

「待期」は、約束の時期を待つことです。待期期間の「待期」はこの意味で使われています。

 

<傷病手当金の待期期間>

健康保険の傷病手当金は、ケガや病気で働けなくなっても、最初の継続した3日間は待期期間とされ支給の対象とされません。

これは、仮病による支給申請を防止するためだそうです。

3日間の無給を犠牲にしてまで、嘘のケガや病気で傷病手当金の申請をしないだろうという考えによります。

ただ、年次有給休暇の取得も考えられますから、効果は疑わしいと思います。

 

<休業(補償)給付の待期期間>

労災保険の休業(補償)給付は、ケガや病気で働けなくなっても、最初の継続または断続した3日間は待期期間とされ支給の対象とされません。

仮病による支給申請の防止というのは、傷病手当金と同じです。

しかし、年次有給休暇のこともありますし、通勤災害による休業補償給付ではなくて、業務災害による休業給付ならば、最初の3日間は事業主が労働基準法の規定により休業補償を行うことになりますから、ますます効果は疑わしいものです。

 

<雇用保険の基本手当の待期期間>

ハローワークに離職票を提出し求職の申し込みをした日から7日間は、待期期間とされ基本手当の支給対象期間とされません。

本当に失業状態にあるといえるのかを確認するために設けられているとされます。しかし、失業状態にあることの確認は、待期期間を設けるだけでは不十分でしょう。

なお自己都合退職者には、7日間の待期期間の後、さらに最大3か月の給付制限期間が設けられています。これは、自分の都合で退職しているので、経済的な備えなどができるはずだということで設けられています。

不思議なことに、この給付制限期間のことを「たいききかん」と呼んでいる人もいます。

 

<待期期間の役目>

以下は、私個人の考えですので悪しからず。

火災保険や自動車保険その他の損害保険では、免責金額が設定されているのが一般的です。免責金額以下の損害に対しては保険金が支払われないのです。

保険会社から見ると、少額の損害で保険金を支払ったり、そのための手続きや処理をしたりで経費を使わなくてもよいので助かります。また、保険加入者にとっても、その分だけ保険料が安くなるわけです。

健康保険、労災保険、雇用保険で、1日限りの休業や失業に対してまで給付をするというのでは、手続きにかかわる人々の人件費が大変です。また、ある程度以下の給付は切り捨てて、その分だけ保険料を安くするという要請は公的保険という性質上、大きいものと考えられます。

以上のことから待期期間は、損害保険の免責金額のような役目を果たしているものと思われます。

2017.12.01.解決社労士

<異常行動とは>

インフルエンザにかかった時には、抗インフルエンザウイルス薬の種類や服用の有無にかかわらず、異常行動が報告されています。

具体的には、急に走り出す、部屋から飛び出そうとする、徘徊するなどの行動です。

また、薬と行動との因果関係は不明ですが、抗インフルエンザウイルス薬の服用後に、異常行動と関連すると考えられる転落死等が報告されています。

厚生労働省によると、平成21年4月~平成29年8月末の8シーズンで計8件報告されているそうです。

 

<注意喚起>

厚生労働省では、異常行動による転落等のリスクを低減するための具体的な対策を示し、都道府県等を通じて、医療機関等に注意喚起の徹底を依頼しました。

インフルエンザにかかった時は、抗インフルエンザウイルス薬の種類や服用の有無によらず、異常行動にご注意ください 。

 

<具体的な対策>

これまでにも、小児・未成年者がインフルエンザにかかった時は、抗インフルエンザウイルス薬の種類や服用の有無によらず、少なくとも治療開始後2日間は小児・未成年者を一人にしないようにとの注意喚起が行われてきました。

これに加えて、新たに小児・未成年者が住居外に飛び出ないための追加の対策が示されています。

 

〇 高層階の住居の場合

・玄関や全ての部屋の窓の施錠を確実に行う(内鍵、補助錠がある場合はその活用を含む)

・ベランダに面していない部屋で寝かせる

・窓に格子のある部屋で寝かせる(窓に格子がある部屋がある場合)

 

〇 一戸建ての場合

・上記に加えてできる限り1階で寝かせる

 

上記の内容は、医療関係者から患者や保護者に説明することになっていますが、念のため頭に入れておきましょう。

 

2017.11.30.解決社労士

<モデル就業規則>

就業規則の作成・変更の参考とするため、就業規則の規定例や解説をまとめた「モデル就業規則」が厚生労働省ホームページに掲載されています。

あくまでも規定例ですから、実際の就業規則は、それぞれの職場の実情に合わせて調製します。

現在の最新版は平成28330日版ですから、これよりも古い「モデル就業規則」を参考に作成・変更した就業規則は、最近の法改正に対応できていないかも知れません。

 

<現在の副業・兼業に関する規定>

現在の「モデル就業規則」には、次のような規定があります。

 

(遵守事項)

第11条 労働者は、以下の事項を守らなければならない。

⑥ 許可なく他の会社等の業務に従事しないこと。

 

(懲戒の事由)

第62条 労働者が次のいずれかに該当するときは、情状に応じ、けん責、減給又は出勤停止とする。

⑦ 第11条、第13条、第14条に違反したとき。

 

つまり、会社の許可を得ないで副業・兼業を行った場合には、始末書をとったり、減給処分や出勤停止処分を行ったりするという内容です。

 

<少子高齢化対策>

政府は少子高齢化対策を急速に進めています。

 

このままだと日本の人口は、2060年には8,674万人、2110年には4,286万人に減少すると試算されています。しかも、高齢者の比率が極端に高いのです。

国の借金が解消するためには人口が増えなければならないのに、このように減少していったのでは、日本が経済的に破たんして外国に身売りしなければならないという議論もあるほどです。

 

そこで、若者の所得と私生活の時間を増やし、結婚・出産・子育てに向かえるようにするためにも、働き方を柔軟にすることが推進されています。

そして、働き方を柔軟にするためには、企業が積極的に副業・兼業を認めるべきだとされるようになっています。

 

<副業・兼業に関する規定の改定案>

今年度中に厚生労働省から公表される予定の新しい「モデル就業規則」案では、副業・兼業の規定が次のように改められています。

 

(副業・兼業)

第65条 労働者は、勤務時間外において、他の会社等の業務に従事することができる。

2 労働者は、前項の業務に従事するにあたっては、事前に、会社に所定の届出を行うものとする。

3 第1項の業務が第11条第1号から第5号に該当する場合には、会社は、これを禁止又は制限することができる。

 

(遵守事項)

第11条 労働者は、以下の事項を守らなければならない。

① 許可なく職務以外の目的で会社の施設、物品等を使用しないこと。

② 職務に関連して自己の利益を図り、又は他より不当に金品を借用し、若しくは贈与を受ける等不正な行為を行わないこと。

③ 勤務中は職務に専念し、正当な理由なく勤務場所を離れないこと。

④ 会社の名誉や信用を損なう行為をしないこと。

⑤ 在職中及び退職後においても、業務上知り得た会社、取引先等の機密を漏洩しないこと。

 

つまり勤務時間外なら、他の会社で働くことも会社の許可なく行えるということです。ただし、事前の届出を求めることはできます。

「許可」ならば会社がノーと言えば許されないわけですが、「届出」ならば会社はノーと言えません。

そして、会社に実害を与えるような行為が見られたときは、それを禁止・制限できるという規定になっています。

 

<盛んな法改正と対応>

少子高齢化対策や働き方改革などにより法改正が盛んになっていますから、各企業は就業規則の改定や運用の変更が求められます。

今までに例が無いほど急速で大量の変更です。

しかし、これを怠っていると、いつの間にかブラック企業扱いされるようになるかも知れません。

来年は無期転換ルールや派遣労働者の期間制限への対応が必要ですし、それ以降も、時間外労働の上限規制、同一労働同一賃金、中小企業に対する月間60時間超の時間外割増賃金(5割以上)の適用猶予廃止、年次有給休暇の取得促進、フレックスタイム制の見直し、企画業務型裁量労働制の適用拡大、高度プロフェッショナル制度、産業医・産業保健機能の強化、勤務間インターバル制度、治療と職業の両立など多くの法改正が予定されています。

これに対応することは、社内のメンバーだけでは困難でしょう。

専門性の高いことは、信頼できる国家資格者の社労士にご相談ください。

 

2017.11.29.解決社労士

<YOMIURI ONLINE 20171128日の報道>

YOMIURI ONLINE によると、違法残業事件で有罪判決が確定した大手広告会社・電通(東京)への取材で、事実上の未払い残業代として計約23億円を社員に支給することになったそうです。

社員の自己申告に基づいて勤務時間を改めて精査した結果で、20174月から今年3月の間の未払い残業代を一時金として支払うそうです。

自己啓発や情報収集名目で、職場に残る社員が多数いたということです。

 

<勤務時間を改めて精査>

電通が、勤務時間を改めて精査したということは、労働時間の適正な把握ができていなかったことを認めているのでしょう。

2017年120日に「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」が策定され公開されました。

各企業は、このガイドラインに沿って労働時間を把握することになります。

 

<20174月から今年3月の間>

電通は、20174月から今年3月の間の未払い残業代を支払うそうですが、何故1年分にしたのかはわかりません。

会社側が独自に調査を進め、自主的に事実上の未払い残業代を支払うので、1年間という期間については、会社としての判断によるのでしょう。

これがもし社員からの請求であれば、過去2年分の請求になると思われます。

なぜなら、賃金の請求権の消滅時効期間は2年間だからです。〔労働基準法115条〕

この2年間というのは、民法が一般の賃金について消滅時効期間を1年間と定めているのに対して、労働者保護のため期間を延長しているものです。〔民法1741号〕

 

<民法改正による影響>

2017年526日、「民法の一部を改正する法律」が参議院で可決・成立し、同年62日に公布されました。

施行日は、原則として公布日から起算して3年を超えない範囲内において政令で定める日とされています。

改正民法は、債権者が権利を行使できることを知った時から5年間、または権利を行使できる時から10年間で時効消滅するという規定になっています。

労働基準法が今のまま、2年間の消滅時効期間を規定していたのでは、労働者保護の趣旨に反しますから、労働基準法115条が削除されて改正民法が適用されるのではないでしょうか。

そうなると、会社は過去5年分から10年分の未払い残業代を請求されるようになるわけです。

あくまでも個人的な見解です。

 

<自己啓発や情報収集名目>

自己啓発や情報収集名目で職場に残っている場合、これを残業時間に含めるべきかというと、どういう名目で残っているかは基準になりません。

労働時間とは、使用者の指揮命令下に置かれている時間であり、使用者の明示または黙示の指示により、労働者が業務に従事する時間です。

また、参加することが業務上義務づけられている研修・教育訓練の受講や、使用者の明示または黙示の指示により、業務に必要な学習等を行っていた時間は労働時間に該当します。

社内に残って行う自己啓発や情報収集は、業務に必要があって行うのではないでしょうか。業務に無関係な自己啓発や情報収集なら、会社の設備や物品を使って行うことを上司が黙認しないでしょう。

結局、自己啓発や情報収集名目であっても、会社側がこれを許している場合には、労働時間に該当する場合が多いことになります。

 

2017.11.28.解決社労士

<事業主編>

 

Q:従業員の少ない小さな会社では、労災保険に入らない方が得?

A:原則として一人でも労働者を使用する事業は、業種の規模の如何を問わず、すべてに労災保険が適用されます。

労働保険(労災保険と雇用保険の総称)は、労働者を1人でも雇用した場合には、事業主は加入に必要な手続を行うことが、法律で義務づけられています。

法律上は、条件を満たせば労災保険が適用されていて、事業主が入っていないつもりになっているのは、手続きを怠っているだけです。

 

Q:労災保険に入る手続きをしなくても簡単にはバレない?

A:厚生労働省が「労働保険適用事業場検索」というサービスを提供しています。これによって、誰でもネットで確認できますので、その会社の求人広告に応募しようとする人やお客様、お取引先、金融機関などが知ることとなります。

http://www2.mhlw.go.jp/topics/seido/daijin/hoken/980916_1a.htm

 

Q:労災保険に入る手続きをしないうちに労災事故が発生したら?

A:労災事故の発生などをきっかけとして、成立手続を行うよう指導を受けたにもかかわらず、自主的に成立手続を行わない事業主に対しては、行政庁の職権による成立手続と労働保険料の認定決定を行うこととなります。

その際は、遡って労働保険料を徴収するほか、併せて追徴金を徴収することとなります。

また、事業主が故意または重大な過失により労災保険の保険関係成立届を提出していない期間中に労災事故が生じ、労災保険給付を行った場合は、事業主から遡って労働保険料を徴収(併せて追徴金を徴収)するほかに、労災保険給付に要した費用の全部又は一部を徴収することになります。

 

手続きや保険料の納付などについて迷ったら、信頼できる国家資格者の社労士(社会保険労務士)にご相談ください。

 

<労働者編>

 

Q:家に帰る途中でケガをしても、労災保険で治療を受けられない?

A:労災保険制度は、労働者の業務上の事由または通勤による労働者の傷病等に対して必要な保険給付を行い、あわせて被災労働者の社会復帰の促進等の事業を行う制度です。通勤途中のケガにも適用されます。

 

Q:給料から労災保険料が天引きされていないなら、労災保険に入っていない?

A:労災保険の費用は、原則として事業主の負担する保険料によってまかなわれています。事業主だけが保険料を負担し、労働者の負担はありませんから、給与からの控除もありません。

 

Q:学生のアルバイトなら労災保険は関係ない?

A:労災保険における労働者とは、「職業の種類を問わず、事業に使用される者で、賃金を支払われる者」をいい、労働者であればアルバイトやパートタイマー等の雇用形態は関係ありません。アルバイトでも労災保険が適用されます。

 

労災事故による給付の手続きなどについて迷ったら、信頼できる国家資格者の社労士(社会保険労務士)にご相談ください。

 

2017.11.28.解決社労士

<解雇一般の有効要件>

解雇権の濫用であれば不当解雇となります。

不当解雇なら、使用者が解雇したつもりになっていても、その解雇は無効です。

一方、従業員は解雇を通告されて、解雇されたつもりになっていますから出勤しません。

しかし従業員が働かないのは、解雇権を濫用した使用者側に原因があるので、従業員は働かなくても賃金の請求権を失いません。

何か月か経ってから、従業員が解雇の無効に気付けば、法的手段に訴えて会社に賃金や賞与を請求することもあります。

これを使用者側から見れば、知らない間に従業員に対する借金が増えていくことになります。

解雇権の濫用による解雇の無効は労働契約法に、次のように規定されています。

 

(解雇)

第十六条 解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする。

 

<解雇の予告>

解雇権の濫用とはならず、解雇が有効になる場合であっても、その予告が必要です。

つまり、解雇を行うときには、解雇しようとする従業員に対し、30日前までに解雇の予告をする必要があります。

解雇予告は口頭でも有効ですが、トラブル防止のためには、解雇する日と具体的理由を明記した「解雇通知書」を作成し交付することが必要です。

また、従業員から求められた場合には、解雇理由を記載した書面を作成して本人に渡さなければなりません。

一方、予告を行わずに解雇する場合は、最低30日分の平均賃金(解雇予告手当)を支払う必要があります。

 

<即時解雇が許される場合>

「従業員の責に帰すべき理由による解雇の場合」や「天災地変等により事業の継続が不可能となった場合」には、解雇予告も解雇予告手当の支払いもせずに即時に解雇することができます。

ただし、解雇を行う前に労働基準監督署長の認定(解雇予告除外認定)を受けなければなりません。

また、次のような場合は解雇予告そのものが適用されません。ただし、所定の日数を超えて引き続き働くことになった場合には解雇予告制度の対象となります。

試用期間中の者 14 日間
4 か月以内の季節労働者 その契約期間
契約期間が2 か月以内の者 その契約期間
日雇労働者 1 か月

 

<労働基準監督署長の認定(解雇予告除外認定)>

労働基準監督署では「従業員の責に帰すべき事由」として除外認定申請があったときは、従業員の勤務年数、勤務状況、従業員の地位や職責を考慮し、次のような基準に照らし使用者、従業員の双方から直接事情等を聞いて認定するかどうかを判断します。

① 会社内における窃盗、横領、傷害等刑法犯に該当する行為があった場合

② 賭博や職場の風紀、規律を乱すような行為により、他の従業員に悪影響を及ぼす場合

③ 採用条件の要素となるような経歴を詐称した場合

④ 他の事業へ転職した場合

⑤ 2週間以上正当な理由なく無断欠勤し、出勤の督促に応じない場合

⑥ 遅刻、欠勤が多く、数回にわたって注意を受けても改めない場合

 

上記の認定は客観的な基準により行われますので、社内で懲戒解雇とされても、解雇予告除外認定が受けられない場合があります。

また、懲戒解雇が有効か否かは、最終的には裁判所での判断によることになります。

 

さらに、次の期間は解雇を行うことができません(解雇制限期間)。

① 労災休業期間とその後30日間

② 産前産後休業期間とその後30日間

 

解雇してもトラブルにならないケースといえるのか、即時解雇は許されるのかといった専門性の高いことは、信頼できる国家資格者の社会保険労務士(社労士)にご相談ください。

 

2017.11.27.解決社労士

<支払いの約束や慣行が無い場合>

退職金の支給について、就業規則や労働条件通知書などに規定が無く、支給する慣行も無いのであれば、雇い主側に支払いの義務はありません。

しかし規定が無くても、退職金を支給する慣行があれば、その慣行を就業規則や労働条件通知書などに規定することを怠っているだけですから、規定がある場合と同様に支払い義務が発生します。

 

<対象者が限定されている場合>

就業規則などに、「勤続3年を超える正社員に支給する」という規定があれば、パート社員など非正規社員に支給する必要はありません。勤続3年以下の正社員も同様です。

しかし、正社員用の就業規則しか無い、就業規則に正社員の明確な定義が無いなどの不備があれば、本人からの請求によって支払わざるを得ないこともあります。

こうした点を含め、就業規則や労働条件通知書は、社会保険労務士(社労士)のチェックを受けておくことをお勧めします。

 

<不支給の例外規定がある場合>

退職金の不支給について、就業規則や労働条件通知書などに規定があって、客観的に合理的な理由があり社会通念上相当な場合には、例外的に不支給とすることが許される場合もあります。

「規定さえあれば不支給で構わない」ということではありません。

 

「会社の承諾なく退職した者には退職金を支給しない」という規定は、その承諾が会社の主観的な判断ですから、客観的に合理的とはいえないでしょう。

 

「懲戒解雇の場合は退職金を支給しない」という規定があっても、必ずしも不支給が許されるわけではありません。

退職金を不支給としても良いのは「労働者のそれまでの勤続における功労を抹消するほどの信義に反する行為」があった場合に限られます。

それほどの事情があったわけではないのなら、懲戒解雇そのものが不当解雇となり無効である可能性があります。

 

本当に退職金を支払わなくても大丈夫かといった専門性の高いことは、信頼できる国家資格者の社労士(社会保険労務士)にご相談ください。

 

2017.11.26.解決社労士

<スタートは法定手続きから>

フレックスタイム制は、労働基準法の次の規定によって認められています。この規定に定められた手続きを省略して、形ばかりフレックスタイム制を導入しても、すべては違法であり無効となります。

 

第三十二条の三 使用者は、就業規則その他これに準ずるものにより、その労働者に係る始業及び終業の時刻をその労働者の決定にゆだねることとした労働者については、当該事業場の労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者との書面による協定により、次に掲げる事項を定めたときは、その協定で第二号の清算期間として定められた期間を平均し一週間当たりの労働時間が第三十二条第一項の労働時間を超えない範囲内において、同条の規定にかかわらず、一週間において同項の労働時間又は一日において同条第二項の労働時間を超えて、労働させることができる。

一 この条の規定による労働時間により労働させることができることとされる労働者の範囲

二 清算期間(その期間を平均し一週間当たりの労働時間が第三十二条第一項の労働時間を超えない範囲内において労働させる期間をいい、一箇月以内の期間に限るものとする。次号において同じ。)

三 清算期間における総労働時間

四 その他厚生労働省令で定める事項

 

長い条文ですが、ポイントは次のとおりです。

・業務開始時刻と業務終了時刻は労働者が決めることにして、これを就業規則などに定めます。

・一定の事項について、会社側と労働者側とで労使協定を交わし、協定書を保管します。これを労働基準監督署長に提出する必要はありません。

 

<よくある違法な名ばかりフレックス>

上記の法定手続きをせずに、残業時間を8時間分貯めると1日休むことができるというインチキな運用は多いようです。

この残業時間は、割増賃金の対象となる法定時間外労働でしょうから、25%以上の割増が必要です。

つまり、8時間の残業に対しては、10時間分の賃金支払いが必要です。

( 8時間 × 1.25 10時間 )

だからと言って、残業時間を6時間24分貯めると1日休めるという運用も違法です。

( 6時間24分 × 1.25 8時間 )

計算上はこのとおり正しいのですが、労働基準法が認めていないことを勝手にやってもダメなのです。

 

<フレックスタイム制導入後の違法な運用>

せっかく正しい手続でフレックスタイム制を導入しても、次のような違法な運用が見られます。

・残業手当を支払わない。

・残業時間が発生する月は年次有給休暇を取得させない。

・残業時間を翌月の労働時間に繰り越す。

・業務開始時刻や業務終了時刻を上司など使用者が指定してしまう。

・コアタイムではない時間帯に会議を設定し参加を義務づける。

・18歳未満のアルバイトにフレックスタイム制を適用してしまう。

 

<メリットはあるのか>

導入手続きと正しい運用が面倒に感じられるフレックスタイム制ですが、導入手続きは最初に1回だけですし、運用は慣れてしまえば問題ありません。

私生活と仕事との調整がしやすくなりますから、生産性の向上が見込めます。

これを誤解して、人件費を削減する仕組みだと捉えると上手く機能しません。

 

<活用のポイント>

勤務時間の情報を上手く社内外と共有することが大事です。

また、業務開始時刻と業務終了時刻を自由に決められるとはいえ、労働者個人の好みで決めて良いわけではありません。

仕事のスケジュールや、他部署や取引先などとの連動を考えながら、同僚、関連部署の社員、取引先などと相談しながら決めることになります。

しかし、これをすることによって、他部署や社外とのコミュニケーションも良くなりますし、業務の連動も取りやすくなります。

つまり、生産性の向上につながるわけです。

 

人手不足の今、社員数の少ない会社ほど、フレックスタイム制活用のメリットは大きいでしょう。

フレックスタイム制の導入をキッカケに、社員の多機能化を図ることも可能です。

具体的にどうしたら良いのかという専門的なことは、信頼できる国家資格者の社会保険労務士(社労士)にご相談ください。

 

2017.11.25.解決社労士

<ブラック企業の特徴>

ブラック企業は、社員を最低の賃金で過重労働させたうえ使い捨てにします。

この特徴が求人広告に反映されています。

優良企業が求人広告を出す場合でも、同じ特徴を備えていると、ブラック企業ではないかと疑われるので注意が必要です。

 

<低賃金で長時間労働だから>

ブラック企業は極端な長時間労働ですから、結果的に最低賃金法違反の給与が発生します。

ところが、ブラック企業も優良企業も、求人広告をザッと見ると給与が高いと感じられます。ブラック企業は、「この仕事でこの給与ならお得だ」と思わせる工夫をしているからです。

区別のポイントは、労働時間、休日出勤、休暇、基本給、手当、残業代のわかりやすさです。

ブラック企業は、実際の労働時間が判断できないような不明確な表現をしています。休日出勤や休暇についてもあやふやです。優良企業ならば、明確な実績を表示できるはずです。

ブラック企業の求人広告には、聞き慣れない名称の手当があったり、残業代が別計算なのか手当に含まれるのかわからなかったりと怪しいのです。優良企業ならば、一般的な用語を使っていますから明確です。

 

<社員を使い捨てにするから>

ブラック企業は、疲れた社員を意図的に退職に追い込むので、いつも大量の退職者が出ています。その一方で、大量の新規採用を行います。

「事業拡大につき大量採用!」という表現が求人広告に入っていたら、優良企業が本当に事業を拡大する予定なのか、それともブラック企業がウソをついているのか、少し調べて判断する必要があります。

 

<本当は魅力が無いから>

優良企業なら、労働者が魅力を感じるポイントがたくさんありますから、具体的な魅力を求人広告にアピールできます。

一方ブラック企業は、アピールできる魅力が無いのでイメージでごまかそうとします。そのため、次のような表現が多く見られます。

 

・一部の人の昇給例の表示

使い捨てにする側の社員は昇給や昇進があるので、これを例示します。

社員の「平均」は表示できません。

 

・年次有給休暇など休暇の「実績」の表示が無い

 制度があるという表示はあるものの、本当に休暇を取れているという実績は無いので表示できないのです。

 

・「和気あいあい」「アットホーム」など人間関係が良いことをアピール

 実際には小規模で、社員が親から叱られるように厳しく扱われているのが現実です。それでいて、親とは違って愛情が感じられません。

 

・精神論的な表現が目立つ

「あなたの熱意を買います」「やる気だけ持ってきてください」「あなたの夢は何ですか」「お客様への感謝の気持が原動力です」など実体の無い表現が多く見られます。

 

<広告がデタラメなら>

求人広告に実際と違うことが書かれていたら、どうしてもダマされてしまいます。

 

求人広告がまともな場合でも、応募の電話を掛けてみたり採用面接に行ってみたりして、採用担当者がとても早口だったら警戒しましょう。面接の時間が短くて、すぐに採用が決まったり、書類の記入をさせられたりするのは怪しいのです。

ブラック企業は、大量退職・大量採用ですから、ひとり一人の応募者に対して丁寧に応対する時間が無いのです。

そのため、じっくり選考する態度は見られず、どうしても大急ぎの対応となります。

 

また、運良く面接会場が会社の中であれば、その会社の社員の姿を見ることができるかも知れません。

採用された場合の数年後の姿が、その社員と重なることでしょう。

無表情だったり、身だしなみが乱れていたりして、疲労感がにじみ出ているようなら、直感的に入社を見送ることになると思います。

 

2017.11.24.解決社労士

<最低賃金の本来の目的>

最低賃金の目的については、最低賃金法の第1条に次のように規定されています。

 

この法律は、賃金の低廉な労働者について、賃金の最低額を保障することにより、労働条件の改善を図り、もつて、労働者の生活の安定、労働力の質的向上及び事業の公正な競争の確保に資するとともに、国民経済の健全な発展に寄与することを目的とする。

 

対象者は、賃金の安い労働者です。

賃金の最低額を保障し、労働条件を改善して、次のことを可能にしようとしています。

 

・賃金の安い労働者の生活が経済的に安定する。

経済的な困窮から犯罪に走ること、自分や家族の命を絶つようなことを予防するという目的も含まれているでしょう。

 

・賃金の安い労働者が、質の高い労働力を提供できるようにする。

ある程度環境の整った住宅に住み、体力を維持するのに必要な食事をとることができて、体調が悪ければ医師の診察を受けて治療でき、能力向上のための自発的な学習ができるなどによって、労働力の質を高めることができるようにするわけです。

 

・一部の企業だけが不当に安い賃金で労働者を雇えないようにする。

 本来、賃金は企業と労働者との話し合いで自由に決められるはずです。しかし、一部のブラックな企業がとても安い賃金で雇って荒稼ぎしていたら、まともな賃金で雇っている企業は競争に負けてしまうかもしれません。そこで、賃金の最低額を法律で定めて企業に強制し、企業間の競争を公正にしようというのです。

 

・日本経済の健全な発展にプラスに作用する。

 賃金の安い労働者の収入を増やすことによって、物を買ったりサービスを利用したりが盛んになります。賃金の高い労働者は収入が増えても貯蓄に回す比率が高いのですが、賃金の安い労働者ほど増えた収入を消費に回しやすいのです。こうして、日本経済の発展を下支えすることが期待されるのです。

 

<最低賃金の現在の機能>

東京都の最低賃金は平成29年10月1日から958円、大阪府の最低賃金は平成29年9月30日から909円です。

発効した日の勤務分から新しい最低賃金が適用されています。

これはもう最低賃金法の目的からすると、十分高い水準なのかもしれません。

それでも、来年もまた最低賃金が上昇するだろうと言われています。

 

これは政府の少子高齢化対策の継続的な推進と関係があると思われます。

今、政府は少子高齢化対策を強力に推し進めていて、関連する法改正も盛んです。

企業の就業規則も、改定からたった3年放置しただけで違法だらけになってしまうのが現状です。

 

最低賃金が問題となる賃金の安い労働者というのは、基本的には若い労働者です。

これから結婚して子供を設け育てていく労働者です。

若い労働者が安心して結婚し子供を育てられる賃金水準というと、今の最低賃金ではまだ不十分でしょう。

たとえば東京都の最低賃金の958円で、1日8時間、週5日働くと、年間で200万円弱です。

( 958円 × 8時間 × 5日 × 52週 = 1,992,640円 )

これでは結婚に踏み切れないでしょう。

 

このように少子高齢化対策の側面から見ると、最低賃金は更に上がって当然と言えそうです。

 

<企業の対応策>

人件費を考えると、従業員の数は最低限に抑えたいところです。

その一方で採用難ですから、そもそも新人を採用することは困難です。

機械化する、外注に出す、正社員からパート社員に切り替えるなどの他に、もう一度、教育訓練の強化を考える時期に来ていると思います。

いつの間にか、社員の教育研修を簡素化するようになった企業が多いのではないでしょうか。

生産性を上げるのに人件費を切り詰めてブラックになるよりは、社員の少数精鋭化と多機能化を目指して優良企業となった方が、お客様もお取引先も喜ぶのは目に見えています。

もし自社にぴったりの教育研修について迷うところがあれば、信頼できる国家資格者の社会保険労務士(社労士)にご相談ください。

 

2017.11.23.解決社労士

<働き方改革の背景>

政府は少子高齢化対策を推進しています。

働き手が減少し、日本の活力が失われることを心配しています。

これを企業側から見れば、慢性的な人手不足と売上減少ということになります。

 

<企業に求められる努力>

各企業は、次のような努力が求められています。

・若者の賃金水準を上げて、結婚・出産・育児ができるようにする。

・限定正社員(多様な正社員)やテレワークなど柔軟な働き方の仕組みを導入し、子育てしやすく、高齢者が働きやすくする。

・正社員と非正規社員とを形式的に区分して処遇に差を設けるのではなく、賃金だけでなく福利厚生などを含めた処遇の均等を図る。

 

<企業にとってのメリット>

働き方改革によって職場の魅力度が増し、求人広告に対する応募者の増加や定着率の向上が見込まれます。

実は、働き方改革は、法令によって義務付けられてはいません。

企業に対して強制しなくても、取り組まない企業は自然に淘汰されるのかも知れません。

なぜなら、人手不足は中小企業を中心に深刻であり、今回ばかりは構造的なものであって一時的なものではないと言われているため、一定の期間耐えれば何とかなるものではなさそうだからです。

働き方改革に取り組むことのメリットは、人手不足を感じている企業にこそ大きいものといえます。

 

<中小企業の働き方改革>

採用対象者を、30歳以下の正社員などに限定せず、別の年代、障害者、外国人などに広げ、非正規社員、テレワーク、請負なども視野に入れたいところです。

また、お金をかけずに働きやすさと働き甲斐を向上させたり、求人でうまくアピールする工夫をするなど、知恵を絞ることが必要です。

働きやすさのポイントは、コミュニケーション、社内ルール作り、法令順守です。

働き甲斐のポイントは、参加意識、成長できる仕組み、適正な人事評価、公正に競争できる環境です。

 

<改善への近道>

労働者のひとり一人から、働く上での不満や疑問を聞いてとりまとめ、法的観点と実務的観点から改善案を策定しスケジュール化するのが近道です。

こうした専門性の高いことは、信頼できる国家資格者の社会保険労務士(社労士)にご相談ください。

2017.11.22.解決社労士

<名ばかりパートタイマー>

入社した時は、短時間勤務で仕事も定型的な内容だったのに、その後、勤務時間が正社員と同様になり、権限と責任が重くなって正社員並みになるというケースがあります。

労働条件は、労働契約によって決まりますが、その内容を示す労働契約書(雇用契約書)が改定されずに放置されることもあります。

労働契約書が改定されていなくても、勤務の実態により労働契約の内容が変更されて、仕事や責任の内容が正社員と同じになったのであれば、企業はその待遇を改善して、不合理な労働条件格差を解消する義務があります。

 

<企業の法的義務>

パートタイム労働法は、企業に対して、パートタイム労働者の仕事内容に応じた公正な処遇のほか、パートタイム労働者が正社員に転換できる措置と、自分の待遇について説明を受け、相談できる窓口を社内に設けることを義務付けています。

また、説明を求めたことを理由として、その人を不利益に扱うことを禁じています。

 

<労働局への相談>

企業がパートタイム労働法に違反しているのに改善しようとしないとき、あるいは説明に応じなかったり、説明されても納得できなかったりしたときは、国の行政機関(東京労働局雇用環境・均等部など)に相談することになります。

労働局が相談を受けた場合には、パートタイム労働法に関して、当事者に助言、指導、勧告のほか、話合いの場を設ける調停をすることもあります。

また、雇い主が勧告に従わないときは、厚生労働大臣が企業名を公表できることになっています。これは企業にとって大きな打撃となってしまいます。

もちろん、労働局に相談したことを理由に不利益な取扱いをすることは禁止されています。

 

<労働基準監督署への申告>

労働条件が、労働時間、割増賃金、最低賃金などの法律上の最低基準に違反しているのであれば、パートタイム労働者が労働基準監督署に申告することもあります。

労働基準監督署に相談したことを理由として不利益に取り扱うことも禁止されています。

 

<労働組合の利用>

実際には、法律で認められた権利を守るためであっても、上司に説明を求めたり、行政に助けを求めたりしたら、嫌がらせを受ける恐れもあります。

このようなとき、同じ疑問を持つ社内の人と一緒に労働組合を結成したり、外部の労働組合に加入したりした上で、雇い主と交渉することもあります。

労働組合には、法律上の労働条件を守ることだけでなく、よりよい労働条件を求めて交渉することが認められています。

 

<労働訴訟>

より強力な手段として、訴訟を起こすことも考えられます。

訴訟の手続きがわからないときや不安があるときは、法テラス(日本司法支援センター)に相談したり、弁護士会に相談したりすることもあります。

 

こうしてみると、正社員並みに働いているパートタイマーが、その処遇を改善してもらえないときに、権利を実現する手段は豊富だといえます。

一方で、企業がこうした問題の発生を予防するには、労働関連法令の順守が最良の手段です。

とはいえ、少子高齢化対策を中心に法令の改正は急速に進んでいて、現行法の内容や法改正の動向を把握するのは、企業にとって難しいことになっています。

こうした専門性の高いことは、信頼できる国家資格者の社会保険労務士(社労士)にご相談ください。

 

2017.11.21.解決社労士

<登録型派遣と無期転換>

派遣労働を希望する人をあらかじめ登録しておき、労働者派遣をする時に、その登録している人と有期労働契約を締結し、労働者派遣を行うことを一般に「登録型派遣」といいます。

登録型派遣の場合、派遣する都度、派遣労働者と有期労働契約を締結することとなりますが、この場合も派遣会社との間で無期転換ルールが適用されます。

したがって、同一の派遣会社との間で通算契約期間が5年を超えた場合、無期転換申込権が発生し、派遣労働者は、その契約期間の初日から末日までの間、いつでも無期転換の申込みをすることができます。

派遣労働者から申込みを受けた場合、申込時の有期労働契約が終了する日の翌日から、その労働者との間の契約は無期労働契約に転換されます。

そのため、無期転換後の労働者に対して、どのような労働条件を適用するかを検討し、就業規則等を整備する必要があります。

 

<就業規則の整備>

無期転換ルールによって、派遣会社との契約期間は有期から無期に転換されます。

しかし、無期転換後の給与などの労働条件は、就業規則等で特別な定めがある部分を除き、直前の有期労働契約と同一の労働条件となります。

したがって、無期労働契約に転換された労働者に対して、どのような労働条件を適用するかを検討した上で、特別な定めをする場合には、適用する就業規則にその旨を規定する必要があります。

ただし、無期転換に当たり、職務の内容などが変更されないにもかかわらず、無期転換後の労働条件を低下させることは、無期転換を円滑に進める観点から望ましいものではありません。

また、特に定年など、有期契約労働者には通常定められていない労働条件を適用する必要がある場合には、適切に設定のうえ、あらかじめ明確化しておく必要があります。

 

通常、無期転換の労働者が発生した場合には、就業規則の改定が必要となります。

こうした専門性の高いことは、信頼できる国家資格者の社労士にご相談ください。

 

2017.11.20.解決社労士

<少子化対策の推進>

少子高齢化が進む現在の日本で、政府は政策として、少子化対策と高齢化対策を強化していますから、育児・介護休業法も、度重なる改正によりその内容が充実してきています。

さらに、労働者が妊娠したことを理由に不利益な扱いを受けるなど、事業主が育児・介護休業法に規定する義務に違反したことが原因で退職した場合には、雇用保険法により特定受給資格者とされ、会社都合で退職させられた人と同じように、失業手当(求職者給付の基本手当)の給付日数が多めに付与されるようになっています。

これは、育児・介護休業法の枠を越えて、政策が推進されている実例の一つです。

 

<厚生労働省からの呼びかけ>

近年の晩婚化等を背景に不妊治療を受ける夫婦が増加しており、働きながら不妊治療を受ける方は増加傾向にあると考えられます。

また、仕事と不妊治療との両立に悩み、やむを得ず退職する場合も多いと言われています。

不妊治療を受ける方は、一定の職務経験を積んだ年齢層の従業員であることも多く、企業の貴重な戦力であると考えられます。

こうした人材を失うことは、企業にとって大きな損失です。

仕事と不妊治療の両立について職場での理解を深め、従業員が働きやすい環境を整えることは、有能な人材の確保という点で企業にもメリットがあるはずです。

 

<不妊治療について>

不妊の原因はさまざまです。

不妊の原因は、女性だけにあるわけではありません。男性に原因があることもありますし、検査をしても原因がわからないこともあります。

女性に原因がなくても、女性の体には、治療に伴う検査や投薬などにより大きな負担がかかります。

 

検査によって、不妊の原因となる疾患があるとわかった場合は、原因に応じて薬による治療や手術を行い、医師の指導のもとで妊娠を目指します。

これらの治療を行っても妊娠しない場合は、卵子と精子を取り出して体の外で受精させてから子宮内に戻す「体外受精」や「顕微授精」へと進みます。

不妊治療は、妊娠・出産まで、あるいは、治療をやめる決断をするまで続きます。

年齢が若いうちに治療を開始したほうが、妊娠に至るまでの治療期間が短くなる傾向がありますが、「いつ終わるのか」を明らかにすることは困難です。

治療を始めてすぐに妊娠する人もいれば、何年も治療を続けている人もいます。

 

体外受精、顕微授精には頻繁な通院が必要となりますが、1回の治療にかかる時間はわずかです。

ですから、職場としては積極的な支援が可能です。

 

<職場の取り組み>

不妊や不妊治療に関することは、その従業員のプライバシーに属することです。

職場ではプライバシーの保護に配慮する必要があります。

また、セクハラ、マタハラのようなハラスメントの防止も強化しなければなりません。

 

そのうえで、次のような仕事と両立しやすくする制度の導入をお勧めします。

・年次有給休暇を時間単位で取得できるようにする

・不妊治療目的で利用できるフレックスタイム制を導入する

・失効した年次有給休暇を積み立てて使用できる「積立(保存)休暇」の使用理由に不妊治療を追加する

・不妊治療を目的とした休暇制度を導入する

 

上記のうち、時間単位年休、フレックスタイム制、積立休暇は、不妊治療を対象としなくても、社員にとっては魅力的な制度です。

 

これらの取り組みは、現在の人手不足クライシスへの対処手段として有効なものとなるでしょう。

何もしない企業とは差がつくはずです。

ただ、会社の現状と体力に見合った制度の導入となると、頭が痛いかもしれません。

こうした専門性の高いことは、信頼できる国家資格者の社労士にご相談ください。

 

2017.11.19.解決社労士

<連合総研のアンケート結果>

連合総研201710月に実施した「勤労者の仕事と暮らしに関するアンケート調査」から、次の結果が出ています。

 

●正社員の5割超が勤務時間外のメール等の対応、4 割が持ち帰り残業あり

 

勤務時間以外の時間や休日に行った業務・作業について、<ある>と回答した割合は、「メール・電話・SNSの対応」が46.8%、「呼び出しを受けて出勤」が28.5%、「持ち帰り残業」が30.9%でした。

就業形態別に<ある>の割合をみると、いずれも正社員で高く、「メール・電話・SNSの対応」が5 割、「持ち帰り残業」が4 割を超えています。とくに、正社員の2 割超で「メール・電話・SNSの対応」が「常にある」(7.3%)、「よくある」(13.4%)と回答し、相対的に頻度が高くなっています。

 

●長時間労働者は勤務時間外のメール等の対応、持ち帰り残業時間も長い

 

勤務時間以外に行った業務・作業についての1 か月あたり平均時間数は、「メール・電話・SNSの対応」が3.6 時間、「持ち帰り残業」が5.5 時間でした。

週実労働時間別にみると、50 時間以上の層で、「メール・電話・SNSの対応」が6 時間を超え、「持ち帰り残業」が10 時間前後に達しています。

 

●2割超が勤務時間外のメール等の対応、持ち帰り残業は労働時間にあたらないとの認識

 

勤務時間以外に行った業務・作業の時間は労働時間にあたると思うかをたずねたところ、「メール・電話・SNSの対応」については、5 割超が「あたる」、2 割超が「あたらない」と回答、「持ち帰り残業」については、6割弱が「あたる」、2割超が「あたらない」と回答しました。

業務・作業の頻度別にみると、いずれも頻度が多くなるほど「あたる」、頻度が少なくなるほど「あたらない」の割合が高くなっています。

 

●持ち帰り残業を上司にまったく伝えていない人は45

 

勤務時間以外に行う(行った)業務・作業を上司に「まったく伝えていない」割合は、「メール・電話・SNSの対応」が38.7%、「持ち帰り残業」が45.0%でした。

いずれも、業務・作業の頻度が多くなるほど、「すべて伝えている」と「ほとんど伝えている」を合わせた割合は高くなっています。反対に、業務・作業の頻度が少なくなるほど、「まったく伝えていない」割合が高くなっています。

 

<会社はどう対応するか>

「勤務時間外を拘束するメールや持ち帰り残業は、どの会社でもある程度はあるので仕方がない」とは言っていられません。

このアンケートでは、呼び出しを受けての出勤、持ち帰り残業、メール等の対応が常にある人は負担・ストレスを強く感じていることや、メール等の対応、持ち帰り残業時間が長くなるほど負担・ストレスを強く感じていることが明らかにされています。

メンタルヘルス障害が発生すれば、会社は責任を問われますし、戦力ダウンや経済的損失は免れません。

 

欠員が出たらすぐに有能な人材を採用できるような時代ではなくなりました。

人手不足クライシスと言われる今、働き手にとって魅力的な会社でなければ思うように人材が確保できません。

勤務時間外を拘束するメールや持ち帰り残業があるのは、業務内容に見合った人手が確保されていない証拠です。経営者は危機感を持つべきです。

 

少なくとも会社がブラックと言われないように法令を順守すること、会社が経済的な負担を抑えつつ働くことのメリットを増やすこと、生産性を上げるためのルールや仕組みを整備することなどによって人手不足クライシスに対抗しなければなりません。

こうした専門性の高いことは、信頼できる国家資格者の社会保険労務士(社労士)にご相談ください。

 

2017.11.18.解決社労士

<この助成金の特長>

高年齢者や障害者等の就職困難者をハローワーク等の紹介により、継続して雇用する労働者(雇用保険の一般被保険者)として雇い入れる事業主に対して助成されます。

ハローワークが雇用についての情報を把握していて、そのハローワークを管轄する都道府県労働局から助成金の申請書類が会社宛に届きます。

これを何かの宣伝と同視して捨ててしまったら勿体ないです。

よくわからなければ、信頼できる国家資格者の社労士にご相談ください。

 

<主な受給の条件>

この助成金を受給するためには、最低でも次の2つの条件を満たすことが必要です。

・ハローワークまたは民間の職業紹介事業者等の紹介により雇い入れること

・雇用保険一般被保険者として雇い入れ、継続して雇用することが確実であると認められること

この他にも、雇用関係助成金共通の条件などいくつかの受給条件があります。

 

<支給額>

この助成金は、対象労働者の類型と企業規模に応じて、1人あたり下表の支給額となります。

対象労働者に支払われた賃金の一部に相当する額として、下表の金額が、支給対象期(6か月)ごとに支給されます。

※( )内は中小企業以外の企業に対する支給額・助成対象期間です。 

対象労働者

支給額

助成対象期間

支給対象期ごとの支給額

短時間労働者以外の者

高年齢者(60歳以上65歳未満)、母子家庭の母等

60万円
(50万円)

1年
(1年)

30万円 × 2期

(25万円 × 2期)

重度障害者等を除く身体・知的障害者

120万円
(50万円)

2年
(1年)

30万円 × 4期

(25万円 × 2期)

重度障害者等

240万円
(100万円)

3年
(1年6か月)

40万円 × 6期

(33万円× 3期)

※第3期の支給額は34万円

短時間労働者

高年齢者(60歳以上65歳未満)、母子家庭の母等

40万円
(30万円)

1年
(1年)

20万円 × 2期

(15万円 × 2期)

重度障害者等を含む身体・知的・精神障害者

80万円
(30万円)

2年
(1年)

20万円 × 4期

(15万円 × 2期)

 

雇入れ事業主が、対象労働者について最低賃金法第7条の最低賃金の減額の特例の許可を受けている場合は、支給対象期について対象労働者に対して支払った賃金に次の助成率を乗じた額(表の支給対象期ごとの支給額を上限とする)となります。

・対象労働者が重度障害者等以外の者の場合 1/(中小企業事業主以外1/)

・対象労働者が重度障害者等の場合 1/(中小企業事業主以外1/)

 

2017.11.17.解決社労士

 

 

 

<昇進と言われた時の反応>

会社員が昇進を内示され、あるいは異動の発令があった場合に、頭の中は「年収が増えそうだ」「仕事が大変になりそうだ」ということで一杯になります。

人間は、試験の合格、結婚、我が子の誕生など喜ぶべきことからもストレスを感じる生き物です。

ましてや、昇進のように負担の増加を伴うことからは、より多くのストレスを受けてしまいます。

また、よくわからない物、よくわからない事に対しては恐怖を感じます。

お化け、宇宙人、新型ウイルス、死後の世界などがその例です。

昇進と言われても、どのような立場に立たされるのか、仕事の中身はどう変わるのか、給与や賞与はどれだけ増えるのか、これらがわからなければストレスと恐怖で一杯になります。

 

<せっかく昇進しても>

過剰なストレスと恐怖は、次のような弊害をもたらします。

・困っても上司に相談できない

・周囲から孤立する

・業務の進捗管理ができない

・コミュニケーションがとれない

・トラブルを解決できない

こうなると、もう冗談は通じなくなりますし、せっかく昇進しても他の社員に悪意を感じるばかりで、本来の能力を発揮できません。

最悪の場合には、出勤すら難しくなってしまいます。

 

<ストレスを減らし恐怖を無くすには>

昇進した時のストレスの原因はわからないことにあります。

年収、仕事、立場が具体的にどう変わるのか、上司や部下とのかかわりはどのようになるのか、仕事の進め方や人事考課についてはどうしたら良いのか、これらについて予め知っていたら、ストレスや恐怖は大幅に軽減されます。

これを実現するには、給与規程、職務分掌規程、社内決裁規程、人事考課規程などを定めておき、社員研修で内容を具体的に説明しておけば良いのです。

小さな会社であれば、一つひとつの規程を持たなくても、就業規則に関連規定を備えておけば十分です。

 

昇進ひとつをとっても、社員が10人未満の会社にも就業規則が必要です。

ただ、所轄の労働基準監督署長への届出が要らないというだけです。

会社の実情に合わせて就業規則をどうするかという専門性の高いことは、信頼できる国家資格者の社労士にご相談ください。

 

2017.11.16.解決社労士

<ガイドラインの改定>

旧「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関する基準」は、平成29年1月20日に「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」に改められました。

全体としては大きな変更がありません。

ただ、自己申告制で労働時間を把握する場合の取扱いが、きわめて具体的になりました。

これは、社外での勤務が多いこと、営業手当や定額残業代を支給していることを理由に、適正な労働時間の把握を放棄している企業が目立ったからだと聞いています。

 

<自己申告制についての取扱い>

タイトルが「やむを得ず自己申告制で労働時間を把握する場合」となっています。

これは、通常の方法では労働時間が把握できないような例外的な場合に、「やむを得ず」許されるに過ぎないということを、最初に示しているわけです。

ある特定の日に、どうしても勤務終了時刻が把握できないので、その時刻だけは自己申告させるというような運用になるでしょう。

 

・自己申告を行う労働者や、労働時間を管理する者に対しても、自己申告制の適正な運用等ガイドラインに基づく措置等について、十分な説明を行うこと

 

・自己申告により把握した労働時間と、入退場記録やパソコンの使用時間等から把握した在社時間との間に著しい乖離がある場合には実態調査を実施し、所要の労働時間の補正をすること

 

・使用者は労働者が自己申告できる時間数の上限を設ける等適正な自己申告を阻害する措置を設けてはならないこと。さらに36協定の延長することができる時間数を超えて労働しているにもかかわらず、記録上これを守っているようにすることが、労働者等において慣習的に行われていないか確認すること

 

<労働時間の把握についての会社の責任>

やむを得ず自己申告制にすることがある場合でも、労働者の十分な教育指導を前提とすること、正しく自己申告をしていない恐れがあれば、実態の調査をしなければならないこと、「残業は月間○時間以内にしなさい」などの指導が許されないことなどが、具体的に示されています。

労働者が「自主的に」労働時間を少なめに申告しても、経営者側は、これを許してはならないことも示されています。

 

ここまで厳しい基準で自己申告制を適正に運用することは困難ですし、あえて自己申告制を使った場合には、その部分について企業の負うリスクは大きくなってしまいます。

たとえば、退職者から会社に対して未払い残業代の請求があった場合には、自己申告による労働時間が否定されやすいということになります。

このガイドラインは、本音では自己申告させて欲しくないと言っているのでしょう。

こうなると、今まで一部に自己申告制を使っていた企業も、これを改めて、タイムカードなどによる一般的な労働時間管理にすることが得策だということになります。

 

具体的にどう切り替えるかは、専門性の高い話になりますから、信頼できる国家資格者の社会保険労務士(社労士)にご相談ください。

 

2017.11.15.解決社労士

<地方労働行政運営方針>

労働基準監督署の労働基準監督官は、監督指導実施計画に沿って臨検監督(実地調査)を行っています。

この計画は、毎年各都道府県の労働局が作成している「地方労働行政運営方針」に基づいています。

その内容は公開されていて、各都道府県の労働局のホームページで見ることができます。

労働基準行政で優先順位の高いものほど、重点項目の上のほうに記載されていますから、会社の所轄労働基準監督署が監督(調査)に入るとしたら、何を見られるかが把握しやすいのです。

 

<平成29年度東京労働局の最重点課題と取組>

★「働き方改革」の推進などを通じた労働環境の整備・生産性の向上

▶ 長時間労働の是正による良質な労働環境の確保

○長時間労働の抑制・過重労働解消に向けた取組、ワーク・ライフ・バランスの推進等

▶ 非正規雇用労働者の待遇改善等

○非正規雇用労働者の正社員転換・同一労働同一賃金の実現に向けた待遇改善の推進、最低賃金の周知・履行確保等

▶ 人材確保対策の推進や労働生産性の向上等による労働環境の整備

○労働者のキャリア形成に係る支援策の普及促進、全産業の労働生産性の向上等

▶ 労働者が安心して健康に働くことができる職場づくり

○労働条件確保、労働災害防止対策、メンタルヘルス・健康確保対策、労災補償の迅速・適正処理等

 

★「全員参加の社会」の実現加速

▶ 女性の活躍推進

○改正男女雇用機会均等法及び改正育児・介護休業法の履行確保、女性活躍推進法の実効性確保等

▶ 若者の活躍促進

○適切な職業選択の支援、職業能力の開発・向上に関する措置、青少年の雇用の促進等

▶ 高齢者の活躍促進

○企業における高年齢者の雇用の促進、高年齢者の再就職の促進等

▶ 障害者、難病・がん患者等の活躍推進

○法定雇用率達成指導の徹底、多様な障害特性に応じた就労支援、難病・がん患者等に対する就職支援の推進等

▶ 外国人材の活用

○高度な技術や専門的な知識を持った外国人材の就業推進等

▶ 重層的なセーフティネットの構築

○公共職業訓練、求職者支援制度を活用した就職支援、生活困窮者等に対する就労支援の強化等

 

以上から、東京都では、長時間労働や過重労働、育児休業・介護休業関連の項目がチェックされやすいことがわかります。

サービス残業など、賃金不払いに関する項目が含まれなくなりました。

 

<最近の新しい動き>

こうした労働局の方針とは別に、政府(首相官邸)の主導による働き方改革の動きが強まっています。

働き方改革では、過重労働対策と長時間労働削減ということが最重要課題とされています。

このことから、月間80時間以上の法定外残業がある企業には、都道府県に関係なく監督(調査)が入りやすい状況にあります。

 

<労働時間の適正な把握>

サービス残業が最重点課題から外されたのは、労働局や労働基準監督署による是正や、企業による自主的な改善が進んだためと思われます。

今、サービス残業がある職場というのは、かなり減少していて、発覚すれば強烈な指導が入ることでしょう。

なお、サービス残業や長時間労働のチェックには、労働時間の適正な把握が大前提となります。

社外での勤務が多い、定額残業代や営業手当を支給しているなどの理由で、労働時間の把握を放棄することはできません。

今年の1月20日には「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」が発表され、労働時間の自己申告制の運用もむずかしくなっています。

一部の労働者について、労働時間の把握が不正確な職場では、速やかに是正する必要があります。

こうした専門性の高いことは、信頼できる国家資格者の社会保険労務士(社労士)にご相談ください。

 

2017.11.14.解決社労士

<管理監督者の特例>

労働基準法41条2号に、管理監督者には休日に関する規定が適用されない旨の規定があります。

 

第四十一条 この章、第六章及び第六章の二で定める労働時間、休憩及び休日に関する規定は、次の各号の一に該当する労働者については適用しない。

一 別表第一第六号(林業を除く。)又は第七号に掲げる事業に従事する者

二 事業の種類にかかわらず監督若しくは管理の地位にある者又は機密の事務を取り扱う者

三 監視又は断続的労働に従事する者で、使用者が行政官庁の許可を受けたもの

 

<休日に関する規定とは>

労働基準法には、休日に関する規定として次のようなものがあります。

 

第三十五条 使用者は、労働者に対して、毎週少くとも一回の休日を与えなければならない。

2 前項の規定は、四週間を通じ四日以上の休日を与える使用者については適用しない。

 

この規定は、管理監督者には適用されません。

つまり、管理監督者には週1回の休日を与えなくても良いのです。

ただ、会社は過重労働にならないよう配慮する義務は負っています。

 

<年次有給休暇の規定>

一方で、労働基準法には年次有給休暇の規定があります。

 

第三十九条 使用者は、その雇入れの日から起算して六箇月間継続勤務し全労働日の八割以上出勤した労働者に対して、継続し、又は分割した十労働日の有給休暇を与えなければならない。(以下省略)

 

この規定は、休日に関する規定ではなくて休暇に関する規定ですから、管理監督者にも適用があります。

 

<休日と休暇>

同じではありません。

 

休日(holiday)は、もともと労働義務のない日です。休むのに、会社に申告したり手続きをしたりは不要です。

休日の前日に会社を出るとき、「すみません。明日は休ませていただきます」などと言ったら、冗談だと思われてしまいます。

 

休暇(vacation)は、もともと労働義務のある日について、届け出などの手続きを行うことによって、労働が免除される日です。

休暇の前日に「明日から休暇をいただきます。よろしくお願いいたします」と上司や同僚に挨拶するのは、良識ある社会人のマナーです。

 

休日と休暇の違いなど、社会保険労務士にとっては基本中の基本なのですが、世間一般では休日と休暇が混同されがちです。

労務管理は専門性の高いことですから、少しでも引っかかるところがあれば、信頼できる国家資格者の社会保険労務士(社労士)にご相談ください。

 

2017.11.13.解決社労士

<正社員の定義>

法令には「正社員」という言葉の定義がありません。

「正社員」は法律用語ではないのです。

ですから、正社員の定義は会社ごとに独自に定められています。

正社員の明確な定義の無い職場も多数存在します。

 

一般的な正社員のイメージは次のとおりです。

・定年を除き労働契約の期間が定まっていない無期労働契約である。

・時間外労働(早出、残業)に応じる義務がある。

・深夜労働に応じる義務がある。

・勤務地が限定されず転勤に応じる義務がある。

・業務内容が限定されず異動に応じる義務がある

 

<限定正社員の定義>

正社員の労働条件のうち、一つか複数を欠いている場合を、限定正社員と呼んでいます。

・早出や残業を免除されている。

・深夜労働を免除されている。

・転勤が全くない。または、一部の地域内に限定されている。

・異動が無い。

・1日の所定労働時間が正社員よりも短い。

・週の所定労働日数が正社員よりも少ない。

「その会社の正社員と比較して」という話ですから、正社員の定義が会社ごとに決められている以上、限定正社員の定義も会社ごとに様々です。

 

正社員の所定労働時間が1日8時間で、1週間の所定労働日数が5日という会社は多数派です。

しかし、正社員の所定労働時間が1日6時間半で、1週間の所定労働日数が6日という少数派の会社もあります。

この少数派の会社で、1週間の所定労働日数が5日の正社員は、限定正社員であると認識されます。出勤日数が一般の正社員よりも限定されているからです。

また、多数派の会社では、1日の所定労働時間が6時間半の正社員は、限定正社員であると認識されます。勤務時間が一般の正社員に比べて限定されているからです。

 

労働時間と出勤日数の両方が限定されている正社員も、労働時間と出勤日数が限定されているうえさらに、勤務地が関東地方に限定されている正社員もいます。

こうなると、一口に限定正社員と言っても、数多くのパターンがあるわけですから、限定正社員のイメージは統一しにくいといえます。

そのためか、厚生労働省は「多様な正社員」と呼ぶようになっています。

 

<パート社員などとの比較>

労働時間や出勤日数が限定された正社員がいる一方で、同じ職場にパート社員や契約社員と呼ばれる人たちも働いていたりします。

パート社員の中にも、正社員並みの労働時間と出勤日数の人がいる一方で、週1日だけの勤務や、1日3時間の勤務という人もいます。

こうして、正社員、パート社員、契約社員の境界線が不明確になっています。

 

就業規則などで、正社員、パート社員、契約社員などの定義が明確になっていないと、「私にこの規定が適用されないのはおかしい」という主張がされて、トラブルとなることがあります。

就業規則に具体的な定義の無い会社は、速やかに社会保険労務士などに相談して、就業規則を改定しておくよう強くお勧めします。

 

就業規則が無い会社はもっと危険です。

個人ごとに労働条件通知書や雇用契約書などで、労働条件をきちんと定めておかないことが、思わぬトラブルを招いてしまいます。

「何かあったら話し合って決める」と思っていても、トラブルが発生したら話し合いが難しくなりますから、あらかじめ決めておく必要があるのです。

 

<個別契約の時代>

もともと就業規則には、労働条件のうち共通の部分が定められています。

「正社員就業規則」「パート社員就業規則」「アルバイト社員就業規則」という形で、ある程度の区分ができていた昭和時代ならともかく、今は「多様な正社員」がいて、同じ会社の中に労働条件が全く異なるパート社員がいます。

そして、正社員とパート社員、アルバイト社員の区分も不明確になってきています。

 

ここまで来たら、就業規則は正社員、パート社員、アルバイト社員、契約社員などに共通する項目だけを定めて、共通しない項目は、個別の労働契約で確認するというのが現実的です。

 

労働条件の一部を決めず曖昧にしておいたり、口約束だけで文書化せずにいたりしたところ、退職者からとんでもない要求をされたという経験をお持ちの経営者の方は少なくないでしょう。

これからは、個別契約の時代です。

人を雇うにあたって、専門性の高いことは、信頼できる国家資格者の社労士にご相談ください。

 

2017.11.12.解決社労士

<無期転換ルールと対応の必要性>

平成25年(2013年)4月1日に改正労働契約法が施行され、無期転換ルールにより、有期労働契約が通算5年を超えて反復更新された場合、有期契約労働者の申込みにより、 期間の定めのない労働契約(無期労働契約)に転換されることとなります。

この通算5年のカウントの対象となるのは、改正法施行の平成25年(2013年)4月1日以降に開始した有期労働契約からです

改正労働契約法が施行されてから平成30年(2018年)4月1日で5年が経過し、今後、無期転換の本格的な発生が見込まれるため、就業規則や社内制度の検討・整備等を行う必要があります。

 

<無期転換ルールの趣旨>

現在、有期契約労働者の約3割が、通算5年を超えて契約を反復更新している実態にあります。

つまり、多くの会社にとって、有期社員が会社の事業運営に不可欠で恒常的な労働力である傾向が見られます。

特に長期間雇用されている有期社員は、例えば「1年契約」で働いていたとしても、実質的には会社の事業運営に不可欠で恒常的な労働力であることが多く、ほぼ毎年「自動的に」更新を繰り返しているだけといえます。

このような有期社員を期間の定めのない労働契約の社員として位置付け直すことは、むしろ自然なことであり、実態と形式を合致させる措置といえます。

このように、無期転換はより適切な雇用関係にしていくための取組みなのです。

 

<求められる企業の対応>

平成30年(2018年)4月1日から、有期社員の無期転換が本格的に行われると見込まれるため、それまでに就業規則や社内制度等の検討・整備等を行う必要があります。

雇用している有期社員の人数、更新回数、勤続年数、担当業務の内容などを整理しましょう。

有期社員を無期転換後、どのような社員として位置づけるかなど人材活用を戦略的に行うため、無期転換ルールへの対応の方向性を検討しましょう。有期社員が無期転換した場合、転換後の雇用処分に応じ、従来の「正社員」との異同を就業規則などで明確にしておかないと、トラブルが発生するおそれがあります。いずれの対応を取る際にも、あらかじめ労使の間で、担当する業務や処遇などの労働条件を十分に確認することが重要です。

無期転換後の労働条件をどのように設定するか検討し、就業規則等を整備しましょう。大きくは、無期転換社員(有期労働契約時と同じ労働条件で、契約期間が無期)、多様な正社員(職務限定社員、エリア社員、短時間正社員など)、正社員の3タイプです。

無期転換をスムーズに進める上で大切なのは、制度の設計段階から、労使のコミュニケ―ションを密に取ることです。労使双方が納得できる制度を構築するために、丁寧な説明を心がけるとともに、円滑に無期転換制度が運用されているかを把握し、必要に応じて改善を行うことが望まれます。

 

<雇止め(契約の不更新)について>

有期労働契約において、使用者が契約更新を行わず、契約期間の満了により雇用が終了することを「雇止め」といいます。

雇止めは、労働者保護の観点から、過去の最高裁判所の判例により一定の場合にこれを無効とするルール(雇止め法理)が確立しており、労働契約法19条に規定されました。

無期転換ルールを避けることを目的として、無期転換申込権が発生する前に雇止めをすることは、労働契約法の趣旨に照らして望ましいものではありません。また、有期契約の満了前に使用者が更新年限や更新回数の上限などを一方的に設けたとしても、雇止めをすることは許されない場合もありますので、慎重な対応が必要です。

 

こうした専門性の高いことは、信頼できる国家資格者の社会保険労務士(社労士)にご相談ください。

 

2017.11.11.現在

<無期転換ルール>

無期転換ルールとは、労働契約法の改正により、有期労働契約が反復更新されて通算5年を超えたときに、労働者の申込みにより、期間の定めのない労働契約(無期労働契約)に転換されるルールのことです。

 

<クーリングとは>

同一の使用者との間で有期労働契約を締結していない期間、つまり退職して労働契約のない期間(無契約期間)が、一定以上の間続いた場合、それ以前の契約期間は通算対象から除外されます。

このことを「クーリング」と呼びます。

 

<無契約期間の前の通算契約期間が1年以上の場合>

無契約期間が6か月以上の場合は、その期間より前の有期労働契約は通算契約期間に含まれません。つまり、クーリングされます。

無契約期間が6か月未満の場合、前後の有期労働契約の期間は通算されます。クーリングされません。

 

<無契約期間の前の通算契約期間が1年未満の場合>

無契約期間の前の通算契約期間に応じて、無契約期間がそれぞれ下記の期間に該当するときは、無契約期間より前の有期労働契約は通算契約期間に含まれません。つまり、クーリングされます。

その場合、無契約期間の次の有期労働契約から、通算契約期間のカウントが再度スタートします。

 

 無契約期間の前の通算契約期間 _    契約がない期間(無契約期間)_  

2か月以下

1か月以上

2か月を超え4か月以下

2か月以上

4か月を超え6か月以下

3か月以上

6か月を超え8か月以下

4か月以上

8か月を超え10か月以下

5か月以上

10か月を超えている場合

6か月以上

 

契約社員やパート社員などの有期契約労働者から無期転換の申込みがあったが、よくわからないという場合には、信頼できる国家資格者である専門家の社会保険労務士(社労士)にご相談ください。

 

2017.11.10.現在

採用面接に入る前でも、次のことは予めチェックしておきたいものです。

 

<採用したい応募者>

・清潔感のある服装、髪型、身だしなみ。

・筆記用具とメモを持参している。

・面接開始の510分前に到着している。

・きびきびと歩くのが早い。

 

<採用したくない応募者>

・遅刻する。しかも、事前の連絡が無い。さらに、言い訳までする。

・不潔な印象を受ける。

・個性的なファッション。

・履歴書を忘れてくる。

・「まだ履歴書に写真を貼ってないです」と言う。

・待っている間に長電話している。

・友達や家族の付き添いがいる。

・声を出さずに挨拶する。

・猫背でゆっくりと歩く。

・おとなしく待てずに歩き回っている。

・面接の日とは違う日に来る。

 

思わず笑ってしまいたくなる応募者もいるわけです。

いくら人手不足で困っていても、採用したくない応募者はいるものです。

採用したい応募者と同じ時間をかけて面接するのはいけません。

なるべく短時間で切り上げましょう。

 

どうしても人情で採用してあげたくなってしまうという場合には、採用面接を社会保険労務士(社労士)に任せるという手もあります。

面接だけでなく、その前の求人、採用後の手続きや教育を含めて、社労士はプロフェッショナルです。

ぜひ、ご相談ください。

 

2017.11.09.解決社労士

<採用したい応募者のパターン>

・電話に出た人のことを気遣って話を良く聞く。

・静かな場所から電話をかけているので話し声が鮮明。

・午前9時から午後5時までに電話をかけてくる。店舗などの場合には、お客様の少ない時間帯を考えてかけてくる。

・いろいろ準備してから電話をかけてくるので、メモを取りながら要領よく受け答えする。

・「まだ募集していますか?」という嬉しい質問をする(良い条件なので応募者が殺到しているだろうという話をしてくれている)。

・面接に何を持参すべきか聞いてくる。

 

<採用したくない応募者のパターン>

・求人広告をきちんと読んでいないので、そもそも条件が合っていない。

・面接の日時を知らされる前に電話を切ろうとする。

・「メモを取るのでちょっと待ってください」と言い電話が中断する。

・周囲の騒音が大きくて聞き取りにくい。

・電波が途切れる。

・自分の言いたいことを勝手にしゃべっている。

・早朝や深夜、忙しい時間帯に電話をかけてくる。

・応募者本人の電話ではない。

 

このように、応募者からの電話ひとつをとっても、採用選考の手掛かりは多いものです。

人手不足だからと言って、妥協してはいけません。

こうした専門性の高いことは、信頼できる国家資格者の社会保険労務士(社労士)にご相談ください。

 

2017.11.08.解決社労士

<就業規則にタイムカードで管理するという規定だけがある場合>

厚生労働省のモデル就業規則には、労働時間の管理について次の規定があります。

 

(始業及び終業時刻の記録)

第15条 労働者は、始業及び終業時にタイムカードを自ら打刻し、始業及び終業の時刻を記録しなければならない。

 

こうした規定が就業規則にある場合には、原則としてタイムカード通りに勤務したものと見られます。

もし労働時間の実際の管理がタイムカードによらないのであれば、就業規則違反とも言えますが、就業規則の変更手続きを怠っているとも考えられます。

いずれにせよ、適法な状態ではないので速やかに是正すべきでしょう。

 

何か特別な事情があって、一部の労働者についてだけ就業規則とは異なる方法で労働時間の管理を行っている場合には、どのような範囲の人について、どのような場合に、タイムカードによらない管理をするのかについて、就業規則に定めておく必要があります。

 

就業規則がある場合に、就業規則の規定による労働時間の管理方法によらず、別の根拠で始業時刻や終業時刻を認定しようとしても、とても難しいのです。

始業時刻や終業時刻、休憩時間などの認定について、使用者側が労働者側の主張と違う考え方をとり、争いになることがあります。労働者や退職者が未払い賃金の支払いを求めて労働審判や訴訟となった場合が典型です。

また、労働基準監督署の監督や会計検査院の調査などがあった場合には、就業規則通りに認定します。使用者側が、これを否定して別の方法で認定してもらうのは至難の業です。

 

タイムカードとは違う認定が可能な場合>

タイムカード通りに労働時間を認定したのでは、実際よりも長く計算されてしまうということがあります。

こうしたことを防ぎたいのであれば、就業規則に特別な規定を置き、それに沿った運用をすることで、本当の労働時間と計算上の労働時間との誤差を少なくすることができます

しかし、このためには就業規則と運用の整備や社員教育が必要です。これは、高度に専門的な知識と技術が必要ですから、導入に当たっては、信頼できる国家資格者の社会保険労務士(社労士)にご相談ください。

 

<タイムカードとは違う認定を可能にする就業規則>

就業規則に、タイムカードは職場への入場時刻と職場からの退出時刻を示しているということ、これは勤務時間の参考記録にはなるが、ここから直接労働時間を計算できるわけではないということを明示すべきです。

 

<たとえば残業時間の認定についての運用>

運用を整備しなければ、就業規則上の所定の終業時刻から退出時刻までが残業時間となってしまいます。

多くの会社では、このような状態になっています。

残業は、本来使用者から命じられて行うものですが、自己判断での残業が許されていたり、残業時間の管理がルーズだったりすれば、タイムカード通りに認定するしかなくなってしまいます。

 

まず、会社の上司など使用者から早出や残業を命じる場合には「残業指示書」により時間外勤務を命令します。

反対に、労働者が早出や残業の必要を感じて使用者に命令を求める場合には、あらかじめ「残業申請書」により申請し、使用者の命令があった場合には許されるという運用を徹底しなければなりません。

 

ただし、指示書や申請書が無いまま勝手に残業してしまった場合でも、働いたからには賃金を支払わざるを得ないというケースが多くあります。

しかし、これはルール違反ですから、きちんとした教育指導を前提として、懲戒処分の対象とすることもできます。

 

そして、早出や残業については、実際の勤務開始と勤務終了、そして行った業務を使用者に具体的に報告させる必要があります。食事や私用などで休憩した時間も申告させます。

使用者は、残業命令を出す場合や残業申請を許可する場合には、この報告内容を参考に判断することができますし、ダラダラ残業を阻止することもできます。

 

こうした運用についても、就業規則に規定しておくことが好ましいですし、ルール違反や虚偽の報告に対する懲戒処分を可能にするには、就業規則に具体的な懲戒規定が必要となります。

 

「人手不足の反面、人件費が一向に減らない」と悩んでいる経営者の方には、ぜひ取り組んでいただきたい課題です。

そして、こうした専門性の高いことは、信頼できる国家資格者の社労士にご相談いただくことをお勧めします。

 

2017.11.07.解決社労士

<割増になる理由>

労働基準法は、18時間、週40時間を労働時間の基準として定め、この基準を超える労働に対しては、割増賃金の支払いを義務づけています(労働基準法37条)。

本来であれば自由である使用者と労働者との間の労働契約に、労働基準法による国家の介入があって、割増賃金の支払いが義務づけられています。

これは長時間労働を抑制して、労働者の命と健康を守り、家庭生活や社会生活の時間を確保するのが目的です。

 

<労働者の命と健康を守る>

1日8時間、週40時間を超えて、もっと長時間働きたい労働者もいます。

 

まず、今の仕事が気に入っていて、納得がいくまで働きたいという労働者がいます。

たとえば企画、制作、デザイン部門で働く若手は、納得のいく物ができるまで、じっくり時間をかけて取り組みたいと思います。

「残業代は要らないから、やりたいだけやらせて欲しい」という人もいます。

これは、一種の仕事中毒の状態でもあります。

ですから、会社が残業を抑制しなければ、命と健康がおびやかされます。

どんな仕事にも締切があり、個人的に納得がいくかどうかではなくて、会社として客観的に求める出来栄えのレベルがあるわけですから、このことをしっかりと教育して、一つひとつの仕事に厳格な制限時間を設け、生産性を高めるよう求めることが必要です。

 

また、出世のため一定の成果を上げたいので、十分な労働時間を確保したいという労働者がいます。

こういう労働者のいる会社は、人事考課の基準に問題があるかもしれません。

会社側から見れば、他の人よりも多くの人件費をかけて成果を出しても、生産性が上がるわけではなく、会社の利益は増大しません。

残業手当が増えることは、会社にとって人件費の負担が増えることですから、人事考課にあたっては、残業時間が多いことをマイナス評価にするのが理にかなっています。

残業が多いと頑張っているように見えて評価が上がるという、昭和時代の人事考課は見直す必要があります。

 

<家庭生活や社会生活の時間を確保する>

たとえば、扶養家族が増え、家庭生活の維持のため収入を増やしたいという労働者がいます。

子供が生まれたとか、親を扶養に入れるようになったなどの事情があります。

本人としては、将来の昇給よりも、とりあえず残業代が欲しいと思っています。

この場合でも、本人の希望で残業することを理由に、残業代をカットしたり、割増しない賃金を支払ったりということはできません。

労働基準法の割増賃金は、本人の個人的な事情や希望とは関係なく義務付けられているものです。

むしろ、割増賃金とすることによって、少ない残業時間で多くの賃金を得られるようにして、家庭生活の時間を増やす狙いがあります。

 

さらに、学生は夏休みなどの長期休暇にたくさん働いておきたいと考えます。

しかし、長時間労働によって学業がおろそかになり、卒業できないという事態も現に発生しています。

やはり学生はしっかり勉学に励むための時間が必要です。こうして、学生生活の時間を確保する必要があることは明らかです。

この趣旨から、アルバイトでも残業すれば割増賃金が発生するという労働基準法の規定には合理性があります。

 

労働基準法を順守しつつ、人件費を抑制し定着率を高めるには、採用の工夫と教育研修の強化が必須課題です。

人手不足クライシスといわれる今、こうした専門性の高いことは、信頼できる国家資格者の社会保険労務士(社労士)にご相談ください。

 

2017.11.06.解決社労士

<残業手当の理由>

労働基準法は、18時間、週40時間を労働時間の基準として定め、この基準を超える労働に対しては、割増賃金の支払いを義務づけています(労働基準法37条)。

本来であれば自由である使用者と労働者との間の労働契約に、労働基準法による国家の介入があって、割増賃金の支払いが義務づけられています。

これは長時間労働を抑制して、労働者の命と健康を守り、家庭生活や社会生活の時間を確保するのが目的です。

 

<仕事が遅いと給与が増える?>

同じ初任給の新人Aと新人B2人に全く同じ単純作業を任せたとします。

たとえば、A4サイズ2枚の資料を三つ折りにして封筒に詰めるというような作業です。

これを新人Aと新人Bに同じ分量ずつ行ってもらいます。

新人A6時間で終わらせ、余った2時間で別の仕事をして残業せずに帰ったとします。

新人B10時間かかってしまい、2時間の割増賃金が発生したとします。

この場合、新人Bの給与は、新人Aの給与よりも多くなります。

「仕事が遅いのは自分のせいだから残業代は支払わない」というのは、労働基準法に違反します。

 

<請負の場合なら>

A4サイズ2枚の資料を三つ折りにして封筒に詰める作業1万枚分を外注に出したとします。

この場合気になるのは、納期を守ってもらえるのか、仕上がりは綺麗かということです。

どんな人が何人で何時間作業するのかは気になりません。請負代金には影響しないのです。

 

<雇用契約と請負契約との違い>

雇用の場合には、働き手に対して使用者が口出しできます。

それどころか、教育指導もできますし、ある程度の配置転換もできます。

一方、請負の場合には、働き手の顔ぶれを確認して「上手なやり方を指導させなさい」「他の人に交代させなさい」という口出しはできません。

つまり雇用の場合には、書類の封筒詰めなら不得意な新人Bには分担させず、新人Aに任せるなり、新人Bに上手なやり方を指導するなりして、残業代を削減できるということです。

少なくとも、作業開始の1時間後に、「どうも新人Bは苦手のようだ」と気づいて役割分担を変更することはできます。

 

<残業代を削減するための教育>

教育指導の強化は、生産性の向上に直結します。

また、自分を育ててくれる会社に対しては、愛社精神も高まり「ずっとこの会社で働いていこう」という気持ちを生み出します。

人手不足クライシスと言われる今、教育こそが企業の利益の源泉となります。

とはいえ必要な教育は、外部の研修に参加させたり、資格を取得させたりではありません。

ひとり一人が担当している具体的な業務を効率的にこなし、さらに改善できるようにするには、職場ごとのカスタマイズされた教育が必要です。

自社でまかない切れない場合には、信頼できる国家資格者の社会保険労務士(社労士)にご相談ください。

 

2017.11.05.解決社労士

<管理監督者の特例>

労働基準法412号に、管理監督者には残業手当の支払いが不要である旨の規定があります。

 

第四十一条 この章、第六章及び第六章の二で定める労働時間、休憩及び休日に関する規定は、次の各号の一に該当する労働者については適用しない。

一 別表第一第六号(林業を除く。)又は第七号に掲げる事業に従事する者

二 事業の種類にかかわらず監督若しくは管理の地位にある者又は機密の事務を取り扱う者

三 監視又は断続的労働に従事する者で、使用者が行政官庁の許可を受けたもの

 

<深夜割増賃金の支払い>

管理監督者に対しても、深夜割増賃金(深夜手当)は支払う必要があるというのが判例です。〔最二小判平成211218日〕

また、この最高裁の判決は、管理監督者の賃金が就業規則その他によって一定額の深夜割増賃金を含める趣旨で定められていることが明らかな場合には、深夜手当を支払う必要がない場合もあると判示しています。

十分多額であれば、深夜割増賃金込みの給与にしても良いということです。

 

<管理監督者の条件>

管理監督者と認められるためには、ただ役職者だというだけではダメです。

タイムカードにより厳格な勤怠管理を受けており、自己の勤務時間について自由裁量を有していない場合には、管理監督者とは認められません。〔ほるぷ事件 東京地裁判決 平成981日 など〕

 

一方、タイムカードに打刻すべき義務を負っているものの、それはせいぜい拘束時間の長さを示すだけにとどまり、その間の実際の労働時間は自由裁量に任せられ、労働時間そのものについては必ずしも厳格な制限を受けていないというのなら管理監督者の条件を満たしうるとされています。〔医療法人徳州会事件  大阪地裁判決 昭和62331日〕

 

結局、厳密な労働時間の管理を受けている労働者は、管理監督者として扱うことができないわけです。

厚生労働省や労働局のパンフレット類やホームページなどでも、このことが詳しく説明されています。

 

<計算不能な深夜手当>

管理監督者の深夜手当を計算するには、午後10時から翌朝5時までの深夜時間帯の勤務時間を集計しなければなりません。

しかし、勤務時間を厳格に管理されている労働者は、管理監督者の条件を満たしていません。

つまり、管理監督者ならきちんと深夜手当を計算できないし、きちんと深夜手当を計算できる労働者は管理監督者ではないということになります。

 

そもそも、深夜時間帯の勤務時間を厳密に把握されているようでは、経営者と一体的な立場で仕事をしているとはいえません。

 

<誤った運用の実態>

役職名を付ければ残業代を支払わなくて良いという誤解に基づき、実際に一定以上の役職者に残業代を支払わないという運用が横行していました。

しかし、「名ばかり店長」という言葉で有名になった日本マクドナルド割増賃金請求事件判決(東京地方裁判所平成20128日判決)以降は、企業に対する「名ばかり管理職」からの未払い賃金請求訴訟が増え、労働者側が勝訴していく中で、企業側の認識と運用が改善されつつあります。

 

マスコミのいう「名ばかり店長」「名ばかり管理職」というのは、労働基準法の用語でいえば、「名ばかり管理監督者」ということになるでしょう。

その実態としては、それらしい肩書と責任が与えられ、権限と残業代は与えられないというものです。

 

厚生労働省や労働局のパンフレット類やホームページなどには、管理監督者の条件が詳しく説明されているのですが、その理解はむずかしく、具体的な事例に当てはめて判断するには、社会保険労務士(社労士)などへの相談が不可欠でしょう。

 

<管理監督者の規定は不要ではないか>

労働基準法の管理監督者の規定を削除しても不都合はないと考えられます。

一般の労働者として扱い、深夜手当だけでなく、残業手当や休日出勤手当を支給することにしても問題はないでしょう。

 

経営者と一体的な立場で仕事をしているのなら、会社と労働契約を交わす労働者ではなく、会社と委任契約で結ばれた取締役などの地位にあるのが自然です。

取締役ならば、労働者と兼務の立場にない限り、労働基準法の適用はありません。深夜手当、残業手当、休日出勤手当などの支払いもありません。

 

私個人の見解に過ぎませんが、「管理監督者」というのは、企業と労働者との関係を規律する労働基準法に取締役が割り込んでいるような印象を受けます。

 

2017.11.04.解決社労士

<政策への対応の実態>

経済産業省が、平成29年「企業の賃上げ動向等に関するフォローアップ調査」の集計結果を取りまとめ、同年10月23日に公表しました。

 

これによると、同一労働同一賃金ガイドライン(案)について、この調査以前から「内容を含め知っていた」企業は42.0%にとどまっています。

懸念材料として多かったのは「人件費の負担増」や「就業規則・賃金規定等の見直し」です。

 

長時間労働の新たな上限規制については、この調査以前から「内容を含め知っていた」企業は47.1%にとどまっています。

「この調査によって内容を知った」という企業も含め、「新たな上限にかかる長時間労働なし」と「対応できる見込み」としたのは83.0%でした。

また、対応が困難な企業の理由としては、「人員不足」が最も多い回答でした。これによると、就業規則を「策定している」と回答した中小企業の割合は82.1%でした。

 

<就業規則の作成・変更についての相談先>

就業規則の策定体制について、社内に担当部署を置いている割合は47.0%、外部への相談体制がある企業の割合は66.7%となっています。

そして、就業規則の策定・見直しについて、想定または検討している社外の相談先の上位5位は次の通りです。

 

第1位 社会保険労務士事務所(57.6%)

第2位 公認会計士・税理士事務所(34.7%)

第3位 労働局・労働基準監督署(18.6%)

第4位 弁護士事務所(15.3%)

第5位 商工会・商工会議所(9.3%)

 

やはり、トップは社会保険労務士事務所です。

第4位の弁護士事務所も、数は少ないですが労働関係に強い弁護士の先生がいらっしゃる事務所であれば心強いといえます。

気になるのは、第2位の公認会計士・税理士事務所です。公認会計士や税理士の先生は労働関係法令の専門家ではありませんし、労働トラブルの防止についてノウハウがあるわけではないのです。顧問先から頼まれて断り切れないという実態が垣間見られます。

 

社会保険労務士事務所は、労働トラブルの予防、あるいは会社が責任を問われないようにするという消極的な考え方ではなく、会社と従業員が共に成長しWIN-WINの関係に立てるようにすることを第一に考えています。

就業規則について専門性の高いことは、信頼できる国家資格者の社会保険労務士(社労士)にご相談くださることをお勧めします。

 

2017.11.03.解決社労士

<平成29年度の賃金引上げ>

経済産業省が実施した平成29年「中小企業の雇用状況に関する調査」によると、

今年度賃金の引上げを実施した中小企業の割合は、正社員で66.1 %、非正規社員で36.5%となり、昨年度より増加しています。

賃金を引上げた企業の引上げ理由のうち、最も多かったものは、正社員、非正規社員ともに「人材の採用・従業員の引き留めの必要性」(正社員42.9%,非正規社員47.0%)でしたが、非正規社員では、「最低賃金引上げのため」(38.3%)が次いで多かったそうです。

 

<政府の政策>

政府は、デフレに歯止めをかけ経済を活性化するためには、給与水準を上昇させる必要があると考えています。

収入が増えれば支出も増え、景気が良くなるというわけです。

 

<人手不足の影響>

経済学者の間では、この数年、人手不足の割には給与水準が上がってこないが、その原因がはっきり分からないと言われています。

人手不足であれば、より良い人材を獲得するために、企業がより多くの給与を支払うはずなのに、現実にはそのような傾向が強くないというのです。

それでも、「人材の採用・従業員の引き留めの必要性」が賃金引上げ理由のトップとなっています。

今後は、理屈通りに給与水準が上昇していくことも予想されます。

 

<最低賃金引上げの影響>

非正規社員については、最低賃金引上げが給与水準の上昇に直結していると言えるのではないでしょうか。

最低賃金の引き上げは毎年行われていますし、その上昇は、企業の通常の昇給幅を上回っています。

これによって、今年度採用した新人だけでなく、2年前、3年前に採用した非正規社員の昇給も、最低賃金法により強制的に行われることになります。

しかも、たとえば東京都の最低賃金は1時間当たり958円となったのですが、新人も3年前に入社した非正規社員も958円というのでは、3年前の入社組が納得できません。3年間の実績と経験を無視して新人と同じ給与では、不合理だと考えられるからです。

こうして、最低賃金額の引上げ以上の人件費上昇が見られるのです。

非正規社員の人件費が高騰したために、正社員の昇給は見送らざるを得ないという企業も出てきています。

 

<最低賃金上昇の逆効果>

10年前、東京都の最低賃金は739円でした。

当時は採用面接をしてみて、時給800円程度の働きをしそうな応募者を、時給750円で採用できれば企業としては助かっていました。

ところが、今、時給800円の働きをしそうな応募者は魅力的ではありません。

採用を見送って、「もっと良い応募者」が来るのを待とうということになります。

こうした動きをする企業では、人手不足クライシスに陥ります。

一方で、10年前には採用されたであろう多くの応募者が働けずにいるということが考えられます。

 

<ではどうするか>

時給800円程度の働きをしそうな応募者を時給960円で採用して、時給1,000円以上の働きができるように育てることを考えるべきです。

教育指導によって新人の能力を高めることは、企業にとって利益が大きいのは当然ですが、本人も自分の成長を喜び、育ててくれた会社に感謝しますから、定着率も高まるのです。

「利は仕入れにあり」という言葉があります。これは商売の鉄則を表す言葉です。

しかし、今や「利は教育にあり」と言えるのではないでしょうか。

 

熱心のあまり教育指導を急ぐと、パワハラだと言って辞めていく社員が増えるリスクも高まります。

自社に適合する教育システム構築のような専門性の高いことは、信頼できる国家資格者の社会保険労務士(社労士)にご相談ください。

 

2017.11.02.解決社労士

<付与日数は年功序列>

労働基準法391項によると、全労働日の8割以上出勤したことを前提に、年次有給休暇が下の表のように付与されます。

週所定労働日数が4日で、週所定労働時間が30時間以上の場合には、週所定労働日数が5日の欄が適用されます。  

週所定

労働日数

年間所定

労働日数

勤 続 期 間

6月 1年 6月 2年 6月 3年 6月 4年 6月 5年 6月

6年

6月以上

5日

217日以上

10日

11日

12日

14日

16日

18日

20日

4日

169日から216日

7日

8日

9日

10日

12日

13日

15日

3日

121日から168日

5日

6日

6日

8日

9日

10日

11日

2日

73日から 120日

3日

4日

4日

5日

6日

6日

7日

1日

48日から72日

1日

2日

2日

2日

3日

3日

3日

これは最低限の付与日数ですから、これを下回ることは、一時的なことであっても許されません。

反対に、この基準を上回って付与することは問題ありません。  

さて、勤続期間が6年半までは、勤続期間が長いほど付与日数が増えていきます。

これは完全に年功序列であって、個人のニーズや会社に対する貢献度とは無関係です。ここがとても不思議です。  

会社として、この年功序列を不満に感じるのであれば、就業規則で勤続期間に関係なく「66か月以上」の欄を適用することにすれば良いのです。

 

<週30時間の壁>

繰り返しですが、週所定労働日数が4日で、週所定労働時間が30時間以上の場合には、週所定労働日数が5日の欄が適用されます。  

週4日出勤で週30時間勤務ならば、1日平均7時間30分ということになります。

ということは、週所定労働日数が4日で、1日の所定労働時間が7時間29分ならば、年次有給休暇は原則通り4日の欄の日数が付与されます。

もちろん、法定通りの最低限の付与日数ならばという前提です。  

実際には、7時間29分勤務なんて怪しすぎて警戒されてしまいます。

それにしても、なぜ週30時間が基準になっているのか不思議です。  

 

<週休1日の場合>

週6日出勤で16時間40分勤務であれば週40時間勤務ですから、残業が発生しなければ所轄の労働基準監督署長に三六協定書の届出をしなくても違法ではありません。

先に掲げた年次有給休暇の日数の表には、「週所定労働日数6日」の欄はありません。

週休1日でも、隔週週休2日でも、5日の欄が適用されます。  

週所定労働日数が1日から4日までについては、比例付与という考え方で、週所定労働日数に応じて年次有給休暇の日数が決められています。

ところが、週6日の場合に週5日よりも多くの年次有給休暇を付与するわけではないのです。ここが不思議です。

もちろん、法定通りの最低限の付与日数ならばという前提です。

 

<産業の種類に関係なく>

労働基準法の定める最低限の年次有給休暇付与日数は、産業ごとの特性を配慮せずに一律のものです。これも不思議です。  

たとえばパチンコ店であれば、ほぼ年中無休でしょうからシフト制での勤務が主流のはずです。

人によって、休日が曜日固定であったり、曜日が特定されない形で休日が組まれたりという状態です。

一方、銀行の場合には、土日祝日が休みで平日は休日ではないというパターンが多いでしょう。

すると、平日に市区役所で相談しながら手続したいなどという場合には、銀行勤務の人は年次有給休暇を取得したくなりますが、パチンコ店ではそれほど年次有給休暇取得のニーズは高くないでしょう。

土日祝日の混雑を避けて…という場合にも、平日に休みを取りたいものです。  

年次有給休暇の定めは労働基準法にあって、最低限の基準とされているわけですから、産業の種類に関係ないということなのでしょう。

ニーズの高い業種では、就業規則で年次有給休暇を多めに付与しても良いわけですから。

 

2017.11.01.解決社労士

<8時間労働>

労働基準法には、次の規定があります。

 

(労働時間)

第三十二条 2 使用者は、一週間の各日については、労働者に、休憩時間を除き一日について八時間を超えて、労働させてはならない。

 

8時間労働の考えは、1817年にイギリスのロバート・オーウェンという人が、「仕事に8時間を、休息に8時間を、やりたいことに8時間を」というスローガンを唱えたのが始まりのようです。労働者の健康を平等に保障しようとしたわけです。

 

複数の人々の間に共通する要素があって、その共通する要素に着目して、同じ扱いをすることにより、妥当な結果をもたらそうとするのが、平等の考え方です。

労働者としての地位の確立と、労働条件の改善を求める労働運動を展開するには、同じ労働者として共通の基準である8時間労働を共有するのが、わかりやすかったのだと思います。

 

<働き方改革>

労働基準法ができて322項が8時間労働を定めたのは昭和22年(1947年)ですから、今から70年も前のことです。

今では、働き方改革が唱えられるようになっています。女性も男性も、高齢者も若者も、障害や難病のある方も、一人ひとりのニーズにあった、納得のいく働き方を実現しようという考え方です。

これは、平等ではなくて公平の原理に基づくものです。

 

複数の人々の間に相違する要素があって、その違いに着目し、違いに応じた扱いをすることにより、妥当な結果をもたらそうとするのが、公平の考え方です。

労働から生じるストレスや健康障害は、業務の内容、人間関係、労働環境などの違いによって大きな個人差を生じます。

また、個人の生まれつきの資質、私生活、通勤など会社が改善できないものによっても影響を受けています。

現に、8時間も働きたくない、働けないという人もいますし、もっと働いて収入を増やしたいという人もいます。

こうしたニーズに対応するのが、公平の原理であり、働き方改革もこうした内容を含んでいると考えられます。

 

<あくまでも立法論として>

2019年から施行される予定で、残業時間に上限を設ける規制をする法改正の準備が進んでいます。罰則付きです。

これは、日本国憲法の次の規定の趣旨にも合致します。

 

第二十七条 2 賃金、就業時間、休息その他の勤労条件に関する基準は、法律でこれを定める。

 

一方で、労働契約というのは、契約自由の原則により労働者と使用者の合意に基づいて自由に決められるべきものです。

労働契約法にも、次の規定があります。

 

(労働契約の原則)

第三条 労働契約は、労働者及び使用者が対等の立場における合意に基づいて締結し、又は変更すべきものとする。

 

以上のことから、次のようにできないかと思っています。

・所定労働時間は労働者と使用者の合意により自由に定める。

・ただし、2019年施行予定の制限を超えることはできない。

・所定労働時間を超える労働については割増賃金を支払う。

 

今の労働基準法では、法定労働時間を超える労働について、時間外割増賃金を支払うルールですが、所定労働時間を基準にしたらどうかということです。

現在でも、所定労働時間を超える労働に対して割増賃金を支払っている企業があります。これを、すべての企業の統一ルールにできたならと思います。

 

この考えによれば、たくさん働きたい人は、110時間を所定労働時間とすることも許されるようになります。現行法では無理ですから、あくまでも立法論です。

これは、日本人は働き過ぎだという批判に逆行するようにも見えますが、平均値としての労働時間は減少させつつも、たくさん働きたい人のニーズを満たすのも働き方改革の内容に含めて良いのではないでしょうか。

 

今後、こうした議論が深まることを期待しています。

 

2017.10.31.解決社労士

<公民権の保障>

労働基準法に次の規定があります。

 

(公民権行使の保障)

第七条 使用者は、労働者が労働時間中に、選挙権その他公民としての権利を行使し、又は公の職務を執行するために必要な時間を請求した場合においては、拒んではならない。但し、権利の行使又は公の職務の執行に妨げがない限り、請求された時刻を変更することができる。

 

公民としての権利とは、選挙権、被選挙権、最高裁裁判官の国民審査権〔日本国憲法79条〕、住民の直接請求権〔地方自治法74条〕などをいいます。

ただし、他人の選挙運動に対する応援や、訴えを提起する権利はこれに含まれないものとされています。

 

公の職務とは、国会・地方議会議員、労働委員会委員および審議会委員としての職務、裁判所の証人としての出廷や公職選挙法上の選挙立会人の職務などをいいます。

労働審判制度における労働審判員の職務、裁判員法に基づく裁判員の職務もこれに含まれます。

 

<公民としての権利の保障>

基本は投票権ですが、投票日当日に出勤する予定でも、期日前投票制度があるので選挙権を行使できないというケースは稀です。

その稀なケースとして考えられるのは、投票日は出勤しない予定、あるいは残業しない予定だったのが、急な予定変更によって、勤務中に職場を抜け出さないと投票できないような場合です。

この場合でも、本人が「投票に行きたい」と請求しなければ、使用者側は期日前投票で投票済みかは詮索できないので、行かずじまいということになるでしょう。

 

<公の職務執行の権利の保障>

たとえ会社に知らせずに国会議員に立候補して当選した場合でも、懲戒解雇処分はできません。これは、権利の侵害になるからです。

しかし、議員活動をするにあたり休職を命じ、あるいは欠勤が多いことを理由に普通解雇とすることは違法ではありません。

 

会社の実情に合わせ、公民権の行使を就業規則にどう定めるかは、かなり専門的な話になります。

こうしたことは、信頼できる国家資格者の社会保険労務士にご相談ください。

 

2017.10.30.解決社労士

<総合スーパーとは>

総合スーパーは、日常的に需要の高い商品を中心に、衣食住全体にかかわる品揃えで、大量仕入れと大量販売により価格を抑えている業態です。

お客様が自分で商品を選択し、レジに持参して精算するセルフ方式が中心となっています。

 

<リスクと労災の傾向>

次のようなリスクがあり、中高年の女性パートタイマーの被災が多発しています。

・大量な荷捌き、頻繁な商品の補充、狭いバックヤード、水や油で濡れた床などに起因した転倒、腰痛、墜落など

・包丁などによる切り傷

・スライサーなどへの巻き込まれ

ベテラン店員の労働災害が多く、慣れや油断、加齢による体力や注意力の低下による労働災害を防止するため、安全意識を高める教育が必要です。

 

<労災防止策>

次のような労災防止策が有効です。

・バックヤードの整理・整頓

・カッターではなくハサミの使用

・落下防止対策として陳列棚の天板はその上に物を置かせないよう取り外す

・精肉加工、清掃でのスライサー起因災害防止のため、切創防止手袋の着用、そのマニュアル化

・労働災害の原因を、「作業員の不注意」としない。なぜ不注意が起きたのかを究明

・バックヤードにハザードマップ掲示等、各種表示による安全の見える化

・作業動線を考え、適切な位置に物を配置するなど、作業場の見直しによる作業効率の改善

・メーカー指導の下、バックヤードの業務改善等、作業性と安全性の両面を向上させる活動

 

労災防止のためには、知識よりも経験が有効です。その反面、経験豊富なベテランが被災しやすいという事実もあります。

また、労働基準監督署や被災者(ときに遺族)から責任を問われないようにするには、労働安全衛生を中心とする法令の知識が必要です。

こうした専門性の高いことは、信頼できる国家資格者の社労士にご相談ください。

 

2017.10.29.解決社労士

<日本年金機構のマイナンバー取得>

日本年金機構はマイナンバー法に基づき、地方公共団体情報システム機構(J-LIS)から提供を受けてマイナンバーを管理しています。

このため、個人ごとに日本年金機構に予めマイナンバーを届けておく必要はありません。

 

ただし、海外に在住していた人など、これまで住民票コードが付番されていなかった人や、日本年金機構に届け出ている住所と住民票上の住所とが食い違っている人などについては、今後、日本年金機構から郵送などでマイナンバーの届けをするよう案内が届きます。

 

<日本年金機構のセキュリティ体制>

日本年金機構によるマイナンバーの利用は、マイナンバー法に定められた公的年金の業務の範囲内に限られており、ハイレベルなセキュリティ体制の中で管理されています。

そのため、年金事務所などでは、基礎年金番号に代えてマイナンバーでも年金相談を受けられるようになっています。

 

<今後の予定>

年金に関する各種届書にマイナンバー記入欄が設けられる予定です。

また、マイナンバーを活用してJ-LISから住所変更などの情報提供を受けることにより、年金受給者だけでなく加入者(被保険者)からの住所変更届などの提出が要らなくなる予定です。

 

社会保険や労働保険のことで、マイナンバーに不安を感じたら、信頼できる国家資格者の社労士にご相談ください。

 

2017.10.28.解決社労士

<妊娠中や出産前後のルール>

働く女性が妊娠したときは、一定の危険有害な業務に従事させることが禁止されるほか、本人が希望した場合に軽い業務への転換をし、時間外・深夜労働をさせないことが義務付けられています。

ただし、軽い業務については、現に軽い業務が無く、新たに軽い業務を作るのがむずかしい場合にまで、企業に義務付けるものではありません。

 

また企業には、妊娠中や産後の女性が、保健指導や健康診査を受診するために必要な時間を確保できるようにすること、医師の指導に応じて勤務時間を短縮したり、特別な休憩時間を設けたりすることなど、必要な措置をとることも求められています。

 

そして出産にあたっては、出産予定日の6週間(双子など多胎妊娠のときは14週間)前から、本人が希望したときは、休むことを認めなければなりません。ここで、出産予定日当日は産前にカウントされますので、出産予定日を含めて6週間(14週間)となります。

 

出産後は8週間の間、本人が希望しても就労させてはいけません。ただし7週目以降は、本人が希望し、医師が支障がないと認めた業務については可能です。

 

なお、妊娠・出産に伴う休業の場合、企業がその間の給与を保障することは義務付けられていませんが、健康保険の被保険者になっているときは、出産手当金が支給されます。

 

<妊娠・出産を理由とする不利益な取扱い>

女性が上記の休業をしている間とその後30日間、企業はその女性を解雇することが禁止されています。

ただし、あらかじめ定められた契約の終了や、本人が望んで退職することは、もちろん認められます

また、妊娠中または出産後1年を経過しない女性を解雇しようとするときは、解雇をする正当な理由があると証明できない限り、無効とされます。

この場合、妊娠や出産を理由として解雇するのではないということが、客観的に証明されなければなりません。

 

このように法律で認められた産前、産後の休業をしようとしたことや、実際に休業したことについて、欠勤した分の給料を支払わないことを超えて、解雇や職位を下げるなどの不利益な取扱いをすることは許されないのはもちろんのこと、結婚、妊娠、出産を理由に退職を求めること、解雇することなどの不利益な取扱いをすること全般が禁止されています。

基本的には、結婚、妊娠のタイミングや、出産1年未満の期間に、不利益な取扱いがあった場合には、結婚、妊娠、出産を理由にしているのではないという証明がむずかしいといえます。

 

さらに男性を含め、育児のための長期休業、子の看護のための短期休暇などの法律で認められた権利を使おうとしたこと、実際に使ったことを理由に、解雇や不利益な取扱いをすることも許されません。

 

<環境の整備は企業の責任>

妊娠、出産や育児のため休んだり、勤務時間を短縮したりすることによって、結果的に職場の同僚たちの仕事が増えたり、忙しくなることはもちろんありうるでしょう。 

しかし、だからといって休んだり勤務時間を短縮した人の責任になってしまうのは不当です。

企業は、妊娠、出産、育児を理由にその対象者を不利益に扱ってはならないというだけでなく、働く人たちが誰でも当たり前に出産、育児に関する権利を使えるよう環境を整備する責任があります。

休業や勤務時間短縮によって業務の運営に支障が生じるのであれば、企業の責任で解消すべきです。

 

あわせて、管理職や同僚らの理解の促進を図る必要があります。

妊娠、出産を理由とする嫌がらせは、マタニティハラスメント(マタハラ)と呼ばれています。

妊娠や出産をした人が、上司や同僚からマタハラを受けることがないよう、企業は、あらかじめ環境を整備することが求められています。

万一、嫌がらせを受けたとの申し出があったときは、当事者から十分に事情を聴取し、再発防止のための措置をとることが求められます。

悪質な嫌がらせが認められたときは、加害者に対して懲戒処分をもって対処することも求められています。

こうした義務を怠った企業や加害者は、被害者に対する損害賠償責任を負うこともあります。

 

<ここも社労士(社会保険労務士)の出番>

作りっ放しで法改正に対応しきれていない就業規則には、子の看護休暇やパパママ育休プラスなどの規定が無いかもしれません。

たとえ、「この規則に定めた事項のほか、就業に関する事項については、労基法その他の法令の定めによる」という規定があったとしても、実際にこうした休暇の申し出があった場合には、速やかな対応がむずかしくなってしまいます。

今はまだ、対象者がいない状態であっても、将来困らないように就業規則を整備しておくことをお勧めします。

こうした専門性の高いことは、信頼できる国家資格者の社労士にご相談ください。

 

2017.10.27.解決社労士

<正社員以外の労働者と健康診断>

企業は、常時使用する労働者に対し、労働安全衛生法に定める基準により、健康診断を実施しなければなりません。

たとえ就業規則に規定がなくても、この実施義務は免れることができません。

労働安全衛生法に定める対象者の基準は次の2つです。両方の基準を満たす人については、健康診断の実施義務があります。

1. 期間を定めないで採用されたか、期間を定めて採用されたときでも1年(深夜業を含む業務、一定の有害業務に従事する人は6か月)以上引き続き使用(または使用を予定)されていること。

2. 1週間の所定労働時間が、その企業で同種の業務に従事する正社員の4分の3以上であること。

 

また、1週間の所定労働時間が正社員の4分の3未満の労働者であっても、上記1.の要件に該当し、1週間の所定労働時間が正社員の2分の1以上であれば、健康診断を実施することが望ましいとされています。努力義務です。

 

<実施義務のある健康診断>

実施しなければならない健康診断は次のとおりです。

1. 常時使用する労働者に対しては、雇入れの際に行う健康診断、及び1年に1回定期に行う健康診断。

2. 深夜業に常時従事する労働者に対しては、その業務への配置替えの際に行う健康診断、及び6か月に1回定期に行う健康診断。

3. 一定の有害な業務に常時従事する労働者に対しては、採用、及びその業務への配置替えの際と、その後に定期で行う特別の項目についての健康診断。

4. その他必要な健康診断。

 

<健康診断の費用>

法律によって定められた健康診断は、実施することが企業に義務付けられていますから、その費用は企業が負担することになります。

これに対し、法律上義務付けられていない健康診断や、法定の事項以外の検査を希望者に実施する場合の費用負担については、労働契約や就業規則などによって決まることになります。

なお、健康診断を受けてから3か月を経過していない人を採用する場合で、その健康診断の結果を提出したときは、企業は健康診断を省略できることになっています。

このため、企業から採用前に自分で健康診断を受け、その結果を提出するよう求められることがあります。この費用については、必ず企業が費用負担すべきとまではいえません。

 

<健康診断とプライバシー>

企業は、健康診断を実施した際に、結果を従業員に通知する義務があり、その結果に基づいて、従業員の健康管理や適切な配置転換などの措置を講じなければなりません。

また、健康診断に関する情報は重要な個人情報であることから、その取扱いは慎重にし、外部に漏れないようにしなければなりません。

なお、企業が実施する健康診断を受けたくない人は、自分で必要な事項の健康診断を受け、その結果を提出することもできます。ただし、費用については本人負担にしてもよいとされています。

 

<ここも社労士(社会保険労務士)の出番>

今まで健康診断の実施対象者がいなかった企業で、新たに実施義務を負うようになった場合など、健康診断の手配や情報の管理について不明な点も多いと思います。

こうした専門性の高いことは、信頼できる国家資格者の社労士にご相談ください。

 

2017.10.26.解決社労士

<生理休暇>

「使用者は、生理日の就業が著しく困難な女性が休暇を請求したときは、その者を生理日に就業させてはならない」と規定され、これに違反すると30万円以下の罰金という罰則もあります。〔労働基準法68条、1201号〕

つまり、生理日の就業が著しく困難な女性が休暇を取るのは権利であり、使用者に当たる人がこれを妨げるような発言をすれば、それは違法であるということになります。

 

もっとも、普通に勤務することが困難ではない程度の苦痛を伴う生理を理由に生理休暇を取得することや、生理中であることそのものを理由に生理休暇を取得することは、労働基準法も認めていません。

とはいえ、生理の苦痛は本人にしかわかりませんし、医師の診断書をもらうのは必ずしも容易ではありませんから、女性から「生理休暇を取得したい」という申し出があれば、これを拒否できないことになります。

 

ただ、生理休暇を取得しておきながら、レジャー施設に出かけて絶叫マシンで楽しんでいる様子がSNSなどにアップされたら、不正に生理休暇を取得したものとして、懲戒処分の対象となりうるというのも事実です。

こうした事態に備えて、就業規則の懲戒規定の整備と、女性社員に対する教育指導は不可欠です。

 

<子供の看護のための短期休暇>

この休暇について就業規則に規定が無かったり、そもそも経営者が知らなかったりという問題があります。

 

子供の急な病気やけがのため、欠勤せざるを得なくなった従業員は、無断欠勤にならないよう、休まざるを得ない事情が発生したらすぐに勤め先に連絡をしましょう。

このような場合に備えた休暇制度が就業規則に規定されている職場であれば、その休暇を使うとよいでしょう。

また、年次有給休暇で対応することもできますが、当日に取得したいと申し出ても、企業が認めない限り、その日は年休とはなりません。

また前日以前に申し出ても、その日の取得が事業の正常な運営を妨げるときには、取得できない場合があります。

 

育児・介護休業法は、小学校入学前の子供を育てる労働者が、年間5日(子供が複数いる場合は10 日)の範囲で、看病や通院などの看護のための休暇を取得できるようにしています。

この看護休暇は法律で認められた権利ですから、たとえその企業で取得の前例がない、あるいは制度をまだ整備していないなどの場合でも取得できます。

看護休暇は1日か半日の単位で取得できます(所定労働時間が14時間までなら1日単位です)。

ただ、看護休暇は年次有給休暇と違って、取得した日を有給にすることは義務付けられていません。それでも、当日に申し出て取得することができます。

 

注意点として、次のような人は看護休暇を取得できる対象から除外されています。

1. 日々雇用される人(日雇い)

2. 企業があらかじめ一定の手続きを取っていた場合で

 ・継続しての勤続期間が6か月未満の人

 ・1週間の所定労働日数が2日以下の人

 

<家族の介護のための短期休暇>

介護休暇は、対象家族を介護する労働者が、年間5日(介護の対象者が2人以上いる場合は10 日)の範囲で、通院の付添い、介護サービスの提供を受けるために必要な準備や世話のため取得できる休暇です。

 

対象家族は、配偶者(内縁含む)、父母、子、配偶者の父母、祖父母、兄弟姉妹、孫です。

この対象家族が、けがや病気で2週間以上の期間にわたり常時介護を必要とする状態にあるときに取得できます。

 

介護休暇も、法律上当然認められる休暇であること、1日か半日単位で取得できること(所定労働時間が14時間までの人は1日単位)、有給とすることは義務付けられていないこと、当日の申出でも取得できること、取得できる対象から除外されている人の範囲は、看護休暇と同じです。

 

休暇の取得にあたって、企業はできるだけ事前に申請をするよう求めることはできますが、当日の申出であることを理由に拒否することはできません。

また、正当な利用による取得であることを確認するため、休暇の理由となった家族の状況に関して、診断書の提出などを求めることもできますが、事後に提出することを認めるなど、柔軟な対応は必要です。

 

<弔事・災害休暇>

家族が亡くなった場合や、自宅が火災や水害に遭った場合の休暇については、就業規則や労働契約書などに規定があるものです。

たとえこれらの規定が無くても、せめて年次有給休暇を取ることは認めないと、人道的に見てどうかと思われます。

これらは、労働基準法などに権利として規定されているわけではありませんが、配慮が求められるでしょう。

 

<ここも社労士(社会保険労務士)の出番>

作りっ放しの就業規則で、子供の看護のための短期休暇や、家族の介護のための短期休暇についての規定が無いのでは困ります。

就業規則に「この規則に定めた事項のほか、就業に関する事項については、労基法その他の法令の定めによる」という規定があったとしても、実際に休暇を取る必要を感じた人は、どうやって会社に申し出たら良いのか、会社はどう対応したら良いのかについてルールが無ければ迷ってしまいます。

こうした専門性の高いことは、信頼できる国家資格者の社労士にご相談ください。

 

2017.10.25.解決社労士

<NHKのニュース 平成29年10月20日>

国民年金の保険料の滞納者に対する強制徴収の実施状況について、会計検査院が調べたところ、日本年金機構が文書で催促するなど適切な対応をしなかったために徴収できていない保険料の延滞金が、昨年度までの3年間でおよそ4億7千万円に上り、このうち1億7千万円余りが時効で回収できなくなっていることがわかりました。

 

<会計検査院の調査>

日本年金機構は一定の所得がある滞納者に対し、未納期間分の延滞金を請求するとともに、財産を差し押さえるなど強制徴収の手続きを進めています。

しかし、会計検査院が改めて調査したところ、延滞金の未徴収が見つかったので、日本年金機構に対し、延滞金についても文書や電話などで繰り返し催促し徴収するよう求めることにしているそうです。

 

会計検査院は、国に入るべきお金がきちんと入っていること、国から出て行くべきではないお金が出て行っていないこと、この2つをチェックしています。

今回の報道は、会計検査院が日本年金機構を直接調査した結果を示しています。しかし、会計検査院が調査に入るのは公の機関だけに限られず、企業に調査に入ることがあります。

 

たとえば、所轄の労働基準監督と会計検査院が一緒に企業の調査に入ることがあります。

企業が正しく労災保険や雇用保険の対象者を確定し、正しく保険料を納めていないと、国に入るべきお金がきちんと入らない恐れがあります。そこで、労災保険と雇用保険の保険料を納める手続きである労働保険年度更新が正しく行われている必要があります。

ここで、年度更新の手続きを管理しているのは基本的に所轄の労働基準監督署ですから、労働基準監督署が年度更新の内容を再確認するのを会計検査院がチェックするという二段構えになります。

こうした場合、当然ですが一番緊張するのは労働基準監督署の職員の方々です。

 

またたとえば、所轄の年金事務所と会計検査院が一緒に企業の調査に入る場合もあります。この場合には、社会保険の加入対象者や加入時期が正しいことや、保険料の計算が正しいことについて、定時決定(算定基礎届)の内容などについて再確認が行われます。

 

<今後予想されること>

会計検査院の日本年金機構に対する指導は、国民年金についてのものでした。

だからといって、日本年金機構が厚生年金の保険料の徴収を強化しないわけにはいきません。「指摘があったのは国民年金のことだから、厚生年金のことは気にしない」と言って放置することはできないのです。

会計検査院にしても、国民年金についての徴収漏れが判明した以上、厚生年金についても同様の状況にあることを想定して調査を強化すべきだと考えるのは、自然の流れでしょう。所轄の年金事務所と会計検査院が一緒に企業の調査に入るケースも増加することが予想されます。

 

<ここも社労士(社会保険労務士)の出番>

さすがに社労士であっても、いつどの企業に調査が入るのか予測することは不可能です。

マイナンバー制度の効果が、厚生年金制度全体に及ぶようになっていくでしょうし、加入漏れや保険料の支払い不足があれば、さかのぼっての徴収もありますので、各企業にとって適正な厚生年金保険料の支払いは避けられないところです。

誰がいつから厚生年金に入るのか、保険料の計算はどうなるのかといった専門性の高いことは、信頼できる国家資格者の社労士にご相談ください。

 

2017.10.24.解決社労士

<有期契約と無期契約>

期間を定めた有期契約は、その期間が終われば原則として終了します。

ですから、次の契約が結ばれるかどうかは、雇う側と雇われる側が新しい契約を結ぼうと合意できるかどうか次第となって、雇用が不安定になりがちです。

 

この場合も、ある程度は雇い主が一方的に契約を打ち切ることが規制されています。

しかし、期間の定めのない契約に比べると、その規制の範囲は狭くなっています。

このため、契約に期間を定めないで雇用される形の方が、雇用の安定という点では安心できます。一般に正社員ではこの形です。

ところが雇う側には、簡単に無期契約での雇用に踏み切れないという事情があります。

そのため、正社員以外の雇用では、有期契約が何回も更新されるという形になりやすいのです。

 

<労働契約法の改正>

長期にわたって更新を繰り返している有期契約の社員は、正社員と同様に雇用の安定が必要であるとの観点から、平成25年に法律が改正されて、期間を定めた契約の期間を通算した期間が5年を超えた契約が結ばれた時は、その人が望めば、以降の契約を無期契約にできることになりました。

 

ただし、契約の通算が5年を超えたときに自動的に無期契約に変わってしまうわけではなく、5年を超える有期契約が終了する前に、終了後は無期契約とすることを雇い主に通知することが必要です。

こうした通知は、口頭で行うことも認められますが、言った、言わないという争いが生じないよう、日付と内容を証明できる形で伝えることが望ましいでしょう。

 

<期間通算の注意点>

期間の通算については、次の点に注意が必要です。

・平成2541日以降に開始された契約だけが通算の対象になります。

・前の契約と後の契約との間に契約が存在しない期間があるときも、原則としてそれまでの契約の期間を通算しますが、契約がない期間が、それまでに通算された契約期間の半分(1か月未満の端数が出たときは1か月に切り上げて、最高で6か月)以上空いてしまったときは、それまでの通算を終了し、次の契約から新しく通算を始めます。

・研究職や60歳定年後の雇用などの場合は、会社が手続きをすることにより例外があります。

 

<無期契約とする通知の効果>

この仕組みにより、無期契約への変更を雇い主に通知すると、たとえ雇い主が認めないとしても、次の契約は無期の契約で結ばれたものとして扱われます。

 

そのため、契約期間の終了後に雇い主が出勤を拒否することは、「解雇」として扱われますが、客観的かつ合理的な理由と、社会的相当性の両方がない限り、「解雇」は無効とされていますから、雇い主は賃金の支払い義務を負い続けることになります。

 

なお、あらかじめ無期契約への変更をしないという約束をしても無効です。

また、無期契約への変更の請求を避けるためだけに、現在の有期契約を終了させることも、雇止めの正当な理由として認められません。

 

<無期契約への変更後>

この仕組みは、有期の契約を無期に変えるものであって、非正社員の人がこの変更の権利を使ったからといって、正社員と同じ給与や処遇に自動的に変わるというものではありません。

基本的には、有期契約の中で定められていた賃金や労働条件の基準が、無期契約に変わった後も続きます。

 

この場合、実際に従事している仕事の内容、責任と人事異動等の範囲が同一であると客観的に評価できれば、他に合理的な理由もないのに労働条件に差をつけることは許されなくなるほか、できるだけ正社員と均衡のとれた処遇をすることが必要になることがあります。

 

就業規則のある職場では、無期契約への変更後について、就業規則で確認することができます。

 

2017.10.23.現在

<労働者派遣法の規定>

必ず正社員になれるわけではありませんが、3 年を越えて同じ派遣先で働く見込みがあるときは、派遣元か派遣先で雇用を確保しなければならないことになっています。

また、キャリアアップのための訓練等を実施することが派遣元に義務付けられています。

さらに、派遣先に直接雇われることを前提に、一定期間派遣社員として勤務する紹介予定派遣の制度もあります。

 

<同一の派遣先への派遣は3年まで>

派遣先が、同じ事業所で派遣労働を受入れることは、原則として3年が上限となっています。

ただし、派遣先が一定の手続きをとれば、この制限がなくなります。

また、派遣される人を基準として、派遣先の課を基準とする同一の組織単位が、同じ人を、3年を超えて受け入れてはならず、派遣元も送ってはならないとされています。

例外として、派遣元が契約の期間を定めないで雇用している人や60歳以上の人を派遣するとき、事業の開始、転換、拡大、縮小、廃止のための業務、1か月間の勤務日数が一定日数以下の業務、産前産後・育児・介護休業を取得する社員の代わりとして行う業務などのための派遣については、この上限はありません。

 

<派遣労働者の待遇>

派遣元は、派遣労働者に対して、計画的に教育訓練やキャリア・コンサルティングなどのキャリアアップのための措置を実施することが求められています。また、派遣先の社員との均衡がとれた待遇になるよう配慮しなければなりません。

派遣先も、派遣元への情報提供などの協力をするほか、派遣労働者に必要な教育訓練や福利厚生設備の利用などについて、できるだけ配慮するよう求められています。

 

<雇用終了時の措置>

派遣労働では、期間を定めて派遣元に雇用されているときは、その期間が終了

することで雇用は終了します。

しかし派遣元は、1年以上の派遣が見込まれるときには、その派遣労働者について、できるだけ、①派遣先に直接雇用を依頼する、②新しい派遣先を提供する、③派遣元が無期契約で雇用する、④安定した雇用の継続を図るために必要な措置を実施することが求められています。

また、3年間の派遣が見込まれるときには、これを必ず実施しなければなりません。

派遣先も、1年以上派遣を受けた後、その業務のために人を雇おうとするときは、現に派遣されている社員が希望したときに、できるだけその人を雇うよう努力するほか、1年以上派遣労働者として受け入れている人に対して、自社の新規採用情報を提供することが求められています。

さらに、派遣先が、法律の定める届出や受入の上限などに違反していることを知りながら労働者派遣を受け入れていたときは、その派遣労働者が希望すれば、直接雇用された扱いとなることもあります。

これらは必ず正社員となることを保障するものではありませんが、法律は、できるだけ均衡のとれた処遇にすることを求めています。

 

<紹介予定派遣から直接雇用へ>

紹介予定派遣とは、派遣期間終了後に派遣先の企業に直接雇われることを前提にした派遣スタイルです。派遣期間は最長6か月です。

派遣期間終了時に、派遣社員が直接雇われることを希望し、派遣先が直接雇うことを希望すれば、その後、派遣社員は派遣先の社員となります。

紹介予定派遣を活用することによって、派遣社員は派遣先の仕事の内容や会社の雰囲気を理解した上で就職することができ、派遣先は、派遣社員の適性、能力をじっくり見極めたうえで、その派遣社員を直接雇用するかどうかを判断することができるというメリットがあります。

ただし、正社員として直接雇用されるとは限りませんので、採用時にあらためて確認しましょう。

 

2017.10.22.現在

<年次有給休暇を使わせる義務>

労働基準法には、年次有給休暇について次の規定があります。

 

(年次有給休暇)

第三十九条 5 使用者は、前各項の規定による有給休暇を労働者の請求する時季に与えなければならない

 

この規定の中の与えなければならないというのは、文脈からすると、権利を与えるということではなく、使わせるという意味であることが明らかです。

そして、この義務に違反した場合の罰則としては、次の規定があります。

 

第百十九条 次の各号の一に該当する者は、これを六箇月以下の懲役又は三十万円以下の罰金に処する。

 

たとえば、「再来週の水曜日に年休を使いたいのですが」と申し出た従業員に対して、使用者が「有給休暇を使うなんてダメだ」と答えれば、法律上は懲役刑もありうるということになります。

 

しかし、刑罰の存在と、年次有給休暇請求の効力とは別問題です。

刑罰は国家権力と使用者との関係で規定されるもので、年休請求により年休が使えることになるかどうかという使用者と労働者との間の民事的な関係には、直接的には影響しないのです。

 

ということは、「再来週の水曜日に年休を使いたいのですが」と申し出た従業員に対して、使用者が「有給休暇を使うなんてダメだ」と答えた場合、その従業員が当日会社を休んだ場合にどうなるかは別に考える必要があります。

結論としては、年次有給休暇を使ったことにはなりません。無断欠勤になってしまいます。

 

従業員としては、使用者に対して年次有給休暇を取得させるように説得を試み、それでもダメなら、所轄の労働基準監督署やその他の相談機関に相談するしかありません。

 

<年次有給休暇を使った人の解雇>

年次有給休暇を使ったことを理由に解雇するなど、不利益な取扱いをすることは、次の規定によりやんわりと禁止されています。

 

第百三十六条 使用者は、第三十九条第一項から第四項までの規定による有給休暇を取得した労働者に対して、賃金の減額その他不利益な取扱いをしないようにしなければならない。

 

この条文の解釈については、最高裁判所が次のような判断を示しています。

 

労基法136条それ自体は会社側の努力義務を定めたものであって、労働者の年休取得を理由とする不利益取扱いの私法上の効果を否定するまでの効力を持つとは解釈されない。

また、先のような措置は、年休を保障した労基法39条の精神に沿わない面を有することは否定できないが、労基法136条の効力については、ある措置の趣旨、目的、労働者が失う経済的利益の程度年休の取得に対する事実上の抑止力の強弱等諸般の事情を総合して、年休を取得する権利の行使を抑制し、労基法が労働者に年休権を保障した趣旨を実質的に失わせるものと認められるものでない限り、公序に反して無効(民法90条)とはならない

沼津交通事件 最二小判平5.6.25

 

年次有給休暇を使ったことを理由に解雇するというのは、解雇により労働者が失う経済的利益の程度、年休の取得に対する事実上の抑止力は甚だしいですし、労基法が労働者に年休権を保障した趣旨を実質的に失わせるものと認められるものですから、公序に反して無効(民法90条)になると思います。

 

それにしても、年次有給休暇を使わせておいて、後から解雇を言い出すのはおかしな話です。

 

<年次有給休暇の使い過ぎを理由とする契約更新の拒否>

下の方に示すように、労働契約法に有期契約労働者の契約更新についての規定があります。

この規定では、何回か契約が更新されている人と、契約更新に対する期待が客観的に是認できる人に限定されていますが、前回と同じ条件での契約更新を権利として認めています。

 

この規定の解釈にも、先ほどの沼津交通事件判決の趣旨が及びます。

たとえば、契約更新にあたって「あなたは年次有給休暇の残日数が少ない。年休の使い過ぎなので、契約は更新できない」などという理由で、契約更新を拒否できないということになるでしょう。

 

(有期労働契約の更新等)

第十九条 有期労働契約であって次の各号のいずれかに該当するものの契約期間が満了する日までの間に労働者が当該有期労働契約の更新の申込みをした場合又は当該契約期間の満了後遅滞なく有期労働契約の締結の申込みをした場合であって、使用者が当該申込みを拒絶することが、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められないときは、使用者は、従前の有期労働契約の内容である労働条件と同一の労働条件で当該申込みを承諾したものとみなす。

一 当該有期労働契約が過去に反復して更新されたことがあるものであって、その契約期間の満了時に当該有期労働契約を更新しないことにより当該有期労働契約を終了させることが、期間の定めのない労働契約を締結している労働者に解雇の意思表示をすることにより当該期間の定めのない労働契約を終了させることと社会通念上同視できると認められること。

二 当該労働者において当該有期労働契約の契約期間の満了時に当該有期労働契約が更新されるものと期待することについて合理的な理由があるものであると認められること。

 

2017.10.21.解決社労士

<解雇は無効とされやすい>

会社が社員に解雇を通告しても、それが解雇権の濫用であれば無効になります。これを不当解雇といいます。解雇したつもりになっているだけで、解雇できていないので、対象者が出勤しなくても、それは会社側の落ち度によるものとされ、賃金や賞与の支払義務が消えません。会社にとっては、恐ろしい事態です。

出来てからまだ10年も経っていない労働契約法という法律に次の規定があります。

 

(解雇)

第十六条   解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする。

 

大変抽象的な表現ですから、いかようにも解釈できそうです。しかし、正しい解釈の基準は裁判所の判断です。

そして、裁判所の判断によれば、解雇権の濫用は簡単に認定されます。つまり、多くの場合、不当解雇が認定されます。

 

<「客観的」の落とし穴>

「客観的に合理的な理由」を欠けば、解雇権の濫用となり、解雇は無効となるわけです。

しかし、当事者である会社側と対象社員の言い分は、完全に主観的なものです。会社がそれなりの理由を示して解雇を通告した場合、その解雇理由は主観的な判断により示したものです。また、これに対する対象社員の反論も主観的なものです。ですから、「どちらが正しいか」という議論は、解雇の有効性については無意味です。

あくまでも、「客観的に合理的な理由」が有るか無いかによって、解雇権の濫用となるか否かが決まってきます。

 

<「客観的に合理的な理由」とは>

「客観的に合理的な理由」とは、誰が見ても解雇はやむを得ないという理由です。

なぜなら、誰が見ても正しいというのが、客観的に正しいということだからです。

ただし、当事者である会社側と対象社員は「誰が見ても」の「誰」からは除かれます。当事者は、主観的に考えてしまうからです。

 

結局、バイク通勤の禁止ルールに違反することが、その職場では絶対に許されない背信的行為であるとされる特別な事情が客観的に認定されるのであれば、解雇もやむを得ないということになります。

 

しかし、現実にはそこまで特別な事情は想定できません。

会社がバイク通勤を禁止するのは、事故が多いとか、駐車場が確保できないとか、近隣のお客様に不快感を与えるとかいうのが一般的な理由でしょう。

これらは、可能性があるというに過ぎません。

 

現実に、通勤の途中でバイク事故を起こした場合、違法駐車をした場合、近隣のお客様からバイクの騒音などについてクレームがあった場合に、これらを理由として解雇してしまうのは行き過ぎだと考えられます。これらの行為と解雇とのバランスがとれていないからです。

つまり「客観的に合理的な理由」があるとはいえないでしょう。

 

<会社として取りうる措置>

まず、就業規則で全面的にバイク通勤を禁止するのではなく、「会社の許可なくバイクで通勤することは禁止する」という形にして、特別な理由があれば許可する形にすることです。

そして、許可の条件としては、一定の条件を満たすバイク保険の加入、適正な駐車場の利用、騒音が一定以下であることなどを示す書面を添付して、会社に申請書を提出することなどが考えられます。

 

たとえこの場合でも、無許可でのバイク通勤が解雇の理由となるわけではありません。就業規則の中に会社の手続き違反に対する懲戒規定があって、懲戒処分についての適正な手続きを踏めば、減給や出勤停止程度の処分が有効となるケースもあるといえるに過ぎません。

 

<ここも社労士(社会保険労務士)の出番>

バイク通勤は危ないから禁止、そして違反したら解雇というような、安易な運用はできません。

解雇が有効になるのは、労働契約法の条件を満たす場合に限られるのです。

こうした専門性の高いことは、信頼できる国家資格者の社労士にご相談ください。

 

2017.10.20.解決社労士

<雇い入れ時の健康診断>

雇い入れ時の健康診断は、1週間の所定労働時間が正社員の4分の3以上で、1年以上勤続する予定の従業員について法的義務があります。〔労働安全衛生法661項、労働安全衛生規則45条〕

また、1週間の所定労働時間が正社員の半分以上であれば、受診させることが望ましいとされています。努力義務です。

いずれにせよ、雇い入れ時の健康診断実施義務は、採用側の義務ですから、基本的には採用側が実施し、費用も負担するのが法の趣旨に適合します。

とはいえ、費用負担について、法令に明確な規定が無いので、応募者側が費用を負担するルールにしても違法ではありません。また、応募者が自主的に健康診断の結果を提出することも問題ありません。

 

<採用面接時の対応>

以前は、採用面接を行うにあたって、健康診断結果の提出を求め、雇入れ時の健康診断を兼ねていた会社が多かったのです。

ところが、平成5年労働省通知と平成13年厚生労働省通知によれば、「雇い入れ時健康診断は、雇い入れた際における適正配置と入職後の健康管理のためのものであって、採用選考時に採用の可否の決定のための健診を行うことは適切を欠く」とされています。

この背景には、採用側がHIV検査を義務付けるなど、人権侵害の問題がありました。

やはり、法定の項目以外の検査を義務付けるのは避けるべきでしょう。

そもそも、法令の文言を素直に読めば、「雇い入れ時」というのは採用前ではなく採用後のことを言っています。ですから、基本的には採用決定後に、雇い入れ時の健康診断を実施することになります。

 

<健康状態の確認漏れによるトラブル>

健康状態に問題のある応募者を採用してしまっても、採用取消や解雇は簡単にはできません。ほとんどの場合は、採用取消や解雇が無効とされ、損害賠償請求の対象となってしまいます。

トラブルになるのは、入社後に健康不良が発覚したものの、「その点については質問されませんでした」と言ってかわされていまい、採用側は有効な手を打てなくなるというケースです。

ですから、採用面接の段階で応募者の健康状態について、人権侵害にならない範囲で、詳細な情報を申告してもらうのが得策です。これと併せて、就業規則には、採用時の虚偽申告は採用取消や解雇の理由となりうることを規定しておくべきです。

もちろん、応募者本人も把握していなかった病気については、虚偽申告とはいえません。この場合には、その病気が業務の遂行を不可能とするものであるかどうかの問題になります。

 

<健康状態の確認が必要な範囲>

採用する側は、興味本位で応募者の病気を詮索するわけではなく、予定される業務を行うのに支障のない健康状態であることを確認したいわけです。

応募者も、具体的な業務内容を想定して応募してきているわけですから、自分の今の健康状態で、その業務を遂行できるかどうかを確認したいと考えます。

この利害の一致する範囲で、健康状態や病気、薬の服用や通院などの予定について確認することが許されると考えて良いでしょう。

 

採用側は、業務内容をなるべく具体的に説明します。

そして、応募者側はその業務を行える状態か、何か不安はあるか、雇い主に求めたい配慮はあるかといった情報を提供するということになります。

 

自動車の運転、機械類の操作、高温での調理、高所での作業など、意識が途切れたら危険な業務は、重度の高血圧症や貧血症なら避けるべきです。これらは、通常の健康診断の項目に入っていますから、判断は比較的容易です。

しかし、一定の精神疾患でも同様の危険があり、健康診断では見つからないだけに、応募者の自己申告に頼るしかありません。

 

結局のところ、業務の環境や作業内容など、具体的な事情により確認が必要な範囲は異なります。そして、その必要な範囲内で、健康状態の確認が許されるということになります。

 

<応募者確保のために>

業務内容を良く知っている会社の担当者が面接を行うと、その場の雰囲気や感情に流されて、聞いてはいけないことをストレートに聞いてしまうリスクがあります。

そのリスクというのは、応募者がどこかに申告して行政の介入を許すとか、損害賠償を求められるとかいうことではなく、人手不足クライシスとまでいわれている今、面接を受けた応募者からの口コミ情報で、全体の応募者数が減少してしまうリスクです。特に、ネットを介しての口コミ情報は、思わぬ威力を発揮してしまいます。

 

こうしたことを避けるためには、業務内容ごとの「採用面接シート」を利用するのが便利です。このシートに書かれている項目を漏れなく確認し、書かれていない項目については尋ねないようにするのです。

この作成と効率的な運用には、専門知識と技術が必要ですから、作成にあたっては、ぜひ信頼できる国家資格者の社会保険労務士(社労士)にご相談ください。

 

2017.10.19.解決社労士

<生理休暇取得の権利>

「使用者は、生理日の就業が著しく困難な女性が休暇を請求したときは、その者を生理日に就業させてはならない」と規定され、これに違反すると30万円以下の罰金という罰則もあります。〔労働基準法68条、120条1号〕

つまり、生理日の就業が著しく困難な女性が休暇を取るのは権利であり、使用者に当たる人がこれを妨げるような発言をすれば、それは違法であるということになります。

ここで「使用者」には、個人事業なら事業主、会社なら会社そのもの、代表者、取締役、理事、人事部長、労務課長などが含まれます。〔労働基準法10条〕

 

<パワハラとは>

パワハラは、力関係に基づく嫌がらせです。

年齢、経験年数、能力、地位、権限、人気などのパワーを持った人が、自分から見てある側面で「劣る」と思える相手に対して、主に指導の名目で嫌がらせをします。

多少不快感や損害を与えたとしても、指導に伴うものはある程度仕方がないという勘違いが多発しています。

 

<パワハラになるかならないかの基準>

生理日の就業が著しく困難な女性が生理休暇を取得しようとした時に、「仕事を優先しろ」「使えない」などの発言をすることは、明らかにパワハラです。

また、無限定に漠然と「お前は生理休暇なんか取るな」と発言した場合には、生理日の就業が著しく困難な場合を含めて生理休暇の取得を妨げる発言ですから、権利の侵害でありパワハラになります。

 

これに対して、普通に勤務することが困難ではない程度の苦痛を伴う生理を理由に生理休暇を取得することや、生理中であることそのものを理由に生理休暇を取得することは、労働基準法も認めていません。

ですから、生理中の女性が朝から普通に勤務していて、お天気が良いので午後から遊びに行くため「生理休暇を取得したい」と言ったのなら、これに対して「今日は生理休暇を取るな」という指導は正当なものであり、パワハラにはならないのが一般です。

 

実際には、生理の苦痛は本人にしかわからないでしょう。

上司としては、女性から「生理休暇を取得したい」という申し出があれば、これを拒否できないことになります。

ただ、生理休暇を取得しておきながら、レジャー施設に出かけて絶叫マシンで楽しんでいる様子がSNSなどにアップされたら、不正に生理休暇を取得したものとして、懲戒処分の対象となりうるというのも事実です。

この辺りについては、女性社員に対する教育指導が必要でしょう。

 

<セクハラにもあたる場合>

セクハラは、性的なことについての嫌がらせです。

職場に限らず、性的なことに対する興味が特に強い人がいます。こうした人が、「いたずら」「からかい」のつもりで「嫌がらせ」をするとセクハラになるのですが、本人は道徳に反しないと思っているので、反省することなく繰り返します。

 

生理休暇について言えば、「生理の周期から考えて今日休暇を取るのはおかしい」「その歳で生理休暇を申し出るのは変だ」などという発言はセクハラになります。

これは、相手の人格の尊厳を無視して、踏み込みすぎた発言となるからです。

 

<ここも社労士(社会保険労務士)の出番>

生理休暇など労働者の権利についての知識習得は従業員任せにはできません。会社が教育研修を実施する義務を負っています。

また、パワハラ、セクハラ、マタハラについては教育だけでなく、就業規則などにその定義を明らかにし、懲戒処分の対象とすることも必要です。

こうした専門性の高いことは、信頼できる国家資格者の社労士にご相談ください。

 

2017.10.18.解決社労士

<人事考課と賞与>

賞与というのは、どれだけ能力があるかとは関係なく、どれだけの実績を上げて会社に貢献したかという結果を評価して設定するものです。

 

たとえば、5月から10月までの実績を評価して12月に冬期賞与を支給し、11月から翌年4月までの実績を評価して7月に夏期賞与を支給するという形になります。

上の例では、新卒採用で4月入社であれば、夏期賞与を支給するための十分な考課期間がありませんから、支給しないか金一封などの名目で一律の支給額にするのが一般です。

中途採用でも、考課期間の途中で入社したのであれば、最初の賞与支給については同様な扱いになるでしょう。

 

ここで注意したいのは、「結果がすべて」の評価にしないことです。

どれだけ社内外と協力したのか、そのプロセスを含めて評価しなければ、目的のためには手段を選ばない社員ばかりになってしまいます。

このような社員は、働く仲間である上司、同僚、部下を自分の道具として利用することしか考えません。

まともな神経を持った人ならば、こんな職場には耐えられないでしょう。人格的に円満な社員は退職していきます。

 

また、実績の良し悪しは運に左右されるものです。

何をどのようにしたらその実績が生じたのかというプロセスを重視しなければ、ラッキーで実績が上がった人は多額の賞与をもらい、不運な人の賞与は減額されてしまいます。

これでは、くじ引きで賞与を決めるようなものですから、運の悪かった社員は納得がいきません。

 

賞与を決定するために個人の実績を評価する場合には、社内ルールに則って正しい手順で成果を上げたのか、個人では対処できない運の良し悪しが関与していなかったかということも、十分に加味する必要があるのです。

 

<人事考課のフィードバック>

賞与の支給額は、基本給を基準に会社の業績を反映した支給月数、個人の実績を反映した考課係数を設定して、次のように計算されていれば納得しやすいでしょう。

 

個人の賞与支給額 = その人の基本給×支給月数×考課係数

 

これを個人ごとに面談で伝えることをお勧めします。

支給月数が多ければ「会社は経営状況が良い」とわかりますし、考課係数が高ければ「私は高い評価を得ている」とわかります。

支給月数が少なかったり、考課係数が低かったりしても、「次こそは!」という気持ちになります。

このことが、社員ひとり一人のヤル気に結びつくでしょう。

また、連続して考課係数が低い社員は、大いに努力するか会社を去るかの決断を迫られます。これはこれで、効果が期待できると思います。

 

<ここも社労士(社会保険労務士)の出番>

何となく決めた賞与額であっても、上の個人の賞与支給額の計算式で逆算すれば、支給月数と効果係数を求めることができます。

これを各社員に示すことで、大きな効果が期待できますからお勧めします。

 

ところで、その会社に合った人事考課基準の作成、改定、教育、運用は、社労士ではなくてもコンサルタントにもできます。

しかし、就業規則とも連動させ、法令順守を前提とした健全な企業活動を目指すのであれば、信頼できる国家資格者の社労士にご相談ください。

 

2017.10.17.解決社労士

<人事考課と給与>

給与というのは、今後1年間にどれだけ活躍するかを予測して設定するものです。

そうでなければ、新卒や中途採用では初任給が決まりません。

ベテラン社員であっても、これまでの実績を参考にして、今後一年間にどれだけ活躍するかを予測して設定するものです。

 

イメージとしては、野球選手の年俸制を思い浮かべると理解しやすいでしょう。

ただ、一般の労働者に年俸制を使うのはメリットが少なく、運用が違法になりがちなのでお勧めできません。その証拠に、厚生労働省のモデル就業規則にも年俸制の規定はありません。

 

活躍を予測する場合、個人的な能力だけを見るのではなく、社内での協調性や社外との連携具合も評価する必要があります。

会社に社員が集まっているのは、チームプレーによって苦難を乗り越え、大きな成果を出すためです。

目立った個人プレーばかりを高く評価していては、社内の協調性が失われてしまうことになります。

 

たとえ個人プレーの能力が高くても、チームプレーの能力が低かったり、社外との関係を良好に保つ能力が低かったりすれば、長期にわたって活躍できません。

会社は可能な限り長続きしたいわけですから、社員に対しても長続きできる能力を求めることになります。

 

社内での協調性や社外との連携具合を見るのに、会社で決められている正しい仕事の仕方や就業規則などの社内ルールを守れるかどうかが、重要な目安となります。

 

<人事考課の前提となる教育訓練>

どんなに優れた人材でも、会社に合った正しい仕事の仕方働く上での社内ルールを知らなければ、その能力を発揮することができません。

会社の常識と、個人の常識とは異なるものですから、会社は会社の常識を社員に教育する必要があります。これを怠っておいて、「常識だろ!」と叫んでも不合理なパワハラと評価されてしまいます。

 

これほど人手不足で採用難ですから、社員には1.5人分も2人分も活躍してもらわなければなりません。

長時間労働をして倒れては本末転倒ですから、生産性を高めることになります。

その手段としては、教育訓練をおいて他にはないでしょう。会社にぴったり適合したカスタマイズされた教育訓練であることが必要です。

 

給与を決めるための人事考課は、この教育訓練が前提となります。

会社として、どのようにして欲しいのかを示さずに、評価だけをするのでは、社員は全く納得がいきません。

会社は学校ではありませんが、もし授業をせずに成績表だけを配布する学校があったなら、その存在価値は疑わしいものです。

 

<ここも社労士(社会保険労務士)の出番>

その会社に合った人事考課基準の作成、改定、教育、運用は、社労士ではなくてもコンサルタントにもできます。

しかし、就業規則とも連動させ、法令順守を前提とした健全な企業活動を目指すのであれば、信頼できる国家資格者の社労士にご相談ください。

 

2017.10.16.解決社労士

<人事考課がないのは論外>

社内に人事考課の基準がなくて、年齢や経験年数だけで昇給と昇格が決まっている会社からは、将来有望な若者が去っていくものです。

ただクビにならないように気を付けながら、在籍年数を伸ばしていくだけで、それなりの昇給と昇格が期待できるとすれば、危険を冒してまで努力するのはばかばかしくなります。こうして多数派の社員は、本気で業績に貢献しようという意欲を失っていきます。

中には、会社に貢献して会社の事業を成長させれば、自分自身も成長できると信じて努力を続ける社員もいます。これは少数派です。それでも、長年にわたって報われなければ、やがて力尽きてしまいます。

 

新卒採用でも中途採用でも、入社当初は意欲に燃えています。その時に、「いつかはあの先輩を越えよう」「いや社長を目指そう」と思える会社ならば、新鮮な意欲を持続することができます。

年齢や経験年数だけで昇給と昇格が決まっている会社では、永遠に先輩を追い抜くことはできません。まるでアキレスと亀のパラドックスのようです。

 

こうして有能な社員が去っていき会社に欠員が出ても、ネット上の情報や口コミが邪魔をして応募者が来ないでしょう。

こんなことでは、人手不足クライシスとまで言われている今、会社の存続は難しくなってしまいます。

 

<主観的な人事考課基準も危険>

社長や人事権を握っている一部の人が、主観的に判断して社員を評価するのも危険です。

こういう会社では、会社の業績に貢献するよりも、社長や考課権者と仲良くなるのが出世の近道になってしまいます。反対に社長や考課権者に嫌われたら最後、未来は暗くなりますから、会社から去っていくことになります。

いわゆる「上を見て仕事をする社員」ばかりになりますから、仕事よりも社長に嫌われないように、社長に気に入られるように努力します。

こういう会社では、社長のまわりに社員が集まって雑談する様子が良く見られます。

本当に会社の業績に貢献している社員は、そんなシーンでも黙々と仕事をこなしているものです。

 

人事考課基準は、具体的で客観的なものにしなければ、社員の努力の方向性が曲がってしまうのです。

何をどれだけしたらどれだけ昇給するのか、どこまでやったら昇格するのか、これが明確であれば社員は言われなくても努力を重ねます。

 

<ここも社労士(社会保険労務士)の出番>

その会社に合った人事考課基準の作成、改定、教育、運用は、社労士ではなくてもコンサルタントにもできます。

しかし、就業規則とも連動させ、法令順守を前提とした健全な企業活動を目指すのであれば、信頼できる国家資格者の社労士にご相談ください。

 

2017.10.15.解決社労士

<想定される具体的なケース>

社員が懲戒規定に触れる行為をしたのは明らかではあるものの、具体的な事情を詳細に調べてみないと、解雇すべきか減給処分で十分なのかなど、処分の内容を決められないという場合もあります。

しかも、社内でうわさになってしまい、本人を出勤させることが職場の混乱を招くというときもあります。

こうした場合に、とりあえず出勤停止処分にしておいて、後から追加で決定された懲戒処分をすることを考えてしまいがちです。

 

<懲戒処分の有効要件>

解雇まではいかなくても、懲戒処分が有効とされるには、多くの条件を満たす必要があります。

条件を1つでも欠けば無効となり、会社としては対象者から慰謝料その他の損害賠償を請求される可能性があるわけです。

法律上の制限として次の規定があります。

 

「使用者が労働者を懲戒できる場合に、その労働者の行為の性質、態様、その他の事情を踏まえて、客観的に合理的な理由を欠いているか、社会通念上相当であると認められない場合には、その権利を濫用したものとして無効とする」〔労働契約法15条〕

 

これは、数多くの裁判の積み重ねによって作られた「懲戒権濫用法理」という理論を条文にしたものです。

ですから「使用者が労働者を懲戒できる場合」、つまり就業規則や労働条件通知書、雇用契約書などに懲戒処分の具体的な取り決めがあって、その労働者の行為が明らかに懲戒対象となる場合であっても「懲戒権濫用法理」の有効要件を満たしていなければ、裁判ではその懲戒処分が無効とされます。

また、そもそも就業規則や労働条件通知書、雇用契約書などに懲戒処分の具体的な取り決めが無ければ、懲戒処分そのものができないことになります。

 

そして、懲戒権の濫用ではないといえるためには、次の条件を満たす必要があります。

・労働者の行為と懲戒処分とのバランスが取れていること。

・問題が起きてから懲戒処分の取り決めができたのではないこと。

過去に懲戒処分を受けた行為を、再度懲戒処分の対象にしていないこと。

・その労働者に説明や弁解をするチャンスを与えていること。

・嫌がらせや退職に追い込むなど不当な動機目的がないこと。

・社内の過去の例と比べて、不当に重い処分ではないこと。

 

上の条件に当てはめると「とりあえず出勤停止処分にしておいて、後から追加で決定された懲戒処分をする」というのは、「過去に懲戒処分を受けた行為を、再度懲戒処分の対象にしている」ことになるので、懲戒権の濫用となり懲戒処分は無効となるのです。

 

「過去に懲戒処分を受けた行為を、再度懲戒処分の対象にしてはならない」というルールは、二重処罰の禁止と呼ばれ、憲法にも刑罰について同様のルールが定められています。

 

何人も、実行の時に適法であつた行為又は既に無罪とされた行為については、刑事上の責任を問はれない。又、同一の犯罪について、重ねて刑事上の責任を問はれない。〔日本国憲法39条〕

 

<それでも出勤停止にはしたい場合>

懲戒処分をするのではなく、出勤停止や自宅待機の業務命令を出すことは可能です。

この場合には、懲戒処分としての出勤停止ではありませんから、原則として出勤停止の間も賃金を支払う必要があります。

 

これを行うためには、就業規則に「懲戒に該当する行為があったと会社が判断した者について、事実調査や職場の混乱回避などのため必要がある場合には、懲戒処分が決定されるまでの間、自宅待機を命ずることがある」という規定を置いておく必要があるでしょう。

また、この規定を適用する場合には、対象者に書面で通知することが望ましいといえます。

 

こうした場合に、何日もかけて事実調査を行っていたのでは、懲戒処分を予定している社員に賃金を支払いながら連休を取らせている形になってしまいます。

これでは、他の社員も納得がいきませんから、事実の確認は急ぐ必要があるのです。

 

<ここも社労士(社会保険労務士)の出番>

適正な懲戒処分を行うためには、事前の準備が不可欠です。

また、実際に事件が発生してしまった場合には、適法要件を満たしつつスピーディーに動く必要があります。

こうした専門性の高いことは、信頼できる国家資格者の社労士にご相談ください。

 

2017.10.14.解決社労士

<労働時間の定義>

労働時間とは、「労働者が実際に労働に従事している時間だけでなく、労働者の行為が何らかの形で使用者の指揮命令下に置かれているものと評価される時間」と定義されます。

これは、職場ごとに就業規則で決めたり、個人ごとに労働契約で決めたりするのではなく、客観的に決まっている定義です。

労働時間に対しては賃金を支払わなければなりません。

 

<労働時間となるかならないかの判断基準>

就業規則や労働契約で定められている始業時刻よりも早く出社した場合、それが労働時間となり賃金支払いの対象となるかは、具体的な事情によって異なってきます。

早めの出社がどの程度義務付けられていたのか、本来の始業時間前に業務を行っていたのか、時間と場所を拘束されていたのかなどによって、使用者の指揮命令下に置かれているかどうかが決まってきます。

 

<労働時間となり賃金支払いの対象となる例>

業務命令により始業時刻前の朝礼に参加していた場合や、業務命令により始業時刻前に当日の業務の引継ぎをしていた場合であれば、使用者の指揮命令下に置かれていたわけですから、労働時間に該当するのは明らかです。

また、自由参加の朝礼が終わってから自主的に業務を開始している場合や、毎日の始業時刻前に自主的に当日の業務の引継ぎをしている場合であっても、それが習慣化し使用者も知っていて黙認しているような場合には、使用者の指揮命令下に置かれているものと評価され労働時間となることがあります。

 

労働時間とはならず賃金支払いの対象とはならない例>

お子さんを保育園に連れて行くついでにそのまま早めに出勤しているとか、交通機関の遅れが多く遅刻しないために早めに出勤しているだけで、始業時刻前には外出したり仮眠したり軽食をとったりして自由に過ごしているような場合には、労働時間とはならず賃金支払いの対象とはなりません。

この場合には、たとえばタイムカードで労働時間の管理をしている職場では、出勤しても打刻せず業務の準備を開始するときに打刻する運用が適切です。

 

<ここも社労士(社会保険労務士)の出番>

早めに出社した場合に、会社が賃金の支払い義務を負うか負わないか、判断が微妙なケースもあります。

また、こうした微妙なケースが発生しないための対策も必要ですが、ここでも難しい判断が必要となります。

なぜなら、法令の条文を読んでも具体的なことは書かれていないので、通達や裁判例などから具体的な基準を探る必要があるからです。

こうした専門性の高いことは、信頼できる国家資格者の社労士にご相談ください。

 

2017.10.13.解決社労士

<年金手帳の再交付は郵送が原則>

年金手帳は、お近くの年金事務所で再交付を受けることができます。

年金手帳は原則として、後日ご自宅への郵送となります。

 

<再交付を急ぐ場合>

例外的に急ぎの場合には、年金事務所の窓口で直接手渡しにより、年金手帳の再交付を受けることができます。

これは、緊急性の高いものであって、ご本人が運転免許証などの身分証明等を持参した場合に可能です。

 

また、代理人により行う場合には、次の代理人に限り可能です。

・社会保険労務士、社会保険労務士の代理人

・法定代理人(法定代理人であることがわかる書類の持参が必要)

・事業主、事業主の代理の事務員(事業主を通じて申請書を提出されたもの)

 

急ぎであることを証明する書類が求められるわけではありません。

「転職先に提出しなければならない」など口頭による説明で大丈夫です。

 

<再交付が必要ない場合>

既に年金を受給している人は、年金証書が手もとにあれば、年金手帳は必要ありません。

年金証書を大事に保管してください。

 

2017.10.12.現在

<個人の住民税とは>

個人の税金について、「都道府県民税」と「区市町村民税」をあわせて「住民税」と呼んでいます。

個人の住民税は、前年の所得金額に応じて課税される「所得割」、定額で課税される「均等割」からなっています。

従業員の住民税は、1月1日現在で従業員(納税義務者)の居住する区市町村が、賦課徴収を行っています。

 

<特別徴収と普通徴収>

納付方法には、「特別徴収」と「普通徴収」があります。

給与所得者については、6月から翌年5月までの毎月の給料から徴収されます(特別徴収)。

前年の所得に応じた後払いで分割払いの形になります。

事業主(給与支払者)が従業員(納税義務者)に代わり、毎月給与から住民税を差し引き納入しています。

その他の人については、区市町村から送付される納税通知書で、年4回に分けて納めます(普通徴収)。

 

地方税法では、所得税を源泉徴収している事業主については、従業員の住民税を特別徴収しなければならないことになっています。

現実には、制度の周知が十分でなく、徹底が図れていない場合もあります。

そのため、都道府県と区市町村は、特別徴収制度の広報、周知活動に取り組み、特別徴収の徹底を推進しています。

 

次のようなことは、法令上認められません。

・事務の増加や経理担当者がいないといった理由で特別徴収を行わない

・従業員の希望により普通徴収を選択する

・従業員が少ない事業所だからという理由で特別徴収をしない

・経費がかかるからという理由で特別徴収を行わない

 

<納期の特例>

従業員が常時10人未満の事業所の場合は、区市町村に対して申請して承認を受けることにより、年12回の納期を年2回にする制度(納期の特例)を利用できます。

しかし「納期の特例」は、特別徴収した住民税を半年分まとめて納入することができる制度ですので、毎月の給与からの差し引きは行う必要があります。

給与から差し引きをした住民税を預かっておき、年2回に分け納付することになります。

事業主が特別徴収した徴収金は、従業員からの預り金であり、事業資金ではありません。必ず区市町村に納入してください。

 

<事業主(給与支払者)の納税義務>

地方税法321条の5の規定により、特別徴収義務者は特別徴収税額決定通知書に記載された税額を納期限内に納入する義務があります。

特別徴収義務者として指定された事業主が、従業員から徴収すべき税額を放棄又は滞納した場合は、特別徴収義務者に対して、原則として納期限後20日以内に督促状が発送されます。

督促状が届いても納入されない場合は、事業主に対して地方税法331条に基づく滞納処分が行われることになります。

特別徴収すべき税額に滞納がある場合、従業員が納税証明書を取得できないなどの不利益を被ることがあります。

 

<特別徴収義務者の指定>

東京都の全区市町村で一斉に、平成29年度から特別徴収義務者の指定が実施されます。

ただし、次の理由【普A~普F】に該当する場合は、普通徴収にすることができます。

普A=事業所の総従業員数が2人以下

 (他の区市町村を含む事業所全体の受給者の人数で、以下の普B~普Fの理由に該当して普通徴収とする対象者を除いた従業員数)

普B=他の事業所で特別徴収

普C=給与が少なく税額が引けない

普D=給与の支払が不定期(例:給与の支払が毎月でない)

普E=事業専従者(個人事業主のみ対象)

普F=退職者又は退職予定者(5月末日まで、休職等により4月1日現在で給与の支払を受けていない人を含む)

 

前年中に給与の支払いを受けていて、その年度初日(4月1日)において給与の支払を受けている人は特別徴収の対象となります。

したがって、アルバイトやパートであっても、この条件に当てはまる場合には特別徴収の対象となります。

ただし、上記の普A~普Fに該当するときは、給与支払報告書の提出時に普通徴収切替理由書に記載して提出することによって、普通徴収にすることができます。

 

2017.10.11.現在

労働時間等見直しガイドライン(労働時間等設定改善指針)が改正され、平成29年10月1日から適用されています。

 

<改正点1>

地域の実情に応じ、労働者が子どもの学校休業日や地域のイベント等に合わせて年次有給休暇を取得できるよう配慮することが盛り込まれました。

 

↓これを受けて

 

事業主の皆さんは、子どもの学校休業日や地域のお祭り、イベント等に合わせて労働者が年次有給休暇を取得できるよう配慮することが求められます。

また、平成30年4月から、キッズウィークがスタートします。

分散化された子どもの学校休業日に合わせて子供たちの親を含め、労働者が年次有給休暇を取得できるよう配慮することが求められます。

 

<改正点2>

公民権の行使又は公の職務の執行をする労働者について、公民としての権利を行使し、又は公の職務を執行する労働者のための休暇制度等を設けることについて検討することが盛り込まれました。

 

↓これを受けて

 

事業主の皆さんは、公民権の行使又は公の職務の執行をする労働者のための休暇制度等を設けることについて検討を迫られることになります。

また、労働者が裁判員として刑事裁判に参画することは「公の職務の執行」に当たり、裁判員法第100条により、労働者が裁判員としての職務を行うため休暇を取得したこと等により、解雇その他不利益な取扱いをすることは禁止されています。

 

<改正点3>

仕事と生活の調和や、労働者が転職により不利にならないようにする観点から、雇入れ後初めて年次有給休暇を付与するまでの継続勤務期間を短縮すること、年次有給休暇の最大付与日数に達するまでの継続勤務期間を短縮すること等について、事業場の実情を踏まえ検討することが盛り込まれました。

 

↓これを受けて

 

労働基準法上、年次有給休暇は、入社6か月後に付与され(8割以上の出勤要件あり。)、その日から起算して6年後に最大付与日数となりますが、事業主の皆さんは、仕事と生活の調和や、労働者が転職により不利にならないようにする観点から、雇入れ後初めて年次有給休暇を付与するまでの継続勤務期間や年次有給休暇の最大付与日数に達するまでの継続勤務期間を短縮すること等について前向きに検討することになります。

 

<罰則はないけれど>

事業主が労働時間等見直しガイドラインに積極的に取り組まなくても、罰則があるわけではありません。

しかし、求人に対する応募者の数と質、労働者の定着率に大きな差が生じることになります。

人手不足クライシスとも言われる今、前向きな取組による費用対効果を考えつつというのでは手遅れになりかねません。

人手不足は嵐のようにやって来て去って行くのではなく、今後も続く見込みです。

自社にとって何をどうするのがベストか迷うところがあれば、ぜひ信頼できる国家資格者の社労士にご相談ください。

 

2017.10.10.解決社労士

<傷病手当金支給申請書>

傷病手当金支給申請書の提出先は、健康保険証に書いてある保険者です。

そして申請書の形式は、保険者が決めています。

たとえば、協会けんぽの申請書であれば、1セット4枚で、次の内容になっています。

1,2枚目 = 申請者情報、申請内容

3枚目 = 事業主の証明 ※事業主とは会社などのことです。

4枚目 = 療養担当者の意見書 ※療養担当者とは医師などのことです。

 

<記入する人>

1,2枚目の申請者情報、申請内容は、仕事を休んだ健康保険加入者(被保険者)自身または、被保険者が亡くなった場合は相続人が記入します。

会社の担当者が、ほとんど代筆してくれることもあります。

3枚目の事業主の証明は、会社の担当者や顧問の社会保険労務士が記入します。

4枚目の療養担当者の意見書は、担当医師が記入します。

 

会社が傷病手当金の書類を書いてくれなくて困るというのは、事業主の証明の部分を書いてくれないということになります。

1,2枚目の書き方がわからないのであれば、保険者に確認することになります。

 

<会社が知らないケース>

会社に傷病手当金のことを知っている人がいないとか、書類の書き方がわからないとかいう理由で、書類を書いてもらえないということがあります。

この場合には、事業主の証明を自分で代筆して、ゴム印と代表印だけもらうのが早いと思います。

自分で書くのが難しければ、書き慣れている人に依頼しましょう。

 

<会社が労災を隠しているケース>

たとえば、パワハラが原因でうつ病になった場合には、本来は労災保険の手続きをとるのが正しいのです。

こんなとき、うつ病になった被害者から傷病手当金の書類を書くように求められると、会社は労災の責任を問われることを恐れて、書類の作成から逃げることも考えられます。

労災の認定をするのは、所轄の労働基準監督署や労働局ですから、少しでも業務に原因がありそうな場合であれば、お近くの労働基準監督署に相談してみると良いでしょう。

労災にあたるケースであれば、労働基準監督署が会社に対して、労災保険の手続きをするように指導してくれます。

 

<会社が社会保険料をごまかしているケース>

会社が社会保険加入者(被保険者)の給料などを過少申告して、社会保険料を少なめに支払っていることがあります。

健康保険も保険ですから、手当金の金額は保険料に見合ったものとなります。

ですから、傷病手当金の手続きをとると、支給額が不当に少ないことがわかってしまい、不正が発覚することになります。

会社の不正が疑われる場合には、お近くの年金事務所などで相談することをお勧めします。

 

<会社が意地悪をしているケース>

会社と申請者が何らかの対立関係にあれば、会社が意地悪をして書類を書いてくれないことも考えられます。

こうしたケースでは、労働組合や議員さんに相談して何とか解決できたという話も聞かれます。

しかし、健康保険法に次の規定があります。

 

(報告等)

第百九十七条 保険者は、厚生労働省令で定めるところにより、被保険者を使用する事業主に、第四十八条に規定する事項以外の事項に関し報告をさせ、又は文書を提示させ、その他この法律の施行に必要な事務を行わせることができる。

2 保険者は、厚生労働省令で定めるところにより、被保険者(日雇特例被保険者であった者を含む。)又は保険給付を受けるべき者に、保険者又は事業主に対して、この法律の施行に必要な申出若しくは届出をさせ、又は文書を提出させることができる

 

(罰則)

第二百十六条 事業主が、正当な理由がなくて第百九十七条第一項の規定に違反して、報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、文書の提示をせず、又はこの法律の施行に必要な事務を行うことを怠ったときは、十万円以下の過料に処する。

 

これらを根拠に、会社を説得するよう保険者にお願いしてみてはいかがでしょうか。

保険者は「…できる」という規定ですから、保険者に義務付けられているわけではないので、あくまでも熱心にお願いすることになります。

罰則も「十万円以下の過料」と決して重くはないですが、会社に対するプレッシャーにはなるでしょう。

 

<原因がわからないケース>

以上のどれにもあてはまらないケースもあるでしょう。

傷病手当金の書類を会社が書いてくれない理由がさっぱりわからないのであれば、信頼できる国家資格者の社労士にご相談ください。

 

2017.10.09.解決社労士

<障害の程度が重くなったときの届出>

障害の程度が重くなり障害の等級が変われば年金額は増額されます。

この場合には、近くの年金事務所または街角の年金相談センターで、年金額の改定請求の手続きを行います。

請求の用紙は、年金事務所または街角の年金相談センターにあります。

請求の用紙に、氏名、生年月日、年金証書に記載されている基礎年金番号と年金コード、けがや病名などを記入して診断書を添えて提出します。

ただし過去1年以内に、障害等級の変更または年金額の改定請求を行っている場合には、この請求ができません。

(省令に定められた障害の程度が増進したことが明らかである場合には、1年を待たずに請求することができます。)

 

<障害の程度が軽くなったときの届出>

障害の年金は、普通、毎年1回、現況届と一緒に提出する診断書によって審査され、障害の程度が軽くなったときは、年金額の変更などが行われます。

障害の程度が年金を受けられないほど良くなったときには、そのことを近くの年金事務所または街角の年金相談センターに届け出ることになります。

届の用紙は年金事務所または街角の年金相談センターにもありますが、「ねんきんダイヤル」に電話すれば、送ってもらうこともできます。

届には障害の程度が良くなった年月日、年金証書に記載されている基礎年金番号と年金コード、生年月日などを記入します。

 

<障害が軽くなって年金が止められていたが重くなって受給できるとき>

障害年金を受けることができる障害の程度に該当すれば、今まで支払いの止まっていた年金が支払われます。

この場合には、近くの年金事務所または街角の年金相談センターに届け出ます。

届には、氏名、生年月日、年金証書に記載されている基礎年金番号と年金コード、けがや病名などを記入して診断書を添えて提出します。

 

※これらの手続きに必要な用紙は、国民年金を受けている人の場合、市区役所または町村役場の国民年金の窓口でも受け取れます。

 

<ねんきんダイヤル>

一般的な年金相談に関する問い合わせや、窓口での相談の予約も受けています。 ねんきんダイヤル 0570-05-1165

( 050で始まる電話からかける場合 03-6700-1165

 

受付時間

月曜日は午前8時半から午後7

火曜日から金曜日は午前8時半から午後515

第2土曜日は午前9時半から午後4

※月曜日が祝日の場合は、翌日以降の開所日初日に午後7時まで相談を受けています。

※第2土曜日を除く祝日及び1229日から13日はお休みです。

 

2017.10.07.現在

<過労死等防止対策白書とは>

平成29年10月6日に、政府が過労死等防止対策推進法に基づき、「過労死等防止対策白書」(正式には「平成29年度 我が国における過労死等の概要及び政府が過労死等の防止のために講じた施策の状況」)を閣議決定しました。

その具体的な内容は、厚生労働省ホームページからダウンロードできます。

政府刊行物センターなどで販売されるのは、10月下旬からの予定となっています。

 

過労死等防止対策推進法(平成26年法律第100号)

(年次報告)

第6条 政府は、毎年、国会に、我が国における過労死等の概要及び政府が過労死等の防止のために講じた施策の状況に関する報告書を提出しなければならない。

 

この条文によると、行政府である内閣が、国民の代表者で構成される国会に対して、我が国における過労死等の状況と政府が講じた対策を報告するものであることがわかります。

 

<過労死等防止対策>

厚生労働省では、「過労死をゼロにし、健康で充実して働き続けることのできる社会」の実現に向け、引き続き過労死等防止対策に取り組んでいくとしています。

ここで「過労死等」というのは、業務における過重な負荷による脳血管疾患もしくは心臓疾患を原因とする死亡、もしくは業務における強い心理的負荷による精神障害を原因とする自殺による死亡またはこれらの脳血管疾患、心臓疾患、精神障害と定義されています。

マスコミなどで報道されている場合には、「過労死」という言葉が使われていても、必ずしも定義が明確ではないので注意が必要です。

 

<政府の設定した目標>

政府は平成27年7月24日に、過労死等の防止のための対策を効果的に推進するため、「過労死等の防止のための対策に関する大綱」を閣議決定しました。

その中で、具体的な目標が次のように設定されています。

 

週労働時間60時間以上の雇用者の割合を5%以下にする(平成32年まで)

一般の事業では、法定の週労働時間が40時間ですから、1週間の法定外残業時間を20時間未満にしようということです。

 

・年次有給休暇取得率を70%以上にする(平成32年まで)

労働基準法に定められている年次有給休暇について、付与された日数の70%以上を取得させるということです。

 

・メンタルヘルス対策に取り組んでいる事業場の割合を80%以上にする(平成29年まで)

大企業では対策が進んでいますが、80%以上というのは頭数が基準ではなく事業場数が基準ですから、中小企業にも対策が求められていることになります。

 

これらの目標が、行政府である内閣から、国民の代表者で構成される国会に対して示されたということは、もし目標が達成できなければ、政府は国民に対して政治責任を負うということです。

 

政府が労働関係の政策を推進する場合、一般には次の手順で行っていると思います。

1. 国民に周知するための広報を強化する。

2. 国会に企業の努力義務を定める法案を提出して成立させる。

3. 罰則付きの法的義務を定める改正法案を提出して成立させる。

4. 指導と取締りを強化し、罰則の適用を厳格にしていく。

 

今回のように目標の期限がタイトな場合には、手順が省略されて急ピッチで進められることもあります。

各企業は法改正の動向に敏感に反応し、ある程度先回りして対応の計画・準備をすることが必要になります。

 

<ここも社労士(社会保険労務士)の出番>

各企業が法改正に先回りして対応するというのはむずかしいと思います。

現状で、次のような問題を抱えている企業は、信頼できる国家資格者の社労士にご相談ください。

・月間80時間以上の残業が当たり前になっている社員がいる。

・労働時間の把握が不正確な社員がいる。

・社員が年次有給休暇を取得できていない。

・経営者がメンタルヘルス対策について具体的な宣言をしていない。

 

2017.10.07.解決社労士

<アルバイトを始める前に労働条件を確認>

働き始めてから、「最初に聞いた話と違っていた」ということにならないように、会社から契約書など書面をもらい、労働条件をしっかり確認しましょう。特に次の6項目については必ず確認しましょう。

・契約はいつまでか(労働契約の期間に関すること)

・契約期間の定めがある契約を更新するときのきまり(更新があるか、更新する場合の判断のしかたなど)

・どこでどんな仕事をするのか(仕事をする場所、仕事の内容)

・勤務時間や休みはどうなっているのか(仕事の始めと終わりの時刻、 残業の有無、休憩時間、休日・ 休暇、 交替制勤務のローテーションなど)

・バイト代(賃金)はどのように支払われるのか(バイト代の決め方、計算と支払いの方法、支払日)

・辞めるときのきまり(退職・解雇に関すること)

※労働条件を確認する書類には、雇用契約書、労働契約書の他に、雇い入れ通知書、労働条件通知書などがあります。

 

<バイト代は、毎月、決められた日に、全額支払われるのが原則>

労働基準法では、バイト代などの賃金について「賃金の支払いの5原則」というルールがあります。バイト代は、通貨で、全額を、労働者に直接、毎月1回以上、 一定の期日に 支払われなければなりません。

また、バイト代などの賃金は都道府県単位ごとに「最低賃金」が定められており、これを下回ることはできません。

 

<ペナルティによる減給の制限>

遅刻を繰り返すなどにより職場の秩序を乱すなどの規律違反をしたことを理由に、就業規則に基づいて、制裁として、本来受けるべき賃金の一部が減額されることがあります(これを減給といいます)。

しかし、事業主(会社)は規律違反をした労働者に対して無制限に減給することはできません。

1回の減給金額は平均賃金の1日分の半額を超えてはなりません。

また、複数にわたって規律違反をしたとしても、減給の総額が一賃金支払期における金額(月給制なら月給の金額)の10分の1以下でなくてはなりません。

 

<アルバイトでも残業手当があります>

労働基準法では、法定労働時間を超えて残業をさせる場合、事業主はあらかじめ、労使協定(「36(さぶろく)協定」)を締結し、所轄の労働基準監督署長に届け出なければなりません。

また、残業に対しては、割増賃金 (残業手当)を次のように支払うよう定めています。

・1日8時間または週40時間を超えた場合は、通常の賃金の25%以上の割増賃金

※ 労働者10人未満の商業、接客娯楽業等は週44時間

・1か月に60時間を超える残業の割増率は50%(ただし、中小企業は猶予)

午後10時から午前5時までに働いた場合は25%以上の割増賃金(深夜手当)が支払われます。

(満18歳になるまでは、午後10時から午前5時までの時間帯に働けません。)

 

<アルバイトでも条件を満たせば有給休暇が取れる>

年次有給休暇とは、あらかじめ働くことになっている日に仕事を休んでも、賃金がもらえる休暇のことで、いわゆる 「有休」や「年休」のことです。

年次有給休暇は、正社員、パート、アルバイトなどの働き方に関係なく、次の条件を満たす場合、取ることができます。

・週1日以上または年間48日以上の勤務

・雇われた日から6か月以上継続勤務

・決められた労働日数の8割以上出勤

 

<アルバイトでも仕事中のけがは労災保険が使える>

正社員、アルバイトなどの働き方に関係なく、また、1日だけの短期のアルバイトも含めて、労災保険の対象です。

仕事が原因の病気やけが、通勤途中の事故で病院に行くときは、健康保険を使えません。※健康保険証を提示しないことになります。

病院で受診するときに、 窓口で労災保険を使うことを申し出てください。

原則として治療費は無料となります。

また、仕事が原因のけがなどで仕事を休み、バイト代をもらえない場合は、休業補償制度があります。

 

<アルバイトでも会社の都合で自由に解雇はできない>

アルバイトだからといって、簡単に解雇できるものではありません。解雇は、会社がいつでも自由に行えるというものではなく、社会の常識に照らして納得が得られる理由が必要なのです。

 

<困ったときの相談窓口>

アルバイトをして労働条件など、労働関係で困った場合は、全国の労働局や労働基準監督署などにある「総合労働 相談コーナー」にご相談ください。

相談は無料です。

また、夜間・土日の相談は、「労働条件相談ほっとライン」 を活用してください。

 

労働条件相談ほっとライン

0120-811-610

月~金:午後5時~午後10時

土・日:午前10時~午後5時

 

2017.10.06.現在

<過重労働解消キャンペーンの実施>

厚生労働省が「過重労働解消キャンペーン」を11月に実施します。

 

実施期間 平成29年11月1日(水)から11月30日(木)までの1か月間

 

平成28年6月に閣議決定された「ニッポン一億総活躍プラン」や平成29年3月に内閣総理大臣を議長とする「働き方改革実現会議」で決定された「働き方改革実行計画」で、働き方改革の実行・実現のため長時間労働の是正に向けた取組を強化する旨が盛り込まれるなど、長時間労働対策の強化が緊急課題となっています。

このため、厚生労働省では、「過労死等防止啓発月間」の一環として「過重労働解消キャンペーン」を11月に実施し、長時間労働の削減等の過重労働解消に向けた取組を推進するため、使用者団体・労働組合への協力要請、リーフレットの配布などによる周知・啓発等の取組を集中的に実施します。

 

<主な実施事項>

 

(1)労使の主体的な取組を促します

キャンペーンの実施に先立ち、使用者団体や労働組合に対し、長時間労働削減に向けた取組に関する周知・啓発等について、厚生労働大臣名による協力要請を行い、労使の主体的な取組を促します。また、都道府県労働局においても同様の取組を行います。

主体的な取組を促すのですから、自主的に行うことが期待されています。

 

(2)労働局長によるベストプラクティス企業への職場訪問を実施します

都道府県労働局長が長時間労働削減に向けた積極的な取組を行っている「ベストプラクティス企業」を訪問し、取組事例をホームページなどを通じて地域に紹介します。

ベスト(best)プラクティス(practice)= 最良の実践 ですから、「ベストプラクティス企業」というのは模範企業です。

 

(3)過重労働が行われている事業場などへの重点監督を実施します

ここでいう「監督」とは、調査して違法な点は是正を勧告し、違法ではないけれど不十分な点は改善を指導することです。

 

ア 監督の対象とする事業場等

 以下の事業場等に対して、重点監督を実施します。

 i 長時間にわたる過重な労働による過労死等に係る労災請求が行われた事業場等

長時間労働の一般的な基準は、法定労働時間を上回る労働時間が労災事故発生の直前1か月で100時間以上または直前2~6か月の平均で80時間以上とされています。

 ii労働基準監督署及びハローワークに寄せられた相談等から、離職率が極端に高いなど若者の「使い捨て」が疑われる企業等

若者の使い捨てを行う企業は、一般的にブラック企業と呼ばれます。

 

イ 重点的に確認する事項

 i  時間外・休日労働が「時間外・休日労働に関する協定届」(いわゆる36協定)の範囲内であるか等について確認し、法違反が認められた場合は是正指導します。

ここでいう時間外・休日労働は、所定労働時間・所定休日ではなくて法定労働時間・法定休日を基準に考えます。36協定の内容も法定労働時間・法定休日を基準としています。

 ii  賃金不払残業が行われていないかについて確認し、法違反が認められた場合は是正指導します。

特に「残業代込み」「年俸制」は適法な運用が難しいので注意が必要です。

iii 不適切な労働時間管理については、労働時間を適正に把握するよう指導します。

平成29年1月20日に「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」が新しくなっていますので再確認が必要でしょう。特に自己申告制の運用は簡単ではありません。

iv 長時間労働者に対しては、医師による面接指導等、健康確保措置が確実に講じられるよう指導します。

 

 ウ 書類送検

 重大・悪質な違反が確認された場合は、送検し、公表します。

ここでいう「公表」とは、厚生労働省のホームページで企業名と違反内容を公表することです。

  ※監督指導の結果、公表された場合や、1年間に2回以上同一条項の違反について是正勧告を受けた場合は、ハローワークにおいて、新卒者等を対象とした求人を一定期間受理しません。 また、職業紹介事業者や地方公共団体に対しても、ハローワークと同様の取組を行うようご協力をお願いしています。

 

(4)電話相談を実施します

フリーダイヤルによる全国一斉の「過重労働解消相談ダイヤル」を実施し、都道府県労働局の担当官が、相談に対する指導・助言を行います。

 

 0120-794-713(フリーダイヤル なくしましょう長い残業)

 平成29年10月28日(土)9:00~17:00

 

※「過重労働解消相談ダイヤル」以外にも、常時相談や情報提供を受け付けています。

 

ア 最寄りの都道府県労働局または労働基準監督署

(開庁時間 平日8:30~17:15)

 

 イ 労働条件相談ほっとライン【委託事業】

 0120-811-610(フリーダイヤルはい!労働)

 (相談受付時間:月~金17:00~22:00、土・日10:00~17:00)

 

http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11200000-Roudoukijunkyoku/0000088148.pdf

 

 ウ 労働基準関係情報メール窓口

 労働基準法等の問題がある事業場に関する情報をメールで受け付けています。

 

http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/mail_madoguchi.html

 

(5)キャンペーンの趣旨などについて周知・啓発を実施します

使用者等へのリーフレットの配布、広報誌、ホームページの活用により、キャンペーンの趣旨などについて広く国民に周知を図ります。

 

(6)過重労働解消のためのセミナーを開催します

企業における自主的な過重労働防止対策を推進することを目的として、9月から11月を中心に全国で合計66 回、「過重労働解消のためのセミナー」【委託事業】を開催します。

(無料でどなたでも参加できます。)

 

 http://partner.lec-jp.com/ti/overwork/

 

 <ここも社労士(社会保険労務士)の出番>

企業として心配なのは、このキャンペーン中に労働局や労働基準監督署の監督(調査)が入った場合や、従業員が相談窓口に何か申告した場合に、何を指摘されどんな指導を受けるかということでしょう。

社内の違法な部分や不十分なところについて、キャンペーン期間前にチェックしておいてはいかがでしょうか。

自社で実施するのが難しければ、信頼できる国家資格者の社労士にご相談ください。

 

2017.10.05.解決社労士

平成29925日に一般社団法人 日本経済団体連合会が公表した「働き方改革事例集」はこちらです↓

http://www.keidanren.or.jp/policy/2017/072.pdf

 

<働き方改革の始まり>

安倍晋三首相は20169月、内閣官房に「働き方改革実現推進室」を設置し働き方改革の取り組みを提唱しました。

 

このタイミングで一億総活躍社会を目標に設定したのは、生産年齢人口(1564歳)がハイペースで減少しているからです。

一億総活躍社会は「50年後も人口1億人を維持し、職場・家庭・地域で誰しもが活躍できる社会」とされています。

日本の人口は減少傾向にあるのですが、それでも50年後に1億人以上を維持したうえで、ひとり一人が活躍できる、言い換えれば社会に貢献できる社会にしようということです。

 

<働き方改革3つの課題>

働き方改革を実現するためには次の3つの課題があるとされています。

・長時間労働

・非正規と正社員の格差

・労働人口不足(高齢者の就労促進)

 

とはいえ、政府が主導すべき課題もありますから、企業が取り組むべき課題を整理すれば、次の3つに集約されると思います。

・労働条件の改善

・労働環境の改善

・労働生産性の向上

 

労働条件の改善と労働環境の改善は、会社の魅力度を高め求人に対する応募者を増やし、従業員の定着率を高めることに直結します。

労働生産性の向上は、従業員の頭数が少なくても「労働力」の不足が発生しないように、従業員の能力を高めたり、能力の発揮度を高めたりするものです。

 

働き方改革の課題というのは、人手不足解消法の実行ということになるでしょう。

 

<中小企業の働き方改革>

経団連の働き方改革事例集に登場する企業は、大企業やその関連企業ばかりが目立ちます。

ですから、中小企業がこれをこのまま真似できるわけではありません。

中小企業が働き方改革を進めるには、その目的と期待される効果を確認し続けることが必要です。

「人手不足の解消」が目的であり、「人手不足の解消」が期待できない施策では、働き方改革にはなりません。

この目的を見失うと、単なる経費削減であったり、働き方改革を推進する部署の負担を現場に押し付けたりになりかねません。

こんなことでは、その企業で働きたいと思う人は減ってしまうでしょう。

 

社内で担当者や担当部署を決めて働き方改革(人手不足の解消)を進めようと思っても、自分たちの利害を抜きにして、目的に向かって真っすぐ進むことは難しいものです。

働き方改革に着手する前に、ぜひ信頼できる国家資格者の社労士にご相談ください。

 

2017.10.04.解決社労士

<企業が取り組むべき課題>

広い視点から、企業が取り組むべき課題を整理すれば、次の3つに集約されると思います。

 

・労働条件の改善 ・労働環境の改善 ・労働生産性の向上

 

建設業は危機的な人手不足の状態にあります。それは採用が困難だからです。

採用できないのは、応募者がいないからであり、応募者がいないのは労働条件労働環境が他の業界よりも好ましくないからです。

 

貴重な応募者も、働き手としての資質や意欲は企業の期待通りではありません。

他の業界で採用されない人が、建設業界に応募してくるというケースが多くなっています。

その結果、新人が給料に見合った働きをしてくれません。労働生産性が低い新人が多いのです。

 

<たとえば休日は>

労働基準法には、休日について次の規定があります。

 

第三十五条 使用者は、労働者に対して、毎週少くとも一回の休日を与えなければならない。

2 前項の規定は、四週間を通じ四日以上の休日を与える使用者については適用しない。

 

ところが、国土交通省の「建設業における働き方改革」という資料によれば、建設工事全体では、約65%が44休以下で就業している状況です。

また工事全体で、4週当たりの休暇日数は平均4.60日だそうです。

これらの数字は、日建協「2015時短アンケート」を基に作成されていますので、実態はもっと深刻なのかもしれません。

週休2日が当り前だと思っている労働者は、あえて建設業界に転職しようとは思わないように思われます。

 

<労働時間の規制>

建設業では、特例により労働時間の規制が緩くなっています。

そこで、政府の働き方改革実行計画では、建設業だけの特別扱いをやめて、他の業界と同じ規制にしようとしています。

 

(現行の適用除外等の取扱)

現行制度で適用除外となっているものの取り扱いについては、働く人の視点に立って働き方改革を進める方向性を共有したうえで、実態を踏まえて対応の在り方を検討する必要がある。

建設事業については、限度基準告示の適用除外とされている。これに対し、今回は、罰則付きの時間外労働規制の適用除外とせず、改正法の一般則の施行期日の5年後に、罰則付き上限規制の一般則を適用する(ただし、復旧・復興の場合については、単月で100時間未満、2か月ないし6か月の平均で80時間以内の条件は適用しない)。併せて、将来的には一般則の適用を目指す旨の規定を設けることとする。5年後の施行に向けて、発注者の理解と協力も得ながら、労働時間の段階的な短縮に向けた取組を強力に推進する。

 

<中小企業での取引条件の改善>

中小企業は、取引関係では弱い立場にありますが、建設業では特に弱い者いじめの危険にさらされています。

そこで、政府の働き方改革実行計画では、建設業の中小企業を支援する取り組みを計画しています。

ただ、何をどれだけ支援してくれるのかは、具体的に明らかになっていません。

 

(取引条件改善など業種ごとの取組の推進)

取引関係の弱い中小企業等は、発注企業からの短納期要請や、顧客からの要求などに応えようとして長時間労働になりがちである。商慣習の見直しや取引条件の適正化を、一層強力に推進する。

建設業については、適正な工期設定や適切な賃金水準の確保、週休2日の推進等の休日確保など、民間も含めた発注者の理解と協力が不可欠であることから、発注者を含めた関係者で構成する協議会を設置するとともに、制度的な対応を含め、時間外労働規制の適用に向けた必要な環境整備を進め、あわせて業界等の取組に対し支援措置を実施する。また、技術者・技能労働者の確保・育成やその活躍を図るため制度的な対応を含めた取組を行うとともに、施工時期の平準化、全面的なICTの活用、書類の簡素化、中小建設企業への支援等により生産性の向上を進める。

 

<ここも社労士(社会保険労務士)の出番>

人手不足は今の今問題なのであり、次の3つの課題は、政策の実行を待たずに各企業が独自に取り組まなければ体力がもちません。

 

・労働条件の改善 ・労働環境の改善 ・労働生産性の向上

 

残された体力で何をどうすべきか、信頼できる国家資格者の社労士にご相談ください。

 

2017.10.03.解決社労士

<働き方改革の始まり>

安倍晋三首相は20169月、内閣官房に「働き方改革実現推進室」を設置し働き方改革の取り組みを提唱しました。

 

このタイミングで一億総活躍社会を目標に設定したのは、生産年齢人口(1564歳)がハイペースで減少しているからです。

一億総活躍社会は「50年後も人口1億人を維持し、職場・家庭・地域で誰しもが活躍できる社会」とされています。

日本の人口は減少傾向にあるのですが、それでも50年後に1億人以上を維持したうえで、ひとり一人が活躍できる、言い換えれば社会に貢献できる社会にしようということです。

 

<働き方改革3つの課題>

働き方改革を実現するためには次の3つの課題があります。

・長時間労働

・非正規と正社員の格差

・労働人口不足(高齢者の就労促進)

 

企業-労働者間の労働契約の内容は本来自由ですが、弱者である労働者を保護するという要請から、労働基準法などにより企業に様々な制約が課され、労働契約に対して法的な介入がなされています。

働き方改革は、このような労働契約に対する介入ではなく、政府から企業に対する提言の形をとっています。

それは、企業に対して法的義務を課さなくても、企業が積極的に働き方改革を推進しなければ生き残れないので、義務付けるまでもないということなのでしょう。

 

とはいえ、働き方改革には政府が推進すべき内容と企業が取り組むべき内容が混在しています。

より広い視点から、企業が取り組むべき課題を整理すれば、次の3つに集約されると思います。

 

・労働条件の改善 ・労働環境の改善 ・労働生産性の向上

 

これらは、現在の労働市場の実態からすれば、わざわざ政府から言われなくても、企業は積極的に取り組むべき内容です。

 

<労働条件の改善>

給与や賞与が高額であり、労働時間が短くて十分な睡眠が確保でき、休暇も取れるとなれば、働きたい人が押し寄せます。

さらに、教育研修が充実していて人事考課制度が適正であれば、専業主婦やニートも働きたくなって当然です。

これによって、出生率も上がり人口減少にも歯止めがかかるでしょう。

 

<労働環境の改善>

温度、湿度、明るさ、換気、騒音、スペースの広さ、機械化の充実など物理的な環境も大事ですが、パワハラやセクハラがなくて部下から見てもコミュニケーションが十分と思えるような環境であれば、人が集まって当然でしょう。

採用難の時代でも、労働条件と労働環境が良い職場には、就職希望者が途絶えることはないのです。

 

<労働生産性の向上>

労働条件や労働環境の改善は、企業にそれなりの余裕がなければできません。

そのためには、労働生産性を向上させ、企業の収益力を高めなければなりません。

しかし、労働生産性を高めるには、労働条件や労働環境を改善して、良い人材を確保し育てなければなりません。

このように、労働条件や労働環境の改善と労働生産性の向上は、鶏と卵の関係にあるのです。

 

<ここも社労士(社会保険労務士)の出番>

以上のことから、働き方改革が企業の生き残りのために必須であること、できるところから少しずつではなく、総合的に同時進行で行うべきことが明らかになったと思います。

どのように計画し推進すべきか、迷うところがあれば、信頼できる国家資格の社労士にご相談ください。

 

2017.10.02.解決社労士

<年末調整とは>

会社などは、役員や従業員に対して給与を支払う際に、所得税と復興特別所得税の源泉徴収を行っています。

しかし、その年1年間に給与から源泉徴収をした所得税と復興特別所得税の合計額は、必ずしもその人が1年間に納めるべき税額とはなりません。

なぜなら、給与から控除している所得税と復興特別所得税は、概算額であって確定額ではないからです。

このため、1年間に源泉徴収をした所得税と復興特別所得税の合計額と1年間に納めるべき所得税と復興特別所得税額を一致させる必要があります。

この手続を年末調整といいます。

 

<年末調整の手順>

年末調整は、その人に1年間に支払うべきことが確定した給与の額を合計して、次の順序で行います。

1 その年の11日から1231日までの間に支払うべきことが確定した給与の合計額から給与所得控除後の給与の額を求めます。

(給与所得控除後の給与の額は、「年末調整等のための給与所得控除後の給与等の金額の表」で求めます。)

2 給与所得控除後の給与の額から扶養控除などの所得控除を差し引きます。

3 この所得控除を差し引いた金額(1,000円未満切捨て)に、所得税の税率を当てはめて税額を求めます。

4 年末調整で住宅借入金等特別控除を行う場合には、この控除額を税額から差し引きます。

5 この控除額を差し引いた税額に102.1%をかけた税額(100円未満切捨て)が、その人が1年間に納めるべき所得税及び復興特別所得税になります。

6 源泉徴収をした所得税及び復興特別所得税の合計額が1年間に納めるべき所得税及び復興特別所得税額より多い場合には、その差額の税額を還付します。

逆に、源泉徴収をした所得税及び復興特別所得税の合計額が1年間に納めるべき所得税及び復興特別所得税額より少ない場合には、その差額の税額を徴収します。

年末調整の対象となる人は、「給与所得者の扶養控除等申告書」を提出している人です。

ただし、2,000万円を超える給与の支払を受ける人は、年末調整の対象になりません。

 

2017.10.01.解決社労士

<東京労働局からのお知らせ>

東京労働局職業安定部から、次のお知らせが出されています。

 

平成29930日以降、平成29年度地域別最低賃金額が順次発効されることから、都内ハローワークにおいて受理する求人については、最低賃金額を下回る(法令違反状態にある)求人の公開を一時停止いたします。

 求人申込みをされている事業主の皆さまには、現在公開中の求人についてご確認いただき、就業場所における最低賃金額を下回る場合につきましては、求人提出先ハローワークにて、賃金額の変更を行っていただきますようお願いいたします。

 

東京都の最低賃金は、平成29年10月1日から958円(時間額)です。

これは時間額で示されていますが、時間給の場合だけでなく、日給、月給、年俸制などすべての労働者に適用されます。

適用されるのは、101日勤務分の給与からとなります。

給与計算の締日が毎月末日でない場合には、日割り計算が大変ですから、前回の締日の翌日にさかのぼって昇給するのが一般でしょう。

 

<最低賃金額以上かどうかを確認する方法>

厚生労働省は、ホームページに次の説明を公開しています。

 

支払われる賃金が最低賃金額以上となっているかどうかを調べるには、最低賃金の対象となる賃金額と適用される最低賃金額を以下の方法で比較します。

 

(1) 時間給制の場合

時間給≧最低賃金額(時間額)

 

(2) 日給制の場合

日給÷1日の所定労働時間≧最低賃金額(時間額)

 

ただし、日額が定められている特定(産業別)最低賃金が適用される場合には、

 

日給≧最低賃金額(日額)

 

(3) 月給制の場合

月給÷1箇月平均所定労働時間≧最低賃金額(時間額)

 

(4) 出来高払制その他の請負制によって定められた賃金の場合

出来高払制その他の請負制によって計算された賃金の総額を、当該賃金計算期間に出来高払制その他の請負制によって労働した総労働時間数で除して時間当たりの金額に換算し、最低賃金額(時間額)と比較します。

 

(5) 上記(1)(2)(3)(4)の組み合わせの場合

例えば、基本給が日給制で、各手当(職務手当など)が月給制などの場合は、それぞれ上記(2)、(3)の式により時間額に換算し、それを合計したものと最低賃金額(時間額)を比較します。

 

<最低賃金違反の罰則と企業名の公表>

最低賃金制度とは、最低賃金法に基づき国が賃金の最低限度を定め、使用者は、その最低賃金額以上の賃金を支払わなければならないとする制度です。

仮に最低賃金額より低い賃金を労働者、使用者双方の合意の上で定めても、それは法律によって無効とされ、最低賃金額と同額の定めをしたものとされます。

したがって、最低賃金未満の賃金しか支払わなかった場合には、最低賃金額との差額を支払わなくてはなりません。

また、地域別最低賃金額以上の賃金額を支払わない場合には、最低賃金法に罰則(50万円以下の罰金)が定められています。

この罰則は実際に適用されていますし、厚生労働省のホームページで企業名が公表されています。PDFファイルで表示されていますから保存も印刷も簡単です。

こうなると対象企業は、金融機関や取引先そしてお客様からの信頼を失いますし、求人広告を出してもワケアリの応募者しか来ないのではないでしょうか。

 

2017.09.30.解決社労士

<かつて流行った広告>

「社会保険料(厚生年金保険料と健康保険料)を大幅に削減!」

こんな広告が流行っていた時期がありました。

その多くは、社労士(社会保険労務士)が出していたものです。

社会保険料を削減するということは、会社の負担も社会保険に加入している社員の負担も減ります。

社労士に報酬を支払ってでも、社会保険料を削減するのは得だという話でした。

その具体的な手法は、法による規制をかいくぐって行う脱法行為が中心でした。

 

<厚生労働省の対応>

社会保険料(厚生年金保険料と健康保険料)が予定通りに集まらなければ、年金制度や健康保険制度の維持に支障が出るかもしれません。

ですから、脱法行為による社会保険料の削減を厚生労働省が放置するわけがないのです。

結局、脱法行為が増えるたびに、厚生労働省が社会保険料の計算ルールを追加して、その脱法行為ができないようにしていったのです。

こうして「大幅に削減!」の効果は失われていきました。

 

<保険のしくみ>

厚生年金保険も健康保険も「保険」です。

保険というのは、保険料に見合った補償(給付)が行われるものです。

特に、社会保険(厚生年金保険と健康保険)は保険者を選ぶことができません。

保険契約の内容も、制度として法定されています。

保険料を「大幅に削減!」すれば、社会保険に加入している社員への補償(給付)も削減されるわけです。

 

<不当な保険料削減のリスク>

社会保険に加入している社員が将来もらう老齢厚生年金には、支払った保険料が反映されています。

もし、会社が違法なことをして少なめの保険料しか納めていなかったなら、老齢厚生年金も少なめになります。

こうした社員は、老齢厚生年金の受給額が不当に少ないと気付いたら、会社を訴えようとするかもしれません。

しかし、気付くまでに長い年数が経過して時効の壁があるでしょうし、会社が無くなっているかもしれません。

 

厚生年金保険に加入している社員が障害者になってしまい、障害厚生年金を受給するときに、受給額が不当に低いと気付けば、その時点で会社を訴えるかもしれません。

厚生年金保険に加入している社員が万一亡くなって、遺族が遺族厚生年金を受給するようになれば、遺族が会社を訴えるかもしれません。

 

健康保険に加入している社員が、プライベートの病気やケガで入院したような場合には、休業期間の賃金を補償するため傷病手当金が支給されます。

この支給額は、健康保険料が少なければ、それだけ少なくなってしまいます。

健康保険に加入している社員が、産休を取った場合にも、休業期間の賃金を補償するため出産手当金が支給されます。

この支給額も、健康保険料が少なければ、それだけ少なくなってしまいます。

病気、ケガ、出産をきっかけに退職を考える社員もいるでしょう。この場合には、会社を訴えたい気持ちも強くなると思われます。

 

<社会保険料削減の方法>

社会保険料は、入社月について丸々1か月分が徴収されますから、1日に入社しても月末に入社しても保険料は同額です。

中途採用であっても、入社日は1日にするのがお得です。

 

社会保険料は、社会保険の資格を失った月の前月分までが徴収されます。たとえば退職の場合、資格を失うのは退職日の翌日です。

ですから、月末に退職すると翌月1日に資格を失うことになり、退職月の分まで保険料を徴収されることになります。

これが、月末以外の日に退職すれば、その月のうちに資格を失うことになりますから、退職月の保険料は発生しません。

退職は月末の1日前にするのがお得です。

 

社会保険料は、毎年4月から6月の給与支給額をもとに計算するのが原則となっています。

毎年4月から6月に支給される給与の計算期間は残業を減らしましょう。

たとえば、毎月末日締め切り翌月10日支払いの給与であれば、毎年3月から5月までの残業を減らすことになります。

また、昇給は7月支給分からにして、毎年4月から6月に支給される給与の増額を避けるという手もあります。

 

他にも、賞与の一部を退職金の積み立てに回すなど、使える手段は数多くあります。

 

<ここも社労士(社会保険労務士)の出番>

それでも、次のことを忘れてはいけません。

保険というのは、保険料に見合った補償(給付)が行われるものです。

ですから、保険料の削減は、どうやっても補償(給付)の減少に結びつきます。

このことをよく理解したうえで、会社と社員とがよく話し合い理解したうえで、実行に移すことが大事です。

また、適法に行うには、信頼できる国家資格者の社労士へのご相談をお勧めします。

 

2017.09.29.解決社労士

<税額表とは>

給与等を支払うときに源泉徴収する税額は、その支払の都度、「給与所得の源泉徴収税額表」を使って求めます。

この税額表には、「月額表」「日額表」「賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表」の3種類があります。

 

<月額表を使う場合>

「月額表」を使うのは、給与を毎月支払う場合と月や旬を単位にして支払う場合です。

半月ごとや10日ごと、3か月ごと、半年ごとなどに給与を支払う場合には、「月額表」を使います。

 

<日額表を使う場合>

「日額表」を使うのは、働いたその日ごとに給与を支払う場合と、1週間ごとに支払う場合です。

ただし、給与を日割り計算して支払う場合にも「日額表」を使います。

 

<賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表を使う場合>

「賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表」は、賞与、ボーナス等を支払うときに使います。

ただし、前月中に支払うべき給与がない場合と賞与、ボーナス等の金額が前月中の給与の金額の10倍を超える場合には「月額表」を使います。

 

<甲欄、乙欄、丙欄>

源泉徴収をする所得税と復興特別所得税は、使う税額表に記載されている「甲欄」「乙欄」「丙欄」のいずれかで税額を求めます。

「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」が提出されている場合には「甲欄」、提出がない場合には「乙欄」で税額を求めます。

また、「丙欄」は「日額表」だけにあり、日雇いの人や短期間雇い入れるアルバイトなどに一定の給与を支払う場合に使います。

 

2017.09.28.解決社労士

<賞与の定義>

賞与とは、定期の給与とは別に支払われるもので、賞与、ボーナス、夏期手当、年末手当、期末手当等の名目で支給されるもの、その他これらに類するものをいいます。

なお、次のようなものは賞与に該当するものとされます。

・純益を基準として支給されるもの

・あらかじめ支給額または支給基準の定めのないもの

・あらかじめ支給期の定めのないもの。(臨時雇いを除く)

・法人税法34条1項2号「事前確定届出給与」に規定する給与

・法人税法34条1項3号に規定する利益連動給与

 

<原則的な計算方法>

賞与から源泉徴収する所得税と復興特別所得税は、「賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表」の「給与所得者の扶養控除等申告書」を提出している場合は甲欄、提出していない場合は乙欄を使用して次のように計算します。

1. 前月の給与から社会保険料等を差し引きます。

2. 上記1.の金額と扶養親族等の数を「賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表」に当てはめて税率(賞与の金額に乗ずべき率)を求めます。

3. (賞与から社会保険料等を差し引いた金額)×上記2.の税率

この金額が、賞与から源泉徴収する税額になります。

 

<例外1:賞与が前月の給与の10倍を超える場合>

前月の給与の金額(社会保険料等を差し引いた金額)の10倍を超える賞与(社会保険料等を差し引いた金額)を支払う場合には、月額表を使って次のように計算します。

イ (賞与から社会保険料等を差し引いた金額)÷6

ロ イ+(前月の給与から社会保険料等を差し引いた金額)

ハ ロの金額を「月額表」に当てはめて税額を求める。

ニ ハ-(前月の給与に対する源泉徴収税額)

ホ ニ×6

この金額が賞与から源泉徴収する税額になります。

ただし、賞与の計算期間が半年を超える場合には、賞与から社会保険料等を差し引いた金額を12で割って同じ方法で計算します。

そして、求めた金額を12倍したものが源泉徴収する税額になります。

 

<例外2:前月に給与の支払いがない場合>

前月に給与の支払いがない場合には、月額表を使って次のように計算します。

イ (賞与から社会保険料等を差し引いた金額)÷6

ロ イの金額を「月額表」に当てはめて税額を求める。

ハ ロ×6

この金額が賞与から源泉徴収する税額になります。

ただし、賞与の計算期間が半年を超える場合には、賞与から社会保険料等を差し引いた金額を12で割って同じ方法で計算します。

そして、求めた金額を12倍したものが源泉徴収する税額になります。

 

2017.09.27.解決社労士

<主たる給与と従たる給与>

ダブルワークで2つの会社から給与をもらっている人がいます。

この場合には、その人に支払う給与が主たる給与になるか、従たる給与になるか確認が必要です。

主たる給与とは、税法上は「給与所得者の扶養控除等申告書」を提出している人に支払う給与をいいます。

そして、従たる給与とは、主たる給与の支払者以外の給与の支払者が支払う給与をいいます。

 

<従たる給与についての扶養控除等申告書>

「従たる給与についての扶養控除等申告書」は、2つ以上の給与の支払者から給与の支払を受ける人で、主たる給与の支払者から支給されるその年中の給与所得控除後の給与等の金額が、次の1.と2.の金額の合計額に満たないと見込まれる人が、主たる給与の支払者以外の給与の支払者のもとで配偶者控除や扶養控除を受けるために提出するものです。

1.主たる給与の支払者から支給される給与につき控除される社会保険料等の額

2.その人の障害者控除額、寡婦(寡夫)控除額、勤労学生控除額、配偶者控除額、扶養控除額および基礎控除額の合計額

 

<申告替え>

主たる給与の支払者に申告した控除対象配偶者や控除対象扶養親族を、年の中途で従たる給与の支払者に申告替えすることはできます。

しかし、従たる給与の支払者に申告した控除対象配偶者や控除対象扶養親族を年の中途で主たる給与の支払者に申告替えすることはできません。

 

<源泉徴収税額>

主たる給与を支払う場合の源泉徴収税額は、税額表の「甲欄」で求めます。

従たる給与を支払う場合の源泉徴収税額は、税額表の「乙欄」で求めます。

ただし、「従たる給与についての扶養控除等申告書」を提出している人については、「乙欄」で求めた税額から次の金額を差し引きます。

・月額表を使う場合 控除対象扶養親族など一人につき1,610円

・日額表を使う場合 控除対象扶養親族など一人につき50円

なお原則として、従たる給与については年末調整ができませんので、所得者本人が確定申告することにより所得税と復興特別所得税の精算を行う必要があります。

 

2017.09.26.解決社労士

<源泉徴収義務者>

会社や個人が、人を雇って給与を支払ったり、税理士、弁護士、司法書士、社会保険労務士などに報酬を支払ったりする場合には、その支払の都度、支払金額に応じた所得税と復興特別所得税を差し引くことになっています。

そして、差し引いた所得税と復興特別所得税は、原則として、給与などを実際に支払った月の翌月の10日までに国に納めなければなりません。

この所得税と復興特別所得税を差し引いて、国に納める義務のある者を源泉徴収義務者といいます。

 

<個人が源泉徴収義務者にならない場合>

個人のうち、次の2つのどちらかに当てはまる人は、源泉徴収をする必要はありません。

・常時2人以下のお手伝いさんなどのような家事使用人だけに給与や退職金を支払っている人

・ 給与や退職金の支払がなく、社会保険労務士などの報酬・料金だけを支払っている人

たとえば、給与所得者が確定申告をするため税理士に報酬を支払っても、源泉徴収をする必要はありません。

 

<新たに源泉徴収義務者となる場合>

会社や個人が、国内で新たに給与の支払を始めて、源泉徴収義務者になる場合には、「給与支払事務所等の開設届出書」を、給与支払事務所等を開設してから1か月以内に提出することになっています。

この届出書の提出先は、給与を支払う事務所、事業所その他これらに準ずるものなどの所在地を所轄する税務署長です。

ただし、個人が新たに事業を始めたり、事業を行うために事務所を設けたりした場合には、「個人事業の開業等届出書」を提出することになっていますので「給与支払事務所等の開設届出書」を提出する必要はありません。

 

2017.09.25.解決社労士

<解雇は無効とされやすい>

会社が社員に解雇を通告しても、それが解雇権の濫用であれば無効になります。これを不当解雇といいます。解雇したつもりになっているだけで、解雇できていないので、対象者が出勤しなくても、それは会社側の落ち度によるものとされ、賃金や賞与の支払義務が消えません。会社にとっては、恐ろしい事態です。

出来てからまだ10年も経っていない労働契約法という法律に次の規定があります。

 

(解雇)

第十六条   解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする。

 

大変抽象的な表現ですから、いかようにも解釈できそうです。しかし、正しい解釈の基準は裁判所の判断です。

そして、裁判所の判断によれば、解雇権の濫用は簡単に認定されます。つまり、多くの場合、不当解雇が認定されます。

 

<解雇の有効性チェックリスト>

過去の裁判所の判断例から、以下にチェックリストを示します。

ほとんどの項目にチェックマークが入るケースならば、解雇の有効性が肯定されやすいといえるでしょう。

 

□ 解雇の理由が労働契約の継続を期待し難いほど重大なものである

□ 労働契約で約束した能力や資質と実際とが大きく食い違う

□ 教育しても労働者の能力の向上が期待できない

□ 配転や降格では対応できない

□ 教育指導を十分に行ってきた

□ 上司や教育担当が十分な対応を行ってきた

□ 解雇までの経緯や動機に隠された意図や恣意が認められない

□ 解雇の手続きは就業規則に定めた通りに行った

□ 対象者と話し合い、言い分も聞いたうえで決定した

□ 対象者の会社に対する功績や貢献度が低い

□ 勤続年数は短い

□ 対象者は解雇されても再就職が容易である

□ 他の従業員に対する処分とのバランスはとれている

□ 対象者に対して、より軽い懲戒処分で対応した過去がある

 

<ここも社労士(社会保険労務士)の出番>

こうして見ると、しろうとでは判断が困難な項目も含まれています。

また、チェックマークを入れられる状態にするには、日頃の準備が必要な項目もあります。

問題社員が増加傾向にある今、会社を守るための準備を進めるには、信頼できる国家資格者の社労士にご相談ください。

 

2017.09.24.解決社労士

<厚生労働省による緊急要請>

厚生労働省は、平成29年の労働災害による死亡者数(1月~8月の速報値)が対前年比で増加し、特に8月に急増したことを受け、平成29年9月22日、労働災害防止団体や関係事業者団体に対し、職場における死亡災害撲滅に向けた緊急要請を行いました。

9月20日に公表した、平成29年の労働災害発生状況(1月~8月の速報値)では、死亡者数が対前年比9.6%(49人)の増加、休業4日以上の死傷者数が対前年比0.9%(600人)の増加となりました。また、8月単月の死亡者数は66人となり、対前年同月比57.1%(24人)の大幅な増加となっています。

ここ数年は、労働災害による死亡者数が減少傾向にありました。医学の発達により、以前は救われなかった命が救われるようになったという要因もあります。それにもかかわらず死亡事故が増加するというのは、まさに緊急事態だと思われます。

 

<緊急要請のポイント>

労働災害防止団体、関係事業者団体(約250団体)に対して、厚生労働省労働基準局安全衛生部長名で緊急要請を行いました。

 

(1)産業界全体に対する企業の安全衛生活動の総点検などの要請

労使・関係者が一体となって、基本的な安全管理の取組をはじめとする以下の労働災害防止活動の徹底を要請。

・安全作業マニュアルの遵守状況を確認するなど、職場内の安全衛生活動の総点検を実施すること

・安全管理者、安全衛生推進者、安全推進者等を選任し、その職務を確実に遂行させるなど、事業場の安全管理体制を充実すること

・雇入れ時教育等を徹底するなど、効果的な安全衛生教育を実施すること

 

(2)死亡者数が増加している業種での取組のポイントを明示

 特に死亡者数が増加している業種(建設業、陸上貨物運送事業、林業、製造業)での労働災害防止ための取組のポイントは以下のとおり。

 

(建設業)

・労働者の立ち入り制限や誘導員の配置など、車両系建設機械などとの接触防止対策の実施

・高所作業における作業床の設置、安全帯の着実な使用などの墜落・転落防止対策の実施

・「交通労働災害防止のためのガイドライン」に基づく対策の実施

 

(陸上貨物運送事業)

・「荷役5大災害防止対策チェックリスト」を活用した荷役作業での安全対策の実施

・「交通労働災害防止のためのガイドライン」に基づく対策の実施

 

(林業)

・「チェーンソーによる伐木等作業の安全に関するガイドライン」に基づく対策の実施

 

(製造業)

・リスクアセスメントや機能安全による機械設備の安全対策の実施

・高経年設備に対する優先順位を付けた点検・補修などの実施

 

<ここも社労士(社会保険労務士)の出番>

企業が守るべき労働関係法令は、労働基準法ばかりではありません。

もともと労働基準法の中にあった労働安全と労働衛生の規定が増えたこともあり、独立した労働安全衛生法となって強化されたのです。

その内容も、度重なる改正によりかなり詳細なものとなっています。

厚生労働省の緊急要請を受けて、労働基準監督署の監督(調査)も強化されることでしょう。

もし会社に不安な点があれば、信頼できる国家資格者の社労士にご相談ください。

 

2017.09.23.解決社労士

<国民皆保険>

日本では、すべての人々が公的な医療保険に加入し、病気やケガをした場合に誰でも必要な時に必要な医療を、保険を使って受けることができます。

これを国民皆保険といいます。

所得や健康状態にかかわらず、原則としてすべての人が加入し、所得などに応じて保険料を負担する公的な社会保険制度です。

これは、社会全体でリスクを分担することで、経済的な理由で必要な医療が受けられないことがないように配慮されているのです。

ここで「リスク」というのは、望ましくないことが発生する可能性のことをいっています。

 

<自己負担割合>

病院などの医療機関の窓口で保険証を提示することで、原則として医療費の3割の自己負担で医療を受けることができます。

小学校に入る前の子どもは2割、高齢者のうち70歳から74歳までの人も2割、 75歳以上の人は1割の自己負担となっています。

例外的に、70 歳以上の人のうち現役世代並みの所得がある人は、3割となっています。

また、子どもについては、都道府県や市町村などの地方自治体が、独自に自己負担割合を軽減している場合もあります。

 

<高額療養費制度>

3割の自己負担であっても、医療費が高額になることがあります。

家計で医療費負担が過重にならないよう、月ごとの自己負担額が一定の限度を超えた場合に、その超過分については、医療保険から支給を受けることができます。

これが高額療養費制度です。

一般的な所得の人(70歳未満)の限度額は、たとえば医療費が100万円である場合には、月約87,000円です。

 

2017.09.22.解決社労士

<健康保険証の効力>

会社で交付された健康保険証は、退職したり所定労働時間が減ったりして、健康保険の加入条件を満たさなくなると効力を失います。

この場合、保険証は会社を通じて協会けんぽなどの保険者に返却しなければならないのですが、手元にあったとしても使えません。

乾電池は電池切れの状態になっても、新品の電池と見た目は変わりがないのですが使えません。

これと同じように、退職後に保険証を使うことはできません。

このことは、扶養家族が扶養から外れた場合の、その扶養家族の保険証にも当てはまります。

 

<効力切れの保険証を誤って使ってしまうと>

退職後に誤って保険証を病院などの医療機関で使ってしまうと、後日、健康保険で支払われた医療費を、協会けんぽなどの保険者から資格を失った人に直接返還請求しているのです。

繰り返し請求されても返還しない場合は、裁判所へ支払督促申立てや少額訴訟等の法的手続を経て、強制執行(給与、預貯金等の差押え)による回収が行われます。

この場合、返還請求の対象となるのは自己負担額ではなくて医療費の全額です。

たとえば、5万円の医療費について自己負担3割で1万5千円を支払った場合に、返還請求を受けるのは1万5千円ではなくて5万円ということになります。

 

<返還請求の実態>

健康保険の資格喪失後、保険証を返却せずに医療機関等で使用して、協会けんぽから返還請求を行っているケースが全国で発生しています。

資格を失ったら速やかに保険証を返却しましょう。

 

【協会けんぽの法的手続の実施状況】

平成29年7月末累計 全国47支部で7,691件実施

 平成28年度以前    6,728件

 平成29年4月    169件

 平成29年5月    222件

 平成29年6月    307件

 平成29年7月    265件

 

2017.09.21.解決社労士

<再就職手当とは>

雇用保険の失業手当(求職者給付の基本手当)の受給資格の決定を受けた人が、早期に安定した職業に就いた場合に支給されます。

早期に安定した職業に就いた場合」には、自分で事業を開始した場合を含みます。

失業手当(求職者給付の基本手当)を受給していると、「手当をすべてもらい終わってから再就職した方が得」という気持ちになりがちです。

しかし、これでは失業手当が再就職を妨げていることになります。

そこで、再就職手当の制度により、再就職を促進しようというものです。

 

<再就職手当の額>

 

所定給付日数を3分の2以上残して再就職した場合

支給額 = 基本手当日額 × 失業保険の支給残日数 × 70%

 

所定給付日数を3分の1以上残して再就職した場合

支給額 = 基本手当日額 × 失業保険の支給残日数 × 60%

 

早く再就職したほうが、給付率が高いわけです。

 

<受給の条件で注意すること>

受給のためには、次のような条件のすべてを満たすことが必要です。

かなり多いのですが、赤文字のところは特に注意が必要です。

・ハローワークで受給手続きをした後、7日間の待期期間満了後に就職(事業開始)したこと。

・再就職の前日までで、基本手当の支給残日数が所定給付日数の3分の1以上あること。

・離職前の事業主に再び雇われたものではないこと。離職した事業所と密接に関連する事業所への再就職ではないこと。

・失業手当(求職者給付の基本手当)の手続きをする前に雇われることが約束されていないこと。

・給付制限期間がある場合には、期間が開始してから1か月以内の再就職の場合は、ハローワークなどの紹介で就職したこと。

・過去3年以内の就職について、再就職手当をもらっていないこと。

・1年を超えて勤務することが確実であること。

 

<ここも社労士(社会保険労務士)の出番>

再就職手当支給申請書は、再就職から1か月以内に所轄のハローワークに提出することになっています。

再就職先の会社は、必要書類の事業主記入欄に記入し、添付書類と共に新規採用者に渡すのですが、これを速やかに行う必要があります。

その一方で、受給の条件を満たしていない人に、条件を満たしているような書類を渡してしまうのは違法受給への加担となってしまいます。

迷うところがあれば、信頼できる国家資格の社労士にご相談ください。

 

2017.09.20.解決社労士

<サービスの内容>

届書・申請書作成支援サービスは、入力できるPDFファイルをホームページからダウンロードし、届書・申請書をパソコンで作成できるサービスです。

サービスの対象となる届書・申請書は29種類あります。

このサービスでは、ホームページやメールでの申請はできません。

必要事項を入力・記入した申請書を印刷のうえ、郵送等で加入している協会けんぽの各都道府県支部へ郵送します。

 

<便利な点>

・記入する項目の説明を参照しながら入力できます。

・記入漏れ等が自動でチェックされます。

・記入漏れ・記入誤りによる再提出の手間が少なくなります。

 

<注意する点>

手書きで記入する項目があります。

入力できる項目は、申請者が記入する欄のみです。

ただし、申請者が記入する欄のうち「被保険者の氏名欄」、「被扶養者のマイナンバー欄」は手書きでの記入となります。

事業主が記入する欄、医療機関が記入する欄は、手書きで記入します。

また、各申請書に押印が必要な場合があります。

 

<ダウンロードの方法>

 

↓ここをクリックして協会けんぽのホームページを表示します。

http://www.kyoukaikenpo.or.jp/

 

左上のほうにある「申請書ダウンロード」の▼をクリックして、必要な書類を選択して「表示」をクリックします。

申請書様式のうち「入力用」と表示されているPDFデータをクリックしてダウンロードします。

 

2017.09.19.解決社労士

<よくある悪い例>

経営者側が「残業は月20時間までにしなさい」「残業禁止」などと言い放つだけなのは最悪のパターンです。

上司、同僚、部下の能力不足を一人で背負いこんで、毎月無理な長時間労働に追い込まれているスーパー社員は、過労死するか退職するかでしょう。

また、サービス残業が発生します。残業しても会社に申告しなければ、上司は黙認してしまうでしょう。あるいは、労働時間の管理がいい加減で、サービス残業に気付かないパターンもあります。サービス残業に耐えられなくなった社員は、退職後に会社に対して未払い賃金を請求します。一人がこれに成功すれば、みんなが同じことをします。

そして、仕事の持ち帰りも発生します。これによって顧客の個人情報や会社の機密が流出します。ありがちなのは、帰宅途中に過労で居眠りしてパソコンを盗まれるという事件です。マスコミに報道されると、会社は社会の信用を失います。

そもそも、安易な残業削減・残業禁止で会社が躍進したという実例はあるのでしょうか?

 

<残業削減目標の設定>

残業の削減を思いついたら、社員一人ひとりの能力と業務内容を具体的に確認して、無理のない目標を設定しなければ失敗します。

これができるのは、適正な社員教育、人事考課、給与・賞与など処遇への反映が正しくできている会社だけです。

 

<繁閑の差の縮小>

忙しい時間帯や繁忙期というのは、部署により個人により時間的なズレがあります。

その人でなければ、その部署のメンバーでなければできない仕事ばかりではありません。

少しでも手の空いている上司や他部署のメンバーが、忙しいところの応援に入れば良いのです。

これができるのは、社員の長期入院や退職者が出た時にあたふたしない会社だけです。

 

<臨時の異動>

多店舗展開の飲食店では、ある店のシフトに穴が開きそうなときに、他店からパート店員やアルバイト店員を借りてくるということが行われます。

人手の足りない部署に、足りている部署から人員を一時的に貸し出すわけです。

これをするためには、労働条件通知書などでどの範囲のお店までの応援がありうるのか、臨時の転勤もありうるのかなど、明確にしておくことが必要です。

 

<多機能化による対応>

ひとり一人の社員が、営業も、販売も、経理も、採用もできるというように多機能化されていれば、忙しいところに応援に入るのは容易です。

多機能化のためには、特別な研修を行ったり、他部署にイベント的に応援に行ったり、ジョブローテーションやキャリアパスを踏まえた計画的人事異動を行ったりの方法があります。

 

<正しい残業削減>

上手に目標を設定し、これを根拠と共に社員に提示する。社員の多機能化を進め、繁忙部署への応援を促進する。そして、応援に入れる社員は、入れない社員よりも一段高く評価して、それにふさわしい処遇とする。

このように残業削減には大変手間がかかります。

しかし少しでも改善を進めれば、生産性が向上し、強い会社、魅力的な会社へと成長していきます。

具体的なことは、信頼できる国家資格の社労士(社会保険労務士)にご相談ください。

 

2017.09.18.解決社労士

<パワハラの公式定義>

法令にはパワハラの定義がありません。

「職場でつらい思いしていませんか?(職場のハラスメントの解決を労働局がお手伝いします)」というパンフレットには、パワハラが次のように説明されています。

 

パワーハラスメント(パワハラ)とは … 同じ職場で働く者に対して、職務上の地位や人間関係などの職場内での優位性を背景に、業務の適正な範囲を超えて、精神的・身体的苦痛を与えられたり、職場環境を悪化させられる行為をいいます。

 

パワハラの被害を受けたと感じた人が「客観的に見てパワハラといえる事実があった」と会社に報告しても、それは被害者の考えているパワハラの定義にあてはまる行為にすぎないということになります。

もしその行為が、加害者のパワハラ定義にも、報告を受けた人のパワハラ定義もあてはまるのであれば、確かにパワハラがあったものとして対応してもらえるでしょう。

しかし、これでは対応してもらえる範囲が狭すぎます。

 

<パワハラの社内定義>

就業規則に、その職場独自の具体的な定義が規定されていて、従業員に周知されていれば、被害者はその定義に当てはまる具体的な行為があったことを主張すれば良いのです。あとは事実の存否のみが問題となります。

反対に、社内にパワハラの定義がなければ、何がパワハラに当たるのかは不明確ですから、どのような行為が問題なのかは分かりません。

こうした職場では、必ずパワハラがあるでしょうし、あれば野放しにされがちです。

こうした環境では、採用難だというのに退職者が出やすくなっています。

 

<パワハラの性質>

パワハラは業務上必要な指導・激励・叱責と一体的に行われます。ここがパワハラの厄介なところです。

この点、業務には全く必要のないセクハラとは明確な違いがあります。

ですから、パワハラの理解が浅い人にパワハラ被害を訴えても、「それはお前がちゃんとしないからだ。反省して頑張りなさい」などと言い返されてしまいます。

 

<パワハラ被害の上手な報告>

以上のことを踏まえ、パワハラの定義がない会社で被害にあったなら、受けた行為のうち業務上必要のない行為に焦点を当てて、いつ、どこで、どのような状況で、どういう具体的事実があったのかを客観的に報告しましょう。

決して感情的になってはいけません。感想や気持ちは、たずねられたら答えるようにした方が説得力が増すものです。

内容をメモにまとめて、そのメモを見ながら報告することをお勧めします。

 

2017.09.17.解決社労士

<引上げの終了>

厚生年金の保険料率は、年金制度改正に基づき平成16年から段階的に引き上げられてきましたが、今年9月を最後に引上げが終了し18.3%で固定されることになります。

9月に最後の引上げが行われるということは、保険料が後払いであることから、10月納付分をもって引上げが終了するということです。

 

<これまでの引上げ>

平成16年の年金制度改正で、急速に進行する少子高齢化を見据え、将来にわたり年金制度を持続的で安心できるものとするため、給付と現役世代の負担の両 面にわたる見直しが実施され、上限を決めた上での保険料の引上げや、マクロ経済スライドによって年金の給付水準を自動的に調整する新たな年金財政の仕組みが構築されました。

この仕組みに基づき、厚生年金保険料率は平成16年10月の13.934%から毎年 0.354%ずつ引き上げられてきました。

 

<引上げ終了の影響>

厚生年金保険料率の引上げが終了したことで、基礎年金国庫負担の3分の1から2分の1への引上げと合わせて、収入確保の仕組みは完成しました。

今後は、この「決められた収入の範囲で、年金の給付水準をいかに確保していくか」ということが課題となります。

年金の給付水準については、平成26年に公表された「平成26年財政検証結果」で、「日本経済が再生し、女性や高齢者の方の労働参加が進めば、将来にわたって、年金の給付水準を表す指標である所得代替率は50%を上回る」ということ が確認されています。

つまり、女性や高齢者の活用は、単に女性の地位向上を狙った政策なのではなく、年金の給付水準を維持するためにも必要な政策なのです。

 

<国民年金の保険料>

国民年金保険料は、平成16年度の価格水準を基準として引上げが行われており、今年4月に引上げが終了しています。

具体的な保険料は、平成16年度の価格水準で月額16,900円とされ、名目賃金の変動に応じて毎年度改定されることになっています。(平成29年度の保険料額は月額16,490円)

なお、次世代育成支援のため産前産後期間の保険料免除制度が施行されたことに伴い、平成31年4月から国民年金第1号被保険者(自営業の方など)に対して、平成16年度の価格水準で保険料が月額 100円引き上がります。

 

2017.09.16.解決社労士

<受給資格期間の短縮>

年金機能強化法の改正により、年金受給資格期間が25年から10年に短縮されました(平成29年8月)。

受給資格期間というのは、原則65歳から老齢基礎年金を受給するための条件となる期間で、次の3つの期間の合計です。

A.厚生年金保険や国民年金の保険料を納付した期間

B.国民年金の保険料の納付を免除された期間

C.合算対象期間(カラ期間)

 

<C.合算対象期間(カラ期間)>

上の3つのうち、A.とB.は原則として年金事務所で確認できます。

しかし、C.は一人ひとりが個人的に把握している事実ですから、年金事務所で確認できることはほとんどありません。

ですから、カラ期間は自分で確認するしかないのですが、主なものだけでも次のようにたくさんありますから、すべてを確認するのは大変です。

それでも、「本当に自分は老齢年金をもらえないのか」を知るには、A.とB.の期間が両方ともゼロでない限り、可能性は残されていますので確認するしかありません。

 

●主な合算対象期間(※は20歳以上60歳未満の期間に限ります。)

 

【昭和61年4月1日以降の期間】

1.日本人であって海外に居住していた期間のうち国民年金に任意加入しなかった期間

2.平成3年3月までの学生(夜間制、通信制を除き、年金法上に規定された各種学校を含む)であって国民年金に任意加入しなかった期間

3.第2号被保険者としての被保険者期間のうち20歳未満の期間又は60歳以上の期間

4.国民年金に任意加入したが保険料が未納となっている期間

5.昭和36年5月1日以降に日本国籍を取得した方又は永住許可を受けた方の、海外在住期間のうち、取得又は許可前の期間

 

【昭和36年4月1日から昭和61年3月31日までの期間】

1.厚生年金保険、船員保険及び共済組合の加入者の配偶者で国民年金に任意加入しなかった期間

2.被用者年金制度等から支給される老齢(退職)年金受給権者とその配偶者、老齢(退職)年金の受給資格期間を満たした人とその配偶者、障害年金受給権者とその配偶者、遺族年金受給権者で国民年金に任意加入しなかった期間

3.学生(夜間制、通信制、各種学校を除く)であって国民年金に任意加入しなかった期間

4.昭和36年4月以降の国会議員であった期間(昭和55年4月以降は国民年金に任意加入しなかった期間)

5.昭和37年12月以降の地方議員であった期間で、国民年金に任意加入しなかった期間

6.昭和36年5月1日以降に日本国籍を取得した方又は永住許可を受けた方の、外国籍であるために国民年金の加入が除外されていた昭和56年12月までの在日期間

7.昭和36年5月1日以降に日本国籍を取得した方又は永住許可を受けた方の、海外在住期間のうち、取得又は許可前の期間

8.日本人であって海外に居住していた期間

9.厚生年金保険・船員保険の脱退手当金を受けた期間(昭和61年4月から65歳に達する日の前月までの間に保険料納付済期間(免除期間を含む)がある人に限る)

10.国民年金の任意脱退の承認を受けて、国民年金の被保険者にならなかった期間

11.厚生年金保険、船員保険の被保険者及び共済組合の組合員期間のうち、20歳未満の期間又は60歳以上の期間

12.国民年金に任意加入したが保険料が未納となっている期間

 

【昭和36年3月31日以前の期間】

1.厚生年金保険・船員保険の被保険者期間(昭和36年4月以降に公的年金加入期間がある場合に限る)

2.共済組合の組合員期間(昭和36年4月以降に引き続いている場合に限る)

 

<C.合算対象期間(カラ期間)が長い場合>

10年短縮年金がもらえるかもしれないと思い、カラ期間を確認してみたら、年金受給資格期間が10年どころか25年を超えてしまったという場合もあります。

10年短縮年金であれば、平成29年9月分を10月に受給し始めます。ところが、受給資格期間が長くて通常の老齢年金を受給する権利が判明すると、時効で権利が消滅した分を除き過去の年金もさかのぼって受給できます。

しかも、25年というのは原則で、様々な短縮特例もありますから、カラ期間は思いつく限りかき集めて計算することをお勧めします。

 

<ここも社労士(社会保険労務士)の出番>

カラ期間の一覧表を見ても、確かにわかりにくいと思います。また、カラ期間が判明した場合には、年金の受給手続きで証明資料が必要になります。

具体的なことは、お近くの年金事務所か信頼できる社労士にご相談ください。

 

2017.09.15.解決社労士

<就業規則の軽視>

就業規則が作成されたとき、あるいは変更されたとき、それを全従業員が見られるようにしておいたのに、誰も関心を示さず読まれないということがあります。

社労士(社会保険労務士)に就業規則の作成・変更を委託したのなら、併せて説明会の開催も任せればこうした事態は生じないのですが、通常は別料金なので省略されることもあります。

 

<食い違い判明時の対応>

就業規則ができた時点で、従業員から社内の実態と違う部分があることを指摘されることもあります。この場合には、会社は従業員の意見を参考にしつつ、変更を検討すべきでしょう。

就業規則を実態に合わせて改定するか、実態を改めて就業規則に合わせるか、あるいは別のやり方を決めて就業規則に反映させるかということになります。

 

<食い違いが継続した場合>

たとえば、所定労働時間が8時間であるものとして、全従業員がそのように勤務していたとします。この場合には、8時間労働が社内の共通認識であり慣行となっています。

雇い入れ通知書にも、所定労働時間は8時間と記載されているでしょうし、給与計算でも8時間労働が前提となっています。

ところが、退職予定者がふと就業規則を見たところ、所定労働時間は7時間と規定されていたらどうでしょう。

 

<就業規則の効力>

就業規則で定める基準に達しない労働条件は無効となり、就業規則で定める基準が適用されるという規定があります。〔労働契約法12条〕

労働条件のうち所定労働時間は、短い方が労働者に有利ですから、雇い入れ通知書や労働契約書に8時間労働と書かれていても、就業規則の7時間労働の方が有効になります。

これは、8時間労働が長年の慣行となり、全従業員の共通認識となっていたとしても結論は変わりません。

 

<誤りが明らかな場合>

よくよく調べてみたら、就業規則が最初から間違っていた、あるいは昔変更したときに誤って7時間労働にしてしまっていたことが判明したとします。

この場合、月給制であれば1日あたり1時間分の賃金の支払い漏れがあったことになり、従業員から会社に対して未払い賃金の請求をすることができます。

会社は誤った就業規則を周知し、従業員はその就業規則をきちんと読んで誤りを指摘しなかったのですから、責任は半々のような気もしますが、裁判などでは会社が全責任を負うと判断されています。〔「甲商事事件」東京地裁平成27年2月18日判決〕

就業規則を作成・変更する会社側に責任があると認定されるわけです。

 

<ここも社労士(社会保険労務士)の出番>

就業規則の規定と実態との食い違いを放置しておくことは、それが法令違反ではなくても、会社に大きな損害をもたらす原因となりえます。

就業規則のことは、信頼できる国家資格の社労士にご相談ください。

 

2017.09.14.解決社労士

<会計検査院の存在根拠>

会計検査院については、日本国憲法に次の規定があります。

 

第九十条 国の収入支出の決算は、すべて毎年会計検査院がこれを検査し、内閣は、次の年度に、その検査報告とともに、これを国会に提出しなければならない。

2 会計検査院の組織及び権限は、法律でこれを定める。

 

憲法に規定された組織ですから、国家レベルで重要な組織であることは明らかです。

 

<会計検査院の役割>

そして、会計検査院の組織及び権限は、憲法の規定に従い会計検査院法に定められています。

しかし、会計検査院法の条文を読んでも、その役割は簡単に理解できるものではありません。

むしろ、会計検査院のホームページの最初に記載されている次の説明がわかりやすいと思います。

 

会計検査院は、国の収入支出の決算、政府関係機関・独立行政法人等の会計、国が補助金等の財政援助を与えているものの会計などの検査を行う憲法上の独立した機関です。

 

結局、国に入るべきお金がきちんと入っていること国から出て行くべきではないお金が出て行っていないこと、この2つをチェックしているわけです。

国の財源は税金が中心です。国のお金が不足すれば、増税されることになります。国に入るべきお金がきちんと入らないと、増税に結びつくわけですから、我々国民も企業も大いに迷惑します。

また、国から出て行くべきではないお金が出て行ってしまっても、国のお金が不足することになり、やはり増税に結びつきます。

会計検査院は、こうしたことが起こらないように、国のお金の流れをチェックしているのです。

 

<国に入るべきお金がきちんと入っているかの調査>

たとえば、所轄の労働基準監督と会計検査院が一緒に企業の調査に入ることがあります。

企業が正しく労災保険や雇用保険の対象者を確定し、正しく保険料を納めていないと、国に入るべきお金がきちんと入らない恐れがあります。そこで、労災保険と雇用保険の保険料を納める手続きである労働保険年度更新が正しく行われている必要があります。

ここで、年度更新の手続きを管理しているのは基本的に所轄の労働基準監督署ですから、労働基準監督署が年度更新の内容を再確認するのを会計検査院がチェックするという二段構えになります。

こうした場合、当然ですが一番緊張するのは労働基準監督署の職員の方々です。

またたとえば、所轄の年金事務所と会計検査院が一緒に企業の調査に入る場合もあります。この場合には、社会保険の加入対象者や加入時期が正しいことや、保険料の計算が正しいことについて、定時決定(算定基礎届)の内容などについて再確認が行われます。

 

<国から出て行くべきではないお金が出て行っていないかの調査>

たとえば、所轄のハローワークと会計検査院が一緒に企業の調査に入る場合があります。

就職した後も失業手当(求職者給付の基本手当)を受給している人がいないか、関連企業への転職なのに再就職手当を受給していないかなど、給付すべきではないお金が支給されていないかをハローワークが再確認し、それを会計検査院がチェックするのです。

ここでも、一番緊張するのはハローワークの職員の方々です。

 

<ここも社労士(社会保険労務士)の出番>

社労士は会計検査院の調査や労働基準監督署の監督に立会うことも、国家資格者としての立場で業務として行っています。

もちろん立会いだけでなく、その後の報告書の作成・提出のフォローや代行も行っています。

きちんと対応しておくと、お世話になっている労働基準監督署、ハローワーク、年金事務所の皆さんに感謝されるわけですから、メリットは大きいと思います。

調査が入るとわかったら、あるいは抜き打ちの調査を受けたら、信頼できる国家資格の社労士にご相談ください。

 

2017.09.13.解決社労士

<求人広告と実際の労働条件との関係>

求人広告は、あくまでも広告に過ぎません。これに応募したからといって、必ず採用されるわけではありません。

また、求人広告に「月給20万円~25万円」などと書いてあって、具体的な金額は採用面接の中で決まるという場合もあります。

さらに、事務職で応募したところ、「他の応募者で採用枠が埋まってしまったけれど、営業職に欠員が1名出たのでいかがでしょうか」と打診されて、これに応じるというのは普通に行われていることです。

このように、求人広告と実際の労働条件とが異なる場合に、採用側が新たな労働条件を明示していれば問題ないのです。そして、職業安定法5条の3第3項も、平成30年1月1日付で、この内容を盛り込む形に改正されます。

 

<説明が不十分なケース>

採用面接の中で、たとえば上記のように「他の応募者で採用枠が埋まってしまったけれど、営業職に欠員が1名出たのでいかがでしょうか」と打診された応募者が、過度の緊張のあまり内容をよく理解しないまま「はい」と生返事してしまうことがあります。

この場合でも、採用側が新たな労働条件を書面で明示していて、応募者が後からその書面を確認していれば問題ないのです。

しかし面接者が「あれだけ具体的に説明したし、理解してもらえただろう」と満足して、説明の内容を書面で交付しないのは危険です。

 

<問題のあるケース>

採用が決まって労働契約を締結する際の労働条件明示義務については、30万円以下の罰金が定められています。〔労働基準法120条〕

労働契約の締結は口頭でもできますが、雇い主は労働者に対して、労働条件を書面で明示する義務を負っているのです。

ところがブラック企業では、最初の給与支払額を見て不審に思った労働者が会社に確認すると「あなたの場合には能力不足だから給与は半分しか支払えない」などの回答が返ってくるケースがあります。

また、求人広告では正社員募集だったのに、後から契約期間6か月の契約社員だと言われたりもします。

これらは、入社にあたって労働条件の明示が無い点で問題があります。

 

<ここも社労士(社会保険労務士)の出番>

特にブラック企業というわけではないのに、入社にあたって「労働条件通知書」などを交付しない会社もあります。

経営者が労働基準法の規定を知らないだけのこともあります。また、労働条件の決め方に迷っている場合もあります。

しかし、新人から「実際の労働条件が求人広告と違う」という話が出るのは大いに問題です。

つまらないことで罰則を適用されたり、会社の評判が落ちたりしないように、労働条件の決め方、変え方、通知の仕方については、信頼できる社労士にご相談ください。

 

2017.09.12.解決社労士

<問題社員の知識レベル>

問題社員というのは「良いことの原因は自分、悪いことの原因は他人」と思い込み、義務は果たさず権利を濫用して退職後に会社を訴えるような社員です。

こうした問題社員は、労働法関連の知識が豊富であるかのように見せることが多いものです。ところが実際には、正しい知識が少なくて、体系的な理解が不足しているようです。

その原因としては、法律関係の知識を吸収する際に、自分に都合よく独自の解釈を加えてしまうこと、コツコツと地道な努力を重ねるのは嫌いなので専門書を通読しないことなどが考えられます。

 

<問題社員から要求があったとき>

問題社員から会社に対して、脅しとも取れるような強烈な要求が出されることもあります。

この要求の中には、正しいこと、誤ったこと、単なる勘違いが含まれ、区別の難しい形で一体化しています。

立場上こうした要求に耳を傾ける人は、事実と主張とを明確に区分して聞き取らなければなりません。

そして、事実については、なるべく具体的に話の内容を明らかにすることと、どのようにしてその事実を認定したのかも聞いておく必要があります。

一方、主張についても具体的な内容を明らかにすることが必要ですが、それ以上に、会社にどうして欲しいのかを明確にしなければなりません。

こうして聞き取りをした人は、その場で結論を出してはいけません。少なくとも、聞き取った事実が真実かどうかの確認はしなければならないのですから、安易に結論を出せないのです。

 

<社労士(社会保険労務士)へのご連絡のタイミング>

問題社員から「話がある」と言われ、それが会社に対する何らかの要求であると判明した場合、話を聞くのは上司や人事部門の責任者の業務であっても、話をするのは問題社員の業務ではありません。

ですから、後日改めて話を聞くことにして日時を指定することもできます。そして、対応方法について社労士と協議するのがベストです。

このタイミングを逃しても、正しく聞き取りができていれば、その後の対応について協議ができます。

事実の真否を確認するのは社内のメンバーで行い、主張の正当性の確認は労働法令の専門家である社労士が行うというように役割を分担することもできます。

もしこのタイミングを外して、会社なりの対応をした結果、問題社員がその対応を不満に思い、労働審判に持ち込んだような場合には、弁護士の先生がメインとなって対応する局面に進んだと判断されます。

もし、まだ法的手段に出ていないような場合なら、会社が主体となって労働局の斡旋(あっせん)を利用することもできます。この場合、特定社労士に委任することが可能です。

 

<問題社員への指導>

勤務態度や他の社員への干渉について、上司などから問題社員に指導をする場合があります。

ここで注意しなければならないのは、注意指導の根拠を明らかにしたうえで行うということです。なんとなく、常識的に、ビジネスマナーとしてというのでは、強い抵抗を受けてしまいます。

根拠としては、就業規則、労働契約、法令、社内ルールとなりますが、文書化されていないものは根拠として弱すぎます。この点、就業規則が無かったり、労働条件通知書の交付を怠っているような会社で、問題社員を採用してしまったり、発生させてしまったりした場合には大きなリスクを抱えることになります。

現時点で会社に存在する就業規則や労働契約で対応しきれないと感じた場合にも、信頼できる国家資格の社労士(社会保険労務士)にご相談ください。本当に対応できないかを確認し対応方法をご提案いたします。

 

2017.09.11.解決社労士

<有効求人倍率の推移>

厚生労働省によると、有効求人倍率は平成21年度に0.5弱で底入れし、平成28年度から平成29年度は1.3から1.5で推移しています。

有効求人倍率というのは、ハローワークに登録されている求職者に対する求人数の割合のことをいいます。「有効」が付いているのは、求人・求職の申し込みに有効期限があって、有効期限内のもの全体で計算しているからです。

計算式で示すと次のようになります。

 

「企業が働いて欲しい人数」÷「働きたいと思って仕事を探している人数」

 

数字が大きいほど「なかなか採用できない」ということで企業側が困ります。

数字が小さいほど「なかなか就職できない」ということで労働者側が困ります。

平成21年度には、採用されることが困難であり就職難でした。

今では、採用することが困難で採用難です

 

<就職困難期の権利主張>

会社から労働者の権利を侵害されて不満を持ったとしても、多少のことであれば労働者は我慢します。なぜなら、不満を示すことによって、会社から悪く思われ労働条件を下げられたら困るからです。なにしろ、転職は困難ですから今の会社に残るしかないからです。

そして、もし解雇を宣告されたら、不当解雇であり解雇は無効であると主張します。社員としての権利を有する地位にあることの確認を求めて、斡旋(あっせん)や労働審判そして労働訴訟を利用するのです。

つまり、会社に残ることを前提に権利の主張をします。これはある意味、愛社精神の現われでもあります。

 

<採用困難期の権利主張>

会社から労働者の権利を侵害されて不満を持てば、会社にぶつけることが当たり前になってきます。なぜなら、会社から反撃されて嫌な思いをしたら辞めればいいのですから。

そして、もし解雇を宣告されたら不当解雇を主張しますが、慰謝料を含めた損害賠償を請求し、職場に戻ることにはこだわりません。あくまでも金銭解決です。

さらに、採用困難期には就職困難期とは異質の労働紛争が発生します。

まず、入社と退職が盛んになりますから、形成された人間関係が簡単に崩壊し、どこかの時点で好ましくない人間関係となって、パワハラやセクハラなどのハラスメントが発生しやすくなります。この人間関係が原因となって、一層、退職者が出やすくなります。

つぎに、転職が容易なため転職に伴うトラブルが増えます。退職者が顧客情報を持ち逃げしたり、ライバル会社に転職したりが発生します。企業機密や個人情報の管理の強化とともに、社員教育やこうした不都合を発生させない仕組みづくりが必要です。

そして、最近急増しているのが、会社を辞めたいのに辞めさせてもらえないという労働相談です。会社側から見ると、強引な引き留めが労働者の権利侵害となり労働紛争になってしまうということです。

 

<ここも社労士(社会保険労務士)の出番>

このように、現在の採用困難期では労働者が会社を辞める前提で権利を主張し争ってきます。つい数年前の就職困難期には、労働者が会社に戻りたくて争っていたので、同じ争うのでも手加減が感じられました。しかし今は、退職者が会社と争うときには手加減がありません。

こうした労働市場環境で、トラブルが発生したらあわてて弁護士の先生に依頼するというのはどうでしょう。労働紛争がこじれたら会社が失うのは金銭ばかりではありません。

トラブルの小さな火種を発見し未然に防ぐには、信頼できる国家資格の顧問社労士を置いておくのが得策だと思います。

 

2017.09.10.解決社労士

<問題社員とは>

「良いことの原因は自分、悪いことの原因は他人」と思い込み、義務は果たさず権利を濫用して退職後に会社を訴えるような社員です。

 

<問題社員の結果の結果>

こういう社員が上手く立ち回って会社から金銭的な利益を得ると、次から次へと真似をする社員が出てきます。

会社から得る金銭的な利益は、賃上げ、未払い残業代、年次有給休暇の買い上げ、退職金の上乗せ、慰謝料、解決金、和解金、口止め料など多岐にわたります。正当な権利の行使を超えて、恐喝まがい詐欺まがいなものも出てきます。

そして、会社の中の小さな不平等や小さな不公平が原因で、問題社員の真似をしたくなる社員は多いのです。

真面目に働いている社員は、会社から不当な利益を得ようとはしないでしょう。ただ、真面目に働いているのがばかばかしくなります。問題社員が会社の悪い所を徹底的に指摘するので、会社の魅力も低下します。辞めたくなったり、意欲が低下したりは仕方のないことです。

ここまでくると、お客様にも、お取引先にも、近隣にも、金融機関にも評判は良くないはずです。会社の経営は上手くいくはずがありません。

 

<問題社員の原因の原因>

以前いなかった問題社員が入社してくるのは、思ったような応募者が少なくて、究極の選択によって、少し問題を感じる人でも妥協して採用してしまうからです。

こうした採用難の原因は少子高齢化なのですが、一企業が少子高齢化を解消することはできませんので、良い応募者を増やす知恵を絞りたいところです。

まず、仕事の内容を中学生にもわかるように具体的に示すことです。

つぎに、会社や商品・サービスの魅力、仕事のやりがい、交通の便、近隣の環境、社長のキャラクター、長く働いている人の感想やチョッとしたエピソードなど、求職者が応募したくなるメリットを明らかにします。

反対にデメリットも明かします。なぜなら、良いことばかりを並べると信用されないからです。あえて会社の悪い面を少し加えることで、求人に対する信頼がグッと高まるのです。

それでもこうしたアピール情報を公開できないとしたら、それは会社や仕事に魅力が無いからです。上手いこと良い人をひっかけようとするのではなくて、正面から魅力ある会社に変えていく必要があります。

最低でも、労働基準法など労働関係法令に対する違反は解消しないと、ブラック企業のレッテルを貼られる恐れがあります。

 

<ここも社労士(社会保険労務士)の出番>

採用難の中、即戦力にできる人材を確保するための採用も、万一問題社員を抱えてしまった場合の対応も、信頼できる国家資格の社労士にご相談ください。

 

2017.09.09.解決社労士

<厚生労働省の概算要求>

平成30年度厚生労働省所管予算概算要求関係の資料が発表されました。その中で、働き方改革に関連する戦略的な重点要求(ポイント)は、次のように示されています。

 

同一労働同一賃金など非正規雇用の処遇改善

 ・「同一労働同一賃金導入マニュアル」の作成・周知啓発

 ・ キャリアアップ助成金の新たな加算の仕組み創設

 

長時間労働の是正や柔軟な働き方がしやすい環境整備

 ・ 労働時間の縮減等に積極的な企業等への助成金の拡充

 ・ 医療従事者・トラック運転者・建設業従事者など、業種ごとの取組の支援

 ・ 雇用型・自営型テレワークの就業環境の整備

 ・ 副業・兼業の普及推進

 

生産性向上、賃金引上げのための支援

 ・ 介護や生活衛生の分野における生産性向上のためのガイドライン作成

 ・ 保育・介護事業所におけるICT化の推進や介護ロボットの活用促進

 ・ 生産性向上に資する設備投資への助成など雇用管理改善に対する支援

 

女性・若者の活躍の推進

 ・ 子育て等により離職した正社員女性等の復職の支援

 ・ 男性の育児休業の取得促進

 

人材投資の強化、人材確保対策の推進

 ・ 雇用管理改善に対する助成

 ・ 介護未経験者への入門的研修

 

治療と仕事の両立、障害者・高齢者等の就労支援

 ・ 両立支援コーディネーターの育成・配置の推進

 ・ ハローワークへの専門職員の配置などによる精神障害や発達障害などの支援

 ・ 継続雇用等を行う企業への助成の拡大

 

<働き方改革の特色>

働き方改革は、20168月に安倍政権が閣議決定した経済対策です。働き方の抜本的な改革を行い、企業文化や社会風土をも含めて変えようとするものです。

労働基準法などが、立法権(国会)により制定・改正されて、企業と労働者との間に介入するのとは違い、行政権(内閣)が企業に働きかけ、やがては社会風土をも変革しようとするものです。

それでも、働き方改革が働く人の視点に立ち、企業文化、ライフスタイル、働き方を変革させようとするものである点では、労働基準法などと同じ視点に立っているといえます。

 

<注意したい業種>

「長時間労働の是正や柔軟な働き方がしやすい環境整備」という項目の中に、医療従事者、トラック運転者、建設業従事者が具体的に示されています。

ここの部分は、労働者である医療従事者、トラック運転者、建設業従事者を救うため、行政が介入する意図を示していると考えられます。

 

<医療従事者の労働条件の改善>

医療従事者、特に医師は高給取りであることが多く、残業代など必要ないと勘違いされ、また、人の命を預かる仕事なので、長時間労働もやむを得ないという風潮があります。

たしかに、病院や医師と患者との関係は、患者のためにベストを尽くす委任契約でしょう。しかし、病院と医師との関係は雇用契約です。労働基準法も労働安全衛生法も、その他の労働法も適用されます。

最近になって、若手医師やインターンなどから、病院に対して残業代を請求する訴訟が提起され、最高裁で病院側敗訴の判決が出るようになって注目を集めています。

病院側が医師を労働者として扱わず、労働基準法違反を続けていたのですが、これを不服に思った医師が訴えたら、病院側が敗訴したので全国の病院が驚いたというわけです。

特定の業界や業種の中で、法令違反の慣行が続いていたところ、誰かが訴えを起こして、その慣行が間違いであることが公にされてしまうと、急いで是正しないと経営が危険にさらされてしまいます。

 

<トラック運転者、建設業従事者の労働条件の改善>

トラック運転者や建設業従事者は、1回現場に出ていくらの賃金という扱いをされることが多いのです。会社とこれらの労働者との間に請負契約があるかのように扱われています。しかし、会社の指定した時間に現場に行き、会社の指示に従って働いているのですから雇用契約です。もちろん、労働基準法の適用がありますから、残業手当も、年次有給休暇もあります。

最近になって、過労死の問題が多発したこともきっかけとなり、これらの業界の従事者が自分たちの権利を強く認識するようになりました。退職後に会社に対して多額の未払い残業代を請求することも珍しくなくなりました。一人が上手くいくと、仲間も真似をするというパターンで、会社の経営が危機にさらされることもあります。

 

<ここも社労士(社会保険労務士)の出番>

近々病院、運送業、建設業に行政のメスが入るのは、厚生労働省の予算関連の情報を見ても明らかです。

働き手の皆さんから一斉に権利を主張される前に、あるべき姿を整えてしまうのが、経営者側にとって大切だと思います。

具体的なことは、信頼できる社労士にご相談ください。

 

2017.09.08.解決社労士

<親の口座への振り込み>

アルバイトの親から「バイト代を私の口座に振り込んで欲しい」というご要望があっても、会社は応じることができません。

アルバイト本人から「バイト代が自分の口座に入ると遊びに使ってしまう。将来のために貯金したいので、親の口座に振り込んで欲しい」と言われたら、これには応じたくなるでしょうか。

しかし、本人からの話であっても、親から言わされているだけかもしれません。現実に子どもを食い物にする親はいるのです。

 

<賃金直接払いの原則>

労働基準法に次の規定があります。

 

(賃金の支払)

第二十四条 賃金は、通貨で、直接労働者に、その全額を支払わなければならない。(以下略)

 

つまり、親子だろうと夫婦だろうと、労働者本人に代わって賃金を受け取らせてはいけないというルールがあるのです。

社員夫婦が会社に現れて、「夫に給料が振り込まれるとすぐにギャンブルで使ってしまうので、妻の口座に振り込んで欲しい」という連名の要望書を提出しようとも、会社は応じることができません。

アルバイトが自分名義の口座を持っていないのなら、現金で支払うか新たに口座を開設してもらうか、いずれにせよ直接本人に支払わなければなりません。

 

<国税滞納処分なら>

賃金直接払いの原則にも例外はあります。

たとえば、労働者が国の税金を滞納し国税徴収法による国税滞納処分を受けた場合や民事執行法に基づく差押えがされた場合には、賃金の一部を国や債権者に支払うということがあります。

 

<ここも社労士(社会保険労務士)の出番>

労働者の便宜を図っているつもりが、法令違反ということがあります。特に労働関係法令は、労働者保護の要請という原則が強く反映されていますので注意が必要です。

会社が足元をすくわれないように、労働条件審査あるいは簡易な経営労務チェックを受けることをお勧めします。詳しくは、信頼できる社労士(社会保険労務士)にご相談ください。

 

2017.09.07.解決社労士

<就業規則を作るきっかけ>

会社を設立し、いつか従業員を雇い入れる予定があるのなら、すぐに就業規則を作るようお勧めします。一人でも適用対象者がいるのであれば、不利益変更という厄介な問題が出てきますが、誰も適用対象者がいないのであれば変更は自由です。思い立った時に変更をかけていけば、会社にぴったりの就業規則が完成してから従業員を雇い入れるという理想的な形になります。

 

<ありがちな先送り>

労働基準法には、次の規定があります。

 

(作成及び届出の義務)

第八十九条 常時十人以上の労働者を使用する使用者は、次に掲げる事項について就業規則を作成し、行政官庁に届け出なければならない。次に掲げる事項を変更した場合においても、同様とする。

一  始業及び終業の時刻、休憩時間、休日、休暇並びに労働者を二組以上に分けて交替に就業させる場合においては就業時転換に関する事項

二  賃金(臨時の賃金等を除く。以下この号において同じ。)の決定、計算及び支払の方法、賃金の締切り及び支払の時期並びに昇給に関する事項

三  退職に関する事項(解雇の事由を含む。)

三の二 退職手当の定めをする場合においては、適用される労働者の範囲、退職手当の決定、計算及び支払の方法並びに退職手当の支払の時期に関する事項

四  臨時の賃金等(退職手当を除く。)及び最低賃金額の定めをする場合においては、これに関する事項

五  労働者に食費、作業用品その他の負担をさせる定めをする場合においては、これに関する事項

六  安全及び衛生に関する定めをする場合においては、これに関する事項

七  職業訓練に関する定めをする場合においては、これに関する事項

八 災害補償及び業務外の傷病扶助に関する定めをする場合においては、これに関する事項

九 表彰及び制裁の定めをする場合においては、その種類及び程度に関する事項

十 前各号に掲げるもののほか、当該事業場の労働者のすべてに適用される定めをする場合においては、これに関する事項

 

一目見て就業規則作りをあきらめたくなるような規定です。しかも、最初の方に「十人以上の労働者を使用する使用者」と書いてありますから、「まだいいや」と先送りしてしまうのが人情です。

 

<現実的な就業規則の作成時期>

私は、なるべく早く就業規則作りに取りかかることを強くお勧めしています。

ところが実際には、「そろそろ従業員の人数が二ケタになりそう」「労働基準監督署の監督が入って勧告を受けた」というタイミングで、就業規則の作成を依頼してくるお客様が多いのです。

こうした場合でも、形ばかりの就業規則を作成して労働基準監督署長に届け出るのは、「百害あって一利なし」と言えます。

・従業員が就業規則を守らない。そもそも理解していない。

・経営理念や経営方針が従業員に伝わらない。そもそも就業規則に無い。

・従業員から就業規則について質問されると経営者はお手上げ。

・退職者が就業規則に基づき会社に対して多額の金銭を要求してくる。

 

<ここも社労士(社会保険労務士)の出番>

社労士は、就業規則のプロフェッショナルですから、会社の実情に合った、経営者の思いを反映した就業規則を作成します。紛争の火種になるような規定は置きません。

「労働基準監督署の監督が入って勧告を受けた」というのであれば、自ら所轄の労働基準監督署に足を運び、作成や届出の計画を説明してきます。

従業員に対する説明会も実施しますし、運用のフォローもします。法改正などにより、就業規則改定の必要が発生すれば、その都度ご案内いたします。

就業規則の作成や変更については、信頼できる社労士にご相談ください。

 

2017.09.06.解決社労士